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インタビュー

【RIZIN】上迫博仁「僕が出ることによっていろんな感情が動いていたと思います。上迫が選ばれて良かったな、と言ってもらえるような試合ができれば」=10月12日(土)大阪

2019/10/01 17:10
【RIZIN】上迫博仁「僕が出ることによっていろんな感情が動いていたと思います。上迫が選ばれて良かったな、と言ってもらえるような試合ができれば」=10月12日(土)大阪

10月12日(土)の『RIZIN.19』エディオンアリーナ大阪大会にて開幕する「ライト級GP」1回戦で、ルイス・グスタボ(ブラジル)と対戦する上迫博仁(Team Cloud/和術慧舟會HEARTS)が1日、所属ジムでDEEPファイターの涌井忍を受け手に公開練習を行った。

2Rのマススパーリングでは、サウスポーに構えての打撃、時折スイッチしては、ダブルレッグテイクダウンからの踏みつけ、立ち上がり際のサッカーキックなどを披露した“上迫クルーズ”。

上迫はMMA16勝7敗。第7代DEEPフェザー級王者でPANCRASEのトップランカーとして8月名古屋大会でRIZINに初参戦。イーブス・ランドゥ(15勝8敗)を相手に2R TKO勝ちし、GP出場を決めた。前戦ではランドゥの打撃に追い込まれる場面もあった上迫は、「前回の反省点を活かして、今回は気持ち全開でいける」と明るい表情。充実の調整具合をうかがわせた。

対戦相手のグスタボはMMA9勝1敗。RIZINでは矢地祐介をKO、朝倉未来には判定負けで初黒星を喫している。HEARTSで朝倉兄弟とも練習を積む上迫は、「未来君と(グスタボが)試合をやったことによって、戦い方は見えた」と研究対策に自信。さらにともに大阪大会に出場する海についても「RIZIN.18、19で一緒に試合に出られるのは練習仲間として嬉しい。海君はメイン(クラス)を張って、僕も頑張っていかないと、という存在」として、刺激を受けていることを語った。

また、ほかGP出場選手で特に戦いたい相手として、「パトリッキー選手。試合を見たときに、ここのポジションで言えば自分が勝てるんじゃないか、と部分的には俺の方が強いんじゃないかなと思える部分があったので、彼とやってみたいとは思っていました」と、Bellatorからの刺客との対戦を希望した。

未来君と試合をしたことによって、戦い方は見えた

──先日の抽選会はほとんど運任せの部分が大きかったですが、選手としてはどういうお気持ちでしたか?

「そうですね。もう……僕は自分の運を信じてカードを引いただけなので。でも“持ってるな”と思いました(笑)」

──“持ってる”というのは?

「自分が予想していたものに近い想定同士でした」

──日本勢がばらけました。

「それは嬉しかったですね。どこか被るかなと思ったんですけど、日本勢が全員バラバラになって。全員が大晦日に残れば、すごい日本の格闘技が盛り上がると思います」

──対戦相手が決まった瞬間は?

「目星というか、自分なりに誰がきても大丈夫なようにはしていました。でもある程度は絞っていて、そのうちの一人がグスタボでした。やることにはなるだろうとは思っていたので」

──グスタボ選手の印象は?

「グスタボ選手はすごくアグレッシブで気持ちが強い選手なので、そこはやっぱり噛み合うというか、面白い試合にはなるんじゃないかなと思いますね」

──願ったり叶ったりですか?

「願ってたかどうかはアレですけど(笑)、まあ面白い試合になればという感覚はありますね」

──8月の前回の試合(イーブス・ランドゥー戦)を振り返っていかがですか?

「そうですね……あれはちょっと僕の中で自分が満足できないというか、反省点の残る試合だったなと。逆にあの試合がライト級GPじゃなくて良かったなと思いますね。あのときの反省点を活かして(GP開幕戦は)気持ち全開でいけるので」

──イーブス選手は非常に身体能力が高い選手でした。飛び込んでのローシングルやアンクルピックでもテイクダウンを奪ってきたり、二段蹴りで上迫選手もヒザを落とされました。しかし、最後は上迫選手がカウンターのヒザ蹴りでマウントを取りました。良かった点や悪かった点は?

「僕の中では作戦通りではあったんですけど。あの二段蹴りは来ると分かっていてデフェンスもやっていたんですけど、食らってしまったのは想定外でした。勝てたということについては安心しました」

──反省点というのは?

「気持ちの面で言うと、いつも通りやればいいかなと意識しすぎて、いつものテンションで入ってしまったというか。いつもの練習通りの感じで。あまり極端に感情に波をつけずにスッと入ってしまい、それがあまり良くなくて。やっぱり試合は試合、やるかやられるかなので、そこはメリハリつけてやるべきだったし、気持ちと身体のバランスが取れていなかったというのはあります」

──平常心過ぎたという事ですか?

「そうですね、はい。スッと入りすぎてしまいました」

──次戦はその反省を活かしていく?

「そうですね、やるかやられるか。はい。自分がやられるかもしれないと言うスリルのあるなかで気持ちを作っていきたいですね」

──恐怖はあったりしますか?

「僕は試合で殴られたり、蹴らりたりするのは好きではないですけど怖くはない。当然のことだし。自分が負ける事、自分が否定される事が怖い。相手に対して攻撃が怖い、というのはないですね」

──グスタボ選手は大きなパンチがあります。イメージは出来ている?

「技術というよりも、あとは気持ちを作るだけなので、問題ないかなと思います」

──グスタボ選手と試合をした朝倉未来選手はHEARTSでも練習をしています。あの試合をどうご覧になりましたか?

「未来君と試合をやったことによって、戦い方は見えた試合なのかなと思いました」

──未来選手はグスタボのオーバーハンドフックに対して、前に出てボディへのヒザを突いてペースを掴みました。その点で弱点などは(見つけた)?

「引っ張りますねー(笑)。そうですね……言いません(笑)」

──言える範囲で、朝倉未来選手などからのアドバイスは?

「そうですね……言える範囲はないかもしれないな(笑)。すみません。ここは結果を見て欲しいっスね」

──一方であのときのグスタボは68kg契約でした。70kgのグスタボは圧力が強いと思います。もともとフェザー級の上迫選手としては、体重についてはいかがですか?

「体重に関しては何も意識していないです。たかが2、3キロの違いなので」

──グスタボ選手は未来選手に圧力をかけて後半に当ててもいます。その圧力については?

「そこは、すごい彼の強いポジションで気をつけなきゃいけないところだと思います」

──「噛み合う」ということは、秘策はありますか?

「あります。完全にあります(笑)」

──前回は不発でしたが、今回もサッカーボールキックは狙う?

「機会があれば狙っていきたいですね。RIZINルールでしかできないので、やりたいですね」

──フィニッシュのイメージはありますか?

「言えないっスねー(笑)。本当に勝ちたいので、ここは言えないっス」

──RIZINのマッチメーカー、チャーリー柏木さんが「この試合がつまらなかったら坊主になる」とSNSでツィートしていました。

「アレは誰が坊主になるんだろうとヒヤヒヤしていました(笑)。僕なのか、グスタボはすでに坊主だし(笑)。まあ、(柏木さんも)坊主にはならないと思いますね」

──ところでご子息は朝倉海選手がお好きなようですね。

「はい。RIZINうちわを見ながら“かんくん、かんくん”って呼んでますね(笑)」

──息子ラブなのに、お父さんラブではない?(笑)。

「でも、お父さんの事が一番好きです(笑)」

──その海選手とまた同じ大会に出場する事になりました。

「そうですね。RIZIN.18、19で一緒に試合に出られるのは練習仲間として嬉しいですね。彼はメインクラスを張って、僕も頑張っていかないとな、という存在ですね」

──ライト級GPは強豪が揃いました。凌ぎ合いのなかで落ちた選手、残った選手がいます。そんななかで上迫選手は1発でGP参戦を決めたわけですが、どういった位置付けで試合に臨みますか。

「やっぱり、まず選んでもらえた事に感謝していますし、出られなかった選手もいるだろうし、ファンの皆さんが出て欲しかった選手もいると思います。僕が出ることによって、いろんな想いというか、いろんな感情が動いていたと思います。そのなかで上迫が、アイツが選ばれて良かったなと言ってもらえるような試合ができればなと思います」

──8人のGPは強豪揃いですが、その先(大晦日決勝ラウンド)を見据えている?

「この一試合ですね。もちろん大晦日に出たい気持ちはありますけど、まずはここを勝たないと始まらないので、ここ勝ったら次が待っていると思ってコケることは多々あることなので、先を見ないで、しっかり目の前の試合をしっかり勝って。そこしか考えていないですね、いまは」

──GP参戦選手で戦ってみたい選手はいましたか?

「います。パトリッキー選手。1回戦で引けるかな? と思ったんですけどね。ただ単純に手を合わせてみたい・試合をやりたいということではなくて、彼の試合を見たときに、ここのポジションで言えば、僕が勝てるんじゃないか、と部分的に切り取ったところでは俺の方が強いんじゃないかなと思える場所があったので、彼とやってみたいとは思っていました」

──ベラトールからパトリッキーが参戦したことについてはモチベーションが上がりましたか?

「そうですね、あんな強い選手とやれる事はあまりないので。川尻さんが引いちゃいましたけどね(笑)」

──ところで、同日に海選手は佐々木憂流迦選手と対戦します。両者を知る上迫選手はどんな展開を予想しますか。

「海君もそうなんですけど、憂流迦も静岡の沼津(※上迫は静岡沼津城北でグレコローマンレスリングで活躍。佐々木は沼津の飛龍高等学校で同じグレコローマンで全国ベスト16))の2個下の後輩なので、頑張ってほしい気持ちはあるので……。でも、なんて言うんですかね、今一緒に練習しているのは海君なので、頑張っている仲間が勝って欲しいという気持ちはありますね。勝敗予想はあまりしたくないんですけど、展開としては海君は打撃がすごく上手いですし、打撃対寝技というイメージじゃないですかね」

──海選手の組み技・寝技に関してはどんな印象ですか。

「海君は腰も重いし抑えるのも上手だし、組み技も強いですね」

──海選手をテイクダウンするのは相当難しい?

「と、思いますね。簡単には取れないんじゃないかなと思いますね」


◆RIZIN.19
10月12日(土)エディオンアリーナ大阪
開場 12:30 / 開始 14:00

【ライト級GP】

▼ライト級GP1回戦 5分3R
トフィック・ムサエフ(アゼルバイジャン)
ダミアン・ブラウン(豪州)

※ムサエフはMMA15勝3敗。11連勝中。RIZINでは大尊伸光をTKO、クルックシャンクに判定勝ち。ブラウンはMMA19勝12敗。RIZINではクルックシャンクに一本勝ち。武田光司に判定勝ち。

▼ライト級GP1回戦 5分3R
ジョニー・ケース(米国)
ホベルト・サトシ・ソウザ(ブラジル)

※ケースはMMA26勝6敗1分。RIZINでは矢地祐介、北岡悟にTKO勝ち。サトシはMMA9勝0敗。RIZINでは北岡悟をTKO、廣田瑞人にTKO勝ち。

▼ライト級GP1回戦 5分3R
パトリッキー・“ピッドブル”・フレイレ(ブラジル)
川尻達也(日本/T-BLOOD)

※パトリッキーはMMA21勝8敗。Bellator5連勝中でRIZIN初参戦。川尻はMMA37勝12敗2分。RIZINライト級では北岡悟にスプリット判定負けとアブドゥルカリコフに判定勝ち。

▼ライト級GP1回戦 5分3R
ルイス・グスタボ(ブラジル)
上迫博仁(日本/和術慧舟會HEARTS)

※グスタボはMMA9勝1敗。RIZINでは矢地祐介をKO、朝倉未来に判定負けで初黒星。上迫はMMA16勝7敗。RIZINではイーブス・ランドゥ(15勝8敗)にTKO勝ち。

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