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4月21日(日)の「RIZIN.15」横浜アリーナ大会で、ヴァンダレイ・シウバ推薦のルイス・グスタボ(ブラジル)と対戦した朝倉未来(トライフォース赤坂)が、同大会のベストバウトともいえる激闘を展開した。強豪グスタボからダウンを奪い判定勝利した未来が、試合後に語ったこととは──。
グスタボはこの試合までMMA9戦無敗で4KO、5つの一本勝ちを誇るフィニッシャーで、2018年8月には矢地祐介を2R KOに下していた強豪。
試合で未来は、序盤から大振りで前がかりのグスタボに対し、両脇を差してのテイクダウンや、ダブルレッグテイクダウンもカウンターで決め、コーナーを使ったレスリングを展開。和術慧舟會HEARTSでのレスリング日に参加してきた練習の成果を発揮する。
さらに「オーバーハンドフックに対して、前に出てボディへのヒザを突く作戦だった」と語る通り、2Rに未来は下がりながらもグスタボの右に左のヒザ蹴り=テンカオを右わき腹に突き刺すと、すぐに返しの右フックでダウンを奪うなど、事前のプランを完璧な形で遂行。かねてから「試合をすべてイメージする」と話していた通り、思い通りの試合運びで判定3-0で勝利した。
弟の海同様に『THE OUTSIDER』出身の兄の未来は、2018年8月からRIZINに参戦し、元修斗世界ライト級王者・日沖発、ACB参戦経験のあるカルシャガ・ダウトベック、元修斗世界フェザー級王者・リオン武を相手に3連勝しており、これでRIZIN4連勝。過去にはROAD FCでも勝利を収めるなど、国際戦でも勝負強さを発揮し、確かな進化を見せている。
試合前に「俺のカウンターをもらっても突っ込んで来れるか」「自分の頭の中ではもう出来ているけど、後は実際対面した時にそれが出来るか」「フィジカルで相手がどこまで力強いのかはやってみないと分からないけど、フェザー級では自分も力強い方なので、大丈夫」と語っていた未来。
「毎試合、『勝てない』と言われて勝ってきた」ことを、9戦無敗のグスタボ相手にも実行したことで、26歳の未来の今後に注目が高まる。
試合後、階級上となるライト級GP参戦の可能性を聞かれた未来は、「ライト級にあんまりスター選手がいないんで、逆に俺を中心に68kgトーナメントに変えてもらったら」と提案。さらに、「Bellatorのフェザー級トーナメントもあるみたいなので世界に挑戦してみたいというのもある」と適正階級での世界進出にも興味を示した。
「有名になりたいわけじゃない。ただ金を稼ぎたいと思っているだけ」と嘯く未来は「常識の枠にはまらない独自の思想の持ち主」という意味で、真のアウトサイダーだ。そして、その試合に向ける姿勢は、まぎれもなく格闘技に、そして強くなることに捧げられている。「RIZINと一緒に大きなお金を稼ぐ」には、GP参戦もアメリカンドリームも選択肢のひとつだ。
Bellatorフェザー級(145ポンド・65.8kg以下)GPは出場選手16名。2019年10月に開幕予定で優勝賞金は100万ドル(約1億1,190万円=2019年4月22日時点)となる。(※現Bellator MMA世界フェザー級王者はパトリシオ・“ピットブル”・フレイレでフレイレの出場は未定)。
試合後、朝倉未来とグスタボが語った一問一答は以下の通り。
朝倉未来「Bellatorフェザー級トーナメントで世界挑戦、ライト級GPは俺を中心に68kgトーナメントで」
「(リング上で)前歯折っちゃったよ。今日の試合に言葉はいらないでしょう! みんな応援ありがとう!」
(バックステージにて)
「ちよっと……歯が折れちゃったんでマウスピースつけて話します」
「映像はさっそくさっき見たんですけど、1R目はどちらかが取ったという感じでしたが、2、3Rは俺が取ったと。完勝だった」
──勝負を決めたのは?
「俺はテイクダウンを許さなかったけど、俺がテイクダウンを取った。そこで体力の差が生まれたかなと思います」
──実際にグスタボと対して。
「拳がメチャ重かった。当日の体重差が8キロくらいあると聞いたけど、特段、フィジカルの差は感じなかった。ただ、パンチが痛かったです」
──スリルは味わえましたか。
「まあまあ」
──試合内容には満足している?
「まあ、でも倒したかったです。また何が悪かったんか反省して考えたいです」
──今回はいつもより体重を上げて68kg契約で対戦しました。ライト級GP(70kg前後)も当確かと。
「まだ分からない。Bellatorのフェザー級トーナメントもあるみたいなので世界に挑戦してみたいというのもあるし。ぶっちゃけ、いまライト級、どうなんですか? あんまりスター選手がいないんで、逆に俺を中心に68kgトーナメントに変えてもらったりしたらどうですか」
──試合前にHEARTSでのレスリング練習のこと、さらに「俺のカウンターをもらっても突っ込んで来れるか」と語っていましたが、まさにその予想通り、そして練習の成果が出た内容になったのではないですか。
「そうですね。基本的に僕はほかの選手よりも分析するんですけど、自分の思い通りにいかない時がないですね」
──グスタボに思っていた以上のことはなかったですか?
「思っていたより楽でした」
──多くの応援団が駆け付けたようですが。
「横浜アリーナ最高でしたね。気持ちよかったです」
──これまでのRIZINでの試合でもベストパフォーマンスだったのでは?
「相手が一番強かったと思うので、やっと実力を出せたかなって感じです。ほとんど全部作戦通りに行きました」
──グスタボ選手の攻めが想定されていた?
「ほとんど作戦通りでした。跳びヒザ蹴りにタックルを合わせるのと、オーバー(ハンド)フックに対して、前に出てボディへのヒザだったり、全部思い通りにいったと思います」
──RIZINでの朝倉兄弟の活躍で反響も大きいのでは?
「僕はあまり有名になりたいと思っていなくて、ただ金を稼ぎたいと思っているだけなので。普段プライベートは変装して声をかけられないようにしているので、ちょっと反響は実感ないですけど。こうやって活躍していけば、RIZINと一緒に大きなお金を稼げるのかなと思っています」
ルイス・グスタボ「再びアサクラと試合をしたい」
──試合を終えた率直な感想を。
「負けてしまったので何も言葉はありません。帰国してミスを修正するだけです」
──対戦した朝倉未来選手の印象は?
「正直、彼は凄くない。ただただ今日は自分がついていなかっただけです。自分の中では勝てなかったので悪い一日でした。次に向けて頑張るしかないです」
──右手の包帯は?
「右手を2箇所骨折してしまいました。1Rの終わりごろに右手に違和感を感じました。ただ、それは勝敗には全く関係ないと思う。(前回も右手を骨折し治療に時間かかりそうか?)治療に専念しますし、リカバリーにも専念してできるだけ早く復活できるように努力します」
──今後については?
「今日は僕の日じゃなかった。ミスを修正して次の試合に臨みたい。とりあえず帰国して次の試合へ向けて一生懸命練習するだけです」
──試合後、ヴァンダレイ・シウバと話した?
「試合が終わってから彼は『今日は負けてしまったけど、今日はもう過去だから前に進もう、また強くなって再びこのリングに上がろう』と言ってくれました」
──また朝倉未来選手と戦いたい?
「私は対戦相手を選んだりしませんが、もし機会があれば再びアサクラと試合をしたいです。そのときをほんとうに楽しみにしています」
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