2025年3月1日(日本時間2日)、米国ラスベガスのUFC APEXで開催の『UFC Fight Night: Royval vs. Kape』にて、フライ級1位のブランドン・ロイバル(米国)と、6位のマネル・ケイプ(アンゴラ)が対戦することを、ロイバルのマネジメントのイリディウムが発表した。
同大会では、ケイプと同じくRIZIN出身のラマザン・テミロフ(ウズベキスタン)が、UFC4連勝中のチャールズ・ジョンソン(米国)と対戦するフライ級好カードも決定している。
▼フライ級 5分5Rブランドン・ロイバル(米国)17勝7敗(UFC7勝3敗)マネル・ケイプ(アンゴラ)20勝7敗(UFC5勝3敗)
現UFC世界フライ級王者は、朝倉海を2R リアネイキドチョークで極めたアレッシャンドリ・パントージャ。1位のロイバルは5位の平良達郎にスプリット判定勝ちで次期挑戦者候補となったが、4連勝中だったブルーノ・シウバを圧倒した元RIZIN王者のケイプのチャレンジを受けることになった。
試合後にダナ・ホワイト代表に王座挑戦を猛烈にアピールしていたケイプにとって、1位のロイバルを倒せば、文句無しのコンテンダーとなる。ロイバルにとっては、平良に続き、これまで未対戦の強豪を下すことで、3度目のパントージャ戦を実現させたいところ。
UFCフライ級ランカーのなかでは珍しくパンチに特化したボクサーのケイプは、試合毎にテイクダウンディフェンスの強さと、素早い出入り&スイッチしての打撃に磨きをかけており、前戦のフィニュシュ直前の左の三日月蹴りもシウバの戦意を喪失させるものだった。長身サウスポーで懐の深いロイバルにもケイプの打撃は当たるか。左でも構えるケイプに対し、ロイバルは蹴りのバリエーションも豊富だ。
グラウンドでは、スクランブル巧者のロイバルに分があるが、ケイプも2017年の堀口恭司戦以降は一本負けは喫していない。RIZIN以降の黒星は、パントージャに右のパワーハンドを蹴られての判定負けと、初回にテイクダウンを奪われたマテウス・ニコラウにスプリット判定負け。そして2024年7月にムハンマド・モカエフのテイクダウンに判定負けの3敗のみ。
スタンドで立ち合えて、強い組みが融合していることがケイプ攻略の条件だとすると、ロイバルはそれにあてはまる。
MMAファイターとしての総合力に加え、17勝中13のフィニュシュ(4KO・TKO、9SUB)を持つロイバルに対し、ケイプは20勝中17のフィニュシュ(12KO・TKO、5SUB)はスタンドで圧倒的な決定力を持つ。
ともにスピードスターのメインイベントの5Rは、引き出しの多いロイバルが最後に上回るか。それともケイプが打撃でロイバルを削ることができるか。勝者が王座挑戦に向かう注目のフライ級戦だ。
▼フライ級 5分3Rチャールズ・ジョンソン(米国)17勝6敗(UFC6勝4敗)※UFC4連勝中ラマザン・テミロフ(ウズベキスタン)18勝3敗(UFC1勝0敗)
ファイターからの評価も高いジョンソンは、2024年2月に緊急参戦でカザフスタンの強豪アザト・マクスムに逆転判定勝ち後、ジェイク・ハドリー、ジョシュア・ヴァンにも右アッパーカットで勝利しアンダードッグの試合を覆してきた。2024年10月の前戦ではス・ムダルジとスタンドでもグラウンドでも止まらない凄まじいスクランブル戦を制している。
対するテミロフは、2023年にMMA15勝2敗でRIZINと契約。浜本“キャット”雄大、征矢貴を初回KOに下してUFC入りを決めた。 2024年10月の前戦ではCJ・ベルガラを右オーバーハンドからの左フックでダウンを奪い、最後は左ボディで仕留めている。
身長で12cm、リーチで18cmテミロフを上回る長身スイッチヒッターのジョンソンに対し、回転系の蹴り技とリーチ以上に伸びる左右の剛腕を持つテミロフの打撃は、どちらが先に当てるか。テミロフは18勝中、実に11勝がKO・TKO勝ち(1SUB)で、5試合連続で1R KO・TKO勝ちを更新中だ。一方のジョンソンは17勝中、6KO・TKOに4SUBと立って良し、寝て良しでどの局面でも勝負できる強さを持つ。
12位のジョンソンと、ランク外のヴァンによる順位以上にハイレベルな攻防に注目だ。
3・8『UFC 313』でシウバvsヴァンも
また、翌週の3月8日(日本時間9日)の『UFC 313』T-モバイルアリーナ大会でもフライ級の注目カードが決定している。
▼フライ級 5分3Rブルーノ・シウバ(ブラジル)14勝6敗(UFC4勝3敗)ジョシュア・ヴァン(米国)12勝2敗(UFC5勝1敗)
13位のシウバと15位のヴァンの戦い。12月にケイプに3R TKO負けし、UFC連勝が「4」でストップしたシウバと、9月にエドガー・チャイレス、12月にコディ・ダーデンをいずれも判定で下したミャンマー出身のヴァンのランキング戦。23歳のヴァンと、34歳のシウバの世代交代対決でもある。
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UFCフライ級ランキング(2025年1月7日付)
王者 アレシャンドリ・パントージャ(12.7 朝倉海に2R 一本勝ち。ロイバルに判定勝ち)1 ブランドン・ ロイバル(10.12 平良にスプリット判定勝ち、3.1 ケイプと対戦)2 ブランドン・ モレノ(11.2 アルバジに判定勝ち)3 アミル・ アルバジ(11.2 モレノに判定負け)4 カイ・カラ・フランス(8.17 エルセグに1R TKO勝ち)5 平良達郎(10.12 ロイバルにスプリット判定負け)6 マネル・ケイプ(7.27 モカエフに判定負け後、12.14 シウバに3R TKO勝ち、3.1 ロイバルと対戦)7 アレックス・ ペレス(6.15 平良に2R TKO負け)8 アスー・ アルマバイエフ(10.19 マテウス・ニコラウに判定勝ち)9 スティーブ・エルセグ(8.17 カラフランスに1R TKO負け)10 ティム・エリオット(2023.12.9 スムダダルジに肩固めで一本勝ち)11 タギル・ウランベコフ(2023.12.9 ダーデンにRNCで一本勝ち、1.18 クレイトン・カーパンターと対戦)12 チャールズ・ジョンソン(10.19 スムダルジに判定勝ち、3.1 テミロフと対戦)13 ブルーノ・シウバ(7.20 ダーデンに2R TKO勝ち、12.14 ケイプに3R TKO負け)14 朝倉 海(12.7 パントージャに2R RNC一本負け)15 ジョシュア・ヴァン(12.7 ダーデンに判定勝ち、3.8 シウバと対戦)
1位のブランドン・ ロイバルと、5Rに渡る激闘を繰り広げた平良達郎は5位のまま。12月のフロリダ大会でブルーノ・シウバに3R TKO勝ちしたケイプは9位から6位にランクアップし、平良を下したロイバルと3月に対戦へ。UFC4連勝でストップしたシウバは13位となり、ダーデンを下して15位にランクインしたジョシュア・ヴァンと3月に対戦へ。
12位に4連勝中のチャールズ・ジョンソンが上がり、RIZINからUFCデビュー戦で1R TKO勝ちしたラマザン・テミロフと3月に対戦する。14位に朝倉海がランクイン。15位には同じラスベガス大会でコーディ・ダーデンに判定勝ちした、ミャンマー人初のUFCファイターのジョシュア・ヴァンがランキング入り。ケイプに敗れたシウバと3月に対戦する。
15位以内に平良と朝倉の2人の日本人選手が名を連ねるなか、前戦で黒星だった両者の次戦はどうなるか。平良と朝倉は再び王座を目指すために上位ランカーとマックメイクされるか、それとも下位ランカーとの下剋上マッチとなるか。
15位外にも、日本の10戦無敗の鶴屋怜(2.9 スチュワート・ニコルと対戦)ら強豪が控えている。誰もが強豪のUFCで平良、朝倉、鶴屋の3人の日本人フライ級ファイターはいかに頂を目指すか。