冨澤大智、篠塚には「『僕が勝っていったら今度お前からお願いする立場になっちゃうよ。今やっとかないと、お前が俺にやってくれってお願いする立場になっちゃうけど別にそれでいいの?』って」(試合後会見)
──試合後の率直な感想を。
「本当この1年間マジで落ち込んでて、去年RIZINで負けてその次のBreakingDown(BD)でも負けて、もう本当格闘技辞めよう思って、もう格闘技辞めようっていうか、もう、何か、死んだみたいになっちゃって。そのすべての清算が今日だったなという感じですね」
──最後のフィニッシュの瞬間はどういう感情、どういう思いでしたか。
「練習通りですね。今FIGHTER'S FLOWの上田(貴夫)さんのところで練習させてもらっているのですけど、もう完全に練習通り。プラン通り。練習でやった以外のことはやってないんで、それだけですね」
──当初のプランも教えていただけますか。
「まあ今日の試合内容、テイクダウンをしっかり切って、効かせたら膝を合わせたり。まあもちろん寝てからの攻防だったりとか、そういうのも全部しっかりプランとして何個か準備していて、そのうちのひとつが、しっかりはまった感じですね」
──今回、対戦した三浦選手の印象が対戦前と変わったところがあれば教えてください。
「いや僕も試合前の手前、三浦くんに対して『ナメてるな』とか言ったのですけど、本当に今回、三浦君が名前を挙げてくれてなかったら、僕はこのRIZIN大晦日に出られていないので、そこは本当にすごく感謝してるし、対戦した後も、本当にいい男なんだと思ってるので三浦くん格闘技続けてほしいなって。よかったら一緒に練習もやりたいし、一緒に強くなりたい、これからも戦友としてそう思いますね」
──試合を終えたばかりですが、今後の目標・展望を教えてください。
「試合後のマイクでも言ったんですけど、RIZINのフライ級でMMA参戦したいなと本気で思ってます。思い出作りじゃなくて、一番になりたいって、負けてさらにそれは強く思ったので、MMAで頑張りたいですね」
──1年前は篠塚選手に負けてかなり傷だらけでここ(インタビュールーム)に来ましたが、1年後にこういう形でまた戻って来た心境は?
「今日の試合前に、でもやっぱり去年のことを思い出すんですよ。去年ボロボロになってこう、みんなが見てないところで、もうやっぱり試合後1カ月間ぐらいまともに動けなかったりとか、もう介護状態みたいな。でも入院しろ、って言われても、絶対に年末年始に入院なんかしたくねえと思って、無理矢理家にいて、でもトイレもできないし、痛くて寝れもしないし。そういう数カ月を過ごした後に、その次も負けて、やっぱ試合前にすごくそういうことを思い出したんですけど。それを今日乗り越えたな、って。負けてよかったなっていう日が来たなと思っています」
──RIZINフライ級でという目標・展望を口にしていましたが、BDでの心残りや忘れ物といった考えはご自身の中にありますか。
「そうですね、本当は正直この1年間、去年も同じような話をしたんですけど、BDに音があるから、やっぱり試合しないといけないという、そういう自分の義務感があってこの1年BDに出場していたのですけど、でも……、何か、全然燃えなかったんですよね、BDで試合をしている自分に対して全く燃えず、やっぱRIZINでやりたいという気持ちが強くあって。6月に負けたんですけど、そのときも何でこんな試合やるんだろうな、って思いながら負けちゃって。でもその負けも今日の勝利でちゃんと向き合えているというか。ちゃんと彼にリベンジしてベルト巻いて卒業するのがBDへの恩返しなんじゃないかなと思っているので、BDから本物の格闘家になりたいなと思っています」
──先日の会見では、篠塚選手へのリベンジ宣言があって、篠塚選手は先ほどリング上であのヒロヤ選手との対戦を表明していました。その辺の関係性についてはいかがでしょうか。
「ヒロヤは僕、親友なので。本当に格闘技やっててこんなに気の合う奴いないんじゃないかと思うくらい、ヒロヤとは仲良いんですけど。ヒロヤには言ってだんですよ。『篠塚、俺がやりたいから、お前相手しないでくれ。自分のケツくらい自分で拭きたいから』という話をしていたのですけど、ちょっとヒロヤもやる気になってたので(笑)。ただまあ、なんだろうな。別に篠塚くんが今僕とやらなくても全然よくて。ただその間に僕はMMAの戦績伸ばすので。『僕が勝っていったら今度お前からお願いする立場になっちゃうよ。今やっとかないと、お前が俺にやってくれってお願いする立場になっちゃうけど別にそれでいいの?』っていう、そういう感じです。俺は勝ち続けるので、ここで、はい」
──先ほど、敵軍の朝久選手からエールが送られていて(インタビューの順番を待ちながら)聞こえていたと思います。それを聞いて、いかがですか。
「いやすごく嬉しいです。本当に僕、朝久選手のことは知ってましたし、僕はやっぱりK-1グループで試合をしていた時から本気で、今ここに立ててない全格闘家の選手で、僕よりも絶対強い選手いるし、名前がなくて今舞台に立ててない選手とか絶対いるけど、本当にみんなすごく。試合勝つために練習頑張ってるのも知ってるし。だから僕は罵り合いとか、そういうのでのし上がりたいと思ってなくて。やっぱり格闘家としてのカッコよさを追い求めて、この世界でやっていきたいなと思ってるんで、そういう意味で強さの最上級にいる朝久君がああやって言ってくれたのはすごく嬉しかったですね」
──朝倉未来選手の復帰戦が発表されたことを聞いてどう思いましたか。
「『カッケーな!』って、思いました、はい。呼び捨てになっちゃうんですけど『朝倉未来って、カッケーな』って思いましたね」