鈴木千裕「最後、三角絞めを外してマウント取られたところから一気に流れを持っていかれた」
──試合後の率直な感想を。
「そうですね、もう……もうやられたんでしょうがないですね。やりたいことはやったので、やれることもやったので、結果を受け容れるしかないですね」
──クレベル選手との再戦はフルラウンドの戦いになりました。あらためてクレベル選手の印象を教えてください。
「やっぱ本当に、強いですね。一言それに限りますね。すごい勉強になりました。でも、やっぱ、やめられないんですよね、格闘技って。ここで諦めたら全部が無駄になっちゃうんで。もう年明けたか……、1年! 1年で取り返しましょう、最短で」
──「1年で取り返す」ということですが、2025年にどんな試合をこなしていきたいでしょうか。
「もう“何でもこい”ですよ。最初からですけど、何でもやります。とにかく勝って勝って勝ちまくって最短でタイトルマッチ行きましょう」
──一番勝負を分けた差の部分は、どのあたりであると考えていますか。
「最後、三角絞めを外して、マウント取られたところからですかね。そこから一気に流れを持っていかれちゃった。僕がヒジでカットしたとき僕の流れがきていて。で、そこでこう、マウント取られたときが、流れ変わったところですかね」
──何回か極められかけたようなところがあったと思います。実際はどの程度危なかったのでしょうか。
「でも、がっつりは入っていなかったので、浅く浅く抑えることができたので、そこは凌げるなと。練習からやっていたので、まあ想定内でしたね」
──キックボクシングでも、千裕選手のベルトを獲りたいという選手が出てきていますが、そちらはいかがでしょうか。
「まあそれもありますけど、やっぱ総合格闘技の借りは総合格闘技で返さなきゃ落ち着かないんですよね。キックはどうなるか分からないけど、それは、おいおい話し合って決めていきます」
──鈴木選手の寝技のディフェンスは前回に比べて進歩が見られたと思います。それでも負けてしまったのは、何が足りなかったと分析しますか。
「うーん。それを見つけるためにここから作っていくって感じですかね。それが分かってたら勝ってたのは俺なので。だからその課題を見つけなきゃというのはあります。
だから、さっきクレベルと話して、うん。『練習行きまーす!』って言って(笑)。『クレベル、もうあんたのジム行かせて。教えてくれよ、勉強したい』って言ったんで。彼に勝つために、彼に技を教えてもらいます、僕が。で、彼が、クレベルが、引退しないでチャンピオンでい続けてくれたら、教えてもらって、俺がそれを当ててチャンピオンになる。彼が引退したり誰かにベルト獲られたら、クレベルに色々教えてもらって、俺がそれを活かして俺がチャンピオンになりますよ」
──具体的にいつ頃からボンサイ柔術に行きたいというプランはありますか。
「たぶんクレベル選手もカットしていて、俺も軽いですけどカットしていて軽いダメージはあるので、そうですね、クレベル次第ですね。どれぐらいか聞いて『OK』って言われたらすぐ行きます」
──少し休んでください。
「ありがとうございます」
──チャンピオンとして1年以上RIZINを背負って戦ってこられましたが、ベルトが無くなって率直にどういう心境になっていますか。
「うーん、でも、1年でこれは獲り返せるので。だから、うーん……。また振り出しに戻れたんで、もっかい作り直して格闘技を楽しむ時間が増えたって感じですね。ここが一番、面白いところっスよ。負けてどう最短で返り咲くかが、たぶん僕は格闘技の面白いところだと思うので、人間みんな、落ちたらそこで悩んで潰されて、そこから戻って来れない人が多いけど、こういうときだかこそ俺は楽しんで、最短で帰りますよ。
──チャンピオンではない鈴木千裕として去年とは違うモードになっていくのですか。
「いや、俺はチャンピオンです。チャンピオンに1回なれる人はもう1回なれるので。俺は、チャンピオンになり方を知っているので、だから俺はずっとチャンピオンですよ」
──チャンピオンのマインドは変わらないということですね。
「はい」