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【RIZIN】クレベルが鈴木に判定勝ちで王座奪還、堀口がズールーの打撃に苦戦も強いTDパウンドで判定勝ち防衛、サトシがケラモフを三角絞め4度目防衛! 伊澤が1R一本勝ち、元谷が秋元を完封、シェイドゥラエフが久保をTKO、ダウトベックがYA-MANの打撃に組みで競り勝ち、福田が左で芦澤を54秒KO、桜庭が矢地を26秒TKO!

2024/12/31 16:12
 2024年12月31日(火)さいたまスーパーアリーナにて『RIZIN DECADE』が開催された。第1部「雷神番外地」に続き、第2部の「RIZIN.49」では鈴木vs.クレベル、堀口vs.ズールー、サトシvs.ケラモフの3大王座戦が行われ、鈴木が王座陥落。堀口とサトシは王座防衛に成功した。   また榊原信行CEOは、2025年3月30日のあなぶきアリーナ香川大会での『RIZIN.50』で井上直樹と、今大会で秋元強真に勝利した元谷友貴のバンタム級王座戦を決定。また5月4日に『THE MATCH 2』を東京ドームで開催し、朝倉未来vs.平本蓮を行うことを発表。さらに5月31日に韓国仁川PARADISE CITY KOREAにて『RIZIN KOREA』の開催も発表した。大晦日全22試合は24時20分頃のカウントダウンで終了。約11時間半のロングラン興行が幕を閉じた。 『RIZIN 49』速報 ▼第14試合 RIZINフェザー級(66.0kg)タイトルマッチ 5分3R ※選手名からインタビュー×鈴木千裕(クロスポイント吉祥寺)王者   66.00kg[判定0-3]〇クレベル・コイケ(ボンサイ柔術)挑戦者   66.00kg※クレベルが新王者に  両者は2023年6月24日『RIZIN.43』北海道大会で対戦も、当時の王者クレベルが前日計量で400g超過し王座剥奪。鈴木が勝った場合のみ王座獲得、クレベルが勝った場合はノーコンテスト、クレベルにイエローカード(減点20%)が課された条件で試合が行われ、クレベルが1R 腕十字を極めたが、試合記録は規定によりノーコンテストとなり、王座は空位となった。  その後、鈴木は2023年7月の『超RIZIN.2』でパトリシオ・ピットブルと70kg契約で対戦し、1R KO勝ち。2023年11月『RIZIN LANDMARK 7』アゼルバイジャン大会で、当時のフェザー級王者ヴガール・ケラモフを1R KOに下し、戴冠。2024年4月『RIZIN.46』で金原正徳を1R TKOに下し、初防衛に成功している。また、6月には『KNOCK OUT』で五味隆典とのボクシングマッチに臨み3Rフルに戦ってのドロー(判定無し)。  当初、7月の『超RIZIN.3』でマニー・パッキャオとのRIZINスタンディングバウト特別ルールでの対戦が決まっていたが、五味戦で右手人差し指と小指を骨折し、全治4カ月のため負傷欠場となっていた。  対する元王者クレベルは、鈴木戦後、2023年9月の『RIZIN.44』で金原正徳に判定負けも、2023年大晦日の『RIZIN.45』で斎藤裕にダースチョークで一本勝ち。2024年6月の『RIZIN.47』でフアン・アーチュレッタを1R ヒールフックに極めて2連勝。試合後、鈴木に再戦を迫っていた。  試合前日計量をともにリミットちょうどの66.0kgでパスし、王者の鈴木は「俺が絶対リベンジします。俺がクレベルを終わらせます。みなさん応援よろしくお願いします。1ラウンドKO宣言します!」とKO決着を予告。対する元王者にして挑戦者のクレベルは「メインイベントで、彼はボコボコになってるよ。絶対に私がベルトを獲ります。みんな明日は応援してください。後でPPV買ってください。明日は良い試合します。押忍」と意気込みを語った。  両国国歌斉唱で、クレベルは「心は日本にもある」と君が代を希望した。  1R、ともにオーソドックス構え。先に右ローを突いた鈴木、クレベルの前蹴り後に右カーフで圧力をかける。左足を上げてチェックするクレベル。サイドキック、右カーフを返すクレベルはダブルレッグも切る鈴木。  前に出るクレベルに右を当てる鈴木。クレベルも右カーフ、左を返すが、アイポークに。再開。  右ストレートを当て右ミドルの鈴木だが詰め過ぎない。さらに右カーフ! クレベルはシングルレッグからディープハーフ、4の字で両足を束ねてリバーサルしトップ。  ハーフガードの鈴木にパウンドし、足を戻そうとする鈴木にさらにパウンドのクレベル。鈴木は足関節狙いに50/50からストレートフットロック狙いのクレベル。さらにヒールを狙うが鈴木は蹴り上げで防ぐ。  2R、先に詰めるクレベルは左を振ってボディロックテイクダウン狙い。コーナーで凌ぐ鈴木にディープハーフから右足をからめてボディロックテイクダウン! マウントから三角絞め狙いもこの際で足を戻す鈴木。  なおも右脇差しでパスを狙うクレベルはマウントからギロチンチョーク! 外した鈴木はハーフに。上のクレベルはパスガード! サイドを奪うが、エビを切ってフルガードに戻した鈴木。クローズドの鈴木、ゴング。  3R、グローブタッチ。前に出る鈴木。クレベルはコーナーに誘いガードを固める。左ハイのクレベル、右前蹴りも。鈴木は右を伸ばすが懐の深いクレベル。左の蹴りの鈴木に、クレベルは右カーフ、ジャブ。クレベルはダブルレッグに入ると引き込み。  フルガードのクレベルにパウンドの鈴木はクレベルの額をヒジで深く出血させると下からクレベルは腕十字狙い。そこから三角に組み、腕十字も両足をかけて凌ぐ鈴木にクレベルはマウントに切り替えてパウンド。いったんはマウント三角も狙いながらパウンド、最後は肩固めも狙い、ニアフィニッシュを作りゴング。  判定3-0でクレベルが勝利。フェザー級のベルトを獲り返した。  左額から血を流しながらマイクを持ったクレベルは、「一番、大事。子供が生まれた。親友に力を。自分の奥さん、子供、サトシ、マルキーニョス、アド、三崎、怪物君、ボンサイのみんなありがとう。そして神様。千裕、ブンダモーリーじゃないじゃん! アナタ強いじゃん。今日ありがとうございました。UFCじゃない。RIZINだよ! みんなチャンピオン戻るよ、イチニサン、ボーペガー!」と咆哮し、メインを締めた。 [nextpage] ▼第13試合 RIZINフライ級(57.0kg)タイトルマッチ 5分3R〇堀口恭司(アメリカン・トップチーム/王者)56.95kg[判定3-0]×エンカジムーロ・ズールー(南アフリカ/挑戦者)56.95kg※堀口が王座防衛  堀口は2010年5月に修斗でプロデビュー、2013年3月に扇久保博正を破り修斗世界フェザー級王者になると、同年10月よりUFCに参戦。2017年4月からはRIZINを主戦場とし、2018年大晦日に初代RIZINバンタム級王者となった。2022年12月に「フライ級」で扇久保博正に判定勝ちすると、RIZINバンタム級王座を返上。2023年12月に神龍誠を2R リアネイキドチョークで極めてRIZINフライ級王座についている。前戦は2024年6月にセルジオ・ペティスに判定勝ち。今回が初防衛戦となる。33勝5敗1無効試合。  ズールーは南アフリカ、EFCフライ級・バンタム級二階級王者。6歳から極真空手を始め、2008年に3カ国対抗戦で優勝を果たすとムエタイとK-1ルールにも挑戦。2010年にMMAに転向。2016年には『The Ultimate Fighter(TUF)24』に出場し、初戦で扇久保博正と対戦。2R 一本負けした。2023年7月にEFCバンタム級王座決定戦でムサ・セツワペを4R リアネイキドチョークで極め二階級同時王者に。2024年3月にはフライ級王座を防衛し、9月にRIZIN初参戦。新井丈に大きな後ろ廻し蹴りをアゴにヒットさせ、右ストレートで新井が棒立ちとなったところでセコンドのバトン投入とともにレフェリーが間に入って初回TKO勝ち。今回の挑戦者に大抜擢された。16勝6敗1分。 堀口「しっかりと明日ブッ飛ばすんで見ててください! 応援よろしくお願いします!」 ズールー「(日本語で)こんにちは、キングシャカ、よろしくお願いします。(英語で)ひとつ約束できるのは、明日私は全力を尽くしてベルトを奪いに行きたいと思います。そして南アフリカのみんなに出来る限りのことを尽くしてベルトを持ち帰ります」  1R、ともにオーソドックス構え。遠間からのズールーは右ロー、続く右ローはバックステップでかわした堀口。中央を取る堀口は左を突く。ズールーの左ハイをブロックした堀口。左ミドルハイをガード上に当てるズールーにコーナーめがけてダブルレッグし、尻下でクラッチして持ち上げ中央にテイクダウンする堀口。  ハーフのズールーにパウンド、ヒザ蹴り! 亀から立つズールーは離れ際に右ハイもかわす堀口。ズールーは右ローそしてダブルレッグテイクダウン。足を戻す堀口はがぶりからヒザ! さらにアナコンダチョーク狙い。抜いて立ち上がるズールーに左差しでさらに詰めて押し込むが崩して右ヒザの打ち終わりに離れ際に左を当てたズールー! しかし堀口も詰めたズールーに右を当てるとテイクダウン狙いのズールーに下になり三角絞め狙いでゴング。ズールーにテイクダウンを許した終盤の堀口は、打撃を効かされて踏ん張れなかったか。  2R、打撃の間合い、ジャブからダブルレッグテイクダウンは堀口! ハーフから肩固めを狙いながら細かいパウンドでパス狙い。背中を着かされたズールー。堀口は左で脇差し、押さえ込んで右のパウンド。立ち上がれないズールー。パウンドが止まりすぐにブレーク。  右の前蹴りの堀口。遠間からシングルレッグのズールーを切る堀口の詰めにズールーは左アッパー! 背中を着かされたズールー。右目下を腫らした堀口はパウンドでゴング。  3R、中央に出る堀口を中央を取り返すズールーは左右もダブルレッグからボディロックテイクダウンを狙う堀口。残してコーナー背にするズールーは差し上げるが堀口はシングルレッグテイクダウン! 下からも打つズールーはエビで潜って突き放してスタンドに。  左の蹴りのズールーは左フックも! 堀口も右を返して、左の飛び込みをヒット! そのままダブルレッグテイクダウンし、右の強いパウンドの堀口。右で脇を差している堀口は右腕をヒザでピンして左のパウンド! 上体を起こそうとするズールーに強いパウンドを当てる堀口。ハーフからパウンドでズールーの起き上がりを剥がしてさらに左ヒザで右腕を踏んで固定しパウンド連打! ゴング。  左を当ててグラつかせたズールーだが、堀口も当て返してテイクダウンからしっかりパウンドをまとめた判定は、3-0で堀口が勝利。ズールーも祝福し、頬を腫らせた堀口は少し苦笑いを浮かべてトロフィーを受け取った。  試合後、堀口は「大晦日にしょっぱい試合してすみません。ほんとうはKOとか一本で勝ちたかったけど、もっと精進します」と語った。 [nextpage] ▼第12試合 RIZINライト級(71.0kg)タイトルマッチ 5分3R〇ホベルト・サトシ・ソウザ(ボンサイ柔術/王者)70.90kg[1R 4分45秒 三角絞め]×ヴガール・ケラモフ(アゼルバイジャン/挑戦者)70.65kg※サトシが王座防衛  ライト級王者サトシは2021年6月にRIZINライト級GP2019王者のトフィック・ムサエフと王座決定戦を争い、三角絞めで一本勝ち。初代ライト級王座に就いた。  同年12月31日には矢地祐介に一本勝ちで初防衛、2022年4月にはジョニー・ケースにも一本勝ちで2度目の防衛に成功。2023年7月の『超RIZIN.2』では、AJ・マッキーの欠場を受けて、試合1週間前オファーでパトリッキー・ピットブルと対戦も3RにパウンドでTKO負けした。  2024年3月の再起戦では中村K太郎からハイキックでダウンを奪い、パンチの連打で初回KO勝ち。9月の前戦では4連勝中だった“最強挑戦者”ルイス・グスタボを相手に1R 21秒、右のショートから左フックでダウンを奪ってのパウンドでTKO勝ち。3度目の王座防衛に成功している。戦績は17勝3敗。 対するケラモフは、これまでRIZINではフェザー級(-66.0kg)で戦い、2023年7月には朝倉未来を破り第4代RIZINフェザー級王者に就いた。2023年11月のアゼルバイジャン大会で鈴木千裕の蹴り上げに敗れて王座陥落。その後に拘留され、前戦は2024年11月のLANDMARKで摩嶋一整に1R TKO勝ち。今回の階級を越えたサトシとの王座戦を望んだ。試合後は、再びフェザー級でも王座を目指すことを語っている。 サトシ「絶対に明日、面白い、楽しい試合見せたい。まだ日本にベルトそのまま(防衛する)から応援よろしくお願いします」 ケラモフ「日本こんにちは、明日、新しいチャンピンをご覧いただけると思います。私を支援してくれる皆さん、ありがとうございます」  1R、ともにオーソドックス構え。右前蹴りのサトシ。右カーフを当てるケラモフ。サトシの右ローは空振り。右ミドルハイを打つサトシ。さらに右ロー。そこにケラモフは右を狙う。  右前蹴りでサトシに腰をつかせたケラモフ。右ローを空振り。その際でテイクダウンのサトシはサイドにパスも上から三角狙いのサトシに立ち上がるケラモフ。サトシの右に右を返すケラモフだが、サトシはボディロックテイクダウン! 下から草刈でなんとレッスルアップしてダブルレッグテイクダウンのケラモフ!  下のサトシは腕十字狙いから三角。マウント三角からいったん解除し、下になり足を組み直して三角絞め。頭を引き付けてタップを奪った。  RIZIN史上最多の4度の連続防衛を果たし、ベルトを腰に戻したサトシは、「最初が一番大事。イエス様ほんとうにありがとう。ヴガール、強いからアゼルバイジャンのチームにもリスペクトがある。そして1個悲しいこと。いつも一緒にいるからありがとう」と膵臓がんで闘病中のレニー・ハートの夫を気遣い、「今日は『WE ARE Lenne!』」とコールし、リングを降りた。 [nextpage] ▼第11試合 RIZINスーパーアトム級(49.0kg)5分3R〇伊澤星花(Roys GYM/JAPAN TOP TEAM)48.90kg[1R 2分21秒 腕ひしぎ三角固め]×ルシア・アプデルガリム(アルゼンチン)49.00kg 【写真】前日計量で伊澤星花とアプデルガリムは互いに視線を逸らさず、関係者が両者を分けた  MMA14勝無敗の女王・伊澤は、現RIZIN女子スーパーアトム級王者。現DEEP JEWELSストロー級&アトム級王者。2022年4月のRIZIN女子スーパーアトム級タイトルマッチで浜崎朱加に判定勝ちで王座戴冠。同年12月のRIZIN女子スーパーアトム級ワールドGPで、パク・シウにスプリット判定勝ちで優勝すると、2023年7月のRIZIN女子スーパーアトム級タイトルマッチでクレア・ロペスをニンジャチョークで極めて初防衛に成功。同年大晦日に山本美憂にRNCで一本勝ち。2024年3月のDEEPでもパク・シユンに2R ニンジャチョークを極め、9月には引退試合の浅倉カンナに判定勝ちした。  アプデルガリムはテコンドー出身の20歳。キックボクシング戦績は11勝2敗2分。2024年5月3日に公開された『巌流島バーチャルファイト』に初来日し、ぱんちゃん璃奈と対戦。2Rに強烈な右のカウンターをヒットさせ、ぱんちゃんの右目を大きく腫れあがらせるなどして判定勝ち。ぱんちゃんにプロ初黒星を付けた。6月の2度目の来日ではNA☆NAに判定負け。MMAとの二刀流で戦績は2勝3敗。直近は2023年12月にAFNで判定負けしている。 伊澤「明日、ここにいる全員、観に来る人全員、引かせるような怖い試合をします」 アプデルガリム「クラブのためにもアルゼンチンのためにも必ず明日、無敗の選手を破りたいと思います」  1R、アプデルガリムはジャブ&ローで間合いを取るが、伊澤はすぐにシングルレッグから右脇を差してボディロックテイクダウン。アプデルガリムが上を狙ったところで三角絞め、下からパウンド。 さらに腕十字へ移行。伊澤をまたいで逃れようとするアブデルガリムに再び三角に組み直して下からヒジ、さらに三角十字で極めてタップを奪った。  試合後、伊澤は「アブデルガリム選手、準備期間が短いなか試合を受けていただきありがとうございます。この場を借りてひとつ。もう泣きません。次泣いたら引退しようと思います。RENA選手。今日は会場にも来てないようですが、今日の試合でもっと怖くなってビビッて来ないと思います。格下の相手とやってもしょうがないので世界と戦いたいと思います」と辛らつにRENAを批判し、対世界を掲げた。 [nextpage] ▼第10試合 RIZINバンタム級(61.0kg)王座次期挑戦者決定戦 5分3R〇元谷友貴(アメリカン・トップチーム)60.95kg[判定3-0]×秋元強真(JAPAN TOP TEAM)60.95kg※元谷が次期バンタム級王座挑戦者に  元谷は、第3代DEEPフライ級&第7代DEEPバンタム級王者。アメリカントップチームに所属し、2023年12月にRIZINで熱闘の末、ヴィンス・モラレスに判定負け。2024年5月にホームリングのDEEPで平松翔にリアネイキドチョークで勝利して再起すると、9月のRIZINでは太田忍にリアネイキドチョークで勝利した。 “超新星”秋元は9月のRIZINにプロ5戦全勝の戦績を引っ提げ、18歳にして初参戦を果たすとバンタム級で金太郎を相手にグラウンドヒザで1R 3分16秒、衝撃のTKO勝ち。11月にはフェザー級で鈴木博昭から判定勝ちでRIZIN2連勝、通算7戦全勝をマークした。 元谷「明日はフィニッシュを目指してアグレッシブに戦うんで楽しみにしていてください」 秋元「明日は必ず勝って来年にベルトを巻くので、皆さん、楽しみにしていてください」  1R、サウスポー構えの元谷細かい前後のステップ。圧力をかける秋元にコーナーを出る元谷は右ミドルを見せる。左インローの秋元に元谷は右。秋元も左ストレートを突く。元谷は右ロー、ミドル。さらに左右の連打からボディロックテイクダウン。バック。左足をかけさせない秋元は立ち上がりロープ背に。までクラッチしている元谷は中央側に崩してテイクダウン!  ハーフの秋元に左で腰を抱き、右でパウンドの元谷。徐々に上がるが秋元は左足を戻してフックガードに。左で枕で左足をパスして再びハーフの秋元、元谷はノーアームギロチンチョークからマウント! しかし仰向けになって極めさせない秋元にパウンド。再び元谷がバックでゴング。  2R、細かいステップの元谷は左右のパンチからコーナーに詰めて組んでボディロックから大腰気味にテイクダウン! バックに着くと秋元は背負って立ち上がり。なおもバックについていく元谷はボディロックから引き込み、起き上がり際に両足をかけて4の字ロック! リアネイキドチョークを狙い。背後から細かくパウンド。  ボディトライアングルの元谷は背後からフェイスロックも狙う。ハンドファイトの元谷はワンハンドチョークも狙い、細かい鉄槌。残り10秒で大きく振りかぶるパンチ。秋元は首を守りゴング。  3R、前に出る秋元。頭を下げて入る元谷に左ヒザをヒット! コーナーに下がる元谷にワンツーの左を喉もとに。元谷の入りにヒザ、ボディを打つが、左を当てて詰める元谷はボディロックからコーナーに凌ぐ秋元を大腰でテイクダウン! 立ち際にすぐにバックから4の字ロック。背後から細かいパウンド。  放送席の井上直樹は「ここまで圧倒していたらフィニュシュ見たい」の声のなか、ボディトライアングルでリアネイキドチョークを狙う元谷は脇もすくいながら腕十字も狙いながらマウント4の字でパウンド! 最後はツイスター狙いでゴング。  判定3-0で元谷が勝利。「18歳でこんな大きなもん背負ってああいう試合をするのはすごいと思います。秋元選手にとって成長するきっかけになればと思います」と語ると、放送席の井上直樹を呼び込み「やりましょう」とマイク。リングに上がった井上も「もちろん」と回答。榊原CEOは、3月30日香川大会でのバンタム級タイトルマッチの決定を語った。井上は「怪我は順調に治ってきているので、またレベルアップした元谷選手とやれるのが楽しみ」と放送席で語っている。 [nextpage] ▼第9試合 RIZINフェザー級(66.0kg)5分3R×久保優太(PURGE TOKYO/BRAVE)65.95kg[2R 2分30秒 TKO] ※パウンド〇ラジャブアリ・シェイドゥラエフ(キルギス)65.15kg  元K-1&GLORY王者の久保優太(PURGE TOKYO/BRAVE)は、MMAで太田忍戦の敗戦以降、奥田啓介、木下カラテ、安保瑠輝也、高橋遼伍、斎藤裕を相手に5連勝中。対するシェイドゥラエフは、12連勝中。2024年6月のRIZINデビュー戦で武田光司を1R リアネイキドチョークで極めると、2024年9月には体重超過のフアン・アーチュレッタに1R 腕十字で一本勝ち。  1R、サウスポー構えの久保にオーソのシェイドゥラエフは左回り。右ハイは久保が掴むとバックフィスト、右オーバーハンドも。両手を前にする久保にテイクダウンプレッシャーのなかで飛び込み右スイングを当てるのはシェイドゥラエフ。  右インローを蹴り、詰めると久保は左ハイ。角度をつけてこの左の蹴りを当てたい久保だが、ブロックしたシェイドゥラエフはボディロックテイクダウン。ハーフの久保の足を戻した際で左右に動きかつぎパスのシェイドゥラエフ! ニーインでピンして、腕十字狙いからマウント、パウンド。しかし、腰を一つひとつ切ってクローズドガードに戻す久保!  インサイドで鉄槌をもらう久保は危ない状況も蹴り上げ。いったん体を離すシェイドゥラエフ。さらに飛び込むシェイドゥラエフに久保は亀になり鉄槌を浴び続けるるが、左手を脇に挟み、猛攻を凌ぐ。久保の顔は大きく腫れる。危険な状態だ。  2R、声援に笑顔を見せた久保。右ハイのシェイドゥラエフ。久保の左の蹴りは軸が定まらない。左ジャブ、左ハイで前に出るシェイドゥラエフは右オーバーハンド! 倒れない久保に右アッパー、左の蹴りは久保。 シェイドゥラエフの右のダブルに後退する久保。シェイドゥラエフはシングルレッグテイクダウン、バックを奪うと両足をかけてフェイスロック! っこは凌ぐ久保にリアネイキドチョーク。久保は意識が飛んだか。放したシェイドゥラエフは右のパウンド2発。レフェリーが間に入った。  シェイドゥラエフは勝利のバック宙2回で雄たけびを挙げた。 [nextpage] ▼第8試合 RIZINフェザー級(66kg)5分3R×YA-MAN(TARGET SHIBUYA)65.90kg[判定0-3]〇カルシャガ・ダウトベック(カザフスタン)65.70kg  注目のフェザー級戦は、YA-MAN側からダウトベック戦を望んだという。高いフィニッシュ率を誇る両者。YA-MANは、2023年5月の三浦孝太戦でフックの連打を浴びせ1R TKOでMMAデビュー戦を勝利で飾った。11月には自ら主催するFIGHT CLUBで、練習仲間だった朝倉未来を相手に右ストレートを打ち抜き1R僅か77秒KO勝利。大晦日はMMA2戦目でかねてより挑発しあっていた平本蓮にMMA経験の差を見せつけられる完敗を喫した。怪我での欠場を経て24年7月、鈴木博昭を相手に1Rスタンドパンチで復帰戦をKO勝利。  ダウトベックは2018年9月のRIZIN初参戦では朝倉未来に判定負けしたが、2023年9月に元UFCのディエゴ・ブランダオンに1R 35秒でKO勝ちすると、元ONEの松嶋こよみも1R TKO。2024月6月にRIZINに再参戦し、関鉄矢も1R、左ボディでKO。2024年9月には木下カラテを左ストレートで初回KO。  左のパンチを上下に効かせることができて、高速ストレートのハードパンチャーのダウトベックに対し、YA-MANは得意の間合いを潰して乱打戦に持ち込むまでにボディストレート、蹴りも巧みに織り交ぜる。ともに相手にロープを背負せることで真価を発揮するため、いかに圧力をかけるか。試合はMMA。パンチ勝負のなかに組み・蹴りを混ぜることもできるが、ダウトベックの蹴り足キャッチは危険な際の打撃に繋がる。どちらが自身の距離で戦うことができるか。YA-MANのリングサイドにはにじほさんの姿。  1R、サウスポー構えのダウトベックに、オーソで低い構えのYA-MAN。ダウトベックが中央を取り、その入りに右を狙うYA-MAN。腕を叩く。左アッパーを振るダウトベック、右インローを蹴るYA-MAN。  コーナーに詰めるYA-MANは右インローからワンツーも、ダウトベックも右を返すと、YA-MANの乱打戦の誘いに乗らず、タイミングよくダブルレッグテイクダウン!  フルガードのYA-MANにブレーク。YA-MANは詰めるとダウトベックは左三日月蹴り。右インローのYA-MAN。ダウトベックは左を合わせに行く。  ワンツーの左を当てたダウトベックに、左右で詰めるYA-MANだが、ダウトベックの左を浴びたYA-MANの足が泳ぐとダウトベックはダブルレッグテイクダウン! サイドを奪うと押さえ込んで細かいヒザを突いてゴング。互いにどちらが倒してもおかしくない斬りあいに。  2R、右インローのYA-MAN。ダウトベックとの中央の取り合い。YA-MANも押し戻し圧力をかける。YA-MANの右に左を狙うダウトベック。ともにかわす。しっかり上下に散らして左ボディのダウトベックは詰めるYA-MANにダブルレッグテイクダウン。クローズドガードのYA-MANに中腰で足を持ち、サッカーキックを狙うが、YA-MANが立ち上がる。  詰めるYA-MANにシングルレッグのダウトベックはボディロックテイクダウンで右足をかけるが、立つYA-MANはコーナー際で正対。四つでダウトベックはヒザ蹴り。  突き放すダウトベックは左目尻から出血。しかし詰めるYA-MANにロープを背にしながらもダウトベックは右で腰を落とさせる。ダウトベックにドクターチェック。再開。  3R、右インローのYA-MAN。さらにもう1発。右ジャブのダウトベックは肩で息をする。追うYA-MANは右を打ち込むが、回るダウトベックはダブルレッグテイクダウン! フルガードのYA-MANから体を離したダウトベックは足を持ち、サッカーキック狙い。蹴り上げから立つYA-MAN。  立ち際に蹴りをもらいながらも前に出るYA-MANにジャブを当てるダウトベックは前かがりになったYA-MANにダブルレッグでコーナーまで押し込みテイクダウン!  腰を抱くダウトベックの引き出しに、這ってコーナーで上体を立てるYA-MAN。何度も引き出される。足で両足を束ねて頭で押し込むダウトベックにとっていいポジションながら動きが無く、ブレーク。  スタンド。詰めるYA-MANにダブルレッグも両足を広げ切るYA-MAN。しかしYA-MANの詰めにシングルレッグで押し込みゴング。すぐに離れてコーナーに歩くダウトベックに、YA-MANも両手を挙げる。  判定は0-3で、有効打を当てながらもYA-MANの圧力にテイクダウンの引き出しを開けたダウトベックがYA-MANに勝利。8連勝をマークも連続1Rフィニッシュ勝利は7でストップした。 [nextpage] ▼第7試合 RIZINバンタム級(61kg)5分3R〇福田龍彌(MIBURO)60.70kg[1R 0分54秒 TKO] ※左ストレート×芦澤竜誠(フリー)60.95kg  修斗、DEEPでフライ級の頂に立った福田は、2024年3月、バンタム級に階級を上げ、DEEPで雅駿介を1RKO。9月にはDEEPバンタム級暫定王座を賭け瀧澤謙太と対戦、その巧みなスタンド技術で瀧澤を1R失神KOさせ、DEEP二階級制覇を達成している。  芦澤は2023年大晦日にMMAデビュー戦で太田忍にKOで敗れたが、2024年7月の皇治戦、11月の昇侍戦と2連勝。リーチ・コンパスを活かしたアウトボクシングを組みを切るアウトMMAにして4戦目にしてDEEPフライ級王者の福田を自ら指名して臨む。  1R、サウスポー構えの福田が中央を取る。オーソの芦澤も喧嘩四つで左ジャブ。福田はリング中央を取ると、右足を芦澤の左足の外に踏み込み、右手で芦澤の左手を押さえてから左ストレートのステップイン! 右を合わせに行った芦澤にカウンターでヒットし、後方に倒れた芦澤にパウンド。すぐにレフェリーが間に入った。  試合後、福田は「芦澤君、ご指名ありがとうございました。これがDEEPのチャンピオンです。強いでしょ! 13年戦ってみんなに喜んでもらえる戦いが出来ました。おぶりがーど」と語った。 [nextpage] ▼第6試合 RIZINヘビー級(120kg)5分3R〇上田幹雄(BRAVE)107.85kg[2R 2分31秒 KO] ※左ヒザ蹴り×キム・テイン(ROAD FC)103.70kg  ともにプロ6戦目で100%のフィニッシュ率を誇るヘビー級戦。極真空手ベースの上田は近い距離でも打てる多彩な蹴りが武器。対するキム・テインはボクシングバックボーンのパンチのコンビネーションを持つ。両者共に課題はグラウンドのため、TKと合体した上田がいかにMMA打撃と組み技を消化したか。  セコンドに高阪剛がつく上田。  1R、サウスポー構えの上田。キムの右の入りに左の蹴りを狙う。左ローで崩す上田。右ローも。キムは右の強打から両差しで押し込み。  四つに持ち込み、ヒザ突く上田。クラッチするキムの崩しに思わずロープを掴んで防ぐ。近距離でヒジ狙う両者。ボディロックで崩すキムに上田は片ヒザ立ちからすぐに立ち上がり。キムのシングルレッグを切ってスタンドに。  詰めて右ヒザの上田に、ヒザを返したキム、ローブローに。「注意」。再開。左ロー、ミドルハイを2発当てる上田。そこに右ストレートを打つキムは左フック! クリンチの上田。ブレーク。  オーソにスイッチし、サウスポー構えになり左を当てた上田だが、前に出る上田に組んで左差して小外で煽って崩したのはキム。バックを奪い背後からパウンド狙うもゴング。  2R、左の蹴りを当てて前に出る上田だが、キムの右にヒザが落ちる! クリンチの上田。ブレーク。キムはスタミナに難があるか右から左フックの大振りに、上田は右ストレートをヒット! 身体が泳いだキムだが、ボディロックテイクダウン。下の上田は蹴り上げて立つ。  右から左ヒザの上田! キムも右を返しブレーク。左ミドルを音を立てて当てる上田。組んでコーナーに押し込むと、右で差して、左手でキムの右腕を押さえて、0距離から左上段のヒザ!  腰から崩れたキムはダウンし片足を掴んだが、レフェリーがストップ。上田が残心をきめて勝利した。  試合後、上田は「上田幹雄です! 今までで一番厳しい戦いでした。去年の大晦日ヘビー級日本人対決を決めて挑んだ戦いで期待を裏切る形になりました。来年はヘビー級のベルトを作ってください。そのときしか自分は日本人と戦わず、海外選手を倒していきます」と語った。 [nextpage] ▼第5試合 RIZIN MMAルール 59.0kg契約 5分3R ×神龍 誠(神龍ワールドジム)59.00kg[判定1-2]〇ホセ・トーレス(米国)58.80kg  神龍は、中学卒業後の2016年4月にPANCRASEでプロデビュー。2019年6月にDEEP史上最年少の18歳でDEEPフライ級王者となり、2022年11月にはCFFCフライ級王座も獲得して二冠王に。RIZINには2019年12月から参戦、2023年12月に堀口恭司に2R 一本負けしたが、2024年4月にイ・ジョンヒョンを肩固めに極めて再起。 2024年7月の『超RIZIN.3』で扇久保博正に判定負けも、11月のDEEPでKENTAにスプリット判定勝ちした。レスリングベースで高い身体能力を持ち、ギロチンチョーク、ニンジャチョークなどのがぶりからの首系の極めを持つ。戦績は18勝3敗1分1無効試合。24歳。UFCでフライ級王座に挑戦した朝倉海ともJTTで練習を行っている。  IMMAF世界選手権史上初の二冠達成のトーレスは、松濤館空手黒帯、NCAA D2でも活躍。立っても組んでも受けの強い相手。オーソから歩くように放つ打撃に、現UFCのアミール・アルバジのギロチン、三角も防ぐ組みの強さも併せ持つ。レスリングのみならずスタンドでは柔道黒帯の払い腰を得意とするが、その一方でBRAVE CFでのンコシ・ンデベレのようなテイクダウンディフェンスの強い相手には組みを切られ、長い打撃で手詰まりにさせられているため、神龍としては得意のサブミッションの展開に持っていくためには、トーレスの圧力をかわすスタンドが必要だ。リーチが決して長いわけではない神龍がいかにトレースを崩すか。組み際には得意のギロチンチョークにも注意が必要だ。神龍の世界の立ち位置があらためて確認できる好カード。  1R、サウスポー構えの神龍に右ハイのトーレス。ダブルレッグの神龍を差し上げるが、神龍は四つから右の小外がけテイクダウン。ハーフの神龍に右を差すトーレスに右にパスした神龍。サイドを奪うとヒジ。神龍はマウント狙いに後ろを向いたトーレスは神龍を背負って立つ。  4の字で背中に着く神龍に、トーレスは腰をずらして落とすと正対。そこも引き付け小外がけテイクダウンの神龍はトラックポジションを外して立つトーレスに右足をかけて左手首をコントロール。スタンドバックから離れ際に右サッカーキックを放ちゴング。  2R、先に詰めるトーレスに左の跳びヒザを打つ神龍。右スピニングバックヒジを打ち、左オーバーハンドもかわすトーレスは右を返し、インロー。さらに足払いで崩す。  右バックフィストを打つ神龍は、左のスーパーマンパンチも。ともにインローを打つと詰めて右ボディ、右アッパー。神龍も左アッパー。打ち合いで右の蹴りも入れるトーレスはインローを足払いのように崩して回転速く近い距離で前に出る。  右アッパーを返す神龍を追うトーレス。神龍をシングルレッグを切ったトーレスは腹固めの形から強引にリアネイキドチョーク狙いも、ここはスクランブルで正対する神龍。そこにハーフから左手のアームインギロチンチョーク! 神龍は首を持たれながら右脇腹を打つ。  2R、先に詰めるトーレスに左の跳びヒザを打つ神龍。右スピニングバックヒジを打ち、左オーバーハンドもかわすトーレスは右を返し、インロー。さらに足払いで崩す。   右バックフィストを打つ神龍は、左のスーパーマンパンチも。ともにインローを打つと、1Rを見たトーレスは得意の近い距離での打撃戦を展開。間合いを詰めて右ボディ、右アッパー。神龍も左アッパー。打ち合いで右の蹴りも入れるトーレスはインローを足払いのように崩して回転速く近距離で前に出る。  右アッパーを返す神龍を追うトーレス。神龍をシングルレッグを切ったトーレスは腹固めの形から強引にリアネイキドチョーク狙いも、ここはスクランブルで正対する神龍。そこにハーフから左手のアームインギロチンチョーク! 神龍は首を持たれながら右脇腹を打つ。  3R、トーレスの圧力に右ジャブ、跳びひざの神龍はダブルレッグも足を跳ね上げ切るトーレスは前に。神龍の跳びヒザをブロック、左をダックしてかわす。打ち合いのなかでクリンチヒジ、右を当てるのはトーレス。  そこで組みに来た神龍を投げようとしたトーレスは神龍の組みに詰めて神龍の潜り足関節狙いにヒザを抜いて後方向いて抜けてトップからバックに。  シングルバックのトーレスはボディトライアングルから右手でワンハンドのチョーク狙い。解いて背後からパウンチ。正対して一気に立つ神龍。コーナーに押し込むと神龍の潜っての足関節狙いは崩しがなく、トーレスがバック狙いから腕十字へ。神龍はクラッチして凌ぎ、ゴング。  判定は2-1で2、3Rに手数多く攻めたトーレスが勝利。引き込み足関節でポジションを失った神龍がスプリットで敗れた。 [nextpage] ▼第4試合 RIZINライト級(71kg)5分3R×矢地祐介(フリー)70.85kg[1R 0分26秒 TKO] ※パウンド〇桜庭大世(サクラバファミリア)70.60kg  プロ41戦の矢地がプロMMAデビュー戦の桜庭の相手を務める。宇佐美正パトリックを完封した通り、スタンド、組みともにMMAでの武器が圧倒的に多い矢地に対し、桜庭は柔道ベース&父・桜庭和志譲りのサブミッションレスリングをいかにハメるか。QUINTETでも見せた足技・投げ技からの“繋ぎ”に注目だ。ベテラン矢地は、桜庭相手にノーチャンスのパーフェクトMMAゲームで大晦日を越えるか。  SAKUマスクで入場の桜庭大世。セコンドには桜庭和志。矢地は狂蜂クレイジービーのハチマキで入場。セコンドは八隅孝平ロータス世田谷代表。試合前に桜庭の「僕がスーパースターになれるならここで倒せる」との言葉が流れる。  1R、ともにサウスポー構え。右の蹴りから入る矢地は、右ハイも。左ハイを返す桜庭は左オーバーハンドも狙い、左ミドルハイ。その蹴り足を脇下で掴んだ矢地に、桜庭は片足立ちで長い左のショート! アゴにもらった矢地は、ヒザから崩れ、桜庭は中腰から鉄槌連打! ガードの足が効ない矢地にレフェリーが間に入った。蹴り足を取られた桜庭の落ち着いた右の打ち方は、あえて掴ませたか。  試合後、桜庭は「七光りでも強いんだぞ、というのを少しは見せられたらと思います。もっと練習頑張っていくので応援よろしくお願いします」と笑顔で語った。 [nextpage] ▼第3試合 RIZINフェザー級(66.0kg)5分3R〇武田光司(フリー)66.00kg[判定3-0]×新居すぐる(HI ROLLERS ENTERTAINMENT)65.70kg  かつての練習仲間同士の対戦。武田は、2024年3月のフェザー級初戦で萩原恭平に判定勝ち。6月、無敗のラジャブアリ・シェイドゥラエフに1R リアネイキッドチョークで無念の一本負け。10月にビクター・コレスニックとの対戦が決まっていたが、コレスニックが感染症を罹患し緊急手術を行ったため中止となっていた。  新居は、2022年7月にハンセン玲雄を、2022年12月に高木凌をいずれも1Rにアームロックで仕留めると、2023年6月の『RIZIN.43』北海道大会では、かつての練習仲間の飯田健夫を1RでKO。9月のPANCRASE第10代フェザー級王座決定戦では亀井晨佑を2Rにセンタク挟みで仕留め、王座に就いている。大晦日には弥益ドミネーター聡志を右フックでマットに沈め、全てフィニッシュして5連勝を飾っていたが、7月の摩嶋一整戦でリアネイキドチョークを極められ連勝がストップ。  グレコローマンレスリングをベースにドミネートするグラップリングの武田に対し、新居はアームロックとセンタク挟みのコンボの一点突破型グラップラー。フィジカルが強い武田にいかにその必殺技をセットアップできるか。組むためには立ち合う必要があり、そこでKOも見せている新居の打撃と、武田の連打にも注目のスタンドだ。  1R、サウスポー構えの武田。オーソの新居。圧力をかける武田に新居はヒザ蹴りもかわした武田は組みに。そこに得意のアームロックを狙う新居は後方に回して顔に足をかけて腕十字、さらにセンタク挟みに。  まだ手をクラッチしてトップで凌ぐ武田は、回そうとする新居に返らずトップのまま。キムラクラッチは解かない新居に、クラッチを回そうとする武田。新居はクラッチを解くとそこに右のパウンド連打の武田。新居はその勢いで場外逃避の形もブレーク。  じりじり詰める武田。右回りの新居に右ローを細かく打つ。  2R、圧力をかけて右ロー、ワンツーの左で前に出る武田。右前蹴り、シングルレッグからボディロック。左小手の新居に右差しで押し込む武田はバックに回ろうとするが回させない新居はコーナー背に凌ぐ。  なおも右差しで押し込む武田は、左の細かいパウンド。3分経過。左ヒジ、肩パンチも打つ武田に新居はバックは譲らない。ブレーク  サウスポー構えから右前蹴りで詰める武田は右ロー。新居はローに右を振るとここはかわした武田だが、最後に新居は右! 武田はブロックして後転して立ち上がる。  左を突いて一気に組んだ武田。新居はコーナーに半身で凌ぎ、武田の小外がけにも崩れず。再びコーナーに戻ると左小手で凌ぐ新居にバック狙い。体を入れ替える新居を再びコーナーに押し込みクラッチ、崩すが、コーナーから剥がされない新居。その右ヒザがローブローとなり、中断。  右差しから再開の武田は押し込み。新居は左小手か正対し、右ヒザが入る。しかし2発目が音を立てて金的に。中断。武田は腰が崩れる。「やる」という武田だが、力が入らず。アクシデントのローブローにより、3R 4分09秒時点での判定に。  判定3-0で武田が勝利した。 [nextpage] ▼第2試合 RIZINヘビー級(120.0kg)5分3R×貴賢神(フリー)118.05kg[1R3分22秒 KO] ※右ヒザ→右ストレート〇エドポロキング(大阪租界/Rumbleヘビー級王者)117.85kg  ヘビー級戦。貴賢神はスダリオ剛の双子の弟。少年時代より空手やキックボクシングを習い空手では県大会2位の成績を残す。中学時代はバスケットボール部に所属し、茨城県大会で優勝、全国3位の実績を残した。卒業と同時に貴乃花部屋に兄とともに入門。13年3月に初土俵を踏むと、17年5月場所で新十両に昇進。18年3月には史上初の双子の関取誕生として話題を集めた。2022年4月のMMAデビューから3連敗も2024年3月にコーディー・ジェラベックを相手に1R TKOで初勝利。  204cmのエドポロキングはRumbleヘビー級王者。ナイジェリア人の父親と韓国人の母親を持つハーフ。BREAKING DOWNで活躍後、Rumble excited ALL無差別級契約で侍マーク・ハントにTKO勝ち。24年5月、Rumble#3でプロデビュー。急遽参戦となったナイジェリアのテリー・ワガンダを相手に1R、僅か15秒KO勝利した。  1R、ともにオーソドックス構え。左ハイから入るエドポロキングは左ローも。右ロー、右ミドルの貴賢神に、長い左ジャブのエドポロキング。貴賢神は左インロー。  右のハイキックからヒザで攻めるエドポロキングにボディロックから引き出してテイクダウンを狙う貴賢神。しかし、コーナー背に戻すエドポロキングになおもクラッチする。左を差し入れ四つに持ち込んだエドポロキングにブレーク。  左右から組みにきた貴賢神に、懐の深いエドポロキングは、首相撲から右ヒザを突き上げ! 効かされた貴賢神に左から右! さらに打ち下ろしの右でダウンを奪いKO勝ち。  試合後、エドポロキングは「飛び級せず世界に向けてコツコツやる。練習してくれた人、サポートしてくれた人に感謝します」と語った。 [nextpage] ▼第1試合 RIZINバンタム級(61.0kg)5分3R ※MMA×大雅(TRY HARD GYM/リバーサル横浜グランドスラム)61.00kg[判定0-3]〇梅野源治(PHOENIX)61.00  大雅、梅野ともに立ち技からMMAデビュー戦。フィジカルの強い大雅は、キックボクシングで6連勝中の出入りの打撃をいかにMMAで組みこむか。間合いの遠い梅野は掴むことができるオープンフィンガーグローブでMMAムエタイが出来るか。大雅のテイクダウン、梅野がムエタイクリンチも有効活用できれば、興味深い試合になる。立ち技では、2021年11月のRISEで対戦し、大雅が判定3-0で勝利している。  1R、梅野は広いスタンスでパンチ、テイクダウン対応の構え。いきなり前に出た大雅に、梅野も大きな右で前に。組む大雅を差し上げた梅野に、大雅は離れる。右で積極的に前に出る梅野。前傾姿勢でワンツーの右を当てる。  スイッチする大雅。オーソ、サウスポー構えに戻し、右ロー。右ストレートを返す梅野に、大雅はダブルレッグへ。差し上げる梅野はヒザ。離れた大雅に右ヒジ。しかし大雅はダブルレッグテイクダウン。クローズドガードの梅野はギロチンチョーク! 絞める梅野に首を抜いた大雅。 梅野は下から長い足を活かしてフットチョーク狙い。剥がした大雅に、下のままの梅野。大雅はフットスタンプで飛び込むと、梅野は下から足を刈る。  2R、前に圧力をかける梅野に左を打ち込む大雅! 梅野の左右に回り込んでダブルレッグへ。ギロチンで頭を抱える梅野に首を立てて極めさせない大雅は右ヒザで押し込む。ブレーク。  左ハイの大雅。ブロックする梅野にまたもテイクダウンを狙う大雅。切る梅野が今度は胴タックルで小外がけテイクダウン! 首を抱える大雅はハーフガードからクローズドガードに。梅野は上半身を固めて離すと、大雅の蹴り上げに合わせてパス。サイドからヒザを突いて上四方からノースサウスチョーク狙い、さらにヒジを打つ。ブリッジで立ち上がる大雅。大雅の跳び込みにジャブを合わせる梅野。  3R、梅野の前進に右前手フック。左ストレートを狙う大雅はバックフィストも。梅野は遠間からシングルレッグも切る大雅。梅野の右ミドルに左の蹴りを返すと、ワンツーの左。さらに右カーフをダブルと手数を増やす。  右ハイを打つ梅野に、左ボディストレート、跳び蹴りを狙う大雅。梅野の左の蹴りにも左ストレート、左ミドルを打ち込む。大雅のヒジの詰めに組んだ梅野は首相撲から押し込みヒザ、さらに足払いでこかしテイクダウン!  サイド奪い上半身を固めてヒザを打ち込むと、マウントからヒジ狙い。大雅の亀からのスクランブルにバックマウントの梅野は仰向けになった大雅を斜め後ろからヒジを打ち込みゴング。  最終回にムエタイのこかしでテイクダウンを奪い、決定的な場面を作った梅野が判定3-0で勝利した。 [nextpage] ▼第0試合 RIZIN甲子園決勝戦(61.0kg)5分2R〇横内三旺(フォーランバス)60.60kg[1R 3分03秒 リアネイキドチョーク]×斉藤健心(カルペディエム横浜)60.70kg※横内がRIZIN甲子園優勝  DEEPにも出場する横内“おにぎり君”三旺と、伝統派空手とフルコンタクト空手の両方をバックボーンに持つ斉藤の対戦。  1R、ともにサウスポー構え。前蹴りの斉藤に組んでボディロックテイクダウンの横内はサイドを奪取。バギーチョーク狙いの斉藤の立ち際にバックを奪い、リアネイキドチョーク狙い。ワンハンドで極めとするが、ここは腰をずらした斉藤。  なおもコントロールする横内は、ボディロックから持ち上げ、テイクダウン。再びバックを奪い、左手で自身の肩を抱きチョークへ。右手は掴んで組ませなかった斉藤だが、横内は左腕を掴んで絞めてタップを奪った。  試合後、横内は「いろんな人の支えがあってここまで来れました。ありがとうございました。パパ、ママ、観た? 甲子園優勝して終わりじゃない。チャンピオンベルト獲るまで見たくないですか。第2章よろしくお願いします。怪我も無いんで、篠塚くん、逃げないんであればよろしくお願いします」と語った。
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