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レポート

【K-1 KHAOS】全員デビュー戦の格闘代理戦争チームがK-1選抜チームに勝利、メインは松本日向が橋本実生との接戦制して一矢報いる

2019/09/27 22:09
「K-1 KHAOS NIGHT.9」2019年9月27日(金)東京・新宿FACE 対抗戦の勝敗を決した榊原(右) 毎回テーマが定められるK-1 JAPAN GROUP第3のブランドである『KHAOS』。今回のテーマはAbemaTVで放映された『格闘代理戦争 4thシーズン』にて、武尊や皇治らK-1ファイターが率いたチームの中から選抜された7名と、K-1選抜の7名が対抗戦を行う「K-1選抜vs格闘代理戦争・7対7全面対抗戦」として行われた。  格闘代理戦争チームは全員がこれがプロデビュー戦。K-1選抜チームは1人を除きすでにプロデビューを果たしている選手たちだったが、格闘代理戦争チームが先鋒戦からストレートで3勝をあげ、K-1選抜チームを追い詰めた。 メインは松本(左)が橋本を熱戦の末に振り切った 中堅戦と三将戦でK-1選抜チームが勝利して追い上げるも、副将戦で榊原達也(WSRフェアテックス西川口/木村組)が内田道隆(K-1 GYM横浜infinity) を破り、大将戦を待たずして4勝2敗で格闘代理戦争チームが対抗戦で勝利を収めた。  メインではデビュー戦同士となる松本日向(K-1ジム三軒茶屋シルバーウルフ) と橋本実生(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST/TEAM武尊)が対戦。デビュー戦とは思えない熱戦と、超満員の観客の声援でゴングが聞こえないほどの盛り上がりを見せ、試合は延長戦へ突入。両者一歩も譲らない熱戦は判定2-1の僅差でK-1選抜・松本が勝利し、格闘代理戦争チームに一矢報いた。 ▼第7試合 K-1選抜vs格闘代理戦争・7対7全面対抗戦・大将戦 K-1 KHAOS NIGHTバンタム級 3分3R・延長1R〇松本日向(K-1ジム三軒茶屋シルバーウルフ) 延長R 判定2-1 ※10-9、9-10、10-9×橋本実生(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST/TEAM武尊)※本戦の判定は29-30、29-29、29-29※いずれも赤コーナー(上)がK-1選抜、青コーナー(下)が格闘代理戦争選抜  松本はK-1カレッジ2018 -55kg優勝の肩書を持っているためK-1選抜となったが、『格闘代理戦争 4thシーズン』にも皇治軍団のメンバーとして出場している。TEAM武尊と皇治軍団はトーナメント準決勝で対戦しているが、松本は負傷のため出場することができず、橋本との対戦は実現しなかった。  両者ともバンタム級だが代理戦争では体格が大きな選手にも臆することなく立ち向かい、「この2人の試合を見たかったとの声があった」(中村拓己K-1プロデューサー)ため、お互いプロデビュー戦で大将戦として対戦が実現することに。  橋本のセコンドには武尊、松本のセコンドには11月24日(日)神奈川・横浜アリーナにて開催される『K-1 WORLD GP 2019 JAPAN~よこはまつり』で武尊との対戦が決定した村越優汰が就く。皇治も赤コーナーのリング下に陣取った。  1R、サウスポーの橋本は左ミドルとローを蹴り、パンチのチャンスを狙う。松本は右の三日月蹴りとロー。終盤、橋本がパンチのラッシュを仕掛けボディと顔面へパンチをもらった松本だが、打ち返す。場内はゴングも聞こえないほどの大声援に包まれる。  2R、松本の右ボディをもらった橋本は感情を露わにして打ち合いに出る。松本は橋本のミドルに軸足蹴りを合わせ、フェイントを使ってパンチを当てに行く。パンチでアグレッシブに攻める橋本に対し、技を合わせていく松本。  3R、松本は橋本の蹴りに軸足蹴りを合わせ、さらに橋本がそこへ左ストレートを合わせに行く。アグレッシブに動いて前へ出る松本に橋本は強打を打ち込んでいく。パンチのヒット数でやや橋本が上回ったかに見えたが、ジャッジ1名が橋本を支持するもドローで延長戦に。  松本は右ローを蹴り、橋本は左ミドルを蹴る。やや橋本の手数が減るが、アグレッシブに前へ出てパンチを出す松本もヒットを奪えない。橋本が終盤に左ストレートをヒットさせるが、松本もすぐにパンチで攻め込む。打ち合いの中、松本がヒットを奪い試合終了。判定は2-1の僅差で、松本がデビュー戦対決を制した。  松本は「実生君は俺は負けたくないと思っていたし、5月に代理戦争で負けてからずっとこの試合がしたくて。でもプロになれるか分からなかったけどやりたかったから。大学で部活の部長やっているんですが、やってみなってみんなが言ってくれて、地元の仲間も動画を作ってくれたり、凄い感謝しています。実生君のおかげで強くなれたし、まだまだ強くなりたいし、次は(北村)夏輝と一緒に勝ちたいです。格闘代理戦争のおかげでここまで知ってもらえて、応援してもらえて嬉しいです」と、嬉し涙を流しながらマイクで語った。  中村拓己K-1プロデューサーもリングに上がり、「格闘代理戦争を卒業した選手たちが全員デビュー戦でしたが、素晴らしい試合を見せてくれました。代理戦争は新しいシリーズが26日からスタートします。14日に出場選手のトライアウトを行うことが決まっております。今日の選手たちのようにK-1のリングでプロとして輝きたい選手はトライアウトを受けてください」と呼び掛けた。 [nextpage] ▼第6試合 K-1選抜vs格闘代理戦争・7対7全面対抗戦・副将戦 K-1 KHAOS NIGHTフェザー級 3分3R・延長1R×内田道隆(K-1 GYM横浜infinity) 判定0-3 ※26-30、26-30、27-30〇榊原達也(WSRフェアテックス西川口/木村組)  榊原はパンチの当て感やセンスを感じさせる試合を見せ、「他の選手にはないものがある選手だと思うのでその才能をプロのリングでも開花させてほしい」と中村拓己K-1プロデューサーが期待する選手。  内田はK-1カレッジ2017 -60kgの優勝者。KHAOSでプロデビューして1勝している。両者ともテクニックのあるファイターなので、レベルの高い試合が期待される。  1R、榊原はパワフルな左右フックで前へ出て攻めていく。サウスポーの内田は前蹴り、左ミドル、三日月蹴りと蹴りでボディを徹底的に狙う。  2R、ボディから顔面へのパンチコンビネーションを繰り出す榊原に、内田は左ミドル&ハイからの左ストレート。内田が左の蹴りでペースを取り始めたと思われたが、榊原がボディから左右フックをヒットさせて一気にペースを取り戻す。  3Rは内田が積極的に前へ出て左の蹴りを放っていくが、榊原はここでハイキック、ミドルキックと蹴りを多用。前蹴り、ローを蹴り、ローの連打からいきなり左フックを放つ上手さも見せる。  内田に蹴られても右ボディを返す榊原。そして終了間近、榊原の右ボディで内田は身体を丸めて後退。そこへ榊原が前蹴りで追撃し、ダウンを奪う。内田が立ち上がったところで試合終了となり、多彩な技を見せた榊原が判定勝ち。  対抗戦はこの時点で、大将戦を待たずして格闘代理戦争チームが4勝を挙げて勝利を決めた。 ▼第5試合 K-1選抜vs格闘代理戦争・7対7全面対抗戦・三将戦 K-1 KHAOS NIGHTスーパー・フェザー級 3分3R・延長1R〇提髪和希(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST) 判定3-0 ※29-27、29-26、29-26×北村夏輝(K-1ジム三軒茶屋シルバーウルフ/皇治軍団)  北村は格闘技キャリアは浅いが格闘代理戦争では皇治軍団の一員として気持ちの強いところを見せて印象に残る試合をした。提髪はK-1カレッジ2018 -60kg優勝者。KRUSHでプロデビューし、プロ戦績は1戦1敗。  1R、ローの蹴り合いの中、右ストレートを放ってヒザも繰り出す北村。提髪は右フックをクリーンヒットさせると、以後も右を狙い撃ちにする。北村のローに右ストレートのカウンターを合わせてダウンを奪うと、北村が前に出てくるところに右フックのカウンターを叩き込んで2度目のダウンを追加。  2R、前へ出続ける北村はワンツーとヒザ蹴り。提髪は下がる展開となるが、右フック、左フックをしっかりヒットさせていく。しかし、前蹴りも出して前へ出る北村がペースを握り始める。  3R、北村は左のパンチとヒザ蹴りでボディを攻めまくり、右ストレート、ハイキックも繰り出して前へ出る。手数が減った提髪だが右フック、右ストレートを打ち返す。最後まで勝負を諦めず倒しに行った北村だったが、2度のダウンを奪った提髪の勝利となった。  これで対抗戦の戦績はK-1選抜2勝、格闘代理戦争3勝となった。 [nextpage] ▼第4試合 K-1選抜vs格闘代理戦争・7対7全面対抗戦・中堅戦 K-1 KHAOS NIGHTスーパー・フェザー級 3分3R・延長1R〇久保一馬(FIGHT CLUB 428) 延長R 判定3-0 ※10-9×3×目黒翔大(優弥道場/ピーターズ)※本戦の判定は29-30、29-29、29-29  目黒はK-1アマチュアで優勝歴があり、K-1 AWARDSでアマチュアの最優秀選手賞を獲得。格闘代理戦争出演でデビューが伸びたが満を持してのプロデビュー戦となる。  久保もK-1アマチュアで実績があってそこからのプロデビュー。KRUSH本戦にも出場経験がありプロ戦績は2勝(1KO)3敗。  1R、サウスポーの目黒は左の蹴りからパワフルな左ストレートと右フック。特に右フックのヒットが目立つ。久保はなかなか手が出なかったが、後半は右ミドルを蹴っての右ストレートへつないでいった。  2R、目黒が飛びヒザ蹴りも交えてパンチを繰り出してくると、久保は右ミドルを返していく。リングサイドに陣取った同門のKINGレイナが「下がるな、前へ出ろ」と檄を飛ばす中、久保は前へ出て右ストレートを当てていく。  3Rも前へ出てパンチを放っていく久保。右ストレート、右ミドルでガムシャラに攻める。勢いに押される目黒だが、顔面へ前蹴り、左のパンチを返す。判定はジャッジ1名が目黒を支持したがドロー。延長戦へ突入する。  目立つヒットはないが前へ出て手数を出すのは久保の方だ。右フックを被弾した目黒はパンチで逆襲に出るが、久保は下がらず右ミドルを蹴ってガムシャラにパンチを出す。目黒が飛びヒザを放てば久保も飛びヒザ、久保の連打をもらった目黒は連打を返す。打ち合いを繰り広げる両者だが、前へ出続けて手数も出した久保が延長戦を制した。K-1選抜が初勝利。 ▼第3試合 K-1選抜vs格闘代理戦争・7対7全面対抗戦・五将戦 K-1 KHAOS NIGHTスーパー・フェザー級 3分3R・延長1R×勇治(ネクサスジム) 判定0-3 ※27-30×3〇此尾昂希(Fighting Kairos/久保ファミリー)  此尾は格闘センスに優れた選手で久保優太も高く評価している。空手がバックボーンでプロボクシングでデビューした経歴もある自力、レベルの高いファイター。  勇治は5勝(2KO)3敗の戦績を持ち、TRIBELATEではライト級とスーパー・ライト級王座の二階級制覇を達成している。K-1では今回が2戦目。  1R、サウスポーの此尾は左ハイを蹴ってからの左三日月蹴り、左ヒザと蹴りを巧みにヒットさせ、左ストレートも突き刺す。勇治は右ミドルと右ストレートで前へ出るが、此尾の距離で試合は進む。  2R、此尾は左三日月蹴りから左ストレートをクリーンヒットさせ、ヒザ蹴りの連打。果敢にパンチで前へ出ようとする勇治だが、そこへ此尾がヒザを合わせる。此尾のヒザがタイミングよく何度も入る。しかし、ヒザ蹴りを多用するあまりホールディングの注意も。  3Rも勇治はパンチで前へ出るが、そこへ此尾が左ストレート、ヒザ蹴りを合わせる。手数の減った此尾だったが、左の攻撃を的確に当てていく。強烈な左ハイで勇治が仰け反る場面も。勇治が飛び込んだところでバッティングとなり、右目上もカットしてドクターチェック。再開後、此尾の左ボディからの右フックが何度も決まるが、勇治は前へ出てパンチを放っていく。  奮闘した勇治だったがクリーンヒットの差は明らかで、此尾がジャッジ三者とも30-27の完勝でデビュー戦に勝利。これで格闘代理戦争チームが3連勝で勝ち越しに王手をかけた。 [nextpage] ▼第2試合 K-1選抜vs格闘代理戦争・7対7全面対抗戦・次鋒戦 K-1 KHAOS NIGHTライト級 3分3R・延長1R×山下和希(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST) KO 1R 2分52秒 ※左ストレート〇稲垣 柊(K-1ジム大宮チームレオン/芦澤一家)  稲垣は背の高い選手で蹴り技が多彩なファイター。山下はKRUSHとKHAOSで試合をしており(プロ戦績は2勝7敗)、6月に『K-1 KHAOS NIGHT』で行われた「Money in the KHAOS ROYAL」トーナメントでは1回戦突破。気持ちの見える熱い試合を見せた。  1R、両者サウスポー。稲垣はジャブを的確に当てていき、すぐにボディへのヒザ蹴りや前蹴りにつなぐ。山下はやや大振りのパンチを回転させていくが、稲垣はよく見てかわす。相手の攻撃をかわしながらジャブ、ヒザ蹴り、ワンツーと自分の攻撃を当てていく稲垣は余裕すら見える。  そして打ち合いになったところで右フックによるダウンを奪い、立ち上がった山下へ一気にパンチで襲い掛かって最後は左ストレート。稲垣が鮮やかなKO勝ちでデビュー戦を飾るとともに、格闘代理戦争チームに2勝目をもたらした。  稲垣はマイクを持つと「チームレオンは今年1月からジムが出来て僕がプロ1号ですが、2号がラウェイの金子大輝選手。他にもプロの選手がいて、お兄ちゃんが次の格闘代理戦争に出場します。僕より強いと思っているので、稲垣兄弟をこれからよろしくお願いします」とアピールした。 ▼第1試合 K-1選抜vs格闘代理戦争・7対7全面対抗戦・先鋒戦 K-1 KHAOS NIGHTフェザー級 3分3R・延長1R×秀樹(レンジャージム) 判定0-3 ※27-30×3〇岡嶋形徒(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST/TEAM武尊)  岡嶋はK-1アマチュアでも実績があり、代理戦争ではスタミナがあってアグレッシブで攻め続けるスタイルで注目された。秀樹は今回2度目の参戦。KRUSHのプレリミナリーファイトで1戦やっている(プロ戦績は2勝2KO1敗)。その試合では本来より重い階級で試合をして前へ出るスタイルでKO勝利している。対抗戦の火付け役にふさわしい組み合わせに。  1R、岡嶋はローと前蹴りで先制、秀樹は飛び込みざまのフックを繰り出し、強い右ローを返す。岡嶋は長いリーチを活かしてのワンツー連打で前へ出ていく。  2R、岡嶋は前蹴りでボディを攻め、強い右ローへつなぐ。秀樹も強い右ローを蹴り返すが、岡嶋が右の連打で一気に攻め込む。両者ヒートアップしての打ち合いを展開し、岡嶋の右ストレートとヒザ蹴りに秀樹は右フックで対抗。両者のパンチがヒットするが、岡嶋の右のヒットが目立つ。  3R、ここまで左右に構えをスイッチしていた秀樹がサウスポーで勝負をかける。岡嶋は待ちの姿勢となるが、右ストレートで強襲する場面も。ラウンド終了間際に岡嶋が右ストレートからの右フックでダウンを奪う。秀樹は立ち上がったがすぐに終了のゴング。  勢いだけでなく駆け引きも見せた岡嶋が判定3-0で勝利。デビュー戦を白星で飾り、格闘代理戦争チームに先勝をもたらした。
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