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2024年12月7日(日本時間8日)、米国ラスベガスのT-モバイル・アリーナにて『UFC 310: Pantoja vs. Asakura』(U-NEXT/UFC Fight Pass配信)が開催された。
ブライアン・バトル(米国)が体重超過以外は、メインイベントのフライ級タイトルマッチの王者・アレッシャンドリ・パントージャ(ブラジル)vs.挑戦者・朝倉海(日本)、コメインのシャフカト・ラフモノフ(カザフスタン)vs.イアン・ギャリー(アイルランド)らほか全選手が計量をパスしている(※ギルバート・バーンズによるパントージャvs.朝倉海予想)。
マネル・ケイプ🤝平良達郎
— UFC Japan (@ufc_jp) December 8, 2024
フライ級トップコンテンダーが見守る #UFC310 👀
ケイプは来週末の #UFCTampa に出場予定👊💥 pic.twitter.com/owQsVD56by
『UFC 310: Pantoja vs. Asakura』速報
▼UFC世界フライ級(125ポンド)選手権試合 5分5R
〇アレッシャンドリ・パントージャ(ブラジル)王者 29勝5敗(UFC13勝3敗)※UFC7連勝 124.5ポンド/56.47kg
[2R 2分05秒 リアネイキドチョーク]
×朝倉 海(日本)挑戦者 21勝5敗(UFC0勝1敗)※RIZINバンタム級王者→UFCフライ級デビュー 124.5ポンド/56.47kg
※パントージャが3度目の防衛に成功
朝倉海は、MMA21勝4敗。初代THE OUTSIDER 55-60kg級王者から、2017年12月にRIZIN初参戦し、堀口恭司、扇久保博正、フアン・アーチュレッタらを破り、第3代・第6代RIZINバンタム級王者となり、2024年6月に王座を返上。UFCと契約したことを発表。7年半ぶりにフライ級に落として、いきなりチャンピオンに挑戦する。31歳。
現UFC世界フライ級王者のパントージャは、2023年7月にブランドン・モレノに5R スプリット判定で勝利し、王座を獲得。12月にブランドン・ロイバルに判定勝ちし初防衛に成功すると、5月の地元ブラジル・リオ大会でスティーブ・エルセグに5R判定勝ち、2度目の王座防衛に成功している。34歳。
RIZINのテーマ曲とレニー・ハートのコールの声に迎られて花道に姿を現した朝倉海。セコンドに兄・朝倉未来、柔術家の石黒翔也、ビリー・ビゲロウ、エリー・ケーリッシュがつく。パントージャのセコンドにはいつものパルンピーニャがつく。同大会にはATTのエフロエフのセコンドとしてマイク・ブラウンも来場している。
コールに観客を煽る朝倉。右手を挙げる。王者は両手を挙げてからジャンプして見せた。
1R、ともにオーソドックス構え。グローブタッチ。詰めるパントージャは右カーフ。パントージャの詰めに跳びヒザ! しかしダブルレッグテイクダウンのパントージャに、朝倉は立ち上がり左で差すが、金網背にするパントージャが右で左足を取りテイクダウン!
フルガードの朝倉はパントージャの左腕をオーバーフックしてパントージャが腕を抜く動きに合わせて立ち上がり! 左インローをダブルで蹴る朝倉。さらにパントージャの入りに左ヒザ! 構わず詰めるパントージャに左ジャブを当てる朝倉。詰めるパントージャは左! 朝倉は左ハイ。ガードするパントージャは両足を上げて近づき組むが、切る朝倉。左右から右ミドルを当てたパントージャに、朝倉も押し戻し、ジャブ。ワンツーから右ミドルのパントージャ。ホーン。
2R、中央を取るパントージャは前進して左からダブルレッグ、引き剥がす朝倉に足払いで崩してバックに。右足をかけるパントージャ。金網に背中をつける朝倉だが、両脇を差してボデイロックのパントージャは、朝倉を崩して背中に乗って、すかさず4の字に組むと左手でリアネイキドチョーク! 防御する朝倉に右手での絞めに変えると、いったんは後ろ手を剥がした朝倉だが、右手で朝倉の左肩を抱いたパントージャは、掴まれた左手を上から固めて朝倉を絞め落とした。
試合後、パントージャは「これがUFCのレベルだ。俺のベルトを獲れると思ったのか? そんなわけはないだろう。今度は俺が日本へ行って防衛してもいい。あのキッドは最高だ。タフなウォリアーだった。相手はラフでハイライトリールもたくさんあるけれど自分の方が強い。このボディトライアングルは“パルンピーニャ・フック”だ。タフなATTのチームのみんな、堀口恭司、アドリアーノ・モラエスらに感謝したい。簡単にはタイトルは取らせない。デメトリアス(ジョンソン)は今年引退したけれども、自分が最強だと証明したいなら戻ってきて俺と試合しろ」と語った。
ダナ・ホワイト代表率いるズッファ社体制以降で、過去にUFCでいきなり王座に挑戦した日本人は2人。2001年2月の『UFC 30』で宇野薫が「初代バンタム級王座決定戦」でジェンス・パルヴァーと対戦し、5R判定負け。2002年3月に桜井“マッハ”速人が『UFC 36』で、世界ウェルター級王者マット・ヒューズに挑戦も4R TKO負けで、いずれも戴冠ならず。
その後、ランキング制が敷かれたUFCでは、岡見勇信が2006年のUFCデビュー後、オクタゴン10勝2敗と勝ち星を積み上げ、2011年8月の『UFC 134』で世界ミドル級王者アンデウソン・シウバに挑戦したが、2R TKO負け。最後の日本人のUFC世界王座挑戦は、現RIZINフライ級王者の堀口恭司で、UFC4連勝をマークし、2015年4月の『UFC 186』で、世界フライ級王者デメトリアス・ジョンソンに挑戦も、5R 一本負けで王座獲得に失敗している。日本人がことごとく跳ね返されてきたUFC世界王者の頂き。2024年12月の朝倉海の王座挑戦失敗で、日本人初=アジア男子初のUFC世界王者誕生は持ち越されることになった。