2024年12月14日(土)東京・国立代々木競技場第一体育館『K-1 WORLD GP 2024』にて、K-1スーパー・バンタム級3分3R延長1Rで璃明武(=りあむ/K-1ジム総本部チームペガサス)と対戦する大久保琉唯(K-1ジム・ウルフ TEAM ASTER)のインタビューが主催者を通じて届いた。
大久保は、22年6月の「THE MATCH 2022」で那須川天心の弟・龍心に勝利。9月は初代Krushフライ級王座決定トーナメントを制し、プロ4戦目にして王座に就いた。23年6月は、バンタム級ワンマッチでアマチュア時代のライバル・齊藤龍之介と対戦し延長判定で敗れてプロ初黒星を喫するも、10月に黒川瑛斗を判定で下して再起。24年3月に壬生狼一輝から判定勝利。7月は-55kg世界最強決定トーナメント一回戦でジャオ・ジェンドンを破り、3連勝。9月はK-1 WORLD MAX 2024 -55kg世界最強決定トーナメント準決勝で玖村将史から判定勝ち、決勝は金子晃大にKO負けを喫して準優勝となった。
僕が勝って行くしかないと思った
――今回の対戦カード発表会見では大久保選手と璃明武選手が並び、55kgは新時代に入ってきたことを感じさせました。
「自分ではよく分からなかったですけど、言われてみればそうなのかなという感じです」
――ただ一方で、金子晃大選手は現チャンピオンでトーナメント覇者として2冠保持者です。1強の絶対王者となっていますが、どう捉えていますか?
「でも、前回は万全だったら行けたかなとは思っています。今度の試合をしっかりと勝って、またアピールするしかないですね。その意味でも、今回の璃明武戦は負けられないです」
――今年の55kg世界トーナメントは、2強と呼ばれた玖村将史選手を破り、決勝で金子選手と対戦しました。出場した前後で変わった意識はありますか?
「今は10戦くらいですけど、以前は勝てて嬉しいとか、練習もただやっている感じでした。でも考え方が変わってきて、どうやったら注目されるのかなとか、どうやったら面白く見られるのかということを試合のことだけではなく考えるようになりました」
――SNSを利用しての宣伝とか、トラッシュトークなどですね。
「試合前、いかに盛り上げることができるかですね。あと練習でも、ジャブをひとつとっても攻撃はたくさんあるので、とても奧が深くて面白いなと思い取り組んでいます」
――たしかに大久保選手の発言は、何かと話題になりますね。
「そこを楽しませてナンボじゃないですけど、日常でも考えています。SNSで何を書けば注目されるとか、何を言えばいいとか必ず考えます」
――自身のSNSで“BD何かじゃなくて、9月本物の格闘技見に来てください”と配信して、ブレイキングダウンのファンや選手が反論して、かなり炎上しました。あれは作戦ですか?
「ただ思ったことを書いただけです」
――とくに後悔はないと。
「自分が書いたことを後悔したことはないですね。書く前に、配信していいか考えることはありますけど、後悔はないです」
――もう一つ話題になったのは準決勝の玖村戦ですが、あれは玖村選手が勝っていたという意見もありました。腹が立つことはありましたか?
「いえ、イラつくことはないです。僕が勝っていたので。勝手に言ってくれよという感じです」
――試合前、玖村選手から「試合がつまらない」という批判を受けていました。
「言われてましたね。でも、負けてんじゃんって。勝った奴が正義ですから。でも、この前のトーナメントは、つまらなくはなかったと思いますけど」
――緊張感がありましたね。玖村戦で差がついたのは、ヒザ蹴りをアゴにヒットした場面でしょうか。ダウンではありませんでしたが、動きを止めたのは事実でした。
「対策をすれば当たると思っていました。最近はヒザ蹴りも何パターンかあって、それを考えるようになっています」
――今も出稽古をしているんですか?
「はい。週1回は、宇都宮から都内に出てきて出稽古させていただいています。前回の試合前とか今回もそうですけど、橋本道場の安本晴翔君とスパーリングをさせてもらいました」
――RISEフェザー級王者の安本選手とのスパーリングなんて、それだけでお金がとれそうです。どんな感じになるのでしょうか。
「最初は効かされてやられていましたが、最近はやり合えるくらいにはなりました」
――出稽古は、やはりいい練習になりますか?
「はい。いい緊張感もありますし、普段、経験できないわけですから試合に近い形にはなりますね」
――今回の璃明武戦は、記者から“見合ってしまうのでは?”という意見に反論していましたが、実際にはどんな展開を予想しているのでしょうか?
「見合うと予想されていますし、実際にそうなると思います。でも自分が、どんな動きをするのか見てもらいたいですね。そんなことができるんだ、この距離で戦うんだという発見があると思います」
――それは楽しみですね。
「これまで璃明武選手にやられるのは、あの見合う距離で打たれる場面やガムシャラに突っ込んで倒される2パターンがありました。それは分かっているので、僕はどんな動きをするのか注目していてください」
――ここを勝って、金子選手との再戦につなげたい構想ですか?
「自然とそういう流れになると思います」
――万全ならば、金子選手に勝てる自信はありますか?
「あります。倒されたあの蹴りがと言ってしまえばキリがなくなってしまいますけど、決勝は何も対策を練らずに試合をしてああなってしまったので、今回、作り直せばいけますね。でも、璃明武選手はいけないと思います」
――なぜ?
「あの戦い方が限界かと思いました。僕が勝って行くしかないかなと思いました」
――ですが、璃明武選手は金子選手と接戦になりました。
「でも、次に戦ってもあの展開の先はないかなと思いました」
――差がつくほどではないと。
「はい、そう見えました。あそこが限界です」
――金子・璃明武の2強は、対策を立てやすいですか?
「はい、そう思います。研究材料がたくさんありますし、毎試合、大きく変わるところもない。もちろん、試合は相手が変わるので展開は違いますが、武器は変わらないです。そこに対応する感じです」
――いわゆる攻撃のオプションが増えるかどうか。大久保選手はいかがでしょうか?
「僕は増えていると思います。試合を重ねるにつれて成長を感じますし、面白いです」
――次の試合を見たら、成長が見える?
「と思います」
――最後に、記者会見で大晦日に試合をしたいという発言もありましたが、あの狙いを教えてください。
「単純に、大晦日と言えば格闘技かなと。僕は、それをやりたいですね」
――RIZINですか?
「RIZINに出たいとかの話ではなく、K-1をやりたいということです」
――たしかに、昔はK-1を主体にした『Dynamite』というイベントを大晦日に行い、2004年には魔裟斗選手と山本“KID”徳郁選手が対戦しました。あれをやりたいと。
「2004年は自分が生まれた年なので見ていませんが、後から知って、面白いなと思いました。ああいうことをK-1でもう一回、やりたいなと思っています。それは、もちろん僕だけではできませんけど、みんなで格闘技を盛り上げたい!」
――大晦日は特別な日なので、通常の試合というよりかはMMA選手との試合とか、そういうことも視野にありますか?
「面白いんじゃないですか。寝技はどこまでできるか分からないけど、首相撲はめちゃくちゃ強いです。首相撲の練習で、投げ飛ばしてやろうかと思う時もあります」
――そうなんですね。実現したら、面白いことになりそうです。
「大晦日に格闘技をやるのは、憧れがあります。K-1で、それを実現できるように今回の試合を勝って、金子選手とタイトルマッチができるように頑張ります!」