GLORY世界フェザー級王座を8度も防衛しているペットパノムルン(C)RISE
2024年12月21日(土)千葉・幕張メッセイベントホール『ABEMA presents RISE WORLD SERIES 2024 FINAL』にて行われる「GLORY RISE FEATHER WEIGHT GRANDPRIX」に出場する、GLORY世界フェザー級王者ペットパノムルン・キャットムーカオ(タイ)のインタビューが主催者を通じて届いた。
ペッチことペットパノムルンはサウスポーで、2011年にプロムエタイ協会バンタム級王者、2013年にスーパーフェザー級王者となって2階級制覇。2015年にはトーナメント戦の『トヨタ・ムエマラソン』-64kg級で優勝、2016年にWMC世界ライト級王者となった。セクサン、サムエー、ペットモラコット、チャムアックトーンらスター選手としのぎを削って勝利を収め、2016年8月からはGLORYに参戦。2018年9月に ロビン・ファン・ロスマレンに挑戦し、判定勝ちでGLORY世界フェザー級王座を奪取した。
2018年にはGLORYの“ノックアウト・オブ・ザ・イヤー”に輝く。2021年11月にRISEに初来日を果たして原口健飛に勝利すると、2022年8月の原口との再戦を制してRISE世界スーパーライト級(-65kg)初代王者との二冠王となったが、2023年12月の初防衛戦でチャド・コリンズに敗れてRISE王座は失った。7月に原口との3度目の対決も制して8度目の防衛に成功。戦績は171勝(27KO)40敗3分。
全部の武器を使って勝負
「今はタイのブリラム県にある自分の家にいます」
――カナダを拠点にしているそうですが、タイとカナダでは1年を通してどのくらいの割合で生活しているんですか?
「7~8カ月ほど大半をカナダで過ごして、タイには毎年2、3カ月くらい合計で帰ってくるイメージです」
――カナダでの生活というのは何年目になりますか?
「今で2年になりますが、先ほどのようにまだ行ったり来たりはしている状態です」
――英会話の方はかなり上達しているんですね。
「多少は…です(笑)」
――カナダでの食生活はいかがですか?
「カナダはいろいろな食事があって、日本料理も中国料理も西洋料理もタイ料理もありますので、何でも食べています。ただ、何が1番好きかと聞かれたらやっぱりタイ料理が1番好きです」
――カナダはどこの都市にいらっしゃるんですか?
「バンクーバーです」
――バンクーバーは気に入った土地になりつつありますか?
「住んでいるので好きな町です」
――将来的にはバンクーバーに永住することも考えているんですか?
「カナダは良いところではあるんですけど、将来的なことを言うとずっと居たいというよりは、まだ計画は立てていないですが、やっぱりタイに帰りたいという気持ちがあります」
――やはり地元のブリラムにいると落ち着きますか?
「そうですね。やはり家族と居られるので安心します」
――ちなみにペッチ選手はご結婚されていますか?
「彼女はいますが結婚はしていないです」
――30代になったら結婚するという事も考えてはいるんですか?
「そうですね。それも良いと思いますが、まだ自分の準備が整った状態ではないので、もう少ししっかりと将来の状態を良くしてから次に進みたいです」
――ペッチ選手が所属していたキャットムーカオジムが閉鎖されたというニュースが日本にも届きましたが、タイに行った時はどこで練習していますか?
「ブリラムに帰ってきて1週間ほどですけど、またバンコクに戻る予定です。通常のトレーニング時はバンコクにあるスーパーレックのジムで練習をしています」
――ずっと自分が所属していたジムが閉鎖になるというのは、悲しい出来事でしたか?
「そうですね。少し寂しい気持ちはありますが、地元のジムには人がいない状態で、新しく選手を育てられるような状態ではなかったんです。僕も離れてしまったりスパーレックも自分でジムを開いたりといって、人がいないし子供もいない中で仕方のない事なのかなと思います。寂しい気持ちはありますが、僕は僕の未来を進んでいきます」
――先日の組み合わせ抽選会で、ペッチ選手が1番最初に自分で枠を決めました。そこに日本の白鳥選手が入ってきてペッチ選手との試合が決まりましたが、白鳥選手がペッチ選手との対戦を希望したことについてはどう思いましたか?
「自分を選んでチャレンジしてきてくれる事にすごく敬意を払いますし、白鳥選手は原口選手と同様に本当に上手くて強い選手なので、すごく楽しい試合になると思います」
――現状で白鳥選手の事はどういう選手だと分析されていますか?
「今のところ白鳥選手はすごく上手い、才能のある選手だと思っています。気をつけるべきところはパンチがとても素早いので、そのスピードのある強いパンチの対策をしています。強い選手なので難しい試合になりますが、勝ちを獲りにいきます」
――以前白鳥選手がRISEのリングで、タイでは有名なセクサン選手に勝った試合をご覧になったことはありますか?
「その試合はしっかりとは見ていないので、また時間を作って見たいと思います。特に注目して見たいのは、過去2~3試合なので、その試合を勉強する予定です」
――調べてみると1dayトーナメントには、2015年にタイで行われたムエマラソンに出ていましたけど、その時の1日に3試合をして優勝した時の記憶というのは鮮明にまだ覚えていますか?
「よく覚えています」
――1日3試合を勝ち抜くコツというのは、その時に身につけることができたのでしょうか?
「確かに1日に何試合もするということは、経験にはなっているのですが、当時はムエタイの試合だったので今とは全く異なる形態だと思っています。そしてその後も試合をしてきているのはキックボクシングだし、今回は最強の選手が集まっているので、そういった中で緊張もあるのですが頑張りたいです」
――ワンマッチの時とトーナメントの時を比べると、試合を迎えるモチベーションに違いはあるのでしょうか?
「全然違いますね。1試合の時は勝てば終わりですけど、勝ったと思ったらその次にまた別の試合が待っているので、間違いなく疲れますね(笑)」
――1試合勝ち上がって、次の試合を待っている間はどんなことを考えているんですか?
「まずはしっかり座って休憩を取ることが大事です。その間は考えるというよりは、次の対戦相手の試合をしっかり見て、僕の試合ではどうするかというところの戦略を練っていくつもりです」
――優勝賞金として10万ドルがファイトマネーとは別で用意されていますが、優勝賞金があるのは別の意味でのモチベーションになりますか?
「僕たち選手が試合をしている目的はプロとして試合をしてお金を稼いで家族を養うというところにあるので、賞金は間違いなく大きなモチベーションの一つです」
――今回のトーナメントは通常のRISEルールではなく、首相撲で攻撃を仕掛けていても、攻撃をしていたらずっと攻撃が認められるというルールが採用されていますが、その部分というのは自分に有利に働くと思いますか?
「首相撲だけのところに注力して言うと、確かに少しムエタイ寄りといったところや膝を使えるテクニックというところで、少し得意で経験のある部分です。全体を通して全ての武器を使って攻撃を仕掛けていくところは変わらないので、全部の武器を使って勝負します」