ラジャダムナンスタジアム王座奪取に最後の目標を定めた大和
2024年12月1日(日)神奈川・横浜大さん橋ホール『RWS JAPAN』(U-NEXT配信)にて、ザ・スター・ペットキアペット(タイ)とウェルター級(-65kg)3分3Rで対戦する第6代K-1 WORLD GPスーパー・ライト級王者の大和哲也(大和キックボクシングジム)のインタビューが主催者を通じて届いた。
大和は2005年7月プロデビューの36歳。NJKFライト級王座、WMCインターコンチネンタル同級王座、WBCムエタイ日本同級王座、WBCムエタイ日本スーパーライト級王座、WBCムエタイ・インターナショナル同級王座、Lion Fight世界スーパー・ライト級王座を次々と獲得。2014年11月にはサゲッダーオをTKOに破り、同日にタイトルマッチを行った梅野源治と共に日本人初のWBCムエタイ世界王者(スーパーライト級)となった。
2010年にK-1 WORLD MAX -63kg日本トーナメントで全試合KO優勝を果たし、その後はムエタイルールでの試合に専念していたが、2017年4月から新生K-1に参戦。トップクラスには苦戦が続いたが、2022年4月に山崎秀晃を初回KOして第6代K-1 WORLD GPスーパー・ライト級王座に就くと、9月には佐々木大蔵を判定に破り初防衛、2023年3月に林健太に判定勝ちで2度目の防衛に成功。K-1王座を返上し、2024年6月にヒジあり復帰戦でゲーウガンワンに判定で敗れた。戦績は45勝(32KO)21敗1分。
狙わずにいいところでスパッと仕留めたい
――試合に向けての調整はいかがでしょうか。
「いいイメージで練習できているので試合が楽しみです」
――これまでK-1を主戦場にしていましたが、今年6月にヒジあり路線に復帰して今回2戦目になります。ご自身としては手応えはどうですか。
「前回のゲーウガンワン戦ではムエタイの独特のリズムに久しぶりに飲まれてしまった感もあったんですけど、それは逆にムエタイを思い出す感覚にもなりました。今回はそれを修正してしっかりといい戦いをしたいと思います」
――RWSの中川夏生プロモーターは会見で、K-1時代は本来の大和選手の動きではなかったというようなことを言われてましたけど、ご自身もそういう意識はありました?
「そうですね。得意なヒジ打ちができないと、正直なところ、僕は我慢して戦っていた感じでした。ワンキャッチ・ワンアタックが認められただけでも、僕は絶対にいい戦いができるんですけど、特技を使わずに戦っていた感覚だったので、ある意味、K-1の時は修行のような時期で選手としての最後は全てを開放して戦い、ムエタイルールに再挑戦したい気持ちになりました」
――それはいつぐらいから考えるようになったんですか。
「去年2月にK-1のタイトルを2度防衛したぐらいからです。これから僕は外国人選手を相手に戦いたいという思いもあったのですが、当時はそれがなかなか難しそうな状況であり『自分は今から何年やれるんだろう』『今のいい状態で得意なヒジのテクニックを開放したらどうなるんだろう』と思い始めました」
――ちなみにK-1時代はヒジ打ちや首相撲の練習はやっていたんですか。
「全くやってないですね。K-1ルールでヒジの距離では、そこでどうやってパンチを打つかを考えていて、逆にK-1ルールでやってきたことでショートレンジのパンチがヒジを打つように出せるので、コテコテのムエタイ選手にない接近戦、中間距離の攻防を見せられるんじゃないかなと」
――以前よりも強くなってる手応えもありますか。
「もちろんそれはあります。年齢を重ねて疲労は抜けにくくなっているのは十分感じていますけど、いい動きができている自信があるので、大和哲也の最終章で一番いい強さを発揮したいですね」
――次の相手、ザ スター・ペットキアトペット選手に関してはどういった印象がありますか。
「若手の選手でガンガン来る選手だなという印象があります。僕を倒しに来ると思うので、それに対して引かずに真っ向から打ちあって逆に倒したいと思いますね」
――どういった試合展開を予想してますが。
「3Rですし、1Rから激しい展開になるんじゃないかなと読んでいるので、自分は引かないようにして戦い、狙わずにいいところでスパッと仕留めたいと思います」
――RWSという団体に対しては、どういったイメージがありました?
「すごく盛り上がっている団体で、ムエタイといえばRWSだなと思って見ていたので、そこに参戦できたことは嬉しいですね」
――今後タイトルを目指すのであれば、タイでの試合もあるかと思うんですけど、そこも意識してますか。
「そうですね。タイ人とかとはいっぱい試合をしているけど、アメリカでの試合が多く、タイではまだ試合をやったことがないので、もし縁があったら行きたいですね」
――意外にもタイでの試合はないんですね。
「対戦した選手はタイ人が多いんですけど、日本かアメリカの二カ国でしか試合をやってないんですよね。ちなみにラジャダムナンスタジアムでの現地での観戦はあります。僕は打倒ムエタイというよりは、対世界に行きたかったので、WBCムエタイの世界タイトルを狙っていました。K-1で最終的に世界タイトルを獲って、やっぱり最終目標はムエタイのタイトル獲得にあり、そうなればラジャダムナンスタジアムのベルトを狙おうと思いましたね」
――期間的には、いつまでにタイトルを獲りたいと考えていますか。
「もちろんできるならば来年はプロデビューして20周年になるので、来年に挑戦したいと思います」
「そうですね。12月10日で37になるのですが、この年までやっているというのは自分がWBCのタイトルを獲った頃には思ってもいなかったことでした。この20年を締めくくる年にラジャタイトルに挑戦してベルトを巻けたら最高だなと思うので、そこを目指していくだけです。あと、格闘技は不可能を可能にするところを見せられる舞台だと思っていて、K-1の世界でもタイトル獲得は誰もが無理だと思うことをやってのけた男なので、ラジャタイトルも獲れると思って一歩一歩進んでいきます」
――もしラジャのベルトを獲ったらONEのタイトルも獲りたい欲が出てきたりは?
「年齢も年齢なので(苦笑)。まずはラジャに照準を合わせていきます」
――K-1を背負ってラジャのベルトを獲る気持ちもありますか。
「僕はムエタイのベルトも獲ってきましたが、もともとK-1を目指していた人間であり、今はK-1世界王者という肩書もあるのでその気持ちはどんどん見せていきたいですね」
――K-1のチャンピオンとしてムエタイにはどういったところが通用すると思いますか。
「パンチの技術に関しては、僕もK-1参戦することで新たに磨かれた技術もあると思うし、ムエタイ選手にないような一撃が僕はあるので、そういうところを次の試合を見せます。大和哲也の最終章の初戦です。最高の戦いを見せますので、応援よろしくお願いします」