2024年12月14日(土)東京・国立代々木競技場第一体育館『K-1 WORLD GP 2024』にて、スーパーファイトのスーパー・ウェルター級3分3R延長1Rで、ストーヤン・コプリヴレンスキー(オランダ/Mike's Gym)と対戦する和島大海(月心会チーム侍)のインタビューが主催者を通じて届いた。
和島は2021年12月に木村“フィリップ”ミノルに挑戦して左ミドルでKO勝ち、K-1王座に就いた。2022年6月の『THE MATCH 2022』では“ブラックパンサー”ベイノアから3度のダウンを奪う圧勝を遂げ、2023年3月にはジョムトーンを延長戦でKOし、7月にはかつて敗れているジョーダン・ピケオーをもKOしてK-1では7連続KOを飾ったが、12月の3度目の防衛戦でオウヤン・フェンにKOで敗れて王座を失った。2024年は3月の「K-1 WORLD MAX-70kg世界最強決定トーナメント」開幕戦でダリル・フェルドンクにKO負けを喫し、10月にキム・ジュンファをKOして再起。戦績は21勝(18KO)6敗。
厳しい戦いになると思う。でも、勝ちたい
――10月のK-1大阪大会は、韓国のキム・ジュンファ選手をKOで下して完全復活をはたしました。
「何がなんでも勝ちたかったので、どうにか勝てて良かったなとホッとしました」
――2連敗後の再起戦でした。
「もう辞めようかと思う時もあって、悩みました。でも、このまま終わりたくないと思っていましたし、皆さんの支えでここまで来れました。本当に戦っている最中に心が折れているような状況で、もう辞めようかなと。それくらいメンタル的にやられていました」
――今振り返ってみて、あの時の自分は自分ではない、という感じだったのでしょうか。
「勝ったことでモチベーションが上がり、戻ったなという感覚はあります」
――復活勝利のワジマックス宣言もありました。パンチではなく蹴りで勝つ姿を見せましたが、あれも本来のスタイルですか。
「そうですね。僕のスタイル的には蹴りを使い、仕留める時は蹴りでもパンチでも問題ないんですけど、やはり蹴っていった方が自分のリズムができるかなと思います」
――悩んでいる時は、どんな支えがあったのでしょうか。
「休んだ期間があって、どうしようかなと休んでいる時に、スポンサーさんから“そんなんだったら、もう辞めろ”と言われて。負けず嫌いもあったんでしょうけど、そこからスイッチが入りました」
――叱咤激励だったんですね。
「それまでは自分のタイミングでやればいいと言われていたんですけど、“辞めろ”と言われて逆に気持ちが入ったというか、そんな感じでした」
――一度、リセットしたと聞きました。
「リセットというか基礎からやり直して、最初の姿に戻そうかなと言う感じです」
――そんな中で、いきなりMAX世界王者のストーヤン選手が相手です。印象を聞かせてください。
「今年のMAX優勝していますし、今一番勢いのある選手なんじゃないかなと。でも逆に、勢いのある選手に僕を当ててもらって、すごいチャンスだなと思っています」
――怖さは?
「怖さはありますけど、チャレンジしたいと思っています」
――ストーヤン選手は、オウヤン・フェン選手と並ぶ世界最強です。なぜ、このタイミングでオファーを受けたのでしょうか。
「チャンスだと思ったからです」
――チャンス?
「はい。一番強い相手と、いきなり試合ができるのはチャンスです」
――段階を踏むという考え方もあるかと思います。
「正直段階は踏みたかったですけど、ストーヤン選手の勢いがある今だからという考え方になりました」
――それは、なぜですか?
「ストーヤン選手が、自分とやる前に誰かに負けてしまう可能性もあります。だったら、自分がそれをやりたいと思いました。自分もいつ試合でケガをしてしまうかもしれませんし、一番コンディションがいい今こそ挑戦したいと思いました」
――前回、ストーヤン選手は小田尋久戦でダウンの応酬となり苦戦しました。あの試合をどう見ていますか?
「あれは、小田選手がすごい頑張ったんだなと思いました」
――何かストーヤン選手の穴が見えたのでしょうか?
「僕と小田選手のファイトスタイルは全然違うので、何とも言えないですね。これから研究していきます」
――今回のストーヤン戦は、大胆な決断をしたと思いました。それは気持ちが戻ってきたという捉え方でいいのでしょうか。
「昔だったら、どんな相手でも受けていましたので、その気持ちが戻ってきたのと、ストーヤン選手はいずれやらなければいけない選手。それだったら、一番いい状態のストーヤン選手とやった方がいいのかなと思いました」
――ストーヤン選手は、チームメイトのジョーダン・ピケオー選手が和島選手に負けています。敵討ちではないですが、強い気持ちが臨んでくると思います。
「そこはやりにくいなと思いました。でも、どんな感じだよと言われても、実際に戦わないと分からないと思います。ピケオー選手と戦った時から僕も変わっていますし、アドバイスの上を行けばいい」
――前回の試合で次につながることは?
「復帰戦をやる時に緊張もしましたし、怖さもありました。デビュー戦をやる時のような感覚で試合に臨んだんですけど、それが経験できたのが良かったかなと思いました」
――今回のストーヤン戦はどんな戦いになると思いますか。
「厳しい戦いになると思います。でも、勝ちたいです」
――どんな勝ち方をしたいですか?
「判定でも、きっちりと戦っていけばどこかで倒すチャンスもあるので丁寧に組み立てていきます」
――KOを狙い過ぎないと。
「タイトルを失った時が、そんな感じでした」
――注意すべき点は?
「パンチが強いと思うので、しっかりとガードを上げておこうと思っています」
――70kgは海外強豪選手が多く層の厚い階級です。生き残っていくためには、どんなことが大切だと思いますか。
「一戦一戦、戦っていくことが大切だなと思います」
――ここを勝って、来年へ向けてどんな決意がありますか?
「ストーヤン選手に勝てばベルト挑戦も見えてくると思いますので、王座を取り戻したいです」