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インタビュー

【Krush】初防衛戦の松谷綺「ここでベルトを獲られちゃったらもうこの先はない」

2024/11/12 21:11
【Krush】初防衛戦の松谷綺「ここでベルトを獲られちゃったらもうこの先はない」

2023年11月に戴冠、今回が初防衛戦となる松谷(C)K-1

 2024年11月16日(土)東京・後楽園ホール『Krush.167』にて、Krush女子アトム級タイトルマッチ3分3R延長1Rでガブリエル・デ・ラモス(オーストラリア/Muay U)の挑戦を受けての初防衛戦に臨む松谷綺(ALONZA ABLAZE)vs)のインタビューが主催者を通じて届いた。

 松谷は兄・桐と共に2021年7月から卜部功也が代表を務めるALONZAに所属する21歳。2021年8月にKrush初参戦を果たし、森川侑凜からダウンを奪って判定勝ち。2022年6月の「K-1初代女子アトム級王座決定トーナメント」1回戦で菅原美優に判定2-0で敗れ、プロ8戦目にして初黒星もその後は再び連勝し、2023年7月に初代K-1女子アトム級王者のパヤーフォンを延長戦の末に降した。11月には奥脇奈々に勝利し、第4代Krush女子アトム級王座に就いた。その後は奥脇奈々、チョン・ユジョンから共にダウンを奪って勝利し、5連勝中。戦績は10勝1敗2分。

 当初この試合はノンタイトル戦で発表されたが、松谷が防衛戦を直訴。タイトルマッチとして行われることになった。

自分の今持っているものを全て出す


──今回、記者会見での直談判というか希望が実って、タイトルマッチに変更になりました。そのことについて、どう感じていますか?

「素直にうれしい気持ちもあって、より一層気合いが入ったし、ここでベルトを獲られちゃったらもうこの先はないと思っているので、しっかり勝って次につなげたいですね」

──ご自分の希望とはいえ、さらにリスクは大きくなったわけですが。

「プレッシャーとかは特にないし、自分はベルトを守る側なんですけど、挑戦する側の気持ちでいこうと思っています。チャンピオンは防衛してこそ価値が上がるし、そういうリスクもしっかり背負って戦わないといけないなと思っているので。ファンの方からしても、『ベルトを獲ったのに防衛してないな』と思われると思うので。別にファンの方からそう言われたわけじゃないんですけど、そういうみんなの気持ちに応えたいというのもありますね」

──改めて、ガブリエル・デ・ラモス選手の印象は?

「映像を見ていても本当にうまい選手だなと思います。ムエタイ系で、ミドルとか前蹴りとかもバンバン来る選手で、身長も自分より5センチぐらい高いですし。すごく強い選手だなとは思うんですけど、それなりに自分でも作戦というか対処法があるので、問題ないかなと思います」

──2戦続けて国際戦ですが、日本人選手とやる時とは、気持ち的な面とかで違いはありますか?

「気持ちの面では、何も変わらないかもしれないですね。日本人でも海外の選手でも、そこは変わりないです」

──外国人選手はフィジカル面が強いということをよく聞きますが、例えばパヤーフォン戦や前回のチョン・ユジョン戦などで感じたことはありましたか?

「フィジカルは自分もけっこう鍛えていて、自分でも女子の中で体は強い方かなと思っていて、それは何も感じなかったですね。みんな身長が自分より少し高いんですけど、圧を感じたり、『デカいな!』っていう感じはなかったです」

──フィジカルを強化している上で、特に手応えを感じている部分は?

「フィジカル面を鍛えているという話は、会見などでも以前から何回か言っていると思うんですけど、今はそれ以上にちょっとずつ成長してきていますね。足腰がしっかりしてきて、パンチ力や蹴りの威力が上がっているのは感じます。今日も、ミット打ちでトレーナーの方から『メッチャ変わったね!』って言ってもらえたり、『強くなった』と言ってもらえたりしました。フィジカル面を強化して土台がしっかりして、威力が出せるようになったのもありますし、それプラス、打ち方も魔裟斗さんのYouTubeに出させてもらった時にいろいろ教えてもらって。あとは卜部功也さんとかトレーナーの明戸さんにもいろいろ教えてもらったことを意識していて、だいぶパンチが変わってきたかなというところはあります」


──両面から強化できている感じなんですね。それを踏まえて今回のタイトルマッチ、どういう試合にしてどう勝ちたいですか。

「いつも『KOする』って言っていて、できてはないんですけど、でも今回は本当に『倒そう』みたいなことを意識せずにいきたいなと思っています。いつも練習でミットをやっている時とかの動きがしっかりできれば、倒せるチャンスを掴めると思うので、今回は焦らず狙いすぎず、いつも通りやって集中して、結果的にKOできればいいなという感じです。今回は別にKOできなくても、集中して自分の今持っているものを全て出すというのを目標にしています」

──今回はフライ級チャンピオンの池内選手も試合しますし、ボクシングで実績のある木村萌那選手のデビュー戦もあり、いつになく女子の数試合が多く組まれています。そういう状況の中で何か考えることはありますか?

「やっぱり女子の試合の中でも一番面白かったなって言われる試合をしたいというのもあるし、今もまだ『女子の試合は……』ってみんなから言われることも多いと思うんですけど、別に階級も違っていて敵対心とかはないので、みんなで女子の面白さを伝えていきたいなと思います」

──松谷選手が思う「女子の面白さ」とは、どういうところですか?

「倒すのってけっこう難しかったり……倒す力がないというのもあるとは思うんですけど、女子選手って倒れてるイメージがあまりないので、気持ちとかも強いのかなと自分でも思っていて。その中でもし倒せなかったとしても、男性に負けないぐらい勢いのある試合だったり、技術を見せて戦うところとか、ガツガツいく姿勢とか、そういうところを見せるのが一番いいかなと思います」

──最近はまた特にALONZA ABLAZEの勢いが増していると思うんですが、その中にいて、いかがですか?

「そうですね。みんながKOでバンバン勝っていく姿を見ていて、やっぱりみんな本当に強いなと思いますね。。同じ歳だったり、歳が近い選手が多いんですけど、本当に尊敬できる選手ばかりで、自分も負けてちゃダメだなっていう気持ちもあります。『女子だから』とか思われたくないし、ALONZAのメンバーの中でも、周りから見ても女性なのに、男子メンバーに負けてないなと思われたいです。練習とかでも、強いみんなにいろいろ教えてもらいながらやっているので、自分も成長できてる実感があります」

──松谷選手はALONZAで初めてのチャンピオンでもありますし、その意味では引っ張る立場なのでは?

「はい。しかも自分が一番最初に入っているので、引っ張るという意味でも頑張っていきたいと思っています」

──また、代表の卜部功也さんがKRESTの代表を兼任するという発表があってみんな驚いていますが、所属選手としてはどうですか?

「功也さんからは『やるんだけど、どうかな?』という話がありました。でも自分たちは何かを言う立場でもないですし、『大変そうだな』とは思いますけど(笑)、ALONZAの練習は何も変わらずにやってもらっているので、今のところ特に変化はないです。KRESTの選手とALONZAの選手が対戦するとなった時にどうなるかはちょっと分からないですけど、KRESTには女子選手あまりいないので、そこも特に変化はないです」

──では最後に、改めてこの試合への“決意”を教えていただけますか?

「前回の試合とかも、ちょっと微妙な試合をしちゃったなというのは自分の中でも思っているので、今回は本当にチャンピオンにふさわしい選手だなと思ってもらえるように、また海外の選手にも通用するような、Krushの強さとか自分の強さを証明できる試合をしたいなと思っています」

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