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【RIZIN】10年目の大みそかは「4部構成」も──榊原CEOが『RIZIN DECADE』全容を明かす

2024/11/06 16:11
 2024年12月31日(火)さいたまスーパーアリーナで開催される大晦日大会の記者会見が11月5日、都内にて行われ、その全容が明らかにされた。  RIZINとしては10回目となる大晦日大会は、「朝からこれでもかというくらいの格闘技づくし」(榊原信行CEO)という5年ぶりのカウントダウン年越しイベントとなる。  3部構成で『RIZIN DECADE』(DECADE=10年)のイベント名で行われ、第3部が『RIZIN.49』となり、メインイベントでフェザー級王者・鈴木千裕(クロスポイント吉祥寺)と挑戦者・クレベル・コイケ(ボンサイ柔術)による同級タイトルマッチが発表された。  メインイベントは深夜におよぶという第3部の前に行われる予定の第1部、第2部で何が行われるかは発表されなかったが、5日の会見後の取材で榊原CEOは、いくつかの構想を明らかにしている。 31日のみ開催で1枚のチケットで観戦、ボクシングで安保vsガルシアはあるか  3部構成の『RIZIN DECADE』は、年をまたぐ可能性はあるものの、基本的にワンデーで行われる。  円安で海外のビッグネームを招聘するのは「我々にとってむちゃくちゃアゲインスト(逆風)」という榊原CEOは、「メイウェザーは多分ない。(那須川)天心とやった時くらいの為替レートだとだいぶ変わるんですけど」とメイウェザー招聘はないとしたが、元WBC世界ライト級暫定王者のライアン・ガルシアの登場について問われると「その可能性もある。考え方によっては、そういうカードを日本で組んでアメリカでPPVをやって外貨を稼ぐコンテンツになれば。ドメスティックな“ザ・JMMA”というところにとどまりたくない」と語る。 「昨日も井上尚弥がリヤドシーズン(※2019年からスタートしたサウジアラビア総合娯楽庁の政府一大プロジェクト。石油に依存する経済からの脱却を目指し、新たな産業としてエンターテインメントを根付かせたいという国家戦略のもと、10月から3月にかけて開催。10月19日のPFLのフランシス・ガヌーvs.ヘナン・フェレイラもその一環)との大型契約も含めて、ボクシングに限らず世界の格闘技における新しい出資、協賛の流れが動いてる。RIZINも海外協賛を含めて(外貨獲得は)10年の大きな一つのテーマ。PRIDE時代にできてRIZINができていない一番はそこなので、チャレンジしていきたい」と、マーケットを世界に広げた大会を開催したいとした。 【写真】井上尚弥と、サウジアラビアの総合娯楽庁のトップを務めるトゥルキ・アル・シェイク長官。そのオフィスにてリヤドシーズンの調印式が行われた。  ドーピング違反のライアン・ガルシアには、2024年4月20日にニューヨーク州アスレチック・コミッションから1年間の出場停止処分が下されている。その間に日本での試合が組まれるのか。  榊原CEOは、その対戦候補とされている安保瑠輝也について「1年の集大成として安保にとっても出世の年になるような、最後インパクトのあることができるといいなという話し合いはしている。MMAではなく、ボクシングかキックボクシングか。大晦日として意味のある、みんなが支持してくれるような、ファンに刺さるようなものを安保と考えて、早々には発表できたらいいなと思います」と、2024年7月『超RIZIN.3』マニー・パッキャオ戦(判定無しも安保が健闘)以来の安保の出場を示唆した。  安保瑠輝也vs.ライアン・ガルシア構想を軸に、ボクシングが『DECADE』のひとつのパートのキーになるか。 [nextpage] どうなる? Bellator日本大会  Bellator陣営から年間予定のなかで発表されていた「日本大会」だが、『RIZIN DECADE』のいちパートとして、2023年の『超RIZIN.2』の「Bellatorパート」のように大会が開催されるのか、2019年の『BELLATOR JAPAN』のように単独大会となるかは、現時点で未定だという。  榊原CEOは「Bellatorの日本大会をRIZINのなかに組み込む可能性もまだ残っている。『超RIZIN.2』のときのように2部構成になるか、ひょっとすると全部終わったあとの深夜に『Bellator日本大会』となるのか。米国との時差の問題もあるため、どこをどう切るか、いろんな可能性を絶賛調整中です」と、現在もBellator側と話し合いを続けているという。 「やるとなれば対抗戦とかではなくBellatorらしさも含めて、交流する部分は交流するし、RIZINでしかできないこととなると、Bellatorのタイトルマッチとかをそのなかで組むとか」と、王座戦を示唆。座組みによるが、ここも海外ボクサー同様に、Bellatorの強豪選手をどれだけ招聘できるか。  当初、鈴木千裕とのマッチアップを目指していた現Bellator世界フェザー級王者のパトリシオ・ピットブルはBellator日本大会に出場するのか。もし王座戦を行うのであれば、その相手はフェザー級ランカーになるのか、それとも日本人選手が抜擢されるか。 「ビッグネームに出場してもらって組むとすると過去のメイウェザーvs.朝倉未来のような時間帯、アメリカ向けのメインカードが行われる(必要がある)。Bellatorを持ってきてもそう。あとは『RIZIN.49』というRIZINの世界観のなかだけで解決できない、RIZINのスピンオフした新しい、大晦日でしか組めないものを組めたらいい」(榊原CEO)  すでにBellator現地参戦経験のある、矢地祐介、太田忍らは今大会にからむのか。PFL参戦中の渡辺華奈の次戦も気になるところだ。 [nextpage] 5階級王者による「チャンピオンズカーニバル」  また、榊原CEOは「10年間で作り出せた階級のタイトルが5つ。5階級のチャンピオンによる『チャンピオンカーニバル』という感じで、全王者が揃い踏みして、出来る限りタイトルマッチを組みたい」とした。 【RIZIN王者】(※選手名から前戦) ・ライト級ホベルト・サトシ・ソウザ・フェザー級鈴木千裕(vs.クレベル・コイケ)・バンタム級井上直樹・フライ級堀口恭司・女子スーパーアトム級伊澤星花  上記5階級の王者はそれぞれタイトル戦となるか、それとも対抗戦出場もあるか。  榊原CEOは、「問題は堀口のフライ級タイトル(挑戦者)に誰が相応しいのか。いまの時点では、決めきれていない。全部王座戦で無理をするよりは、大晦日らしいカードを堀口選手とも話し合っている」という。  新人デビューに関しては、「ビッグインパクトになるような『三浦孝太デビュー』のようなことはない。いまのところは外国勢含め、骨太なカードで『RIZIN.49』は出来ている。『RIZIN LANDMARK 10 in NAGOYA』を終えて、全10数試合を発表したい」とした。 [nextpage] 4部構成も?「朝倉未来には違う形で力を発揮してもらいたい」  さらに「引退式」をリクエストしている朝倉未来について、グラップリングマッチ案について問われた榊原CEOは、「それだったら高田(延彦)キャプテンが柔術の試合をされたほうが、この10年の締めくくりとしていい。未来の柔術衣の試合を見るほど切ないものはない。未来には違う形で力を発揮してもらいたい。1回引退式の真意を含めて、近々に会って相談したい」と語る。  朝倉未来が協力する「違う形」とは何になるか。 「日本の団体にも協力してもらって」とも語った榊原CEOは、会見冒頭で、「10年目のアニバーサリーのいろいろな企画を取り揃えて最高の1日にすることをお約束します。最終交渉調整中というものが多いです。ビッグネームが来るかもしれないし、最初にお話ししたみたいにRIZINはフェデレーションということで、現状全部テーブルに載ってるものを全部やろうとすると『4部構成』になってしまいます。風呂敷を広げ過ぎてみんなにいろいろな提案をし過ぎたかもしれないけれど、それくらいあります」と、含みをもたせている。  大晦日朝から、もしかしたら元旦の日の出まで「格闘技づくし」の『RIZIN DECADE』の今後の発表に注目だ。
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