璃明武(左)vs.大久保の実力者対決、両者ともここで勝って金子に挑戦したいとした
2024年12月14日(土)東京・国立代々木競技場第一体育館『K-1 WORLD GP 2024』の対戦カード発表記者会見が、11月5日(火)都内にて行われた。
スーパー・バンタム級3分3R延長1Rで、Krush同級王者・璃明武(K-1ジム総本部チームペガサス)と大久保琉唯(K-1ジム・ウルフ TEAM ASTER)が対戦。
璃明武は2021年8月に第7代Krushスーパー・バンタム級王座決定トーナメント準決勝で黒田勇斗、決勝で鬼山桃太朗を下して、同級王座に就いた。同王座は2023年7月に永坂吏羅、2024年3月に倉田永輝を破って2度の防衛に成功している。2022年2月に第3代K-1スーパー・バンタム級王座決定トーナメント準決勝で金子晃大に敗北。2024年7月に開幕した「K-1 WORLD MAX 2024 -55kg世界最強決定トーナメント」では準決勝に進出も、金子に判定2-0で惜敗。戦績は14勝(6KO)4敗。
大久保は、2022年6月の『THE MATCH 2022』で那須川天心の弟・龍心に勝利。9月は初代Krushフライ級王座決定トーナメントを制し、プロ4戦目にして王座に就いた。2023年6月、バンタム級ワンマッチでアマチュア時代のライバル・齊藤龍之介と対戦し延長判定で敗れてプロ初黒星を喫するも、10月に黒川瑛斗を判定で下して再起。2024年3月に壬生狼一輝から判定勝利。7月と9月の「K-1 WORLD MAX 2024 -55kg世界最強決定トーナメント」では準決勝で玖村将史を破る番狂わせを演じたが、決勝で金子晃大にKOで敗れた。戦績は8勝2敗。
宮田充Krushプロデューサーは「トーナメントで実現しなかったカードで一番ファンに見せたいのがこの試合」と、今回組んだ理由を話した。
大久保は「今回の相手はKrushの王者なんですけれど、格上って思っている人もいると思いますが自分は全くそんな風に思っていなくて。金子選手にやり返したいと思っているし、来年中に僕がK-1王者になって新しいK-1を作っていきたいとの自負がある。来年かその先か、大晦日にK-1をやりたいと思っていて。ベストならそこで僕が金子選手にリベンジしてK-1のベルトを巻きたいと思います」と、璃明武に勝って来年の大晦日に金子にリベンジしたいと壮大な夢をぶち上げる。
璃明武も「前回の金子戦は負けていないと思っているので、そのためにもここでしっかりいい相手と組んでもらったのでしっかり勝って、来年タイトルマッチをすぐにでもやりたいと思っています。それに向けての試合にしたいと思います」と、大久保に勝って金子への挑戦を実現させたいとした。
両者はトーナメントの際、決勝で戦おうと会見で発言していたが、大久保は「この間のトーナメントの時は決勝で金子選手と玖村選手というカードをみんな待ちわびていたと思うので、それをひっくり返せるようにお互い頑張ろうと言っていたと思います。今回は試合が決まったので、しっかり仕上げて失礼がないように倒しに行きます。璃明武は頭を使ってくるファイターなので、僕はその上で頭を使って上回ってやろうと思っています」、璃明武は「ベスト4に入った時点で自分と大久保選手はナメられている感じがあったと思う。それを2人で、55kgの2強を壊したと思っている。さっき大久保選手が、自分の方が格上だと思う人がいると言っていましが、自分は同格だと思っているので、ここで差をつけることが大事なので試合でしっかり見せたいと思う」とそれぞれ答えた。
両者とも準決勝は待ちのスタイルだったが、今回はどう戦うのか。見合いになってしまう場面もあると思うかと聞かれると、大久保は「なんかK-1だと待ちが悪いとか言われるんですけれど、この間の玖村戦もそうですが、結局この戦い方でお前ら俺に勝てないじゃんと思っちゃうんですよ。このスタイルが僕は一番強いと思っていますし、自分に自信を持っているので。毎回ゼロKOがどうこう言われるんですけれど、何を言ってるんだお前ら、と俺は思いますね。何もやっていないヤツらに何でこんなことを言われないといけないのかなって感じです」と自分のスタイルに自信を持っているとし、勝ってから文句を言えと言い放つ。
璃明武も「自分も大久保選手と考え方が似ている、いいことを言っているなと思いました。打ち合いが全てとかKOにこだわっている人もいますが、自分はそういう選手にも勝ってきているし、倒してきているので。負けたのは金子選手とか数人くらいなので。大久保選手と自分の試合は玄人好みの試合になるのかもしれないが、K-1という舞台でやっていることは理解しているので、誰が見てもいい試合だなって思えるような高い技術レベルの試合をしたいと思います」と意気込んだ。
そのうえで互いに警戒しているものは何か、と問われると大久保は「上段の蹴りが一番の武器かなと思っています」、璃明武は「トータルで技術力が高いので。KO率が高いわけではないけれど、警戒することはいっぱいあるので、相手のペースで戦うと悪い展開になると思うのでいろいろな展開を想定して作っていきたいと思います」とそれぞれあげた。
大久保はKrushでフライ級(-51kg)の王者になっているが、スーパー・バンタム級(55kg)の王座は獲っていない。ここでKrushスーパー・バンタム級王者とノンタイトルながら対戦することにどんな意味があるかと聞かれると「これがタイトルマッチでもよかったんじゃないかなというのが本音ですね。ただ僕の目標はK-1王者なので、ここはKrushの王者をしっかり倒してすぐにK-1のベルトを獲りたいと思っています」と、タイトルマッチにふさわしいカードで勝ってK-1王者に挑みたいとする。
これに璃明武は「Krushでは相手がいないんですけれど、大久保選手とだったらタイトルマッチでも喜んで、いい相手だなと思うのでそれでもよかったんですが、K-1で組まれた理由もあると思うので。自分も今見ているのはK-1のベルトのみなのでベルトにつながる試合をしたい」と、挑戦者にふさわしい相手だが、ここで決着を付けて自分がK-1王座に挑むと答えた。
この試合の勝者が次回、王者・金子への挑戦者になるのかと聞かれたカルロス菊田K-1プロデューサーは「いろいろな可能性があると思っています。K-1の55kgは選手層が厚いので、金子選手・玖村選手の世代、そして新しい世代がいる。この2人は新しい世代の試合ですが、勝った選手が次どういう風にストーリーを歩んでいくのかという中のひとつに金子選手とのタイトルマッチがあると思っています」と、勝った方にはタイトル挑戦以外のストーリーも用意したいと話した。