2024年12月14日(土)東京・国立代々木競技場第一体育館『K-1 WORLD GP 2024』の対戦カード発表記者会見が、11月5日(火)都内にて行われた。
無差別級3分3R延長1Rで、シナ・カリミアン(イラン/SINA ARMY)と山口翔大(GENESIS/TEAM3K)が対戦。
カリミアンはアマチュアムエタイで活躍後、2018年9月の「K-1 WORLD GP初代クルーザー級王座決定トーナメント」に初来日。トーナメントを制して初代王者となった。同王座は2020年12月の3度目の防衛戦でK-Jeeに敗れて手放したが、2021年3月のダイレクトリマッチでK-JeeをKOし、王座を奪還。その後は、反則勝ちも含めて5連勝。2023年9月の「K-1 30周年記念無差別級トーナメント」では1回戦でKO勝利も準決勝でクラウディオ・イストラテに敗れる。2024年3月、初防衛戦でリュウ・ツァーにKO負けを喫し、王座を手放した。10月にイストラテと再戦したが無効試合に。200cm、90kg。戦績は16勝(8KO)4敗1無効試合。
山口は空手をバックボーンに持ち、白蓮会館の全日本大会で5度優勝。300超の流派・団体が加盟するJFKO全日本大会では、2018年と2019年の重量級を連覇。2019年には新極真会の世界大会の日本代表に選ばれ、世界の強豪と戦った。2022年に白蓮会館を退会し、キックボクシングに挑戦。2022年9月にK-1グループに参戦して4連勝。2024年9月、エロール・ジマーマンにKO負けで初黒星となり、戦績を7勝(3KO)1敗とした。
今回の試合は、10月25日『Krush.166』の休憩時間中に、トレーナー兼通訳のニコラス・ペタスと共にカリミアンがリングを占拠、今大会への出場を要求したことに腹を立てた山口が“制裁マッチ”をアピール。実現に至った。
【写真】カリミアンは山口とのツーショット撮影を拒否して着席 会見で山口は「今回のテーマは『追放』ということで。ファンの皆さんもストレスが溜まっていると思うし、ほんまに後頭部のダメージがあったらこんなところに座っていない。反則とはいえド突き合いで負けてごちゃごちゃ抜かしているので、僕がK-1代表として子供たちが憧れるK-1ファイターになるためにここで倒して追放したいと思っている」と、カリミアンをKOしてK-1グループから追放すると宣言。
カリミアンは「今日は話したいことがいくつもあって、相手に対しては全く話しをするつもりはない」と山口のことはどうでもいいと話し始めた。
「前回負けたことを振り返りたい。石井館長にもいいアドバイスをいただいたが、私が言いたいのはあれはレフェリーがおかしいんじゃないかということだ。私が倒れているところで顔を蹴っているのに何もしない、相手がクリンチしても何もしない、後頭部を殴られた後にも何もしない。世界的レベルの大会にしていきたいならこれは直さないといけないと思う。
おかしいと思っているのは、ちゃんとレフェリーが仕事をしているのであれば、そこはノーコンテストではなく反則負けにするべきだと思っている。どう思いますか? 試合翌日に優勝した人や勝った人が出席する会見があるはずだが、なぜそこにポテト(イストラテのこと)がいたのか。そこでクラウディオが言っていた言葉が許せない。彼はなんてことない人だし、私のおかげで強くなって有名になって稼ぐようになったわけだが、それが全部反則だったと分かってほしい
石井館長から言葉をいただいてからは礼儀正しく、記者会見でも暴れていないし、試合の時も反則をしていない。フェアに戦いたかっただけであって、お互いリスペクトしあって戦うのが本来の試合じゃないのか。私はK-1の顔でもあるから、世界中から見られているのは間違いないです」とまくし立てた。
これに山口が「話が長すぎません? ほんまに長いし、オチがないし、全然おもんない。ほんましょうもない。通訳のニコラス先輩も空手出身で凄く尊敬しているのに、空手の世界には後から判定に文句を言うことはないんですよ。僕はそういう世界で生きてきたのでペタスさんも本当は分かっていると思う。後頭部を触られただけでごちゃごちゃうるさいねん! ほんましょうもないから。これは対戦カード発表の記者会見なんですよ。前の試合の話は終わってるんです。中年の喧嘩なんて見たくないでしょう。競技として僕はK-1選手として戦うので試合だけ見てもらえればいいかなと思っています」と返すと、カリミアンは中指を立てる。
カリミアンは、イストラテ戦で殴られた後頭部はどれくらいのダメージがあったのかと聞かれると「私がファイターであなたは記者、ダメージのことを言えるのはお医者さんだけです。お医者さんに見てもらった結果を言うと、後頭部を殴られた後には全部が暗くなった。それくらいダメージが大きかった。お医者さんの判断を信じています。1回ダウンを取られたかもしれないけれど、あと8分くらい残っていたのでその中で倒す自信はあった。前回(2023年9月)は12分の試合のはずなのに30分以上かかったのは、相手がふざけたことばかりをやりやがったからああいう風になったんだ」と、ダメージは大きかったと言い、イストラテは反則野郎だと吐き捨てる。
山口が「追放する」と言ったことに対してどう思うかと聞かれると「まず喋ることがない」と、山口については何も喋ることがないという。
これに山口は「ほんまに話が長い。何を言っているのか分からない。反則やったと言いたいんですよね? どっちでもいい。そろそろ見ている人が飽きていると思うので、次に行った方がいかなと思う」と、もう会見は終わりでいいと言い放つ。
カリミアンは「英語を勉強しろ」と言って、会見は打ち切りとなった。
同席した宮田充Krushプロデューサーは「戦うことですっきりするというか、山口選手が名乗り出てくれたので今日から12月に進むと思っていたんですが、彼は10月の5日から時計が止まったままのような感じを受けます。ただ試合は決まったので、ルールも決まったし、やるしかないと思う。新たにレフェリーという問題が出てきて、やっぱり大柄の選手、身体のサイズがあるレフェリーの方がストップだったり、クリンチは際がポイントになるので、別の審判員を考えます」と、この試合にはヘビー級を裁けるレフェリーの起用を検討すると語った。