『彼は素敵な人だった』と記憶されたい
──リングアナのブルース・バッファーに「アンド・ニュー(新王者誕生)!」とコールされるのがモチベーションになってるって、数年前に話してたました。そしてついに4月の『UFC 300』でBMFタイトルを獲得して、そのコールを聞けたわけですが、今回もまた聞きたいと?
「ああ、『アンド・ニュー! そしてBMFタイトル統一王者!』ってね。BMFタイトルは、正直言ってよく分からないよ。最初は『フェイク(偽の)タイトル』って言われてたのに、今じゃみんなが欲しがってる。しかも、俺がこの試合でBMFタイトルを賭けないってことで怒ってる人たちがいるけど、俺にそんなフェイクタイトルを賭ける権限があるわけじゃない。しかも対戦相手のトプリアがフェイクタイトルのフェイクを持ってるなんて、もう意味が分からないよ。この世の中がどうなってるのか、俺にはもう理解不能だ」
──あなたはこれまで5Rマッチを15試合も経験していますが、今回のタイトルマッチに活かされると思いますか。
「経験は素晴らしいものだと思うけど、経験なんて一発で全て奪われることもある。イリアはその一発の破壊力を持ってるし、俺もその一発を磨いてきた。だから、経験は経験でしかない。この試合は世界タイトルマッチだ。彼は勝つべき試合に勝ってきたし、俺も勝つべき試合に勝ってここにいる。そして、俺たちは戦う。それだけのことさ」
──この試合はハワイやMMAにとってどんな意味を持つでしょうか。
「すごく大きな意味を持つよ。俺が再び王座に返り咲いて、ハワイに戻ることができる。しかも15ポンド重くなって、肩には素晴らしいゴールドのベルトを掛けてね。最高だよ」
──今回の試合に勝てば、自動的にイスラム・マカチェフとのライト級タイトルマッチが約束されることになります。ハビブ・ヌルマゴメドフとの対戦が実現しなかったことを考えると、ワクワクするのでは?
「いや、もしあなたがUFCの社員なら話は別だけど、俺はその話を聞いたことがないよ。だけど、もし本当にライト級タイトルマッチに直行できるなら最高のニュースだね。ずっと言ってきた通り、ハビブ戦が実現しなかったのは残念だったけど、イスラムは『ハビブ2.0』と呼ばれてるし、彼は俺との試合に前向きだと思う。以前はあまり興味を持ってなかったかもしれないけど、今はその気になってるみたいだしね。とはいえ、まずはイリアとの試合が最優先だ」
──これまでUFC世界フェザー級暫定王座、UFC世界フェザー級王座、BMFライト級王座とタイトルを獲得してきた、あなたのモチベーションは?
「次の試合がいつだって一番の試合なんだ。それが俺のモチベーションを保ってる理由さ。それに、次世代のモチベーションになることも俺を突き動かしてる。今、ハワイではいろいろ大変なことが起きてるけど、みんなに希望が必要なんだ。俺がその小さな希望や光を与えられる存在でありたいと思ってるよ」
──ファイターとしてどのように記憶されたい?
「正直、ファイターとしてじゃなくて、ただ『素晴らしい人』として記憶されたい。それだけなんだ。戦いのことじゃなく、みんなに『彼は人格者だった』と思ってもらえたらそれでいい。UFCのスタッフやみんなが俺のことを話す時、『彼は素敵な人だったよ』って言ってくれるようにね。記録や成績も大事だけど、俺にとっては、どうやって他の人を扱うか、その方がずっと大切なんだ。だから、もし君たちが『マックスはいい人だった、インタビューの時や話をする時、いつも素晴らしかった』って思ってくれるなら、それだけで俺は十分だよ」
──ゲイジーとのBMFタイトルマッチは。そのベルトに本物の価値を与えたのだと思います。あと、もう1人の“BMF”だと思うのがダン・イゲです。彼は4時間でロペスと戦うことを決めましたが、ハワイアン同士のBMF戦についてはどう思いますか。
「それは最高だろうな。2人のハワイアンが頂点に立つなんて、まさに頂点での戦いだ。2人の戦士が戦うのはクールだよ。もしそれがハワイで実現できたら、さらに最高だけど、まあそれはたぶん難しいだろうな。ハワイでの問題は、UFCの問題じゃなくて、ハワイ側の問題なんだよ。俺がベルトを持ってた時にも、ハワイでのイベントをやろうとしたけど、結局うまくいかなかった。何が問題なのかは分からないけど、ハワイの事情だよ。でも、次に大きなチャンスがあるとしたら、たぶんベガスだろうな。ハワイアン同士のBMF戦なんて、これ以上ピッタリなものはないよ。面白いだろう」