2024年10月13日(日)東京・渋谷Spotify O-EAST『Shimizu presents BOM 49』(U-NEXT配信)にて、「ムエタイvs.クンクメール(カンボジアのムエタイ)3vs.3対抗戦」でトゥン・パント(カンボジア)とフェザー級(57.15kg)3分3Rで対戦する朝陽・PKセンチャイムエタイジム(=品川朝陽/PKセンチャイムエタイジム)のインタビューが主催者を通じて届いた。
朝陽は同門の吉成名高と共にジュニア時代から様々なアマチュアタイトルを獲得し、プロ転向後も強打を武器にMA日本フライ級王座、ルンピニージャパン認定スーパーバンタム級王座、WBCムエタイ世界スーパーバンタム級王座、ムエサイアム・イサーン・バンタム級王座、IPCC世界フェザー級王座などのタイトルを次々と獲得。2021年から2023年はONEに参戦し、その後はBOMとRWSで活躍。7月にチャイヤコーンを得意の左ボディでKOして破竹の10連勝中。
今回も面白いムエタイを見せるつもり
――次の試合に向けて強化しているところはありますか。
「僕は左フック、左ボディで倒すことが多いので、他にも倒せる武器を作るために威力を上げたり、パターンを増やしたりと、全体的な底上げをやっています」
――前回7月のRWS JAPANではチャイヤコーン選手に左ボディで鮮やかなKO勝ちでしたけど、あれは狙っていたものですか。
「そうですね。ボディグブローは得意なパンチなんですけど、ああいうトップレベルの選手も倒せる破壊力が付いてきたのかと思ったので、自信になっています」
――以前にタイでお世話になった選手だったんですよね。成長を喜んでくれてました?
「試合後、控え室に謝りに行ったら『痛えよ』みたいな感じだったので、喜んでくれてはいなかったんですけど(苦笑)、『めっちゃ強くなったね』みたいなことを言ってもらえました。トップ選手なだけあって、潔く声を掛けていただけて気持ち良かったです」
――今回、クンクメールの選手が相手になりましたが、いつかやるんじゃないかとは思ってました?
「あまり想像してなかったですね。今までにカンボジアの選手とはやったこともないので、決まった瞬間はやっぱり楽しみでしたね。以前、僕はONEに参戦していた時期や、今のRWSでいろんな国の選手と試合ができています。普段タイ人や日本人選手とはやり慣れてるんですけど、違う国の選手は違う攻撃パターンやリズムも違ってくるので、今回もすごくいい経験になると思います」
――クンクメールの選手にはどういった印象がありますか。
「みんな気持ちが強くて、打たれ強いイメージがあります。ONEルンビニーでも結構タフな試合をしているカンボジアの選手は多いので、そこは警戒しようかなと」
――タイ人選手よりもタフな印象がありますか?
「選手によると思うんですけど、ガムシャラさはなんかタイ人よりあるような気がしますね」
(C)BOM――今回の相手選手に関してはどういった情報が入ってますか。
「カンボジアのチャンピオンというのを聞きました。カンボジアでムエタイvs.クンクメール対抗戦で結構タイ人にも勝ってる選手だったので、やっぱり甘くは見られないなと。YouTubeで何試合か見させていただいたんですけど、右ローをすごく蹴っているイメージで、どちらかというとパンチよりは蹴りの選手という印象を受けました。クンクメールはカンモジアのムエタイとはいえ、タイ人とは違う戦い方なので、ムエタイとは別物として認識しています」
――タイ人とは違うローの蹴り方とか特徴的なものはありました?
「手数が多く、とにかく蹴りまくってくる感じでしたね。僕がやってきたタイ人は結構みんなゆっくり蹴ってくるタイプが多く、元ONEチャンピオンのジョセフ・ラシリ選手は手数は多いなと思いましたけど、それ以上に多いタイプかもしれないです。なのでスタミナはあると思うし、僕は久しぶりの5Rですが、そこでも負けないように、久しぶりの5Rに備えた練習もしっかりしてます」
――クンクメールはカンボジアのムエタイとはいえ、ムエタイとは違う戦い方なんですね。
「見た感じは別物だったので、ムエタイとは違う競技の選手と戦うという認識でいます。こういうタイプとやると、ワクワクしますね。僕は今年、去年と負けていなく今10連勝中で、一応日本のムエタイを自分も少なからずは背負ってるつもりで戦っていて、ここでカンボジア人に負けていたらラジャダムナンスタジアムのベルトを目指してるなんて言いづらくなってしまうので、ここはしっかりクリアしたいと思っています」
――ご自身がムエタイを代表して戦う意識もありますか。
「そうですね。やっぱりラジャダムナンスタジアムのランキングに入って、先週、士門の試合や松田龍聖選手とクンスックレック選手とのタイトルマッチも現地で見させていただいて、やっぱりああいうムエタイの世界で日本人選手がすごい舞台で活躍する姿はカッコいいと思うし、日本でもキックボクシングが注目されていますけど、海外だとムエタイも同じくらいの規模で注目されているので、そういうのを少しでも日本で盛り上げられたらなと思うので、やっぱり盛り上げるためには自分みたいな選手も必要かなと思います。僕も胸を張って日本のムエタイを背負っているつもりで、今回も面白いムエタイを見せるつもりで戦います」
――タイとカンボジアは争いが激化していて、カンボジアで開催されたアジア大会では、ムエタイをクンクメールの名称でやったところタイ側がボイコットしたこともあったそうですね。
「ムエタイの本家はカンボジアではなく、やっぱり元祖はこっちなんだぞという気持ちは僕も持ってます。『クンクメールよりもムエタイの方が強い』とタイの先生にも言われているので、先生から教わっているムエタイの技術を全て出して倒し切ります。ここで勝って、“やっぱり朝陽は強いな”とムエタイ関係者に思っていただけたら、次はもっといい相手、いい条件の試合が来ると思うので、今回は通過点に過ぎないような試合で終わりたいと思っています。まずは次の試合で日本の格闘技の強さ、ムエタイの強さをカンボジア人に見せ付けて、しっかり名高、竜哉の2人にいいバトンを渡せるように、僕が初っ端ぶっ倒します!」