2024年9月28日(日本時間29日)アラブ首長国連邦アブダビ首長国のADNECマリーナ・ホールにて『UAE Warriors54』が開催され、フライ級で日本の藤田大和(リバーサルジム新宿Me,We)が、ダゲスタンのバトゥカン・バイスエフ(ロシア)に判定2-1で勝利した。
▼フライ級 5分3R〇藤田大和(リバーサルジム新宿Me,We)12勝5敗[判定2-1]×バトゥカン・バイスエフ(ロシア)7勝4敗
藤田は、元アマチュアボクシング5冠王で極真空手もバックボーンに持つ。2017年10月のRIZINでの那須川天心戦でプロMMAデビュー。2021年2月にDEEP暫定王座を獲得すると、同年9月に伊藤裕樹との再戦を判定勝ちで、初防衛に成功。
2022年5月のDEEPフライ級王座統一戦で、正規王者の神龍誠に敗れるも、続く7月のRIZIN沖縄大会で曹竜也に判定勝ちで再起を遂げると、2023年8月の『UAE Warriors 44』で、海外プロモーションに参戦。
初戦で4連勝中だったフカベク・ヨクボフ(ウズベキスタン)に2R ギロチンチョークで一本勝ちすると、2度目のUAEW出場となる10月大会では、MMA11勝1敗1分の強豪サンスハル・アディロフ(カザフスタン)も1R、連続ギロチンチョークを極めて、2連勝を飾った。
2024年5月の『UAE Warriors 50』では「UAEWフライ級王座決定戦」をイアゴ・ヒベイロ(ブラジル)と戦い、3R TKO負けで戴冠ならず。32歳。
王座戦の黒星から4カ月、毎回の単発契約のなかで、4度目の参戦オファーが藤田に届き、MMA7勝3敗で現在3連勝中のバトゥカン・バイスエフとの試合が組まれた。
27歳のバイスエフはここ3試合を全試合初回フィニッシュ勝利。
『ACA Young Eagles』ではパンチによるKO、ギロチンチョーク、リアネイキドチョークを極めている。オーソドックス構えでレスリングが強く、極めどころで力を使えるウェルラウンダーなファイターだ。
1R、ともにオーソドックス構えから。藤田は左ジャブ、バイスエフは左ローから入る。藤田の右ローをかわすバイスエフ。藤田は走り込んでの右ハイ。バイスエフはガードし、右ローを返す。
バイスエフの右後ろ廻し蹴りをかわした藤田。藤田は詰めての右カーフもバイスエフもかわす。右後ろ蹴りを腹に突いたバイスエフ! 遠間からシングルレッグでケージまでドライブ。がぶりから金網からいったん回って中央側に足を向けた藤田に、ドライブするバイスエフに、藤田はケージを背にして片足立ちでアームインギロチンチョークをセット!
立ったまま頭を上げて極めさせないバイスエフ。両足を着地させてからジャンピングガードでクローズドにして首を絞める藤田! 頭を下げさせてグラウンドに引き込み絞めるが、頭を抜いたバイスエフがトップに。左で枕に藤田をケージ際で寝かせてハーフに出てパウンドを打つが、藤田も金網背に立ち上がりへ。
山崎剛代表の「バックやらないぞ」の声に正対して座る。腰を抱いて引き出そうとするバイスエフに、金網背に上体は立てて座る藤田。押し込まれてはいるがダメージは負っていない。バイスエフが細かいパウンドをしてきた際で左で差して立ち上がり。バイスエフはバックスピンキックを突くが浅い。
離れて中央に向かう両者。バイスエフの後ろ廻し蹴りをかわした藤田。ギロチンチョークはキャッチの入り方で初回を取ったか。
2R、右ローを蹴る藤田をかわすバイスエフ。右ストレートはまだ遠いが藤田の右ローも空振り。バイスエフの左の蹴りをかわした藤田。バイスエフは遠間からシングルレッグでドライブし、ダブルレッグで尻を着かせるが、ここも藤田は金網背にすぐに立ち上がり。
右で差して押し込みヒザを打つバイスエフに、藤田はいったん背中を向ける形に。スタンドでバッククリンチから細かいヒザのバイスエフに、藤田は背後に右ヒジ。正対際にアームロック狙い。バイスエフは横に崩してバックを狙うが、仰向けになる藤田はハーフで背中を着く。
肩固めを狙ったバイスエフをすぐにブリッジで返してトップを奪う藤田! 脇腹、頭に駒かいパウンド。下のバイスエフはオーバーフックで抱き寄せる。バイスエフのラウンドか。
3R、両手を挙げてグローブタッチ。m着ローを当てる藤田は右ストレートからシングルレッグへ。スプロールするバイスエフはバックに回ろうとするが、藤田は金網際でヒザ十字で前転してスクランブル。ダブルレッグで突っ込んできたバイスエフにギロチンチョーク!
アームインギロチンで後方に回して首を抱えたままトップになって座ったバイスエフを金網に押し込んで極めに! 座るバイスエフの両ヒザをまたいで絞ろうとする藤田。右足をケージと背中の間に差し込み、引き込んで極めに。首を抜いて上になるバイスエフ。
藤田は下からヒジを突き、金網背に上体を立てて座る。バイスエフは腰を抱き、押し込むが、藤田はここで立ち上がりに。なおも腰を引き寄せるバイスエフだがしがみつく形に。
頭が下がったところで再度ギロチンチョークに巻いてがぶりからマウントギロチンを狙う藤田! しかしバイスエフも左ヒザを畳んで間に入れて防ぐと右で差してバックに。
藤田はケージまで歩いて片ヒザ立ち。バックから崩して左足をかけに行くバイスエフにすぐに立ち上がる藤田は完全バックを譲らない。しかしコントロールするバイスエフは背後からヒザ。正対する藤田の腰を抱き続ける。金網背に座る藤田に右のボディ打ちのバイスエフはしがみついたままゴング。
判定はスプリットディシジョンとコールされ、藤田大和の手が挙げられた。コントロールのバイスエフに、極めに行く藤田の姿勢が評価された形だ。タイトルマッチの惜敗から復活した藤田は、再び王座戦線に浮上するか。