2024年9月29日(日)、フランス・パリのアコーアリーナにて『UFC Fight Night: Moicano vs. Saint-Denis』(U-NEXT配信)が開催された。
▼ライト級 5分5R〇ヘナート・モイカノ(ブラジル)20勝5敗(UFC12勝5敗)※UFC4連勝[2R終了時 ドクターストップ] ※右目カット×ブノワ・サン・デニ(フランス)13勝3敗(UFC5勝3敗)
1R、サウスポー構えのサンデニ。オーソのモイカノ。左を上下に突くサンデニの蹴り足をつかみボディロックテイクダウンを中央で決めたモイカノ。フックガードのサンデニ。蹴り上げから立とうとしたが、バック狙いのモイカノに背中を譲らずガードに戻す。
サンデニの蹴り上げについていき、かつぎパスで後転させてバックを奪ったモイカノ! 両足をかけてボディトライアングルでバックマウント、マウントからヒジ・鉄槌! 右目尻をカットするサンデニは出血。
背中を見せて立ち上がるサンデニにみたびバックを奪い、寝かせるモイカノは右で枕でハーフからパスガード狙い。左右ヒジを落とすがフィニッシュに至らず。ホーンにモイカノは下のサンデニの手を持って立たせる。
2R、右目が塞がりかけているサンデニ。左を振ってシングルレッグも切るモイカノ。右回りのモイカノはシングルレッグも、サンデニは切る。左ハイのサンデニ。ブロックするモイカノは、サンデニの左右をかわし、再び前足にシングルレッグも深追いせず。
サンデニは右から左ボディ狙い。モイカノも左ジャブを右目に突く。サンデニの右目が大きく腫れる。右から左のワンツーをかわしてケージを背負わせてダブルレッグはモイカノ。しかしここも差し上げたサンデニ。ワンツーからボディストレートのサンデニの打ち終わりに組むモイカノだが、差し上げ切るサンデニ。左から右、さらに左ハイをガード上に突くサンデニが獲り返したラウンドに。サンデニは左目下も腫れている。ドクターストップもありうるか。
3R、左目を塞いで右目だけで指の数を数えさせるドクター。チェックの結果は、続行不可能に。ライト級11位のモイカノは4連勝。ドクターストップのサンデニの手を挙げて闘志を称えた。
▼ミドル級 5分3R〇ナッソーディン・イマボフ(フランス)15勝4敗(UFC7勝2敗)[判定3-0] ※29-28×3×ブレンダン・アレン(米国)24勝6敗(UFC12勝3敗)※アレンはUFC7連勝でストップ
▼フェザー級 5分3R〇ウィリアム・ゴミス(フランス)14勝2敗(UFC4勝0敗)※UFC4連勝[判定2-1] ※29-28×2, 28-29×ジョアンダーソン・ブリート(ブラジル)17勝4敗(UFC5勝2敗)※UFC5連勝でストップ
▼ウェルター級 5分3R〇ブライアン・バトル(米国)11勝2敗(UFC6勝1敗)[2R 3分47秒 TKO]※左右ラッシュ×ケビン・ジュセ(フランス)10勝3敗(UFC2勝1敗)
▼フェザー級 5分3R〇モルガン・シャリエール(フランス)20勝10敗1分(UFC2勝1敗)[2R 0分27秒 TKO]×ガブリエル・ミランダ(ブラジル)17勝6敗(UFC1勝1敗)
▼ライト級 5分3R〇ファレス・ジアム(フランス)16勝4敗(UFC6勝2敗)※UFC4連勝[3R 2分59秒 TKO]×マット・フレボラ(米国)11勝5敗1分(UFC5勝5敗1分)
▼ライトヘビー級 5分3R〇イオン・クテラバ(モルドバ)18勝10敗1分(UFC7勝8敗1分)[判定2-1] ※29-28×2, 28-29×イヴァン・エルスラン(クロアチア)14勝4敗(UFC0勝1敗)
▼ライトヘビー級 5分3R〇ウマル・シー(フランス)11勝0敗(UFC2勝0敗)[判定3-0] ※30-27×3×チョン・ダウン(韓国)15勝6敗(UFC4勝4敗)
▼ライト級 5分3R〇ルドビト・クライン(スロバキア)23勝4敗1分(UFC7勝2敗1分)UFC4連勝[判定3-0] ※30-27, 29-28×2×ルーズベルト・ロバーツ(米国)12勝5敗(UFC4勝5敗)
▼バンタム級 5分3R〇テイラー・ラピルス(フランス)21勝4敗(UFC6勝2敗)[判定3-0] ※30-27×3×ヴィンス・モラレス(米国)16勝8敗(UFC3勝6敗)
▼女子バンタム級 5分3R〇アイリーン・ペレス(アルゼンチン)11勝2敗(UFC4勝1敗)※UFC4連勝[1R 3分52秒 肩固め]×ダリヤ・ジェレズニャコバ(ロシア)9勝2敗(UFC1勝1敗)
▼フライ級 5分3R〇ダニエル・バレス(スペイン)17勝6敗(UFC1勝1敗)[判定3-0] ※29-28×3×ビクトル・アルタミラノ(メキシコ)12勝5敗(UFC2勝4敗)
▼女子バンタム級 5分3R〇ジャケリン・カバウカンチ(ポルトガル)8勝1敗(UFC3勝0敗)[判定2-1] ※29-28×2, 28-29×ノーラ・コノール(フランス)8勝2敗(UFC2勝1敗)
▼ライト級 5分3R〇クリス・ダンカン(スコットランド)12勝2敗(UFC3勝1敗)[1R 3分44秒 ギロチンチョーク]×ボラジ・オキ(ベルギー)9勝2敗(UFC1勝1敗)
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モイカノ「キョージのグラップリングは正直、素晴らしい」
地元フランス陸軍で特殊作戦旅団隷下の第1海兵歩兵落下傘連隊としてエリート軍人だったサンデニと対戦する、ATTのヘナート・モイカノに聞いた。
──あなたが得意とする柔術はいつ始めたのでしょうか。
「柔道は4歳か5歳頃から始めて、柔術は12歳の時に始めた。柔術の黒帯はアタイジ・ジュニオール、ハニ・ヤヒーラからもらったんだ」
──ヤヒーラ選手は日本のHERO’Sでも活躍していました。ともに練習していたのでしょうか。
「あぁ、ハニ・ヤヒーラは自分が師事していたコーチのひとりだから、もちろん練習したし、たくさんの指導を受けたよ」
──前戦はMMAではなく『UFC Fight Pass Invitational 7』でのグラップリング戦でした。MMAと試合を並行して行っていますね。
「グラップリングの試合に出るのは好きなんだ。アクティブでいられるし、戦う(コンピート)する事ができるから。UFCインビテーショナルだったことも良かった。UFC内のグラップリング組織だから金額もいいし。UFCファイトパスで配信されるグラップリング大会に出場できた事は嬉しく思うよ」
──ATTでは多くの日本の選手ともロールしていますね。
「そうだね。まず、クレベル・コイケは友達だ。日本在住のブラジル人のね。そしてキョージ・ホリグチも俺の友達だ。ATT内で一番いいヤツだと思う。ATTにいる全員が彼の事を大好きだと思う。謙虚だし、トレーニングを常にハードにこなす。彼のバックグラウンドが空手なのは知っているが、彼のグラップリング、特にレスリング技術はこの数年で格段に上がっている。キョージのグラップリングは正直素晴らしいと思う。彼のテイクダウンやグラップリングのディフェンスをトレーニングで見てきているが、10段階評価だとすでに8か9のレベルにいると思う」
──今回のファイトキャンプもATTだったのですよね。仮想サンデニもいましたか。
「このファイトキャンプではマルコス・パルンピーニャコーチを中心に、ATTにいるたくさんのサウスポーの相手と練習をしてきたよ。いいファイトキャンプができたと思う。サウスポーのネイサン(ナタン)・シュルツはたくさんサポートしてくれたし、ファイトスタイルも似ている。PFLで二度チャンプになっているからとても心強かった。他にも数人と練習を重ねてきているから、準備は万端だ」
──ライト級転向後、5勝1敗と勝率が上がっています。適正階級だと感じていますか。
「以前は減量を多くする階級で戦う事がベターだと捉えられてたと思うし、自分もその一人だった。ただやはり減量をしすぎると消耗しすぎてしまって、試合当日に通常のエネルギーやペースが出ない事があるんだ。最近は自分の実際の体重に近い階級で戦えているから、それがすごく自分には活かされていると思っている」
─今回のパリ大会で、サンデ二戦のオファーを最初に受けた時にどう思われましたか。
「とてもエキサイトしたよ。大会のメインイベントになるだろうと思ったからね。UFCのような大きなプラットフォームでメインイベントで戦えるというのはとても光栄な事だし、強豪だろうとすぐに受けたよ」
──サウスポーの相手から被弾してピンチに陥いる試合が続きました。今回についてはどうとらえていますか。
「前回の2試合ともサウスポーの相手だったし、今回のサンデニもだ。ただ、サンデニは少し違うと思っていて、ストライキングは上手いが、グラップラーとしてはジョナサン達の方が上だと思う。まぁ、どうなるか見てみてくれ。自信もあるし、準備はできている。クイックにフィットに動けるようにトレーニングしてきているんだ」
──ダウンしてからもタフに動くのがモイカノ選手です。
「前回は自分の戦略通りに戦っていたが、キャッチされてダウンをとられた。その後立ち上がってまた相手をノックアウトするまで戦ったんだけど、それができる理由は、やっぱり自分は絶対諦める事をしないからだと思う。今回も何も変わらない。全てをつぎ込んで、ハートも魂も全て込めて戦う。それでブノワ・サンデニを相手に勝利を収めるんだ」
──サンデニはハードパンチャーですが、バックポジションも好みます。彼のバックポジションの技術をどうとらえていますか。
「あぁ、彼も上手いよね。グラップリングに関しては全体的にいい。。でもそれは俺もそうだ。だからいい試合になると思うし、お互いが上手いグラップラー同士だからね」
──前回は初のKO勝ちでした。今回も……。
「そうだね。そこもしっかりATTで磨いてきたし、寝技の自信が打撃にも繋がっている。KOでもサブミッションでも、一番重要なのは試合に勝つことだ。ハードなファイトになるだろうね。トレーニングもしっかりとうあって準備はできている。ファンにとってはすごく楽しい試合になるんじゃないかな」
──日本のファンへメッセージを。
「日本のファンのみんな、日本のMMAファンのみんな、いつもメッセージをありがとう。日本が大好きだ。日本は格闘技が生まれた国。柔術、柔道、空手全ての格闘技が生まれた。いつか日本に行って、自分の目でその国を見て学べる日がくるといいと思っているよ。ぜひ、日曜日の自分の試合をU-NEXTで見て欲しい」