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レポート

【DWCS】初回にテイクダウン奪った内藤だが、2Rにダウン。カメルーンのグーティエがパウンドアウトでUFCと契約

2024/09/19 10:09
 2024年9月17日(日本時間18日)、米国ネヴァダ州ラスベガスのUFC APEXにてUFC登竜門大会『ダナ・ホワイト・コンテンダーシリーズ(DWCS)2024』第6週(UFC Fight Pass配信)が開催され、現ミドル級キング・オブ・パンクラシストの内藤由良(リバーサルジム横浜グランドスラム)が出場、アテバ・アベガ・グーティエ(カメルーン)と対戦した。  内藤は、MMA6勝無敗。1996年横浜出身で、レスリング歴14年。2011年全国中学生選手権フリースタイル73㎏級で準優勝。その後も、神奈川・磯子工高から国士舘大に進み、2016年JOC杯ジュニア84kg級優勝、2016年の全日本選手権86kg級5位、2018年全日本大学選手権97kg級準優勝など活躍。3歳から始めた極真空手歴10年の経験も持つ。  8歳からピーズラボ横浜でちびっ子レスリングを始め、鈴木みのる、大石幸史、アライケンジ、佐藤光留らパンクラスイズムの選手たちからレスリングを学び、プロMMAの全試合をPANCRASEで戦ってきた。デビューから4連勝後の2022年3月にロッキー川村2(川村亮)との師弟対決でミドル級王座戴冠。  2024年6月30日の『PANCRASE 345』で、ディラン・オサリバンの代役のアリ・カラダギィを1R、テイクダウンからのパウンドヒジでTKOに下し、あらためて「自分が行くところはUFCしかありません。皆さんの声も力になります。ぜひバックアップしてもらえれば嬉しいです。ダナ(UFC代表)、ショーン(UFCスカウティング)、アイム・ナンバーワン・ジャニーズミドルウェイトファイター!」とマイクアピールしていた。  そのダナやショーンらUFC首脳陣の目前で行われるDWCSは、1大会5試合のなかで、勝敗はもちろん試合内容も加味され、UFCとの契約が審査される大会で、日本人では、2022年8月の『DWCSシーズン6』で木下憂朔が3R TKO勝ちでUFCとの契約を決めている。  今回、内藤と対するグーティエは、内藤と同じ183cmの長身オーソドックス構えで、28歳の内藤よりさらに6歳若い22歳。唯一の敗戦はスプリット判定で、それ以降は4連勝し、いずれも1Rでフィニュシュしている。ボクシングベースで、ワンツーの右は長く、スリーの左フックもパワフル。さらにワンツーからの左ハイキックを得意とし、近距離ではオーソでも蹴るのは左で、首相撲ヒザも強烈だ。  しかし、スタミナとテイクダウンディフェンスに課題を残し、黒星を喫した2年前のBudo FCでは、トップ・バックを奪うも2R以降に手数が減り、地元のグレン・ウイリアムズ寄りの判定に敗れている。  2023年12月のマンチェスターでの試合での初回TKO勝ち後は、2024年6月のサンボ・アフリカ選手権コンバットサンボ88kg級に出場。決勝でテイクダウンによるポイント差で敗れているグーティエは、MMAでは2年前の敗戦からどんな進化を遂げているか。  試合結果のみならず試合内容もUFC契約の査定に関わるDWCSで序盤からフィニュシュを狙うパワフルなグーティエを相手に、内藤はいかに初回で立ち会い、中盤以降で持ち味を発揮するか。  前週では、日本の岩﨑大河が元GLORY戦士ユースリ・ベルガウイ(オランダ)と対戦し、3RにTKO負けで契約ならず。その勝者のベルガウイも試合内容が評価されず、UFCとの契約は見送られている。内藤の前戦でセコンドについた岡見勇信に続き、日本人にとって高いミドル級の世界の壁を、内藤は越えられるか。 ▼ミドル級 5分3R〇アテバ・グーティエ(カメルーン)[2R 4分00秒 TKO] ※鉄槌×内藤由良(日本)  内藤のセコンドは同門のPANCRASEフライ級王者の伊藤盛一郎と、ブライアン・オルテガのコーチであるポール・フェレイラ。  1R、ともにオーソドックス構え。バックフィストの動きで回転して見せた内藤。ワンツーからダブルレッグも差し上げるグーティエがクリンチアッパー。さらにワンツーから右を振る。かわした内藤は、シングルレッグでケージまで押し込む。  左で首を抱え、右を突くグーティエは崩れず。ダブルレッグに移行した内藤を切る。距離が開くと内藤は後ろ廻し蹴りで牽制。  グーティエの左の打ち終わりにシングルレッグに入るが、差し上げ回すグーティエは首相撲ヒザ! 回すと内藤がバランスを崩して下に。内藤のガードにグーティエはグラウンドに付き合わず、内藤もすぐに立つ。  左ボディを伸ばす内藤。グーティエの右をかすめて被弾しながらもその蹴り足を掴んでテイクダウン! フルガードのグーティエの中から細かいパウンド、ヒジ。グーティエはクローズドにして内藤の頭を抱える。剥がして強振する内藤。金網まで腰を切って近づくグーティエ。  その頭を金網に押し付け時折パウンドする内藤。アゴ下に頭をつけてから左右を連打。セコンドの伊藤盛一郎から「由良、残り30秒、パウンド強いの打て」の声。トップキープから身体を起して強振するもグーティエも抱きかかえホーン。内藤のラウンドか。  2R、左ミドルの打ち終わりに近づく内藤に細かくワンツーを当てたグーティエ。内藤は遠間からシングルレッグもスプロールして切るグーティエに、身体を上げてからボディに組む内藤。グーティエは左ミドルも間合いが足らず、内藤は組んで押し込み。  差し上げるより左腕で頭を抱えて絞るグーティエだが、左で差す内藤は頭をアゴ下につけて押し込み、右に振って崩してダブルレッグ、シングルレッグへ。尻を金網につけて凌ぐ凌ぐグーティエは左で差し上げて体を入れ替え離れる。  力を使った内藤。跳びヒザを見せるが、そこに右を当てるグーティエは、内藤のシングルレッグをスプロールして切ると、立ち際の内藤に右を当てて、左フック!  後方にダウンした内藤はガードはとるが、グーティエはその上から潰してパウンド! 鉄槌。いったんダブルアンダーで抱き寄せる内藤を剥がしたグーティエは首にヒジを押し付けて剥がすと、クローズドにした内藤を金網まで押し込み鉄槌。  左目下を腫らしている内藤。頭が金網に詰まるなか、足は解かずクローズドガードを取る内藤。右手首を脇に挟むが、グーティエは左の鉄槌! 効かせて手首を抜いて左右のパウンド・鉄槌に内藤は動けず、レフェリーが間に入った。 【写真】UFC APAXのオクタゴン。この場にたどり着くまでの困難があり、RTUやDWCSを勝ち上がったアジア勢は、本戦でも厳しい結果になる選手も少なくない。  前週で同じミドル級の岩﨑大河が敗れ、先月の『ROAD TO UFC』では、フェザー級の河名マスト、原口伸、バンタム級の透暉鷹、女子フライ級の本野美樹も敗れている。経済・心身ともにシビアな海外修行を敢行し、世界最高峰を目指すファイターでもアジア勢のなかでもサバイブできていない。日本人ファイターにとって厳しい残暑の敗北をどうとらえるべきか。  試合後、ダナ・ホワイト代表はグーティエのUFC入りを発表。グーティエは、フランシス・ガヌー、タフォン・ンチュクウィに続く、カメルーン出身UFCファイターとなっている。
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