MMA
インタビュー

【UFC】オマリーに挑戦するメラブ・ ドバリシビリ「俺に出来たんだから、みんなも出来る」=9月15日(日)『UFC 306』

2024/09/14 22:09

一つだけ確かなことがある。チャンピオンになったら、若いファイターたちを激励していきたい

──イリア・トプリアがベルトを持ち帰ったときの映像を見たと思います。あなたもベルトを祖国に持ち帰る姿を想像していますか。

「もちろんだよ。最近ジョージアに戻った時も、空港にはたくさんの人が集まってくれて、愛を感じたよ。アメリカで戦ってる時、俺の国ではみんな夜遅くまで起きてるか、朝早くから試合を見て応援してくれる。ジョージアの人々全員が俺を知っていて、たくさんのサポートをしてくれてるんだ。もし俺がベルトを獲ったら、どれだけ彼らが喜ぶか想像もつかない。最近は誰にも言わずにジョージアに行こうとしてるんだ。なぜなら、家族と過ごす時間が欲しいのに、どこに行っても人々に囲まれて身動きが取れなくなっちゃうから。

 でも、今回はベルトを持ち帰ったら絶対にジョージアに戻って、みんなと一緒に祝うよ。みんなが通りに出て、お祭り騒ぎになるはずさ。どれだけ盛り上がるか見てもらいたいね。それに、いくつかの国を訪れて、ベルトを見せたいんだ。俺はただの普通の男、ジョージアの村から来たメラブだ。でも、俺は一生懸命努力して、このベルトを手に入れた。だから、みんなにも夢を追いかければ、何だってできるってことを伝えたい。メキシコにも行きたい。今じゃ俺はほとんどメキシコ人みたいだし(笑)。

 でも、あまり考えすぎたくないんだ。自然に、ありのままを感じたい。何を言うかも、何をするかも分からないけど、一つだけ確かなことがある。それは、チャンピオンとしての地位を手にしたら、若いファイターたちを激励して、良いことをたくさんしたいってことだ。ジョージアや他の国で柔術やMMAのジムを開いたり、チャリティー活動もしたい。たくさんのアイデアが頭の中にあるんだ。でも、まずは目の前の仕事を片付けることが重要。まずは体重をしっかり落とすことに集中して、その次にケージに入ることだ。ケージに入れば、やるべきことは分かってる」

──この試合の勝者は、ウマル・ヌルマゴメドフと戦うことになるかもしれませんが、このマッチアップについてはどう思いますか。

「まずはショーン・オマリー戦に集中している。もし彼に勝てば、UFCが次に誰を指名してきても俺は戦うよ。俺は相手を選ばない。いつもUFCが決めた相手と戦ってきたから、もしウマルが次の相手ならそれで構わないし、問題なく支配できるだろう。でも、もっと楽しみなのはデイブソン・ フィゲイレードとの対戦だ。彼は元王者だが、俺はすでに3人の元王者を倒してきた(※ジョゼ・アルド、ピョートル・ヤン、ヘンリー・セフード)。ショーン・オマリーに勝てば4人目の王者を倒したことになる。もしフィゲイレードと戦えば、5人目になるんだ。これを達成したファイターは他にいないと思う。それが俺の目標だし、フィゲイレードはノックアウトパワーもあって、サブミッションも上手いし、グラウンドも強い。彼は俺より大きいし、元タイトル挑戦者のマルロン・ ヴェラを支配した。しかも、ショーン・オマリー以上に印象的にヴェラを倒したと思う。ただ、誰が相手でも次の挑戦者が誰でも、俺は戦う」

──あなたはアメリカに移住して建設業で働きながらトレーニングしてきました。これまでの経験を振り返ることはありますか。

「もちろんだよ。長い道のりを歩んできたんだ。2020年までの生活がどれだけ大変だったか考えると、本当にいろんな苦労があった。“格闘技を続けるべきか、それとも建設業に専念するべきか、結婚して夢を諦めるべきか”って、毎日自分に問いかけてたんだ。“もしかしたら、これは自分には向いてないのかも”と思ったり、フルタイムの仕事をしながらトレーニングするのがどれだけ大変だったか。炎天下や雪の中で働き、家に帰ってからもトレーニングを続けた。それが本当にきつかった。

 でも2020年以降、たくさんのことが変わった。UFCで試合をたくさんして、いい収入を得るようになり、仕事を辞めてフルタイムのファイターになったんだ。そしてラスベガスに引っ越して、移民の書類も整って、今では祖国や他の国に自由に行けるようになった。今では市民権を得て、ショーン・オマリーのコーチを叩いても、アメリカから追放されることはない(笑)。本当に嬉しいよ。多くのことが変わって、感謝してる。まずはUFCに感謝してる。今は自分の家で眠れて、家族や友達をサポートできる。さらに、他の人々を励ますことまで出来る。俺は良いサンプルだと思う。俺にできたんだから、みんなもできる。ただ夢を追いかけて努力し続ければ、すべては可能だよ」

──UFC10勝のうち9勝が判定勝ち。フィニッシュしなきゃいけないというプレッシャーはありますか。

「いや、全然プレッシャーはないよ。俺はいつも勝利に集中してる。もちろん、フィニッシュを狙いたいけど、相手はいつもトップファイターだったからフィニッシュするのは本当に難しかったんだ。ブラッド・カトーナや、ヘンリー・セフード、ジョゼ・アルド、ピョートル・ヤンは誰だろうと簡単にフィニッシュできる相手じゃない。ジョン・ドッドソンだって、いまだフィニッシュ負けはゼロだ。ただ、ショーン・オマリーをフィニッシュできる自信はあるよ。でもプレッシャーはない。勝ったものが勝者だし、勝者を誰も批判しない。もちろん、良い試合を見せたいし、フィニッシュを狙う。彼をTKOするか、ノックアウトするか、あるいは失神させてやりたい。

 だから、俺は良い試合を見せることに集中している。人々にエンターテインメントな試合を提供したいんだ。勝ち方にプレッシャーはないよ」

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