「王者になりたいなら王者のように生活しなきゃいけない」と言い聞かせてきた
──次の挑戦者には誰が相応しいと思いますか。
「メラブが反応するだろうからけど、ウマル・ヌルマゴメドフの方がメラブより俺と戦うに相応しいと思うよ(笑)。冗談だけど、メラブが激怒するだろうから、言わせてくれよ。メラブにはウマルに対して何か変な感情があるんだよ。ウマルについて質問された時、メラブはその場から立ち去って行ったんだ。でも、次に戦うのが誰かと言えば、間違いなくウマルじゃない。フィゲイレードかもしれないし、イリアかもしれない。今はメラブ戦に集中しなきゃならないけど、選択肢はいくつもあるよ」
──もしウマルだとしたら、コナー・マクレガーとハビブ・ヌルマゴメドフのようなビッグイベントになる?
「間違いないね。アイルランド対ロシアだから、ビッグイベントになるための要素は揃っているよ」
──UFC最大のスターはコナー・マクレガーと認識されていますが、この試合で勝てばどれくらい近づけると思う?
「かなり近づくだろう。大きな疑問は、コナーが復帰できるのか、チャンドラーに勝てるのかってことだろうね。彼にはチャンドラー戦という重要な一戦が残っているんだ。チャンドラーに負けたら、6連敗とかになるんじゃないかな(※実際は2連敗) 。人気は落ち着くものだけど、チャンドラー戦はコナーの現在のスター性が試される試合になるだろう。もし彼が負けたら、俺がナンバーワンになるんだ」
──MMAのコアなファンだけでなく、カジュアルなファンがいるコナーやあなたの魅力は何だと思いますか。
「俺は試合をたくさんやってるってことだね。コンスタントに戦っていることが俺の強みだと思う。コナーはマイクパフォーマンスがすごかったよ。あのアクセントや言葉の使い方は見事だったし、マイクを通じて自分をしっかりアピールしてた。もちろん、何試合かでは良いパフォーマンスを見せたけど、俺は今、コンスタントに戦ってる。それが強みだ」
──UFCのメキシコ人ファイターで、あなたに影響を与えたファイターは?
「メキシコ人ファイターっていうと、すぐに思い浮かんだのは、ケルヴィン・ガステラムかな。彼は好きなファイタ-の一人だよ。メキシコ人ファイターはいつも楽しい試合をするし、タフだよね。ノックアウトするのが非常に難しいんだ」
──メキシコと言えば、ボクシング王国です。あなたも以前はボクシングマッチにも興味を示していましたが、それは今でも?
「いつかはね。でも今は全く考えてないよ。まずはメラブ戦があるし、その後も大きな試合が控えてる。イリア・トプリア(※現フェザー級王者)、マックス・ホロウェイ(フェザー級2位)、ウマル・ヌルマゴメドフ(バンタム級2位)とか、デイブソン・ フィゲイレード(バンタム級5位)とか、色んな選択肢があるんだ。だから、今はボクシングのタイミングじゃない。でも、コナーとフロイドがファンのリクエストで戦ったように、もし俺がこれからもどんどんKOしていけば、その時は来ると思う」
──あなたは、イリア・トプリアのことをパウンド・フォー・パウンドで3位に入るって言っていましたけど、あなた自身は?
「もちろん、ナンバーワンだよ」
──それでは、2位は?
「ジョン・ジョーンズだな。あいつは本当にとんでもない男だ! 銃も打ちまくるし……いや、冗談だよ(笑)」
──あなた自身は王者になって、どんな生活を送っていますか。
「“王者になりたいなら王者のように生活しなきゃいけない”って、ずっと前から自分に言い聞かせていたんだ。トレーニング中も、オフの日でもね。トレーニング、回復、トレーニングを繰り返すシンプルな生活だよ」
──困難な状況をくぐり抜けているお兄さんのマイケルについて、どう感じていますか。
「正直、あいつは絶対に死ぬと思ってた。俺がアリゾナに引っ越して8年くらい経った頃、あいつはまだモンタナにいて、薬物中毒でめちゃくちゃだったんだ。完全にどん底に落ちてたから、俺はもう感情的に彼に全然関わらないようにしてたよ。どうせ死ぬんだろうって思ってた。でも、あいつが薬を止めてアリゾナに移って、今俺の生活の一部になってるのは本当にすごいことだと思う。正直、インスピレーションを受けるよ。依存症は冗談じゃ済まない問題だし、あいつは毎日それと戦ってるけど、勝ってるんだ。だから、あいつのそんな姿を見るのは本当に嬉しいよ」