プロフェッショナル修斗30th ANNIVERSARY TOURのファイナルとなる11月24日(日)後楽園ホール大会に“パイオニア”宇野薫(UNO DOJO)の参戦が決定した。
▼フェザー級 5分3Rマーカス・ヘルド(同級ドイツ王者/GERMAN TOP TEAM)宇野 薫(日本/UNO DOJO)
対戦相手はドイツ・フェザー級王者、マーカス・ヘルド(GERMAN TOP TEAM)に決定。マーカスは2019年1月の開幕戦に初来日し、世界王者・斎藤裕と対戦。序盤に斎藤の打撃を貰い秒殺かと思われたがグランドの展開に移行してからはマーカスのディフェンスに斎藤も攻めあぐねる所も見られ、下からの攻めに関しては侮れない動きをみせた。
2Rには齋藤のテイクダウンからのパウンドにKO負けを喫したが、母国帰国後にはその技に磨きをかけたという。2019年5月に欧州視察に訪れた佐藤ルミナのセミナーにも積極的に参加したヘルドは、新たな技術の習得にも余念がなく、ルミナから「打・投・極」の繋ぎを指摘され何度も繰り返し反復練習を行うなど、ドイツ人らしい勤勉さを見せていた。前回とは全く違うスタイルに変貌している事も充分考えられ、侮れない部分もある。
一方、宇野薫は2019年5月6日に行われた30周年記念大会に約2年振りに復帰、欧州修斗代表のマルタイン・デ・ヨングが自信を持って送り込んで来たデュアン・ヴァン・ヘルフォート(グレイシーバッハ・ネーデルランド)と対戦した。
両者ともに目まぐるしく入れ替わる攻防をフルラウンドにわたり展開し、本来なら宇野薫の真骨頂ともいえる試合内容の筈だったが、際での攻防を優位に制したデュアンが勝利を修めている。
試合終了直後は両者共すぐには立ち上がれない程の試合内容に超満員のファンからは万来の拍手が贈られたが宇野薫の求めている事はそんな事ではないのだろう。それは「勝たなければ意味がない」からだ。
佐藤ルミナとの王座決定戦、UNOvsRUMINAⅡ、UFCでのジェンス・パルヴァー戦、BJペン戦、数多の強豪との名勝負──。これまでも不利だと言われた試合でも、最後は何とかしてくれるというファンからの期待を背負い続けてきた宇野。
プロデビューから22年。戦績は50戦を優に越え、44歳を迎えながらもMMAファイターとして拘り続ける宇野薫が目指すものはいつも勝利のみだった。2019年5月には「POLARIS」の第10回大会に参戦。英国のリー・レメディオスにストレートアームバーを極めて一本勝ちするなど、柔術・グラップリングの進化を見せている。
齋藤戦では四つ組みで下になったヘルドはスクランブルより寝技を選択することもあり、その際で齋藤のパスガードを許している。近年、寝技での進境著しい宇野としてはその部分でもきっちり上回りたいところだ。
11月24日は「必死で戦う宇野薫」から「勝つ宇野薫」を見せられるか。プロ修斗30周年ツアーのファイナルを締めくくるのは、宇野薫だ。