キックボクシング
ニュース

【RISE】田丸辰の挑戦を退け初防衛に成功した志朗「ボクシングキックではない5Rのキックボクシングの本質を見せることが出来たんじゃないか」「自分の理想は強いまま終わりたい」

2024/09/09 00:09
 2024年9月8日(日)神奈川・横浜BUNTAIで開催された『RUF presents RISE WORLD SERIES 2024 YOKOHAMA』のメインイベントで、挑戦者・田丸辰(TRY HARD GYM)を判定3-0で破り、RISE世界バンタム級王座の初防衛に成功した王者・志朗(BeWELLキックボクシングジム)が試合後インタビューに答えた。 ――試合の感想を。 「駆け引きを5R見せられたのがよかったと思いますが、評価が割れる試合になったんじゃないかなとは思います。自分は前からキックボクシングを見せたいというのがあったので、ボクシングキックではない5Rのキックボクシングの本質を見せることが出来たんじゃないかなと思います」 ――1Rから心理戦を含めたテクニカルな展開が続いた。 「簡単に言うと例えば前手を動かす、そうすると相手が右手を動かすと右を狙っているなと思うんですよ。自分たちはそれに対してカウンターとか先の先まで呼んでいるわけですよ。目線を上から下にしてボディを狙っていると思わせておいて上に来るかもしれないし、足のフェイントで足を上げて反応させたりとか、反応した先を見てそこの隙を突いていく2人の戦いだったんですね。そこの展開でアグレッシブさが足りないと言われちゃったりすると、見えない手数と言うか、フェイントから駆け引きから相手の反応を見て自分たちは試合を作るタイプなので、その展開はレベルが高かったなというか。次はジャブからフックが来るとか、内から外とか外から内とかいろいろなパターンを警戒したり、今回はセコンド合戦にもなったかと思いますね。セコンドの指示は両方聞こえたのでチームでの勝利でもありますし、駆け引きって言うのはみんなが見えてない世界で自分たちは対戦していたんじゃないかなと思いますね」 ――那須川天心戦の時に「頭が疲れた」と言っていたが、それに近い? 「タイプ的には似ていると思いますね。天心君は3Rでのキックボクシングの勝ち方を作ったのでまだひとつかふたつ上だと思いますけれどタイプ的には頭を使いながら、たまに大振りをしたり、内側から入れたり、似ている試合だったとは思いますね」 ――ジャッジは5Rを全員志朗選手に付けたとのことだが? 「さっき天心君と話をして、天心君は4R(を取った)と言っていたんですけれど、4Rか5Rで取ったなというのはあります。鼻血と目が腫れていたので、そこで見栄え的にもそうですし、なるべくロープを背負わないようにしたりとか、自分の攻撃で終わるとか、そうすると見栄えが違うので4と5でそれを意識しました。そこでどっちかに振り分けるとしたら自分に付けるしかないなと戦っている時に思いましたね」 ――延長があるかもとは? 「もしかしたらあるかなくらいですね。1ポイントは絶対に取った自信はありました。精神的には自分の方が有利だったので」 ――初防衛して今後はどうしていきたい? 「今後は価値を高めたいのはありますし、RISEさんが面白いストーリーを作ってくれると勝手に思っています(笑)。世界一はONEじゃないですか。それを覆したいというか。自分的には最終章のつもりでやっているので、何かやりたいなってのはありますね。あとはRISEさんが(笑)」 ――シーソーゲームにならざるを得ないと想定していた? 「前回1Rやって、2人とも駆け引きタイプが似ているのでなるかなというのはありましたし、前回バッティングがあったのでお互い前に突っ込めないのがあったと思う。そこも自分は駆け引きだと思ったので、あえて4、5Rで取りに行ったりとか。そこも含めて5Rのキックボクシングを見せられたっていうのはありますね」 ――田丸選手の攻撃で想像以上だったものは? 「末國(龍汰)くんと練習して末國くんの方が速かったので、いい練習になったと思いますし、最初から来ると思っていたけれど来なかったので、スピードは思ったほどではなかったですね。だから想定内のことで。逆に言えば自分が前手で(試合を)作れたので自分の方がアドバンテージがあったと試合をやりながら思いましたね」 ――試合中に田丸選手が焦ったり、疲れを見せたりした部分はあった? 「ボディを打った後にアピールしたりとか。もらった後にアピールする人って、自分の考えだとちょっと嫌だって思ったのは感じているので、ボディを嫌がっているのは見えたのでそこは狙えたなと思いますね」 ――前日会見で「KO出来る確率は100%に近い」と言っていたのも、実は駆け引きだった? 「(田丸が)けっこう煽ってきたじゃないですか。心の中ではけっこうイラついてました。なんで年下の階級も下のヤツに言われないといけないんだよって。でも大人の対応をしようと思って(笑)。2人とも狙っていた技があったと思うんですよ。お互い狙っていたのが多分カウンターなので。ハイキックもそうだし、ストレートもそうですけれど。一度自分の右ストレートか左フックで相手の腰が落ちかけたのもあったので、そういうのも狙いつつ。2人とも反応がいいので、自分たちの場合タイミングとか身体のリズムで、今日は身体が前に行ってから手が後から来るって感じだったんですよ。そうすると一歩遅れて攻撃が来るので、それが当たったりとか。当たればKO出来たなっていうのは何個かあったけれど、それは彼がバックステップとかよけるのが上手かったのはあります。まあ、KOは狙いたかったですね」 ――3Rまではオープンスコアが出てずっと10-10だった。そこでどんなことを考えた? 「スコアは10-10だろうなと。ジャッジしてて、この攻防をしていて自分にポイントを付けるのはリスク。技術は評価されにくいじゃないですか。4Rか5Rは評価されたので良かったと思いますけれど、この駆け引きの中で3Rが終わってこのままではずっとイーブンだからプレスを強めながら前に行き過ぎない、前に行き過ぎると彼のカウンターが待っているのでそこは意識しながらやったので。オープンスコアはそこまで気にしないで出来ましたね」 ――試合前に田丸選手が「世代交代」と言っていたが。 「まだまだ早いよって。それは体現できたと思います。自分はそういう危機感は常に持っています。ジュニア上がりとか強い子が上がって来ているので。20代に比べると自分の練習量は下がっている部分もあるので、スタミナは付けるのではなく精神面で安定すれば落ちないというのが自分たちの考え方であって。アスリートは緊張とか焦りで凄い疲れるじゃないですか。だからそれをなくす練習というか、意識とかしっかり見ながら技術+そういういろいろな考え方も取り入れているので。自分は常に進化しようとしているので、まだ世代交代させねえよって想いは強くあります」 ――最終章というのは? 「みんなジュニアからやって怪我があったり増えたりがあるので、長くは出来ないっていうのがあると思うんですよ。(ジュニア上がりで)自分くらいですよね、30代で王者なのは。次が最後というのはないですけれど、最終章のつもりでやって自分を奮い立たせる、それを原動力にしている感じですね。負けず嫌いなので年下には負けたくないって気持ちでやっています」 ――自分の中で終わりは決めてない? 「自分の理想は強いまま終わりたいです。まだ見たいって。それがカッコいいじゃないですか。自分、今日メインじゃないですか。もし3年後に第1試合だったらどうします? そんなの見たくないじゃないですか。オープニングの次の試合とかそんな落ちてまでやりたくないし、志朗って強いな、まだ見たかったなというので終わりたいのが自分の格闘技人生なので、落ちたと思ったらスパっと辞める覚悟があります」 ――ファンへメッセージを。 「いつもたくさんの応援ありがとうございます。今回防衛することが出来て、これで真のRISE世界王者になれたと思います。普段から皆さんが応援やパワーを送ってくれたおかげでしっかりと結果を残すことが出来ました。まだ次戦は未定ですが、これからもしっかりさらに強くなっていくと思うのでこれからも自分とRISEの応援をよろしくお願いします」
全文を読む

MAGAZINE

ゴング格闘技 NO.333
2024年7月23日発売
UFC6連勝で日本人初の王座を射程に入れた平良達郎、ペティス下した堀口恭司ら軽量級の雄を特集! RIZIN井上直樹×高木凌、K-1から金子晃大、玖村将史らを直撃。武尊×野杁×与座も
ブラジリアン柔術&総合格闘技専門店 ブルテリアブラジリアン柔術&総合格闘技専門店 ブルテリア

関連するイベント