鈴木萌「別に打ち合っても負ける気はしない」
これがプロデビュー戦となる鈴木は、現在大学3年生。大学でもキックボクシング部に所属して、クロスポイント吉祥寺でも汗を流す彼女は、練習熱心さについては山口代表も太鼓判を押すほど。そんな彼女の、この一戦に懸ける思いとは?
──今回、プロデビューということですが、キックを始めたのはいつ頃、どんな理由だったんですか?
「今、大学3年なんですけど、1年の春に始めました。サークルとか部活を決める時に大学のキックボクシング部を見つけて、そこに体験に行ったのがきっかけでした。最初は、自分が女子というのもあって、周りは『フィットネスでも大丈夫だよ』みたいな感じで言っていたので、軽く体を動かせればというぐらいの気持ちで入りました」
──そこから、どうしてプロデビューするまでになったんですか?(笑)
「入って2ヵ月ぐらい経った頃に、先輩がアマチュアの大会に出たので応援しに行ったんですけど、その時に初めてキックボクシングの試合を見たんですね。先輩が戦ってるのを見て、カッコいいなと思って、『試合に出てみたいな』っていう感情をちょっと持ちつつ、でも『全然まだまだだな』って思いながら、1年の時は過ごしてました」
──ちなみに、高校までは何かスポーツは?
「中学高校で6年間、水泳をやってました。ただ水泳の世界は厳しくて、普通ぐらいのタイムでした」
──で、キックに本腰を入れたのは大学2年になってからということですか。
「そうですね。2年の4月に、家が近かったのでクロスポイント吉祥寺に一般会員として入会して、クラスに出たりしながら、2年の5月ぐらいに初めて『KNOCK OUT』のアマチュア大会に出ました。初試合は負けてしまって、本当に人に勝つって難しいなっていうのを痛感したというか、もっと頑張らなきゃなと思って、そこでまたスイッチが入って。2戦目が11月だったんですけど、そこからはもうずっと勝ってますね。アマチュアでは5勝2敗です」
──なるほど。クロスポイントに通いつつ、部活でも練習してるんですか?
「はい。同期では女子が自分1人だけだったんですけど、今、後輩には女子もいるので、練習には行ってます」
──両方で練習してるんですね。山口元気代表から、2部練、3部練は当たり前で、ものすごく練習してるとお聞きしたんですが。
「試合が決まってない期間は、昼のプロ練に出て、夜は部活の方に行ったり、学校が1日休みの時は小笠原瑛作選手がやっている朝の階段ダッシュに参加させてもらって、昼にプロ練に行って、夜は他の会員さんと練習して3部練になったりはしてますね」
──ヘタすると、すでに並みのプロ選手より多く練習してそうですね(笑)。
「そうですかね(笑)。本格的に始めて1年ちょっとしか経ってないし、ちゃんと練習しないとなって思って。練習量を増やしたら必ず強くなるとは思ってないんですけど、できるだけの努力はしてるっていう感じですね」
──ここまでのアマチュアの試合で、得意技だったり得意なスタイルだったりというのは?
「サウスポーなので、左ミドルとストレートは武器にしてるという感じです。そこから攻撃を組み立てようかなという感じで」
──今回の相手、BONNY選手に関しては、情報はどれぐらい入っていますか?
「職業と、過去にBreaking Downのオーディションを受けたとか、あとはオーソドックスで、格闘技歴は長いというぐらいですかね。動画は、SNSでボクシングの練習をしているのが上がっていたのを見たぐらいです。7月の大会で左フックでダウンを取って勝利しましたみたいな投稿も見つけて、けっこうパンチャーなのかなと思っています」
──BONNY選手は打ち合いだったら負けない自信があるし、打ち合いがやりたいということだったんですが、ちょっとスタイルは違いそうですよね。
「そうですね。勝つためには自分のスタイルを貫かないとと思って、それを反復して練習してるいるので、打ち合いには持っていきたくないんですけど、別に打ち合っても負ける気はしないので、絶対に勝ちます」
──ちなみにBONNY選手は「女王様」というのが話題になっていますよね。そこについては何か思いましたか?
「SNSを見てる時にキックのミット動画とかもあったんですけど、それ関連の動画も流れてきて、『おお~』ってなりました(笑)」
──今回は福岡大会ですが、福岡には何か縁があったりしますか?
「いや、全くないですね、大学1年の時に友達と旅行に行ったぐらいです」
──その時は何をしたんですか?
「もうずっと食べてました(笑)。今回も勝ったらおいしいものを食べたいです。まずラーメンを食べて、ジムの先輩から『うどんがおいしいよ』と聞いたのでうどんも食べます。あと明太子も食べたいです」
──これからプロになるわけですが、プロでの目標とか夢は?
「とりあえずこの試合を勝って、その後のことは、今は何にも考えてなくて。今大学3年生というのもあって就活しないといけなくて。試合が終わって就活して、その後はまだ何も考えてないですね」
──では最後に、今回の試合は大会で唯一の女子の試合ということにもなりますが、一番注目してほしいポイントはどこでしょう?
「スタミナもそうですし、絶対気持ちでは負けないので、絶対に自分が圧力かけるぐらいの気持ちで前に出ます。あと、大学での青春じゃないですけど、この時間を全部格闘技にかけてると自分では思ってるので、そういう気持ちの面を見てほしいですね」