勝次「新しい距離感で戦おうと思っている」
勝次は2003年にプロデビューし、2015年にキャリア12年目にして新日本キックボクシング協会の日本ライト級王座に就いた。2017年にKNOCK OUT初代ライト級トーナメントへ参戦すると、いずれも倒し倒されの大激闘を演じて一気に名を挙げ、決勝では森井洋介に敗れるも大きなインパクトを残した。2019年10月には悲願であったWKBA世界王座をTKO勝ちで獲得。2023年7月の『NO KICK NO LIFE』にて大月晴明に5RでKO勝ちして健在ぶりを示し、10月には新日本キックラストマッチで岩橋伸太郎に判定勝ち。
RISE初参戦となった12月の常陸飛雄馬戦ではKO負け、2024年4月の2戦目でも岩郷泰成に判定負けとまだ白星をつかめていない。7月にはヒジありルールでロムイーサンと対戦も判定負けで3連敗となった。戦績は47勝(20KO)22敗10分。
「そうですね、80戦目です」
――デビューしてから20年以上が経ちますが、デビュー当時はここまで試合をやっていくとは思っていましたか?
「全く思っていなかったですね(笑)」
――その時はどんな気持ちでやっていたんですか?
「東京に来て2年くらいでチャンピオンになれるだろうと思っていました」
――色々な団体を渡り歩いてきた勝次選手ですが、昨年末にRISEに参戦するようになってから、今はいかがですか?
「やっと距離の感覚というか、ヒジありとなしでのルールの違いにアジャストできてきたかなという感じです」
――そういう意味では今までの攻撃力などの、本来持っている強みの部分が見れるような試合になりそうですね。
「僕の強みの距離、もっとレベルを上げないといけない距離を把握したので、次はちゃんとアジャストして良い距離で戦えると思います」
――前回はヒジありルールでの試合でしたが、残念ながら判定負けという結果に終わってしまいました。その試合を合わせて3連敗中です。ここまで連敗した状況は今までのキャリアの中でも少ないと思いますが、ご自身では今の状況をどのように分析していますか?
「人生で初めての3連敗がTEPPEN GYMに移籍してからの3連敗でした。これでは那須川会長の顔も立たないですし、那須川会長に教えてもらっている部分を次の試合で出して、きっちり勝ってRISEのランキング入りからが勝負かなと思っています」
――移籍したTEPPEN GYMでの練習環境はいかがですか?
「週3、4回は行けていて、対人練習を主にやっているので距離感や当て感を練習できています」
――若い選手も多くて色々なタイプの選手が多数在籍していますが、それも良い刺激にもなっていますか?
「階級も別々でスピードもバラバラですけど、いろんな武器を持っている選手がいるので様々な練習ができています」
――ベテランになってからの移籍ではあるけれど、刺激を受けてまだまだ進化しできているんですね。
「そうですね」
――RISEの試合は4月の『漢気トーナメント』以来となりますけど、今回はSEIDO選手との対戦が決定しました。この試合のオファーが来た時はどんな心境でしたか?
「ずっとRISEのランカーと試合がしたくて、RISEのデビュー戦ではSEIDO選手辺りとの試合になるかなと思っていたんですけど、いきなり3位の常陸選手だったので1発目からRISEは厳しいなと思っていました(笑)。でも今回の試合は負けたら終わりだなと思っているので、ここはしっかり勝ってランキング入りしてからが新たなスタートを切ります」
「何度か見たことがあります」
――どんな印象を持ちましたか?
「骨が強くてガツガツ系の選手だなっていう印象です」
――SEIDO選手は今年40歳になる選手ですが、勝次選手が年上の選手と戦う機会も減ってきていると思います。そんなガツガツ来る年上の選手を相手にどのような試合展開になると思いますか?
「新しい距離感で戦おうと思っているので、相手は混乱するかなっていうのと、その中でも相手がガンガン来たら合わせられるような練習はしているので、どの距離でも戦える自信はあります」
――どちらかと言うと相手のテンポに付き合うと言うよりかは、自分の距離で試合を支配するような展開になりそうですね。
「今回は相手に合わせる必要は全くないと思っているので、1ラウンド目でも倒せるポイントがあればガンガン攻めて効かせて倒したいです」
――勝次選手は激闘の試合をたくさんやってきている選手なので、どうしても「激闘派」と言われる事が多いですよね。ご自身的には激闘を求めてやっている訳ではないんですか?
「本当は全然激闘をしたくないです」
――本来の自分が考えている理想の試合は、全然激闘はイメージしていないんですか?
「毎試合秒殺を目指しています(笑)」
――早く試合を終わらせるイメージだったんですね。
「そういうイメージでやっています」
――激闘ながらも80戦をしてきたという事が、凄いことなんだと改めて思いました。
「僕だけの力じゃなくて、怪我をしたら治してくれる先生だったり、栄養管理をしてくれる方だったり、色々な人がサポートしてくれているので、そのサポートのおかげで僕はまだ試合ができていることに日々感謝です」
――体のケアを色々なところでされているようですけど、年齢と共にコンディション作りに気を使うようになってきましたか?
「今まで相談したことのなかった、別ジャンルのスペシャリストの方なんですけど、その方が色々なことに関して知識が豊富で、体重や栄養面などの相談をしてみたら練習や寝る時間についても教えてくれて、37歳からもうワンランク上げるために必要なことのアドバイスをもらいました。それを実践し始めてまだ1週間経っていないんですけど、これでまた新たな自分を作っていこうと思います」
――80戦をやっているとはいえ、まだまだ新しい発見もいっぱいあるんですね。
「格闘技は技術も常に新しくなっていくので、取り残されないようについていかなくてはいけないです」
――最後にいつも応援してくれるファンの皆さまにメッセージをお願いします。
「今回こそは久しぶりの僕の良い勝ち方をお見せできると思っていますので、皆さん応援をよろしくお願いします」