スティーブ・エルセグ「どこで練習しても、自分が強く望むなら、活躍できることを証明していく」
──王者アレクサンドル・ パントーハとのタイトルマッチを終えて、生活に変化はありましたか。
「正直言って、生活は全く変わっていないよ。たくさんの教訓を学んだし、あのパフォーマンスから多くの自信を得たんだ。自分の望む結果にはならなかったけど、あのレベルで戦えるという確信を持てたし、5ラウンドを戦い抜いてペースを保てることも分かった。だから、望んだ結果は得られなかったけど、試合から多くの良いものを得たんだ」
──このパースでの大会のオファーが届いたのは?
「パースで開催されることは知っていたけど、どれくらい前にカイの名前を聞いたかは覚えていない。でも出場したかったし、UFCも僕が出場することを歓迎していたみたいだ。パース出身の選手が参戦するのは良いことだからね。だから、ケガをしていない限り、誰とでも戦うつもりだった」
──カイ・カラフランスの印象は?
「彼は非常に優れたファイターだよ。ものすごく爆発力があって、テイクダウンディフェンスも一流だし、パンチもかなり強力だ。だから、注意を怠らないようにしなければならない。でも、僕の方が上だと思う。日曜日の朝にそれが明らかになるだろう」
──パントーハ戦と比べて、試合へのアプローチは異なりましたか。
「そうでもないよ。2人とも大きい軌道のパンチを打ってくることが多いんだ。カイは常にテイクダウンを狙ってくるようなファイターではないから、より打撃に集中して準備した。でも、現実的に考えて、もしカイが打撃で不利に感じたら、テイクダウンを狙ってくる可能性もある。だから、テイクダウンディフェンスにも引き続き取り組んでいるけど、大部分は立った状態での戦いにフォーカスしているんだ」
──この試合が5ラウンド制であることを希望していましたか。
「そうだね。パントーハ戦で5ラウンドを戦った後、また5ラウンドをやりたいと思ったんだ。5ラウンドが自分に合っていると思う。パントーハ戦でラウンドを重ねるごとに優位に立てたことで、他のファイターに対してもフィニッシュできると感じたからね。5ラウンドは自分に合っていると思う」
──パントーハより先に復帰することには驚きは?
「全然驚いてないよ。彼はまず休養が必要だと言ってたし、僕は多くの試合を戦うのが好きだからね。だから全く驚きはない」
──ムハンマド・モカエフのUFCリリースについては?
「人が落ち込んでいる時に追い打ちをかけたくはないけど、彼はいくつかの行動を起こした結果、ファンやUFCに好かれなかったんだと思う。だから、気の毒には思うけど、彼自身の行動が招いた結果だと思うよ」
──あなたはメキシコの文化が好きだからメキシコ人と戦ってみたいと言っていました。なぜでしょう?
「メキシコのボクシングには素晴らしい選手がたくさんいるんだ。フリオ・セサール・チャベス、カネロ・アルバレス、そしてマニー・パッキャオと戦ったマルケス。本当に素晴らしいボクサーたちだし、彼らは戦士だ。結局のところ、俺が好きなのは戦士らしく戦う姿を見ることなんだ」
アウェイで戦うことに慣れてしまって地元で戦うことに少し違和感を感じているくらい
──昨年パースで開催された『UFC 284』の前夜、エルセグ選手はエターナルMMAで戦っていましたね。そして今、地元パースでUFCのコメインイベントに出場することになりました。感慨も?
「面白いもので、あまりにも早くアウェイで戦うことに慣れてしまって、今週地元で戦うことに少し違和感を感じているんだ。ファイトウィークなのに自分の家にいて、普段と同じ場所でトレーニングをしている。ちょっと変な感じがする。UFCで戦う1年以上前はここで戦うことが普通だったのにね。でも、すごくワクワクしているよ。家族や友人、応援してくれている人たちがみんな試合に来てくれる。彼らのために良い試合を見せるのが楽しみだよ」
──注目を浴びるようになって生活に変わりは?
「大部分は変わっていないけど、時々本当にクールなことを体験する機会があるんだ。イーグルスに会ったり、先日ワラビーズに会ったり、子供たちが夢見るような経験をすることがある。でも、それ以外の時間は以前と同じで、朝トレーニングに行って、一日中そこにいて、家に帰って寝るだけだよ」
──あなたがコメインイベントで戦うことは、パースのMMAに大きな意味があるのでは?
「本当に大きな意味がある。少し前までは、『もし強くなりたいならアメリカに行かなきゃいけない』とか、『ここでは無理だ』とか、そんなことを言われ続けてきたんだ。だけど、ジャック・デラ・マダレナや僕が結果を残して、そして今後はパースから出てくる若い選手たちが台頭してきている。どこで練習しても、自分が強く望むなら、活躍できることを証明出来ていると思う」
──カイ・カラフランスはどれくらいタフだと感じていますか。
「本当にタフだよ。誰と戦っていたか思い出せないけど、リアネイキドチョークが完全に極まっているのに、諦めずに最後まで戦い続けていたんだ。僕ほどでないことを願うけど、心から強いと思う」
──あなたのUFC契約前の最後の試合はパースでした。今回は家族が応援に来る?
「僕はとても恵まれているんだ。家族がブラジルやベガス、ニューヨークにも旅行して応援に来てくれたんだよ。いつも僕のそばにいてくれる。その点で僕は本当にラッキーだ。今回の試合は、みんなが飛行機に搭乗しなくて良いのがありがたいよ」