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インタビュー

【RIZIN】榊原CEO、UFC7戦無敗でリリースのモカエフに「RIZINのフライ級に来てくれれば」、五輪アスリート獲得も「水面下で動いている」、引退の朝倉未来とは「近いうちに──」

2024/08/09 16:08
『RIZIN甲子園』の「第1回トライアウト」に出席した榊原信行CEOが8日、本誌の取材に五輪後のトップアスリートの獲得と、UFCをリリースされたオクタゴン7戦無敗のムハンマド・モカエフ(英国)について「フライ級に来てくれれば」と興味があることを語った。  未来のスター選手発掘を目的とした新プロジェクトを起ち上げたRIZIN。高校生世代から有望な選手を発掘・育成していくという動きの一方、すでにMMAファイターとしてのポテンシャルを持つ、トップアスリートの獲得にも入っているという。 (C)Bellator/PFL  榊原CEOは、アマチュア選手のスカウティングについて、五輪後のオリンピックアスリート獲得に向け、水面下で動いていることを明かした。 「柔道やレスリングのオリンピックアスリートたちにも転向してもらいたい。メダルを取ったからオファーするってことじゃなくて、メダルに届かなかった選手やスポットライトが当たっていない選手も含めて、日本代表レベルの選手は見極めていきたい。次のロス五輪を目指す人もいると思いますが、RIZINを含めた格闘技のプレゼンスが上がってきたので、新たなチャレンジとして総合格闘技を始めてもらう。レスリングとか、柔道界でも世界と渡り合えるセンスの塊はむちゃくちゃ魅力的なので、積極的にアプローチしていきたいですね」と、世界と戦う日本代表クラスの選手たちをMMAに勧誘していくという。  そのためには、これまでMMAに転向し、ワールドクラスの活躍を見せている村田夏南子や太田忍のように、所属する協会や団体とのロビー活動が重要とした。 「水面下では動いています。たとえば太田忍(リオ五輪銀メダリスト)の場合は、彼の中に、五輪でメダル後、転向してみたい気持ちがあった。村田夏南子(アジア金)はエリートプログラムにいた選手で、監督やレスリング協会と話した。その選手の一存で決められないことが多いので、協会・団体など組織へのロビー活動をして、そういう野心を持つ、チャレンジしてみたいという選手がいるところに育成の協力金などを提供してパイプを繋いでいきたい」(榊原CEO) [nextpage] モカエフの素行が悪いと言っても、どのレベルなのか(榊原) (C)Zuffa LLC/UFC  また、スーパーアスリートという意味では、レスリング英国王者でMMA14戦無敗、UFCでも7戦無敗ながら電撃解雇された24歳の超新星ムハンマド・モカエフ(ロシア/英国)についても、興味があるという。 「みんながあれだけ“扱いにくい”とか言うと(笑)、まあUFCと何かあったんでしょうね。でもアスリ-トとしては興味があります。すごくいい選手だと思いますし、RIZINのフライ級に来てくれれば、またひとつの求心力を得るというか、スポットライトを浴びるチャンスはあると思います」と、堀口恭司(ATT)が無双しているRIZINフライ級戦線において、ライバルになりうる存在だとした。 (C)Zuffa LLC/UFC  問題は、マネル・ケイプ戦前にも乱闘を起こしたように、UFCのデイナ・ホワイト代表が「マッチメーカー達が彼のことをよく思っていないのは事実だが、(再契約しない)理由は彼のファイトスタイル以外にも色々ある」というトラブルメーカーの高給取りであることだ。  デイナ代表は「彼とはもう契約していない。PFLは素晴らしい無敗の男を手に入れることになると思う」と、匙を投げたが、そのPFLでもレイ・セフォー社長は会見で「彼(モカエフ)を知っている人に聞いたのだが、どうやら彼は“厄介者だ”と聞いている。だから興味はない」と、獲得の噂を否定している。  問題児とされるモカエフについて、榊原CEOは、「まあ“素行が悪い”と言われても基本、素行が悪い人が(RIZINにも)いっぱいいるので(苦笑)、どのレベルなのかと。レイ・セフォーが厄介者と言っている? そこはあまりアテにならないですが、当然エージェントもいての話になるだろうし、ほんとうにそういう機会があればしっかり向き合ってみてもいいかなと思います」と、その素の姿を確認したい考えを示した。  スター選手としては、『超RIZIN.3』で平本蓮に初回TKOで敗れた朝倉未来(JTT)が宣言どおり、「いったん」の引退を表明したが、榊原CEOは、朝倉が「RIZINの現役選手としては戦いから離れる」ことを認めると、「単純に選手とプロモーターという立場だけではないところでの建設的なチャレンジができたら」と、今後も何らの形でRIZINと関わっていくとした。 「未来とは試合の当日にちょっと話した以外は、直接は話していなくて、間に人を介しています。近いうちに1回落ち着いたところで話をしようということにはしています。日本の格闘技界であれだけの発信力と説得力もあってカリスマが、現役を引退したからって一気にそれが落ちるものではないだろうし、未来も海も、一旦はRIZINの現役選手としては戦いから離れますけど、これからも日本格闘技界の発展のために互いに協調していけたらいいですし、未来にもそういう気持ち・意思は間違いなくあるでしょう。単純に選手とプロモーターという立場だけではないところでの建設的なチャレンジができたらいいと思っています」(榊原CEO)  オリンピアンのMMA挑戦、海外選手獲得のプラン、RIZIN躍進の功労者との今後──榊原RIZINは、新たなフェイズに突き進んで行く。
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