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【RIZIN】パトリッキーがフェザー級転向でクレベルとの因縁対決アピール、王者・鈴木千裕はパトリシオと再戦か、ケラモフが拘留明け、中央アジア勢の台頭に摩嶋がシェイドゥラエフ指名、高木と対戦の萩原はTRIBE合流、平本は早くも次戦に向け始動=どうなる? フェザー級戦線

2024/08/07 17:08
 元Bellator世界ライト級王者のパトリッキー・ピットブル・フレイレ(ブラジル)が日本を主戦場にフェザー級で戦うことを表明し、クレベル・コイケ(ボンサイ柔術)に対戦をアピールした。  クレベルとパトリッキーには因縁がある。  2023年7月の『超RIZIN.2』で鈴木千裕とパトリシオ・ピットブルが70kgでともに緊急対戦した際に、鈴木がパトリシオを1R KO。そのアップセットに驚いたリングサイドのクレベルが立ち上がっているところに、セコンドについていた兄のパトリッキーがクレベルを突き飛ばして、控え室での乱闘に発展している。 (C)PFL  その後、パトリッキーは、Bellatorライト級ワールドGP準決勝でアレクサンドル・シャブリーに判定負け。2024年からPFLライト級に参戦し、4月のリーグ戦でクレイ・コラードに2R TKO負け、6月の前戦でブルーノ・ミランダにスプリット判定負けで3連敗を喫している。  一方のクレベルは、2連勝中。  2022年の大晦日にパトリシオ・ピットブルに判定負け後、2023年6月に鈴木千裕を腕十字に極めるも体重超過で王座剥奪。同年9月に金原正徳に判定負けしたが、2023年大晦日に斎藤裕を、2024年6月にフアン・アーチュレッタをいずれも一本に極めて鈴木千裕が持つベルトへの挑戦を表明していた。  そんななか、7月の『超RIZIN.3』のリング上で、負傷欠場中のRIZINフェザー級王者・鈴木千裕(クロスポイント吉祥寺)が、パトリシオ・"ピットブル"・フレイレ(ブラジル)とBellator王座をかけて大晦日に再戦したいとアピール。榊原信行CEOは、年末のBellator日本大会のRIZINパートで、鈴木とパトリシオのマッチアップを実現させたい意向を示している。  しかし、フェザー級では6月にフアン・アーチュレッタに初回一本勝ちしたクレベルが挑戦者として名乗りを挙げ、鈴木もその場で対戦を承諾したばかり。  さらに、『超RIZIN.3』で元王者の斎藤裕にKO勝ちした久保優太が「王座挑戦者決定戦」をアピールしており、RIZIN王者の鈴木が、Bellator王座に挑戦することで、RIZINフェザー級タイトル戦線の停滞も危惧されている。  大会後、榊原CEOは、今後のRIZINフェザー戦王座戦線について「第一コンテンダーはクレベル」と語るも、鈴木がパトリシオ戦を優先した場合、クレベルとの王座戦は「年明けになる」と語っている。 「いまのままなら順当はクレベル。朝倉未来がああいう形で負けたけど、平本蓮のタイトル戦線は少し早い。久保優太が斎藤裕に勝ったからといって、あまり調子に乗る話でもない。またクレベルからすれば、久保が斎藤に勝ったからって、『俺と久保が挑戦者決定戦をするの?』って思うでしょうし。そうなるとクレベルとの王座戦は年明けになる。そこまでクレベルが試合をしないというのもないので、全体的な興行論も含めて千裕、クレベル、Bellatorと話をして、早いタイミングで決めて行きたい」(榊原CEO)  混沌とする状況下、鈴木のパトリシオ戦アピールを見たクレベルは、Xで「前に私と闘うと言った。でも彼は私から逃げた。彼は全然男じゃないな」と、自身の挑戦から逃げたと批判した。  そこに対戦相手として名乗りを挙げたのが、今回のパトリッキーということになる。「なら僕は66kgに落とすから、僕とリングの上で決着つけましょう! 男なら逃げないでしょう?」と。  2連勝中のクレベルとしては、一気に王座戦に進みたいところだが、3連敗中のパトリッキーとしては、クレベルとの因縁をきっかけに日本で再起のキャリアを目論んでいる形だ。もし、年末に鈴木vs.パトリシオとなると、クレベルは年明けまで待つのか、それとも階級を落としてくるパトリッキーを迎え撃つか。 [nextpage] 平本始動、TRIBE合流の萩原、海外勢はコレスニック、シェイドゥラエフ、ダウトベック、ノジモフ、そしてケラモフも (C)@ryo_chonan (C)@yaman_kosf  RIZINフェザー級は、国内外の選手層が厚くなってきている。  前王者のヴガール・ケラモフは、アゼルバイジャンでの拘留が解かれ、子供たちとの写真に「パパはすぐに活動する。戦いが待ち遠しい」と投稿。出国・来日はいつ可能となるか。  4月に鈴木に敗れ、王座戴冠ならなかった金原正徳は、盟友・所英男のヒロヤ戦の勝利にも刺激を受け、年内に再起戦へと向かうか。  ビクター・コレスニック、ラジャブアリ・シェイドゥラエフ、カルシャガ・ダウトベック、イルホム・ノジモフら海外勢の台頭に、新居すぐるに一本勝ちした摩嶋一整は、「シェイドゥラエフと組んでみたい」と発言。  9月29日(日)『RIZIN.48』(さいたまスーパーアリーナ)では、高木凌vs.萩原京平も発表された。キム・スーチョルとのバンタム級王座戦を控える井上直樹と練習する高木に対し、萩原は練習環境を変えて、TRIBE TOKYO MMAに合流を果たしている。  そして、平本に敗れた朝倉未来は宣言通り、「いったん」引退。朝倉にTKO勝ちした平本は、すでに次戦の相手を見据えて、剛毅會での練習を再開している。  ほかにもライト級から転向し、萩原京平に判定勝ち後、シェイドゥラエフに一本負けで再起を誓う武田。中原由貴、高橋遼伍らも復活を期している。  GP開催の声も高まるなか、ベルトを軸に年末へと向かうのか。フェザー級は黒船も巻き込んだ戦国時代へと突入した。 [nextpage] 摩嶋一整「シェイドゥラエフとはちょっと組んでみたい」 ーー新居すぐる選手との試合を終えた試合後の率直な感想をお聞かせください。 摩嶋 山口から来て、会社だったり、いろんなスポンサーだったり、仲間の期待とか、家族にいっぱい迷惑をかけてきたと思うので、いろんなものを背負ってきたので今は大舞台で勝ててホッとしています。 ーー対戦相手の新居選手の印象は戦う前と後で違うところがありましたか? 摩嶋 組んだ感じ、体幹強かったなという感じです。得意のアームロックやパンチとかに警戒していたのですが、そこをうまくかい潜って自分の試合ができたかなと思います。 ーー試合後のマイクで言い残したことがあったのでしょうか? 摩嶋 いや、特にないですね(笑)。 ーースタジアムバージョンのさいたまスーパーアリーナの4万人の大観衆をリングから見ていかがでしたか? 摩嶋 いやあ、人多いなという感じですけど、多すぎて違いが分からないですね(笑) ーー今回見事な一本勝利でした。試合を終えたばかりですが今後の展望や目標を教えてください。 摩嶋 やっぱりまだ負け越していると思うので 次戦も勝って勝ち越して一個ずつ勝っていけたらいいと思います。 ーー前々日会見で、山口から観に来る奥様が間に合うか心配されていましたが、間に合いましたか? 摩嶋 意外と余裕でした(笑)。試合はちゃんと見てくれたと思います。 ーー何か言葉をかけられましたか? 摩嶋 さっき電話して、今一人なので招待チケットをもらってひとりで見ているので、寂しいのか(笑)、暇そうな電話してきました(笑)。「おめでとう」とだけ。 ーーまだお会いされてないのですか? 摩嶋 会ってないですね。 ーー明日からお仕事なのですか? 摩嶋 いえ。明日帰って、次の日から(仕事)の予定です。今日はゆっくりして、明日帰ります。 ーーフェザー級日本人上位対決でした。対外国人の流れもあるなか、次に戦いたい相手は? 摩嶋 うーん。終わったばっかなので具体的にはないですけど、今外国人選手がいっぱい入ってきて、すごく強い選手がいっぱいいるので、そこに向けて鍛え直していきたい。特に誰というのはないけれど、誰が来てもいいように調整していきたいと思います。 ーーフィジカルの強い外国人選手でも今日のように一本勝ちができると思っていますか? 摩嶋 はい。僕の持ち味はそれなので、貫きたいです。 ーー外国人選手とやりたいが特に名前はないと。中央アジアの三人、ノジモフ選手、ダウトベック選手、シェイドゥラエフ選手のなかで誰が一番強いと思いますか? 摩嶋 ちょっと名前と顔が一致しないのですけど、武田選手とやった選手は、メチャ強だなと思います。 ーーではシェイドゥラエフとやってみたいと? 摩嶋 ちょっと組んでみたいなとは思います。 [nextpage] 新居すぐる「余裕を持ってしまい後手後手になってしまった」 ーー摩嶋選手との試合を終えた率直な感想をお聞かせください 新居 今回今までで一番調子が良かったのですけど、それでも何もできずに負けてしまったので、悔しいというか、何もできなかった、という感じです。 ーー「何もできなかった」というのは、摩嶋選手がご自身の思った以上に攻撃をしてきたからなのでしょうか。 新居 思っていた以上に自分が「行けるな」と思ってしまったから、後手後手に回ってしまいました。思っていた以上に相手が来ていたら怖いから自分ももっと仕掛けられたと思いますけど、思った以上じゃなかったから、自分が余裕を持ってしまい後手後手になってしまいました。 ーースタジアムバージョンで大観衆の中、応援や声援は耳に届いていましたか? 新居 そうですね。届いていた分、恥ずかしいですね、何もできなかったので。 ーー試合を終えたばかりですが今後の展望・目標を教えてください。 新居 この負けが良かったと思えるように頑張るしかないと思っています。 [nextpage] 扇久保博正「僕がダメージ取ってしっかり勝ったかな」 ーーフライ級で神龍誠選手と対戦した、率直な感想をお聞かせください。 扇久保 本当に精神的にきつい試合だったので勝てて良かったという感じです。 ーーその精神的なきつさは、勝利したことで解消されましたか。 扇久保 うーん、まあそうですね。絶対に負けられない戦いだったので、勝ってホッとしているところはありますけど、昔一緒に練習していた後輩なので、ちょっと複雑なところは少しあります。 ーー今回久しぶりに手を合わせた感じは戦うイメージと違うところがありましたか? 扇久保 イメージ通りでしたね。 ーーイメージ通りだったからこそ試合に勝てたということでしょうか。 扇久保 そうですね。 ーー試合を終えたばかりですが、今後の目標・展望を教えてください。 扇久保 フライ級のベルトを絶対に獲ろうと思っているので、獲るとるためにこれからも勝ち続けようと思います。 ーーいつもの勝利後のようなすっきりとした気分を感じていますか? 扇久保 うーん。まあ勝てて良かったとホッとしている気持ちはありますけど、まあ心からの嬉しさというのはちょっとないかなと思いますけど。 ーー神龍選手は自分が勝っていたと思っていたそうです。扇久保選手は3-0は納得あるいは当然の結果だと思っていますか? 扇久保 そうですね、ダメージで勝っているな、とは思っていました。 ーー神龍選手は負けたままでいられないと。因縁やストーリーのあるこの試合をまたすぐにというのは難しい部分もあるかもしれませんが、再戦についてどう考えますか? 扇久保 今は再戦は考えていないですね。 ーーいずれ実績が積み重なり機運が高まれば? 扇久保 そうですね、でも今はちょっと考えられないかなと思います。 ーーフライ級のベルトをめざすにあたり、どのようなビジョンがありますか。 扇久保 これから強い外国人選手が、ラマザン・テミロフやメイマン・マメドフがいるので、そこらへんの選手たちにはまだ分からないけど、戦って勝って行きたいと思っています。 ーーTHE BLACKBELT JAPANからUFCファイターがふたりいて、さらにその一人はすごい状況にいます。UFCでは35歳以上の王者が防衛できなかったりというジンクスがありますが、今日若手をやぶって、そこに反論になるのでは。自分は年齢とパフォーマンスどう考えてほしいと? 扇久保 37歳になったのですけど、年齢に応じての練習の仕方や、コンディションの作り方があるので、それをしっかりやっていけば、37歳〜40歳までまだ強くなれるんじゃないかと僕は信じてやっています。 ーーUFCのフライ級ランカーと比べてRIZINのランキングの中のご自身の位置をどう考えていますか? 扇久保 UFCフライ級と全然引けを取らないと思っています。 ーー戦ってみて神龍選手は以前とは違いましたか?同じでしたか? 扇久保 やっぱりスピードもすごい昔より速くなっていると感じました。 ーー速くなっている気持ちにちょっとは嬉しさはありました? 扇久保 嬉しさは全然ないです(苦笑) ーー試合後どちらからか声をかけるかと思いきやそういうシーンはありませんでした。勝った側としては、向こうから声をかけてほしかったですか? 扇久保 向こうから? いや、それはないです。 ーーいろんな試合をやってきて、今回のような試合は初めてだったかと思います。こういう試合をやったことと、勝ったことで得られたものなど感じていることは? 扇久保 本当に正直なところを言うと精神的にかなりキツい、今までで一番キツい試合でした。勝って得られたものといっても、本当にこのキツい期間を乗り越えられたので精神的にはかなりまたさらに強くなったかと思います。 ーー傍目にはノーサイドみたいに「水に流そう」というものが見られたとしたら、見る側は一番楽な展開ですが、そうならないなかで、試合中2回の仕切り直しで、グローブタッチをしようとして、相手が応えませんでした。ちょっと合わせようと自然に出てしまったものでしょうか? 扇久保 やってました? あまり記憶にないのですけど。そうですね、自然に出ちゃった感じだと思います。 ーー気持ちではなく、タッチするからブレイクからまた試合に戻るということで出るようなもの? 扇久保 ううん、難しいところですね。仲悪くてもかつては教えていた後輩なのでそういうところが出ちゃったのかと思いますね。 ーー試合前インタビューでも、ああは言っていても時折「誠」と呼ぶ時に、思いが残っているのかと思っていましたが。 扇久保 そうですね。さっきも言いましたけど、かつて教えていた後輩なので100%それが憎しみに変わることは正直ないので、そういうところが出たのかなと思います。 ーー神龍選手は勝ちに徹して動きのない試合をしてしまったと言っていましたけれども、それをさせなかったのが扇久保選手なのか、この大切な一戦でできなかった神龍選手の弱さがあるのでしょうか。 扇久保 お互いに勝ちたかったのでそういう展開になったかと思います。でも僕はダメージ取って自分がしっかり勝ったかなと思いました。 ーー神龍選手は戦い方を変えたと。扇久保選手は変えず、そのままやったのかなと。 扇久保 はい、そのままやりました(笑) [nextpage] 神龍誠「僕は勝っていると思っていました」 ーー試合後の率直な感想をお聞かせください。 神龍 キツいですね。 ーーどう「キツい」のかを、もう少し詳しく教えていただけますか。 神龍 勝ちにこだわって面白くない試合して、で、さらに負けるっていう。すみませんでした。 ーー印象が違ったところがありましたら教えてください。 神龍 特にはなかったですね。こんな感じでくるだろうなとは思っていて。特に差はないです。 ーー試合を終えたばかりですが、今後の目標・展望を教えてください。 神龍 ちょっとまだ今はあまり感情がわからないですけど、とにかくすぐに試合がしたいですね、ダメージもないので。 ーー判定は3-0でした。結果に納得はできていますか? 神龍 いや僕は勝っていると思っていて。勝ってると思っていました。まだわからないですね。うーん。勝ってると思っていました。 ーー判定は3-0で自分が取っていると思っていましたか? 神龍 そうですね、1Rずつ自分がギリギリで取っていると思っていました。 ーー劣勢だと思っていたらまた戦い方が違いますか? 神龍 そうですね、この試合だけは本当に負けられなかたので、勝負に徹して固くなってしまって。3Rも、相手が殴りにくるだろうなというところだったので、そこもしっかり組み付いて何もいいことさせてないから勝ちだろうという認識でした。 ーーリベンジしたいと思っていますか?それとももう因縁は終わらせたいと思っていますか。 神龍 もちろんすぐ再戦したいですね。ちょっと負けたままじゃ終わらないです。はい。 ーー扇久保選手に対して、いまどんな心境なのですか。 神龍 今本当に何も考えられないです。すみません、ちょっとまだなんで負けたかも自分でわかっていないので、ほかのことが考えられないというか、すみません。 ーーいろんな他の試合ではない感情が両者にあった試合。こういう感情が、今後MMAをやっていくうえで、こういう感情が必要ないのか、こういう試合もあったほうがいいのか、どう思われますか 神龍 どうなんですかね。見ている側はそういう因縁があったりしたらおもしろいとは思うので、まああってもいいんじゃないですかね。
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