マスクをしていたのは練習で怪我をしてしまったためという秋元
2024年9月27日(金)タイ・ルンピニースタジアム『ONE Friday Fights 81』(U-NEXT配信)の記者会見が、7月31日(水)都内にて行われた記者会見で発表された。
元ONEバンタム級キックボクシング世界王者・.秋元皓貴(日本)が、バンタム級キックボクシング3分3Rでイリアス・エナッシ(モロッコ)と対戦する。
秋元は、ジャン・チェンロン、チュー・ジェンリャンら中国の強豪のほかカピタン・ペッティンディーアカデミーに勝利するなど5連勝も、2022年11月のペッタノン・ペットファーガス戦でスプリット判定負け。しかし、試合後ペッタノンに禁止薬物の陽性反応が認められたため、ペッタノンの王座は剥奪となっている。2024年5月、約1年半ぶりの試合となったウェイ・ルイ戦で判定負けもそのジャッジが物議をかもした。
エナッシは11歳でキックボクシングを始め、ジュニアからプロへ。2014年11月に18歳で来日し、森井洋介と対戦するも1RでKO負け。2016年5月にEnfusion -60kg世界王者となり、同年11月の再来日では町田光から2度のダウンを奪って勝利し、BLADE 61kg世界王者となっている。2018年にはWFL -63kgトーナメント優勝。
2019年8月にONEへ初参戦を果たすと、ペッダム・ペッティンディー・アカデミーを3RでKOし、ONE Super Seriesキックボクシング世界フライ級王者となった。同年11月にはワン・ウェンフェン、2021年2月にはスーパーレックの挑戦を退けて3度の防衛に成功したが、2023年1月に体重超過で王座をはく奪された。2023年2月、約2年ぶりの試合でバンタム級に階級を上げてアリアスガー・ゴドラティサラスカンに左フックでKO勝ち。
秋元は「前回の試合、自分としては結構、出来はよかったと思うんですけれど、結果は判定で負けとなってしまって。倒しきらなかったら何を言ってもしょうがないと思うので、次は倒せるようにというのを心がけて練習してきました」と言い、「もちろんやるからにはチャンピオンにならないと意味がないと思うので、今回の試合もしっかり勝って次につなげたい」と、王座返り咲きへ向けて気合十分。
対戦するエナッシについては「フライ級で王者になった時から見ていて、スピードも速いし決定力もある、いい選手だって印象があります。自分も元々フライ級でやっていてバンタム級に上げて、彼もバンタム級に上がった時にいつか必ずやると思っていたのでその時が来たと思った」と、対戦すると思っていたという。
エナッシからはビデオメッセージで「秋元はとても強いファイターだが、みんなが知っている通り、俺はヤツらにとって動きが速すぎるしスマート過ぎるくらいだよ。秋元、しっかり準備しておけ。厳しい試合になるぞ。ファンのみんな、タイトルをすぐに獲ってくるよ。フライ級で最強だけじゃなくてバンタム級でも最強だって見せてやる。モロッコにベルトを持ち帰るんだ」と挑発的なコメント。
それを受けて秋元は「もちろんタフな試合になるのは覚悟していますし、スピードのある選手でフットワークもいいけれど、パワーでは自分の方が上回っているので倒して勝てればと思います。(戦い方は)ある程度イメージはしていますが、まだ時間はあるので残り8週間しっかり仕上げていきたいと思います」と、パワーでは自分の方が優っているとした。
チャトリ代表はビデオメッセージの中で「とてもテクニカルな戦いになるでしょう。秋元はパワーで優位に立ち、非常に技術もあります。エナッシはスピードがあり、フットワークで上回っています。この試合は非常にクラシックで地球上で最高のストライカー同士のチェスマッチになるでしょう。勝者には世界タイトル挑戦権が与えられる可能性があります」と話したが、秋元は「これに勝ったらタイトルマッチという話もありましたが、目の前の試合が大事なのでしっかり準備して戦いたい」と、まずはエナッシ戦に集中したいと話す。
当初はルイとのダイレクトリマッチを望んでいたが、「ダイレクトリマッチが出来たらよかったなと思っていたんですけれど、それ以上の相手が来たと思っているので、この試合に勝ってリマッチでもいいし、タイトル挑戦でもいいのでつなげられたらと思います」と、ルイとの再戦以上に重要な試合が組まれたとの見解。
現在出稽古に通っているパワーオブドリームについて「会長もパンチの技術が高いのでそこが使えたらなと思います。それをフェイントにして蹴りも活きると思うので準備していきたい」と、パンチの儀重を向上させているとする。
Friday Fightsと言えば35万バーツ(約150万円)のボーナスだが、と聞かれると秋元は「僕は5万ドルの方を狙います」とパフォーマンスボーナスを獲ると笑った。
また、同席した武尊について「今までもMMAだったりムエタイに出てくる選手はいましたが、キックボクシングはほぼ一人でやっていて。K-1王者で世界でもトップの2人(武尊と野杁)がONEに来て一緒に戦える、同じイベントで戦えることを嬉しく思います」とした。
最後に「相手の良さも自分の良さもあり、確実に最高の試合になると目に見えているので、自分が勝つ姿を皆さんに見せたいと思います」と、好試合にして自分が勝つとファンへメッセージを送った。