(C)On The Road Management
日本時間の9月7日(土)夜、アラブ首長国連邦・アブダビのドゥ・アリーナで「UFC 242」が開催される。
日本時間の7日23時過ぎからスタートするアーリープレリムでは、日本から佐藤天(TRIBE TOKYO M.M.A/MMA15勝2敗)が出場し、UFC6勝3敗と大きく勝ち越している強豪バラル・モハメッド(MMA15勝3敗)と対戦する。
▼ウェルター級 5分3R
ベラル・ムハマッド(170lb/77.11kg/米国)
佐藤 天(171lb/77.56kg/日本)
大観衆が集まった6日の前日計量では、長南亮氏とともに、自ら両手を叩いて鼓舞してからスケールに上がった佐藤は、「171lb」(77.56kg)のコールに笑顔でガッツポーズ。仕上がった身体を披露した。
対する米国のベラル・ムハマッドはパレスチナ人の両親が移住した米国で生まれ育ったレスリングベースの選手。UFCのユニフォーム制度でも米国ではなくパレスチナを選択しているムハマッドは計量でも頭にクーフィーヤを巻いて登場。「170lb」(77.11kg)でパスすると、スケールの上で右手で左胸を叩いてから佐藤と至近距離でフェイスオフに臨んだ。
【写真】チームメイトのカマル・ウサマンと。今回のチーフセコンドに着く予定だったHard Knocksのヘッドコーチのヘンリー・フーフトが、フロリダを直撃した台風のため、アブダビ入りが困難に。急遽ゲストとしてアブダビに来ていたウサマンが佐藤のセコンドとしてつくことになった。
本誌の取材に、計量後の佐藤は「自分のやりたいことを押し通せた方が勝つと思います」と語っている。
ムハマッドの強いテイクダウンをいかに切って打撃を入れるか。テイクダウンされてもいかにダメージを負わずにミスなく立つか──その先に佐藤のオクタゴン2勝目が見えてくる。
なお、同大会のメインイベントでは、2018年10月の「UFC229」でコナー・マクレガーを下したライト級正規王者ハビブ・ヌルマゴメドフが、暫定王者ダスティン・ポイエーとライト級王座統一戦で対戦。またセミでは、米国のポール・フェルダーがブラジルのエジソン・バルボーサと2015年7月以来の再戦(※前戦はバルボーサが判定勝利)に臨むなど、注目カードが並んでいる。
佐藤天「チャンスがあれば柔道技も使っていきます」
【写真】会場のモニターに大きく映し出されたムハマッドと佐藤のフェイスオフ。(C)On The Road Management
──ベラル・ムハマッド選手と計量で向かい合った印象は?
「思ったより大きくないな、というのと瞳が綺麗だなという印象です(笑)」
──ハードノックスでの練習環境にいて、今回の試合に向けて強化したことは?
「特に重点的に強化したということはないです。 全てにおいてレベルアップするための練習をしてきました。そのお陰でHARDKNOCKSで毎日、“試合に勝つための練習”を積むことが出来たと思います」
──ムハマッド選手の打たれ強さについてどう感じていますか?
「タフな選手だとは思いますが、ダウン自体は結構しているので思ったより打たれ強くはないじゃないか? と思っています。ですがダウン後のリカバリーが早くてタフな選手なのでそこはしっかりイメージして戦います」
──佐藤選手の強みのひとつである上半身で組んで足技も効く柔道技は、米国でどのような手応えを感じていますか?
「アメリカではレスリングベースで柔道技を使う選手はほとんどいないので有効ではあると思います。チャンスがあれば使っていきます」
──ムハマッドとどんな試合になりそうでしょうか?
「お互いやりたいことがはっきりしているので、自分のやりたいことを押し通せた方が勝つと思います。 しっかり自分のMMAをして勝ちます!!」
【写真】「UFC Performance Institute」の栄養士と専属シェフが、選手それぞれの減量の状況に合わせて調理し、提供する食事。佐藤のリカバリー食となる。佐藤をマネージメントするOn The Road Managementのシュウ・ヒラタ氏によれば、現在UFCでは、必ず現場に「UFC Performance Institue」のフィジカルセラピスト、栄養士と専属シェフが来場し、ファイトウィークは日々、栄養士と相談の上、選手それぞれの食事、ビタミン剤、サプリメントが提供されるという。フードマネーも提供されるが、ほとんど食費を使う必要がなく、さらにフィジカルセラピストによるマッサージや鍼、Normatec Recovery(疲労回復ツール)など、各種ボディケアも選手は無料で受けることが可能だという。
◆UFC 242:ヌルマゴメドフ vs. ポワリエ
現地時間2019年9月7日(土)、日本時間7日(土)~8日(日)
ジ・アリーナ(アラブ首長国連邦アブダビ)
▼UFC世界ライト級王座統一戦 5分5R
ハビブ・ヌルマゴメドフ(155lbs/70.31kg/ロシア)
ダスティン・ポイエー(155lbs/70.31kg/米国)
▼ライト級 5分3R
エジソン・バルボーザ(155.5lbs/70.53kg/ブラジル)
ポール・フェルダー(155.5lbs/70.53kg/米国)
▼ライト級 5分3R
イスラム・マカチェフ(55lbs/70.31kg/ロシア)
ダヴィ・ハモス(156lbs/70.76kg/ブラジル)
▼ヘビー級 5分3R
カーティス・ブレイズ(251lbs/113.85kg/米国)
シャミル・アブドゥラヒモフ(257lbs/116.57kg/ロシア)
▼ライト級 5分3R
マイルベク・タイスモフ(156lbs/70.76kg/ロシア)
カルロス・ディエゴ・フェレイラ(156lbs/70.76kg/ブラジル)
【プレリミナリー】
▼女子フライ級 5分3R
ジョアン・コールダウッド(126lbs/57.15kg/スコットランド)
アンドレア・リー(126lbs/57.15kg/米国)
▼フェザー級 5分3R
ズバイラ・ツフゴフ(146lbs/66.22kg/ロシア)
リローン・マーフィー(146lbs/66.22kg/イングランド)
▼女子バンタム級 5分3R
リアナ・ジョジュア(134.5lbs/61.01kg/ジョージア)
サラ・モラス(138lbs/62.60kg/カナダ)
※モラスは体重超過。ジョジュアにファイトマネーの20%を支払う
▼ライト級 5分3R
オットマン・アツァイター(156lbs/70.76kg/モロッコ)
テーム・パッカレン(156lbs/70.76kg/フィンランド)
【アーリープレリム】
▼ウェルター級 5分3R
ベラル・ムハマッド(170lbs/77.11kg/米国)
佐藤 天(171lb/77.56kg/日本)
▼ウェルター級 5分3R
ノーディン・タレブ(170lbs/77.11kg/フランス)
ムスリム・サリコフ(171lbs/77.56kg/ロシア)
▼ミドル級 5分3R
オマリ・アフメドフ(186lbs/84.37kg/米国)
ザック・カミングス(185.5lbs/84.14kg/ロシア)
▼ライト級 5分3R
ドン・マッジ(155lbs/70.31kg/南アフリカ)
ファレス・ジアム(155lbs/70.31kg/フランス)
【関連記事】
高阪剛「ヌルマゴメドフvsポイエー戦は1ラウンド目から注目」「佐藤天選手は打撃で先手を取った上でのケージレスリング&柔道技が突破口になるか」