2024年8月4日(土)東京・後楽園ホール『MAROOMS presents KNOCK OUT 2024 vol.3』の記者会見が、7月11日(木)都内にて行われた。
KNOCK OUT-BLACKフェザー級王者・龍聖(MAJESTIC/Team KNOCK OUT)の出場が緊急決定。
龍聖は、6月23日に東京・国立代々木競技場第二体育館にて開催された『KNOCK OUT CARNIVAL 2024 SUPER BOUT “BLAZE”』で、シュートボクシング日本フェザー級王者・山田彪太朗(シーザージム)との対戦が決まっていたが、山田が負傷欠場。急遽、KNOCK OUT-BLACKライト級王者・久井大夢とKNOCK OUT-BLACKスーパーフェザー級王座決定戦で戦うこととなったが、2度のダウンを奪われて判定負け。デビュー以来の無敗記録が「17」で途絶えた。
会見に出席した山口元気KNOCK OUT代表は「本人からとうしても8月に試合したい、全興行で試合をしたいとの勢いで言われました。言われたばかりで対戦相手も何も考えてないんですが、直訴されて今回の発表となりました」と、龍聖の強気希望を受けての緊急参戦になったと説明。
龍聖は「6月の代々木で負けてしまって、悔しいを通り越した。本当に悔しくて悔しくてたまらなくて、1日も早く久井にやり返したいし、負けたので取り戻すのはリングしかない。やらせて欲しいということで出場させていただくことになりました」とし、久井へのリベンジを見据えて「早くやり返したい」とし、「絶対にリベンジするのでそれに向けて動き出したい」と、その理由を話す。
「負けたのですぐにやらせろと言って出来るものではないので、また結果を残したうえでしっかり勝ち続けて、6月にやられたので12月30日にKNOCK OUTがあるのでそこでやり返すのが僕の考えていることです」と、横浜武道館で行われるビッグマッチでリベンジしたいと希望する。
階級はどうするのかとの質問には「もう一個報告があって。60kg(スーパーフェザー級)のヒジなし(BLACKルール)で負けたので、やり返すのは同じと決めています。今57.5kg(フェザー級)の王者ですが今日返上しようと思って。本格的に60kgであのベルトを絶対に獲ると決めました」と、保持しているタイトルの返上を申し出た。
これを受けて山口代表は「本人が60kgでやっていくとのことで、57.5kgが元々キツくなっていたのもあったし、身体を作らないといけないので」と返上を受理。
さらに龍聖は「これも相談しようと思っていたんですが、ベルトもなくなってずっと勝っていたけれど(連勝記録も)全部なくなったので、デビュー戦の気持ちじゃないけれど、60kgでリスタート。自分の中では初めてのつもりなので、第1試合でやらせてほしいのがある。今回やるなら第1試合でやらせてほしい」と、第1試合からの出直しを希望した。
山口代表は「第1試合とは思ってもいなかった。第1試合でファンの注目を集めるのも大事かなと思っています」と、前向きに検討すると答える。
対戦相手は「デビュー戦のつもりなので、負けましたし、どうこう言える立場じゃない。山口さんとKNOCK OUTの皆さんが考えてくれた相手を倒したいと思います」と、誰でもいいとした。
その対戦相手について山口代表は「3週間しかない。いろいろな選手に声をかけて聞いていますが、龍聖選手だけに難しい。我こそはと思う選手には名乗りを上げて欲しい。各団体の推薦でも構わないですし、我こそはという人はぜひ取り入れたい」と、自薦・他薦を問わず対戦相手を公募したいとする。
【写真】久井戦で2度のダウンを喫した龍聖 久井戦の敗因はと聞かれると「あの日は僕より久井のほうが強かった。それに尽きます」とし、「結果を受けてこうしよう、こうしないといけないとか細かいこと、距離感がどうとかありますけれど、やるしかない。だいぶまだ落ち込んでいて、負けたことがないですからね。これまでは出場すれば当たり前でメイン、そういうのがあったので次は第1試合。負けて全てを失った。でもそれは負けた僕が悪い。今はあのベルトを獲ることだけを考えているので、ガムシャラに行くしかないと思っています。勝つことはもちろん、僕ならカリスマになれると思っているので、そういう試合をしたいと思っています」と、ゼロからのスタートを誓う。
負けてからすぐにリベンジする気持ちが沸いたのかと聞かれると、「試合直後は記憶が飛んでいて覚えてないんですよね。これからどうしよう…と言っていたそうです。ここで負けるとは思っていなかったし、コイツに負けるのかと自分に落胆しましたね。もちろん負けることもありますが、ここでこの相手に負けるかと、そういう自分に落胆しました。
スターになれると思っていたけれど、なれなかったなって落ち込みましたが、その後にいろいろ考えて。僕がなりたいのは無敗の那須川天心やメイウェザーではないし、そういう天才肌ではない。才能があるわけでもないけれど、誰しもが共感できるような選手になれると思っています」と、自分の原点を思い出したという。
「まだ落ち込んでいますよ。めちゃくちゃ落ち込みました。でも、メソメソしていられない。僕にはこれしかないので。やるのなら男なので負けたままでは終われないですし、絶対にやり返してやるって気持ちです。絶対に何回やってもやり返してやると思った」と、リベンジする気持ちの強さを話す。
同大会では久井vs.クンクメールのチョット・サレイヴァントン(カンボジア)も決まっており、試合内容も見比べられることになる。そのことについては「俺の試合の方が絶対に面白いから気にしないですよ。結果的にあの日は僕より強かったけれど、俺の方が強いから。絶対に次は勝つ。次やったら何が何でも勝つ」と、久井よりも強いことを見せつけるとした。
試合前は「いつも対戦相手のことは嫌いだけれど、久井くんは嫌いじゃない」としていた龍聖だが、「嫌いになりました(笑)。人間としてではないですよ。KNOCK OUTの後輩という立ち位置だったし、負けるとは思っていなかったので。そこが敗因でもあると思う。俺なら行けると思っていた。ナメてはいなかったし、全力でやっていましたが、心のどこかで雑になったところがあったと思う。負けたので今は嫌いです」と、試合前と同じ感情ではないとした。
【写真】2021年10月から保持していたタイトルを返上した龍聖。「寂しい」と本音も また、これまでの人生で負けた経験はあるかとの問いには「失敗や辛いことは普通の23歳ではない経験をしている。それは僕の強みでもあります。もちろんそういったとごろは立ち直るきっかけになると思うし、僕は格闘家で試合の中で強い王者で負けないのが一番ですけれど、そこが一番大事だとは思っていません。人間性や心が格闘技で作られていくと思う。そこでメソメソしていたらダメ。いろいろな人にパワーを届けないと行けない。格闘技以上に勝ち負けがスパっと出ることはないと思うけれど、みんな辛いことや僕にとって負けみたいなことがあると思う。そこでみんな折れてないし、僕は見せるのが仕事なので、僕はここからもう1回登っていくところを見せないといけないと思った」と、挫折で挫けずバネにしていく姿を見せるのが自分の仕事だと力説。
返上したベルトを見て寂しい気持ちもあるとしながらも「負けたので王者でいる資格もないと思うし、ベルトも返して第1試合からのリスタート。プレリミナリーファイトでやってもいいですし、やるのだったら最初からやりたいなと思います」と、最初から出直すところを見て欲しいと語った。