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【PANCRASE】5連勝の高城光弘、4連勝の濱田巧、鈴木悠斗、菅歩夢が会見。平信一、ライカも再起誓う=7月21日立川&7月28日大阪

2024/07/08 14:07
 2024年7月5日(金)都内にて、『PANCRASE 346』(7月21日・立川ステージガーデン)の調印式および『PANCRASE BLOOD.3』(7月28日・大阪 住吉区民センター)の会見が行われた。 5連勝中の高城光弘「世界で勝負できるような準備をしてきた」=7.21『PANCRASE 346』立川 ▼バンタム級 5分3R高城光弘(リバーサルジム横浜グランドスラム)6位・9勝2敗オタベク・ラジャボフ(TAJMMAF GYM/タジキスタン)プロデビュー戦・2022&2023 IMMAF世界大会バンタム級優勝、アマ18勝1敗  バンタム級、28歳の高城は“和製ドミニク・クルーズ”と呼ばれる左右スイッチから変則的な蹴りやトリッキーな寝技を駆使して現在5連勝中。2021年12月に水永将太に判定勝ちすると、2022年10月に鬼神光司に2R ヒジ打ちによるカットでTKO勝ち。2023年は3月にサイバー遼、7月に川北晏生、11月の前戦で平田丈二にいずれも判定勝ちを収めている。  会見で高城は、「グランドスラム所属の高城です。今回は世界王者という強い相手をPANCRASEさんに用意してもらったんで、自分が強い相手にどれだけやれるのかっていうのをしっかり示せるように頑張りたいと思ってます」と意気込みを見せた。  高城の対戦相手のラジャボフは、アマチュアMMA18勝1敗の21歳。2022年と2023年のIMMAF世界大会でバンタム級を連覇している。今回が初来日でプロデビュー戦ながら、公式プレスリリースは「怪物参戦! 既にベルトを狙えるレベル」と記す。  アマチュアで唯一の黒星は2022年1月のエサフ・チョプロフ(ジョージア)戦で肩固めで一本負け。その後チョプロフはRCC2連勝を含むプロMMAで4連勝中の強豪で、ラジャボフもその後はアマチュア11連勝を飾っている。  オーソドックス構えで173cmの長身から繰り出すシャープな打撃に、組み技でも深い懐でスプロールし、オーバーフックからの払い腰、スイッチしてのバックテイクなどカウンターを得意とし、長い手足を活かした三角絞めなどのサブミッションにも積極的なオールラウンダーだ。  同大会で高城と同門の先輩・伊藤盛一郎のフライ級王座に挑戦するムハンマド・サロハイディノフ(22歳)と同世代でともにタジキスタンから来日し、PANCRASE王座戦線を目指すラジャボフを相手に、高城は2018年以降、PANCRASEでは、唯一の黒星がワン・リザマとの国際戦のため、自身の変則MMAをもって海外勢相手にも上回れるか。  高城は、「確認できる範囲の試合は一応(映像で)全部見て、すごいレベルの高い選手だなと。楽しみです。前回(の国際戦)とかは相手に合わせるような試合をしちゃって上手くいかなかった経験があるので、今回、相手のレベルもすごい上がって、世界2連覇の選手なんで、相手に合わせない、“自分のMMAをひたすらぶつける試合”ができるようにやっていきたいと思っています。  相手は、どの局面でもリーチのある打撃があって、そこからしっかりテイクダウンして勝ってくるっていう隙のない選手だと思ってるんで、 そこに対して、相手のリズムじゃなくて、自分のリズムで戦えるようにしたい。楽な試合にはならないと思っているので、“どんな形になってでも勝つ”っていうのを見せようと思ってます」と、攻防をせずに自身のMMAをぶつけるという。  ワン・リザマに敗れた後、2019年9月の『ONE JAPAN Series 01-Road to Century』で野瀬翔平にスプリット判定負け。以降は5連勝中の高城は、「今5連勝ですが、その前に国際戦をやって、そのあと野瀬選手とやって、かなり落ち込んだり、やり方を変えてみたり、考え方を変えたりっていうのがあって、そこからずっと勝てるようになってきて。野瀬君であったり、あとチャンピオンの透暉鷹選手であったりと同じように、世界で勝負できるような準備をしてきたと思っているので、それを試合で発揮したいなと思っています」と、世界と戦う準備は出来ていると語った。  プロデビュー戦にしてコンテンダークラスのラジャボフを相手に、高城は「対世界」に名乗りを挙げるか。 [nextpage] キックから転向、フライ級4連勝の濱田巧が初の国際戦「僕もそろそろ一本が欲しい」 ▼フライ級 5分3R濱田 巧(THE BLACKBELT JAPAN)#2位/2022年NBT同級優勝・4勝ラファエル・リベイロ(ボンサイ柔術)初参戦・7勝3敗  フライ級の濱田は、もはや「元キックボクサー」とは言わせない程のMMAファイターに転じた姿で4連勝中。今回は、世界標準レベルのブラジリアンと対戦する。  会見で濱田は、「THE BLACKBELT JAPANの濱田巧です。今回、すごく強い選手にブラジルから来ていただけるので、必ずいい試合をして勝って、ランキング1位になってベルトに挑戦したいと思います」と、王座を視野に入れていることを語った。  濱田は、REBELS軽量級のトップ戦線で活躍し、2019年8月の『K.O CLIMAX 2019』では蓮沼拓矢からバックフィストでダウンを奪って勝利。6戦負け無しのなか、『KNOCK OUT×REBELS』で大崎孔稀に惜敗して連勝がストップ。2019年12月にはREBELS-MUAYTHAIスーパーフライ級王者・老沼隆斗に挑戦し善戦も判定負け。2020年8月に白幡裕星に敗れ、タイトル戦線から一歩後退したが、BLACKルールで酒井柚樹に延長判定勝ち。初代KNOCK OUT-BLACKスーパーフライ級王座決定トーナメント準決勝で心直を右三日月蹴りでKO。2021年9月の決勝で花岡竜に判定負けで優勝ならず。キック13勝8敗1分。  その後、2022年5月にPANCRASEでMMAデビューし、渦巻DATE、伊藤まことを下し、ネオブラフライ級優勝。2023年11月に大塚智貴に判定勝ちすると、2024年3月の前戦では2023年のネオブラ同級王者で3連勝中だった山﨑聖哉と対戦。3R TKO勝ちでMMA戦績を4戦無敗としている。29歳。  キックを含め、格闘技キャリアのなかで国際戦は初めてという。 「僕はキックで20戦以上やってるんですけど、初めての国際戦、日本人じゃない相手とやるので、結構ワクワクしてて“どんな感じかな”と思ったりします。でも必ず勝ちたいと思います」と意気込む。  対するラファエル“Montouro”リベイロは、Rodrigo Seabra Fight/Bonsai Jiu Jitsu所属として、MMA7勝3敗。Jungle Fightで2勝2敗など活躍し、2022年5月には、現UFCファイターのフェリペ・ドス・サントスにスプリット判定負けの接戦を繰り広げている(※サントスはUFC1勝1敗、マネル・ケイプと好勝負も判定負け)。その後リベイロはサンパウロ大会で2連勝中。26歳。  ともにオーソのスタンドで、リベイロは右カーフ、右フック、左ボディと対角の攻撃で立ち合う時間も少なくなく、ドス・サントス戦では、打撃で圧力をかけてケージを背負わせてのダブルレッグ、ボディロックテイクダウン。トップからのパウンドで攻勢となる場面も作っている。  1KO・TKOに比べ3つの一本勝ちをマークしている通り、最後の武器はグラップリング。バックを奪ってのリアネイキドチョークはパームトゥパームの仕掛けも速く、濱田としてはバックを譲りたくない相手だ。  濱田はリベイロについて「映像は見ました。でもチラッとしか見てないです。あんまり映像を見るとプレッシャーになっちゃうんで、いつもあんまり見ないんです。今回も見たのは少しだけです。相手は柔術の選手なんですけど、僕もそろそろ一本が欲しいので、 一本勝ちで極めたいと思います」と、MMAファイターとしての進化を見せる試合にしたいとした。  同日には、同じフライ級のチャンピオンシップとして、王者・伊藤盛一郎(リバーサルジム横浜グランドスラムT)に、ムハンマド・サロハイディノフ(タジキスタン)が挑戦する試合が組まれている。  1位になってどちらに挑戦したいかを問われた濱田は、「試合予想の方からなんですけど、難しいですけど、伊藤盛一郎選手が一本勝ちをするかなと思います。でも、僕的にはそのサロハイディノフ選手の方に勝ってほしくて。で、そのまま僕がその日に勝って、年内に(ベルトに)挑戦できたらいいなと思っています」と、国際戦2連戦でベルトに挑戦したい、とした。  ドス・サントスとも戦ったリベイロを通して、世界での現在地を確認できる濱田のフライ級国際戦だ。 [nextpage] 平信一「18歳を投げる!」、4連勝・鈴木悠斗「1R1分以内にKOか一本」 ▼ライト級 5分3R平 信一(綱島柔術/ZS)12位・ZST第2代ライト級王者・22勝17敗10分鈴木悠斗(パラエストラ八王子)14位・2024年NBT同級優勝・4勝  パラエストラ八王子の鈴木は、5月25日ネオブラ決勝で、178cmの長身からの左右のパンチで衝撃の15秒 KO勝ち。18歳で優勝を果たしている。2024年早くも3戦目を迎える。  対する平は39歳。西尾真輔、余勇利に勝利後、丸山数馬に判定負け、神谷大智に3R リアネイキドチョークで一本負けと2連敗中。公式は「ドアマットになる気はない」と平良を鼓舞する。  会見で平は、「メインの前に、一発持ち上げます」といつも通り相手を投げると予告。  4勝無敗のプロスペクトの鈴木について、「うーん……19歳で若い選手で、前回の試合、めちゃくちゃ早い時間で決めてるんで、多分次の試合も早めに仕掛けてくるんじゃないかなって思ってるんで、試合開始直後から注目してほしいですね」と、序盤から危険な相手と評するも、「鈴木選手が1分以内にKOできなければ、“平タイム”が始まると思います」と、粘り強い組み技で勝負するとした。  対する鈴木は、「パラエストラ八王子の鈴木悠斗です。今回メインカード、ランキング戦は初めてなので、しっかり勝って次に行きたいと思います」と意気込み。  相手は12位のランカーで元ZST王者だが、「いつも通りなんも変わらないのかなと。やることやるだけなんで、それだけですね」と気負いはない。 「暴走柔術」の異名を持つ平を相手に「“暴走柔術”っていう名がある割には、寝技あんまりできないのかな、と。逆に自分が一本取ってやろうかなって思ってます。たぶん1R1分以内にKOか一本で決着つくと思うので、楽しみにしていてください。あと19歳じゃなくて、まだ18歳なので、そこをお願いします!」と、1分以内の“暴走決着”をするのは自分だとした。  その言葉を受けた平は、「えー、打撃も寝技もできません!」とうそぶくと、最後に「18歳を投げる!」とシンプルに力強く語っている。 [nextpage] 4連勝で上位ランカーの秋葉と戦う菅歩夢「勝つだけじゃなくフィニッシュが目標」、2連敗中のライカ「今度こそパンチでブッ倒したい」=7.28『PANCRASE BLOOD.3』大阪 ▼フライ級 5分3R秋葉太樹(パンクラス大阪稲垣組)#5位・11勝14敗1分菅 歩夢(宇留野道場)バンタム級9位/2023年NBT同級優勝&MVP・4勝  菅は、2023年ネオブラ・バンタム優勝&MVPの22歳。髙杉遼介に判定勝ち後、寺本雄輝、小原とうやを初回TKOに下すと、2023年11月の前戦で坂本瑞氣を3R リアネイキドチョークで極めてネオブラを制している。今回の大阪大会で階級変更しフライ級実力者・秋葉と対戦する。  会見に出席した菅は、「いきなりランキング5位の秋葉選手と試合させてもらえて嬉しく思ってます。いい試合をしますので、よろしくお願いします」と挨拶。  愛媛出身で宇留野道場所属の菅だが、初の大阪での試合に「別に大阪で試合するからどうこうっていうのは特段なくて、どこで戦うにしろ、自分の力をそのまま出せたら問題ないと思ってる」と意気込みを語った。  ネオブラではバンタム級で、今回からフライ級で戦うことになるが、「ジムの代表にフライ級に落とすなら、練習計量をしてみて、動けるならフライ級に落とせっていう指示を受けていて、3月頃に一度、練習計量でフライ級の身体を作って、そのあとジムの先輩とガチスパーをして、普通に動けていたので フライ級でも問題はないかなとは思ってます」と、すでに手応えを得ているとした。  対する秋葉は、5連敗中だがその相手は強豪相手ばかり。ルサンド・ビコ、小川徹に判定負け後、鶴屋怜、伊藤盛一郎に初回一本負け。2023年9月の前戦ではコンテンダーのムハンマド・サロハイディノフに2R TKO負けを喫している。今回、5年ぶりの勝利を掴むべく、4連勝の管を地元で迎え撃つ。  菅は、秋葉について「相手ははもちろん強いと思うんですけど、勝つだけじゃなくてしっかりフィニッシュするのが目標です」と語り、同日の『超RIZIN.3』について、「超RIZINとか重なってますけど、超RIZINよりパンクラス見ろよって思いますね」とアピールした。 ▼女子フライ級 5分3Rライカ((RIGHT THING ACADEMY)#4位・12勝11敗2分和田綾音(ALIVE)※デビュー戦  大阪大会参戦のライカは、2023年11月に重田ホノカに判定負け後、2024年3月の前戦でも杉山しずかに判定負けで2連敗中。ALIVEの和田はプロMMAデビュー戦でアップセットを起こすか。  会見でライカは、「総合格闘技になってからは初めて大阪で試合をさせてもらうんですけども、やっぱり京都出身ということで、地元に近いっていうこともあってちょっと嬉しいですね」とコメント。  ALIVEの和田綾音については「ほとんど情報無しで、アマチュアの戦績と1試合だけ見させてもらいました。 デビュー戦とはいえ、やっぱり勢いもあるし。実際ね、自分はホノカ選手にもやられてるんで、全然そういうの(戦績)はあんまり気にしてないっていうか、関係無しで、普通にいつも通り、相手が誰であろうがやるだけっていう気持ちで準備しています」と、油断はしないとした。  女子ボクシングでは、世界王座三階級制覇を達成したレジェンドで、キック2戦、MMA12勝11敗2分。今回、デビュー戦の相手をぶつけられたことについて問われると、「キック、総合と転向して、もう相手は選ばず、オファーがきたら大体ほぼ受けてって感じだったんで。ベテランの選手だろうがデビュー戦だろうが、もう関係無しにどんどん受けてきたんで。試合をすることによって自分がどんどん強くなっていけると思ってやらせてもらってるんで、もうありがたいです」と言う。 「今度こそパンチでぶっ倒したいと思います」と意気込むライカは、菅同様に「7月28日はPANCRASEを見てください」と語った。
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