2024年7月6日(土)タイ・ ルンピニースタジアムにて『ONE Fight Night 23: Ok vs. Rasulov』(U-NEXT配信)が開催された。 メインイベントの、ONEライト級MMA暫定世界タイトルマッチに臨むオク・レユン(韓国)は計量&ハイドレーションテストをクリアしたが、アリビェック・ラスロフ(トルコ)は制限時間内に計量をパスすることが出来ず。試合は実施されたが、レユンが勝利した場合のみタイトルを獲得できる変則王座戦となった。
フライ級ムエタイ3分3Rで対戦する、アリ・サルドエフ(ロシア)とブラック・パンサー(タイ)は両者とも計量失敗。試合は139.5ポンド(63.27kg)のキャッチウェイトで実施されることになった。
ストロー級ムエタイ3分3Rで対戦する、アリーフ・ソー・デチャパン(タイ/マレーシア)とエリス・バルボーサ(英国)は、アリーフが計量をパス出来ず125.75ポンド(57.03kg)のキャッチウェイトで試合は実施。また、報酬の30%がバルボーサに渡される。
さらにバンタム級ムエタイ3分3Rで対戦する、アレクセイ・バリカ(ロシア)とステファン・コロディ(アイルランド)は、バリカが計量に失敗したため151.50ポンド(68.71kg)のキャッチウェイトで行われる。また、報酬の30%がステファン・コロディに渡されることとなった。
今大会に出場する日本人選手、和田竜光(日本)と箕輪ひろば(日本)は無事計量とハイドレーションテストをクリア、対戦相手も共にパスしている。
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ONE Fight Night 23: Ok vs. Rasulov 速報
▼ライト級MMA (Over 155-170 lbs)変則王座戦 5分5R×オク・レユン(韓国) 170.00 lbs, 1.0210[5R判定0-3]〇アリベック・ラスロフ(トルコ) 170.00 lbs, 1.0226 ※計量ミス※ラスロフが計量をパスすることが出来ず。試合は実施されるが、レユンが勝利した場合のみタイトルを獲得。
メインイベントは、元ONEライト級MMA世界王者のオク・レユンとONE初参戦のアリベック・ラスロフがONEライト級MMA暫定世界タイトルをかけて対戦。勝者は現王者のクリスチャン・リーとの王座統一戦への切符を手にすることになる。
MMA17勝4敗のレユンは、2021年4月にONEに参戦。元王者のマラット・ガフロフ、元UFCライト級王者のエディ・アルバレスを長いリーチを活かした打撃で撃破。そして、同年9月にリーの王座に挑戦すると、激闘の末に判定勝利。ONE3戦目にして戴冠となった。2022年のダイレクトリマッチでリーに2R TKO負けし王座陥落となったが、2023年5月に強豪ローウェン・タイナネスに判定勝ち、復活を果たした。33歳。
対するラスロフは、ダゲスタン出身の13勝無敗の強豪。フリースタイルレスリングをベースとし、アマチュアMMAで経験を積み、Berkut Young Eaglesなどロシア、トルコで連勝。プロキャリア13勝中10フィニッシュ(6KO・TKO・4一本)と決定力が高い。ONEデビュー戦でいきなり王座戦となる。31歳。
スタンドのオク・レユン、組みのラスロフの構図だが、ラスロフに1Rフィニッシュが多いことから、短期決戦ではラスロフ、フルラウンドなら12の判定勝ちを持つレユンがラスロフに初黒星を与えるのか。
前日計量で、ラスロフが計量をパスすることが出来ず。試合は実施されるが、レユンが勝利した場合のみ暫定王座を獲得する。
1R、ともにオーソドックス構え。先にレユンが右カーフ。ラスロフも右ローを返すとレユンは左ミドルと蹴り合いに。右カーフを当てるレユン! ラスロフも右ローを返すと左右で詰めるが、その上組みに右ヒジのレユン。詰めるラスロフの右手を掴んでクラッチさせず。コーナーに押し込むラスロフは、肩パンチ。
シングルレッグに切り替え尻を着かせるラスロフは、レユンの右足を両足で引き込むが、すぐに立つレユンは右ヒジ。押し込むラスロフはなおもシングルレッグで引き出すが倒れずコーナーに戻るレユン。ラスロフは右で脇差し左ヒジ。右アッパーに右ヒジを返すレユン。コーナー背にしたままゴング。
2R、ワンツーから右ミドルでコーナーに詰めるラスロフ。レユンの右の蹴りを掴んでロープまで押し込み。離れるレユンは、右カーフ、さらに右ロー。ラスロフも右ローも、左フックを返すレユン。ラスロフを右で差して突き放し、右カーフ!
ラスロフは上で組むが、突き放すレユンが右アッパー、なおも押し込むラスロフにコーナー背に右ヒジ。さらに押し返して左右をまとめる。
ラスロフも近い距離の右ヒジを返すが、組みに右を差すレユンが右ヒザ。さらに小外で崩す。すぐに立つラスロフ。
3R、前足に右カーフを突くレユン。さらに左インロー、左ミドル。ラスロフのワンツーには左を合わせるラスロフは組んで右ヒジのダブル! クリンチアッパーはレユン。左ヒジのラスロフを剥がしたレユンはワンツーから右カーフ。
ラスロフも左右のワンツーで前に。レユンもボディ打ちから押し戻すが、四つでロープを背にさせるのはラスロフ。右ヒジを打つレユン。ラスロフは右アッパー! しかし、レユンも左右から右アッパーとまとめる。
押し込むのはラスロフ。ロープ背にするレユンの手数が減る。四つから出足払いも捨て身気味になったレユンが下に! 背中を着くも亀から立ったレユン。ゴング。
4R、左右から左フックのラスロフに、左アッパーを返すレユン。ラスロフは組んで前に。突き放すレユンだが、前に出るのはラスロフ。ジャブの刺し合い。右ヒザを突くレユンにラスロフもヒザを返すと、押し込みクリンチボクシングとタフな試合展開を仕掛ける。
押し戻すレユンも左右で押し戻すが、ラスロフは体を入れ替え、コーナーに押し込みボディ打ちから顔面。コーナーに押し込まれるレユン。額から出血でドクターチェック。
再開。押し込むのはラスロフ。レユンは右ヒジも、すぐに左ヒジを返すラスロフ。首相撲ヒザ。レユンもヒザを返すが、押し込みヒジとタフな試合を展開を望む。
5R、連打で前に出るレユンは右をヒット! さらに右ハイも、クリンチアッパーのラスロフ。ワンツーの右を当てるレユンは押し込み身体を預けてくるラスロフに、突き放すが、右を振ってコーナー押し込むラスロフ。右に回るレユンを追ってシングルレッグのラスロフ。バック狙うレユンに、尻を上げたラスロフがバック狙い。
正対して押し込むレユンは突き放して右! しかし連打させないラスロフが前に。ヒザ蹴りのラスロフに離れたレユンは左から右! しかし、ここで押し込むラスロフ。剥がして打ちたいレユンは近距離で右を打ち込むとゴング。
判定は3-0でクリンチレスリング・クリンチボクシングを挑んだラスロフが勝利。計量ミスのラスロフはクリスチャン・リーの名前をあげた。
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▼バンタム級ムエタイ (Over 135-145 lbs)3分3R〇ニコ・カリロ(スコットランド)145.00 lbs, 1.0191[2R 2分03秒 KO] ※3ノックダウン×セーマペッチ(タイ) 144.50 lbs, 1.0160
1位のカリロはスコットランド出身で、WMOウェルター&スーパーウェルター級王座、ISKAムエタイ世界65㎏級王座などを獲得。2023年4月にONEに初参戦すると、フルカン・カラバフを3R TKO。6月にムアンタイ・PK・センチャイを2R TKO。12月には元王者のノンオー・ハマをヒジ打ちで2R 失神KOに下し、3戦連続のKO勝利をマークしている。
対するセーマペッチは、ONEムエタイ・バンタム級4位。17歳でタイの「タイガー・セメント・トーナメント」で優勝。2018年4月には、英国を拠点とした団体「ムエタイグランプリ(MTGP)」ウェルター級世界王者に。2018年7月にONEに参戦。これまでロドレック、クラップダム、リッテワダ、ジャン・チェンロン、ガオナーらに勝利し、2024年2月の前戦でモハメド・ユネス・ラバーとの再戦で怒涛のパンチラッシュで初回KO勝ちでリベンジを果たしている。
1R、サウスポー構えのセーマペッチ、オーソのカリロはコーナーに詰めて右ヒジを打ち込む。ブロッキングのセーマペッチはコーナーに詰まるとカリロは左ヒジ。かわすセーマペッチを追うカリロ。
ワンツーから左アッパー! コーナーを出るセーマペッチは右を合わせに行くが、そこに左を強振するカリロは首相撲にとらえて左ヒザ! さらに左右ヒザの連打! 打ち合いにセーマペッチも挑む。
2R、右ローのセーマペッチに右ローを返して詰めるカリロ。オーソドックス構えに。相打ちの左でなぎ倒すようにダウンを奪うと、立つセーマペッチに右アッパーのフェイント。
左ストレートを当てるセーマペッチ! しかし詰めるカリロが左フックで2回目のダウンを奪取! さらに詰めて左から右でセーマペッチを3ノックダウンに下し、カリロがKO勝ちした。
試合後、タイ語でも挨拶したカリロは、スーパーレックとハガティの勝者との対戦、「GOAT」と戦いたいとタイトルショットを望んだカリロは、ボーナスを獲得。5回目のバック宙をリング上で見せた。
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▼キャッチウェイト サブミッショングラップリング (186 lbs)10分1R〇タイ・ルオトロ(米国) 177.50 lbs, 1.0187[判定3-0]×ジョセフ・チャン(南アフリカ) 185.25 lbs, 1.0053
現ONEウェルター級サブミッション・グラップリング世界王者タイ・ルオトロが、ノンタイトル・ワンマッチで、19歳のジョゼフ・チャン(南アフリカ)と、84kg契約で対戦する。
チャンは、ONE世界タイトルに2度挑戦したトミー・ランガカーを始めとするブラジリアン柔術界のビッグネームを相手に勝利を挙げている強豪。
ダイナミックにアグレッシブに攻めるルオトロに対し、チャンはサブミッションを決めるための道筋をより理論的にコントロールする。
ケイド・ルオトロが苦戦したランガカー自慢のオープンガード攻略をチャンは無敵のパスガード技術でなし得ている。トップゲームを仕掛けるルオトロに対し、チャンもトップポジションを狙うか、それとも──。
1R、詰めるジョセフ。組み手争いでタイに差させない。タイのアームドラッグもかわして左で差してジョセフだが戻すタイ。左差しに右小手内股でで投げるが、ジョセフは戻す。
スタンドレスリングからダブルレッグテイクダウンはタイ! バタフライガードのジョセフに、潜らせず手首を掴もうとするタイ。外してフックガードから足を手繰ろうとするジョセフにレッグピンにタイ。外すジョセフは左に返して跳ね上げるが、ロープにタイの身体が戻り上のまま。
右脛で左腿をピンするタイ。トップから仕掛けるタイにリバースデラヒーバからの足関節のジョセフにバック狙いのタイ。しかしスクランブルでジョセフも作らせずガードに。Kガードからリバースクローズから足関節狙いのジョセフ! 作らせず戻すタイは正対。足から腕を狙うタイにパスはさせずKガードのジョセフ。
中腰に立つタイに外掛けヒールのジョセフだが、キャッチコールには至らず。判定は3-0でガードを越えられずもトップから攻めたタイが熱戦を制した。
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▼ヘビー級MMA (Over 225-265 lbs)5分3R×カン・ジウォン(韓国) 240.00 lbs, 1.0148[判定0-3]〇キリル・グリシェンコ(ベラルーシ) 253.00 lbs, 1.0087
カン・ジウォンは、ベン・タイナンに一本負け後、1月にミハイル・ジャマール・アブドゥル・ラティフに2R TKO勝ち。
キリル・グリシェンコは、アナトリー・マリキンに2R KO負け、2022年8月の前戦でマーカス・アルメイダに外ヒールで一本負けで2連敗中。
1R、グレコローマン出身のグリシェンコは右ミドル、サウスポー構えのジウォンは前手争い。右ストレートを突くグリシェンコはワンツー。右前蹴り。ジウォンは右前手フックから左も、そこに組むグリシェンコはコーナーに押し込み左ヒザ。組み手を作らせないジウォンはコーナー背にテイクダウンを凌ぐ。離れたグリシェンコにジウォンは左ロー。グリシェンコは右ミドルをガード上に当てて、後ろ廻し蹴りは空振り。
2R、左右で詰めるグリシェンコはヒジも。離れたグリシェンコにジウォンは前に。飛び込みの左右のジウォンはまだ遠い。その入りに右で差す。右前手フック、左ストレートを前に。ワンツー左の蹴りで詰めるジウォンはグリシェンコの組みを切れることからアグレッシブに前に。グリシェンコはバックヒジ。
3R、左右で前に出てついに上で組んで投げたグリシェンコだが、すぐに立つジウォン! なおも詰めて組もうとするグリシェンコだが、突き放すジウォン。しかしコーナーに詰めたグリシェンコは左右ヒジ。ジウォンは出血するがワンツーで前に。そこに疲弊しながらも前蹴りのグリシェンコ。
パンチ勝負のジウォンも疲労、ガードを下げながら左右。迎え撃つグリシェンコはゴングに手を挙げた。判定3-0でグリシェンコが勝利。
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▼フェザー級ムエタイ (Over 145-155 lbs)3分3R×ルーク・リッシ(米国)154.75 lbs, 1.0036[3R 2分08秒 TKO] ※右アッパー〇バムパラ・クヤテ(フランス) 151.75 lbs, 1.0222
1R、ともにオーソドックス構え。ローの蹴り合いから圧力をかけるリッシに下がりながら右ローのクヤテ。長い左ボディストレートのリッシ。クヤテは誘い込んで右ヒジをヒット!
クヤテは左ミドルをヒット。サウスポー構えになる。リッシの右ローをかわしてワンツーで前に。右ジャブでリッシは左目を出血。詰めて右ミドルを当ててコーナーに詰める。
2R、サウスポー構えから入り左インローを当てるリッシは左ミドル! 詰めるクヤテは右ヒジを突くがクリンチヒザはクヤテ。左から右でリッシに尻餅を着かせるクヤテ。リッシの詰めからの右ヒジをかわすクヤテは左の蹴りを上下に突く。
詰めるリッシだが、カウンターで迎え撃つクヤテは左ミドル。近い距離で右ヒジをガード上に当てるリッシ。右回りのクヤテは左インローを当てる。
3R、ワンツーから蹴りに繋ぐクヤテ。右回りで左ミドルを当てる。追うリッシはワンツー。右ヒジでコーナーに詰めると、離れるクヤテは右ジャブ。
追って右ヒジを連打するリッシはロープに詰めて右ヒジ! 首相撲でなぎ倒しダウンを奪うが、下がりながらクヤテは右アッパー! ダウンを奪い返し、立つもなおもフラつくリッシにレフェリーがストップした。
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▼フライ級MMA (Over 125-135 lbs)5分3R〇和田竜光(日本)135.00 lbs, 1.0061[判定3-0]×シェ・ウェイ(中国)133.50 lbs, 1.0074
“おたつロック”の始祖・和田竜光は、MMA25勝12敗2分1NC。2021年10月に竹中大地、2022年1月にワン・シュオを判定で下し、 2022年6月にカイラット・アクメトフに判定負けも、2023年3月にアーネスト・モンティーリャにリアネイキドチョークで一本勝ち。以降、契約が切れていたことで試合から遠ざかったが、今回、晴れてのFight Nightシリーズ出場で継続参戦が決まった。
対する中国のシェ・ウェイは、21勝6敗。2018年11月のWLFでTSUNEに判定負けするまで7連勝。TSUNE戦後もONE Hero SeriesやWarrior Seriesで5連勝で本戦出場を決めた。2020年1月のONE初戦でダニー・キンガッドに判定負けもキム・デファン戦のTKO勝ちを含め3連勝。その後、リース・マクラーレンにリアネイキドチョークで一本負け。若松佑弥に1R TKO負けからの再起戦となる。
1R、ともにオーソドックス構え。先に右カーフの和田にウェイが右を振って尻餅を着くがすぐに立ち上がる。ウェイも左ロー。和田は右ボディ、カーフ、首相撲も切るウェイは右カーフ。左フック、右ボディも。
右で差して組む和田は、コーナーに押し込むが、回って離れるウェイは左右を突き、ボディストレートも。サウスポー構えから左インローを当てるウェイ。右ボディから顔面を突く和田は左フックも。ウェイの左右フックをブロッキングする和田は左ジャブとフックを打ち分ける。
右ボディを当てる和田。ウェイの右アッパーをかわした和田は右ストレートから首相撲ヒジを突き、コーナーに押し込み小外で引き出しテイクダウン! パウンドに立つウェイに右差しで押し込みヒザを突きゴング。
2R、左フックを当てる和田。ウェイは右アッパー、右縦ヒジ。和田も右ヒジを返すと、首相撲からおっつけて押し込み。右ヒジを返すウェイ。和田は右フック、右ヒジ。ウェイは左ヒザを突く。右を突き右で差してコーナーに押し込む和田。左右ヒザを突くが、コーナーを出るウェイ。
ウェイのパンチを外して右をを当て、左から右ボディを当てる和田は右クロスと精度が高いが、ウェイもヒジ、ヒザも返す。その近距離で小外・足払いでこかす和田が上に! 背中を着いたウェイのガードの中からパウンドも、ウェイも下からヒジ。ストップドントムーブで中央に頭を向かされるウェイ。和田は鉄槌、ヒジ。
3R、左ボディを突くウェイ。首相撲から右ヒジを返す和田。右小外はしのいだウェイ。しかし追ってヒザは和田。右で差して押し込むと、コーナーから離れるウェイは大きな右を振る。
かわす和田はワンツー。右ヒジのウェイにテイクダウン狙いから一転、頭の位置を合わせにきたウェイに右ヒザ!
右フックをガード上に左アッパー、首相撲ヒザを突く和田。ウェイも左ヒザを返すが単発に。右ヒザを鋭角について左右にステップして右も突くが、ウェイも大きな左。
右ヒジの打ち合い。右フックは和田。和田の右ヒジは空振り。ウェイの左右フックの強振にバランスを崩す和田だがブロッキングしているも後退。ゴング。
精度の和田に勢いのウェイ。ジャッジは、判定3-0で和田を支持した。
試合後、和田はバックステージでストロー級に落とすことを宣言。「ストロー級のランカーどもは震えて待て!」と語っている。
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▼キャッチウェイト ムエタイ (139.25 lbs) 5分3R×アリ・サルドエフ(ロシア)139.25 lbs, 1.0214[2R 0分23秒 KO]※右ハイキック〇ブラック・パンサー(米国) 135.25 lbs, 1.0152
パンサーはこれまでONEで3戦し、2023年3月のタギール・カリロフとの初戦ではKO負けを喫したが、その後は7月のモハメド・サデギ、サルドエフは2024年3月にONE初参戦、ザカリア・ジャマリを2RでKOした。MMAとのの二刀流選手。
1R、サウスポーのサルドエフは左ストレートを伸ばしていき、圧をかけて前へ出ていく。パンサーは右ミドルを蹴っていき、右ストレートを放つとサルドエフは後退。再び前へ出て右を出したところにパンサーが左フックのカウンターを当ててダウンを奪う。
すぐに立ち上がったサルドエフはダメージを全く感じさせずパンチを打ちに行くが、パンサーの左フックでダウン。強気に打ち合いに行くサルドエフにパンサーは右ミドル、再び右フックが決まるがサルドエフも打ち返した。
2Rが始まってすぐ、左フックを放ったサルドエフのパンチの引き際に右ハイキックを合わせ、パンサーが見事なKO勝ちを飾った。サルドエフはプロ初黒星。
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▼ストロー級MMA (Over 115 - 125 lbs)5分3R〇箕輪ひろば(日本) 125.00 lbs, 1.0066)[判定2-1]×ジェレミー・ミアド(フィリピン)123.00 lbs, 1.0168
箕輪は、2024年1月の有明大会で、グスタボ・バラートにスプリット判定の惜敗。ストロー級ランキングが入れ替わり、4位になっている。ONE2連勝から3連敗。
黒星の相手はジャレッド・ブルックス、ボカン・マスンヤネ、バラートといずれも強豪ばかりだが、ランク外のミアドに負ければ、ランキング落ちもある。再び王座戦線にからむには、絶対に落とせない試合だ。今回の試合に向け、「トガり散らしていた十代の頃のメンタルを呼び戻し、リスクを負ってもフィニッシュを狙う」と語る。
対するミアドも4連勝からの3連敗中。マンスール・マラチエフのダースチョークに一本負け後、リト・アディワンとの再戦で判定負けでリベンジを許し、3月に山北渓人のブルドッグチョークにタップを喫している。ミアドにとっても崖っぷちの一戦だ。
1R、ともにオーソドックス構え。中央を取るミアドに左右にサークリングする箕輪は左インロー。左のダブルからダブルレッグでロープまで押し込みシングルレッグも、ミアドはスプロールして切る。
スタンド。右ストレートを突くミアドは箕輪の入りに左ジャブ、右アッパー。さらに右ストレートでダウンを奪う。立ち際にヒザを突くミアドに組む箕輪がロープに押し込むと、ミアドがロープを掴み、イエローカード。
右手を巻き込みながらもボディロック&小外がけテイクダウンの箕輪にすぐに立つミアド。箕輪は左目を腫らしている。ダブルレッグテイクダウンの箕輪にミアドはスクランブルで立ち上がり、そこにダブルからシングルレッグの箕輪。
コーナーに押し込みシングルレッグテイクダウン。ヒジをロープにかけながらも倒れるミアド。サイドを奪う箕輪はボディに細かいヒジもゴング。
2R、ワンツーのミアド。箕輪は右の蹴りを掴み、さらにシングルレッグテイクダウン。タイムから頭を中央に向けるハーブ・ディーンレフェリー。亀から立つミアドにがぶりヒザの箕輪。首を抜くとシングルレッグ。さらにダブルレッグでクラッチしテイクダウン。すぐにスイッチ狙いから立とうとするミアド。箕輪はがぶりヒザ、首を抜くとダブルレッグへ。切って立つミアドを押し込む箕輪は四つも切って離れるミアド。
ワンツーから左を振るミアド。箕輪もワンツーの右を当てて組みに。ボディロックで崩して小外刈りで引き出しテイクダウン! トップからパウンドでゴング。
3R、左フックでミアドのマウスピースを飛ばした箕輪。左で差してボディロックテイクダウン! サイド奪取。マウスピースを戻すレフェリー。再開。上体を起こそうとするミアドはフルガードに戻すが、中腰から箕輪はパウンド、足をさばき再びサイド。ミアドが脇を差しに来ると鉄槌連打! 腰を左右に切りつつマウントを奪うと、上から細かいパウンド、ヒジ。
潜りシングルレッグのミアドに右ヒザを顔面に入れる箕輪。足を効かせるミアドをさばきサイド。亀から立つミアドにヒザを突き、ロープに押し込みゴング。判定は2-1に割れ、初回にダウンを奪われた箕輪がテイクダウンからパウンドで逆転勝ち。3連敗から白星を掴み、雄叫びをあげた。
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▼キャッチウェイト ムエタイ (125.75lbs)3分3R×アリーフ・ソー・デチャパン(タイ/マレーシア) 125.75 lbs, 1.0244[判定1-2]〇エリス・バルボーサ(英国) 124.50 lbs, 1.0168
アリーフは2023年4月からONEに参戦、リッティデットをTKOすると4連勝(3KO)を飾ったが、前戦の2024年4月にジャン・ペイメンに敗れて連勝が途切れた。バルボーサはフェアテックスジムでムエタイを修練し、2023年12月にONE初参戦。トンプーンと無効試合となっている。
アリーフは前日計量をパス出来ず、ストロー級から125.75ポンド(57.03kg)のキャッチウェイトに変更された。
1R、長身のアリーフは右ミドル、後ろ蹴り、飛びヒザ蹴りと長い距離で勝負。バルボーサはステップを踏みながら右ローを蹴っていく。右ストレート、左フック、右アッパーとコンビネーションを放つアリーフは右ヒジも振る。バルボーサはアリーフの蹴り足をキャッチしてのパンチを繰り出すが空振り。残り30秒でバルボーサは前へ出てパンチを出していった。
2R、アリーフは前蹴り、飛びヒザと長い距離で攻撃を繰り出し、パンチのコンビネーションを打つ。アリーフが勢いに乗ったかと思われたが、前に出てコーナーへ詰めたバルボーサが右ボディからの左フックでダウンを奪う。
アリーナは左ミドル、ヒジ、バックスピンエルボーで反撃し、前に詰めてくるバルボーサを突き放す。それでもバルボーサが前へ来るとテンカオを突き刺すアリーフ。これで前進が弱まるバルボーサ。さらにヒザと左のヒジで攻めるアリーフに、バルボーサはローを蹴っていく。
3R、前に出るアリーフはヒザ、ヒジ、左ハイで逆転を狙い、ロープを背負ったバルボーサへ左右フックやバックスピンエルボーを叩きつける。バルボーサは右ロー、左フックを振るがアリーフは意識してかわす。ならばと左アッパーを突き上げるバルボーサ。
アリーフは右ボディを打ち、バックスピンキックでボディを狙うがこれは空振り。ガンガン攻めるアリーフは飛びヒザ蹴り、バックハンドブローと大技を放って最後まで逆転を狙って攻め続けた。
判定は2-1と割れ、ダウンを奪ったバルボーサの勝利となった。
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▼ヘビー級キックボクシング (Over225-265lbs)3分3R〇オマール・ケイン(セネガル) 260.75 lbs, 1.0083[1R 2分08秒 KO]※左フック×ブシェ・ケチャップ(セネガル)(262.75 lbs, 1.0237)
ケインは16歳でセネガルの伝統格闘技「ムバパテ」を始め、20歳でセネガルのトップスターになるとMMAに転向。これまでMMAファイターとして6戦を行い、5勝1敗と大きく勝ち越している。唯一の黒星はキリル・グリシェンコに付けられたもの。前回は2023年8月、マーカス・アルメイダに判定勝ちしている。今回はキックボクシングルールに挑戦。
対するカマラもセネガル出身で「ムバパテ」からMMAに転向した。ケインとは長年にわたる確執があり、ここで決着をつけると両者意気込んでいるという。
1R、いきなり組み合う両者。ケチャップはめちゃくちゃにパンチを振り回し、果敢に攻めては行くが大振りすぎてケインにかわされる。ケインは左フックで最初のダウンを奪うと、ケチャップの縦に振り下ろすパンチをかわしての左フック。ケチャップはもんどりうって倒れ、ケインのKO勝ちとなった。
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▼キャッチウェイト ムエタイ (151.5lbs)3分3R〇アレクセイ・バリカ(ロシア)151.5 lbs, 1.0218 ※計量ミス[1R 2分42秒 KO] ※左フック×ステファン・コロディ(アイルランド) 150.75 lbs, 1.0066
バリカはTiger Muay Thai所属のロシア人キックボクサーで、2023年9月にONE初参戦。2連勝していたヨッドIQ・オー・ピモンシーからダウンを奪って判定勝ちすると、2024年1月にはあのスアキムと対戦。
ダウン応酬の激闘となり、最後はバリカが3Rに左フックでスアキムをKOした。しかし、3月のパンリット戦では判定負けでONEでの戦績を2勝1敗とした。踏み込みの速さが脅威。
コロディはPKセンチャイムエタイジムで練習を積むアイルランド人キックボクサーで、2024年1月にONE初参戦。スーブラックとこちらもダウン応酬の激戦の末に判定負けを喫している。また、2020年のRISE WORLD SERIESで-63kgトーナメントに出場が決まっていたが、新型コロナの影響で初来日できなかった過去もある。
1R、ともにオーソドックス構え。いきなり右跳びヒザを見せるコロディ。続く左右ハイもかわすバリカ。バリカは左フックでコロディの腰を落とさせると右カーフも。前に出るコロディは右を当てる。しかしバリカは出入りから得意の左フックでダウンを奪う。
コロディのハイをかわしたバリカは右ボディ、右カーフ。右カーフを返すコロディ。前に出るコロディの左に左フックのクロス! コロディが後方に大の字になって倒れ、レフェリーが間に入った。計量ミスのバリカが初回KO勝ち。