2024年7月14日(日)千葉・TIPSTAR DOME CHIBA『RWS JAPAN 2024』(U-NEXT配信)にて、ラジャダムナンスタジアム認定スーパーフライ級王座2度目の防衛戦に臨む、王者の名高・エイワスポーツジム(=吉成名高/エイワスポーツジム)のインタビューが主催者を通じて届いた。
今回は名高との対戦を表明していたベテランの同級4位ジョムホート・コースワンタット(タイ)の挑戦を受ける。
僕が一番強いというのを今回も見てほしい
――前回4月のRWS JAPANでは、ケビン・マルティネス選手に完勝でした。
「普段のスーパーフライ級(52.16kg)よりも重い53.07kg契約だったので、相手選手の体格が大きく、攻撃が当たっても致命的なものにはならなかったので、ちょっと反省点も残るような試合になりました」
――上の階級での試合の手応えはどうでした?
「スーパーフライ級に上げてあまり日が経っていない中、RWS本部の方からのオファーがその契約体重での試合で、初のヨーロッパ系の選手が相手だったので、自分の経験になると思って受けました。スピードに関しては上の階級でも通じると思ったんですけど、組み合った時に力強さや僕の攻撃に対する耐久力があるのは感じましたね。これからこの階級でやっていくのであれば、スーパーフライ級やフライ級でやっていた時みたいにバンバン倒すことは結構難しくなるのかなと。
今後、スーパーフライ級の防衛を重ねてベルトを守り続けつつ、トレーニングをいつも通り重ねていけばパフォーマンスを落とさずに身体も大きくなると思うので、時が来たらまたバンタム級に階級を上げて王座を狙っていきたいですね」
――2021年12月のクン・ナムイサン・ショウブカイ戦の時は名高選手にとっては最重量の試合となったスーパーバンタム級(55.35kg)での契約試合でしたが、その時の試合と比べて上の階級の選手とやることに自信はありました?
「あの時もやっぱり倒し切れず、倒し切ることの壁というものを感じましたね。クン・ナムイサン戦の時は僕の攻撃が結構当たっているのに効かせられない場面が多く、今回の試合は当ててはいたんですけど、そこまで致命的になるような当て方ができなかったです」
――次の相手、ジョムホート選手にはどういう印象がありますか。
「元々ジョムホート選手は僕が今持っているラジャダムナンスタジアムのスーパーフライ級のベルトを持っていた選手です。ジョムホート選手は今RWSを主戦場にしているんですけど、時にはボクシングの試合をしながらムエタイの試合をしていて、今回のカードが発表された時はランキング10位でしたけど、その後に1試合して勝ったことで今4位にいます。ベテラン選手で、60戦の僕よりも試合数は5倍くらいある歴戦の猛者だと思うので一切油断はできません」
――ジョムトーン選手は今回の試合が決まってからRWSで試合をしてましたが、舐められてるなと思ったりは?
「今回のタイトルマッチのような大事な試合が決まっていようと、タイ人は1カ月に1回の試合は何とも思っていないと思うので、そこに関しては僕も全然何とも思ってないです。むしろ、そこで1カ月前にしっかり試合をしてくるということは、タイトルマッチに標準を合わせているのかな、と思うので、結構気合いは入ってるんじゃないかなと思います」
――警戒してる攻撃はありますか?
「結構KOも多い選手で、過去にワンチャローン選手をKOした左ストレートやヒジを警戒しています。あとはローキック、ハイキックと蹴りも結構走るので、被弾しないようにやりつつ、スピードを活かして今回も戦っていこうかなという感じです。あと、サウスポーなので、僕にスタイルが似ているのですが、去年、僕はサウスポーとの連戦が続いたのでそこまで苦手意識はないですね。サウスポーだから当てやすい攻撃が結構あり、その技が当たるように動けば全然やりづらさはなく、戦えるんじゃないかなと思うので」
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41連勝中のクンスックレックとの対戦は?
――会場で見ているファンに注目してほしいポイントはありますか。
「いろんな挑戦者がこれからどんどん出てくると思うんですけど、スーパーフライ級では自分がチャンピオンですし、僕が一番強いというのを今回も見てほしいです。あと、去年7月のラジャダムナンスタジアム認定フライ級タイトルマッチで対戦したウェウワー選手は同じフィームーでしたが、完全に後手に回るディフェンシブで自分の攻撃だけを当てるスタイルの選手だったんですけど、今回のジョムホート選手は攻撃的なフィームーで結構前に出てきてくれると思うので、そこのやり取りだったり、スピード感のある打撃の応酬を見てほしいなと思います」
――今回タイトルマッチで5Rですが、KO決着もありえそうですか?
「今回KOはものすごく狙っています。5Rで戦う時間が増えるので、その分KOするチャンスも増えると思いますし、かなり対策をしているので、相手がどういうスタイルで来てどう倒すかは自分の中で予想を何通りか立てていて、そこにはめていけばKOもできるんじゃないかなと」
――対戦が期待されている41連勝のクンスックレック選手もセミで試合しますが、そこは意識しますか?
「僕の1階級上のバンタム級タイトルマッチが僕の1試合前に組まれていて、クンスックレック選手が下馬評では有利だとは思うんですけど、自分の1試合前だから会場で直接見るということはないです。どういった試合になるのかも含めて、結果はものすごく気になりますね」
――今回勝ったらクンスックレック選手に対戦アピールもしますか?
「パウンド・フォー・パウンドで1位と言われているクンスックレック選手とは階級が近いので、ぜひやりたい選手の1人です。RWS的には同じ大会で2人が活躍して、これからこの2人が交わるのかというストーリーを作っていきたいと思うんですけど、本音で言えばバンタム級ではなくスーパーフライ級との間の体重で自分はやりたいと思っているので、そういったところも含めてアピールしたいと思っています」
――次回のRWS JAPANで夢の対決が見られそうですか。
「今回の相手ジョムホート選手も本当に強敵なのでワクワクしていますし、ジョムホート選手以外にもスーパーフライ級の1位、2位が自分がやりたい選手なので、そういった選手と勝っていく中で、今年か来年あたりにクンスックレック選手とできたらいいなと思っています」。
――ちなみに今回のクンスックレック選手と松田龍聖選手との試合はどういう風に見ていますか?
「松田選手はムエタイ2戦目にしてラジャダムナンスタジアムのタイトルマッチ、しかも5Rでクンスックレック選手と戦うことを聞いた時は大抜擢されたなと思いました。ムエタイのリズムになってしまうと、松田選手の勝率がグンと下がってくるので、松田選手がいかに自分のスタイルを押し付けるような戦いができるかが鍵になると思います。
逆にクンスックレック選手はタイ人選手との試合以外はほぼ経験がなく、そのリズムの違いでちょっと戸惑いだったり、やりづらさは感じると思うので、そこを突いていけば展開はどうなるかわからないです。5Rのムエタイルールになると、クンスックレック選手は有利かなと思いますが、前回の石井一成選手との試合を見る限り、、松田選手が勝つ可能性は30%あるんじゃないですか。
クンスックレック選手はポイントの取り方、試合の作り方は本当に上手く、松田選手の動きに慣れさせる前に仕留めることが大事になってくる試合だと思います」
――分かりました。次の試合楽しみにしています。
「約半年ぶりぐらいに、タイトルが絡むような試合をやらせていただくので、気合いも入っていますし、ここ数戦はKOできなかったので、今回はパチっとKOを見せて自分がスーパーフライ級は最強というのを証明したいと思いますので、皆さん会場での応援をよろしくお願いします」