GLORY世界タイトル挑戦でペットパノムルンとの3度目の対決に臨む原口。日本人初のGLORY世界王者誕生なるか
2024年7月20日(土)オランダ・ロッテルダムのトップスポーツセントラムで開催される『GLORY 93』(U-NEXT配信)にて、GLORY世界フェザー級タイトルマッチ3分5Rで王者ペットパノムルン(タイ)に挑戦する原口健飛(FASCINATE FIGHT TEAM)が、6月18日(火)都内にて囲み取材を行った。
原口は空手出身で、高校からはボクシングを始めて17歳でプロデビュー、2016年西日本新人王決定トーナメントで準決勝進出。2017年にキックボクシングでプロデビューすると、わずか2戦目でACCELフェザー級王者となり、翌年(2018年)のRoad to RIZINキックトーナメントで優勝。チャンヒョン・リー、森井洋介からも勝利を収め、2020年1月大会で秀樹を降してRISEライト級王座に就いた。2020年10月には「DEAD OR ALIVE 2020 -63kgトーナメント」で優勝。2021年2月には白鳥大珠に圧勝、9月もタップロンにKO勝ちしたが、11月にGLORY世界フェザー級王者ペットパノムルンに敗れて連勝がストップ。
2022年4月、ロンペットを初回KOして復活すると、6月の『THE MATCH』では第5代K-1 WORLD GPスーパー・ライト級王者の山崎秀晃に2R0分33秒、TKO勝ち。しかし、9月のペットパノムルンとの再戦では延長戦で敗れRISE世界スーパーライト級(-65kg)王座を逃した。12月に元GLORYフェザー級王者のセルゲイ・アダムチャックに圧勝、2023年3月にはジェレミー・モンテーリョをKOしてISKA世界王座に就いた。7月にはGLORY推薦選手のアンバー・ボイナザロフを1RでKOし、12月にはGLORY世界フェザー級1位エイブラハム・ヴィダレスも2RでKOした。戦績は26勝(17KO)3敗1分。
ペッチことペットパノムルンはサウスポーで2011年にプロムエタイ協会バンタム級王者、2013年にスーパーフェザー級王者となって2階級制覇。2015年にはトーナメント戦の『トヨタ・ムエマラソン』-64kg級で優勝、2016年にWMC世界ライト級王者となった。セクサン、サムエー、ペットモラコット、チャムアックトーンらスター選手としのぎを削って勝利を収め、2016年8月からはGLORYに参戦。ザカリア・ゾウガリーやアブデラ・エズビリらから勝利を収めると、2018年9月に ロビン・ファン・ロスマレンに挑戦し、判定勝ちでGLORY世界フェザー級王座を奪取した。
また、2018年にはGLORYの“ノックアウト・オブ・ザ・イヤー”に輝いた。2021年11月にRISEに初来日を果たし、原口健飛に勝利すると、2022年8月の原口との再戦を制してRISE世界スーパーライト級(-65kg)初代王者との二冠王に。12月の来日では山田洸誓に勝利。2023年3月には同時二階級制覇を狙い世界ライト級王者ティジャニ・ベスタティに挑戦したが、4RにKOで敗れた。GLORY世界王座は10月にダビド・メヒアの挑戦を退け、7度目の防衛に成功も、12月のRISE世界王座の初防衛戦ではチャド・コリンズに敗れて王座を失った。戦績は170勝(27KO)40敗3分。
今回が3度目の対決となるペッチ戦へ向けて「2回目に負けてからペッチのために生きてきたので、ようやくたどり着いたという気持ちとよくたどり着いたなって気持ちです」との心境を話したが、「全員強敵やったからその時その時で集中していたので意外に早かったかもしれない。ジェレミーはISKAのタイトルマッチだったので別ですが、ペッチが倒していない選手とやって、それしか比較できないので3人とも倒せばたどり着けるとは思っていた」と、思ったよりも早く3度目が実現したとする。
2度目の対決以降のペッチの印象は「変わってないですね。やっぱり強い。今も試合が近付くと強いんやろうなって思うし。でも2年前どんな感じだったか覚えていないし、俺と戦った後もいろいろな相手と戦っているのを見ているので、いけるかなって感じですね」と、2年前と印象は変わらないとした。
「1回目の試合はけっこう見てます。あんなにボロボロにされたのは初めてだったので。2回目は見れば見るほどちょっとだけ反省点はありました。延長戦は頑張ったと思うけれど2~4Rの途中に印象悪いのはあったし、延長くらい行けばよかったと思いましたね」と、今2度目の対戦を見ると反省点があるとする。
そのうえで「前回の試合とは全く違うスタイルで、前回と同じことはひとつもやらないくらい初めてやるくらいの勢いでやります。ガラッとスタイルを変えるので、ペッチは前回と違う自分とやることになると思います」と、全く違うスタイルで戦うと打ち明ける。
名付けて「ボコボコ作戦です(笑)。とにかく殴り続けます」と、一方的に殴るのだという。
ペッチ戦を想定して過去4戦を行ってきたのかとの質問には「それはしてない。アダムチャックがサウスポーなのでそれくらいかな。ペッチは唯一無二の、キックボクシングをさせてもらえない選手なので」と答えた。
昨年12月にチャド・コリンズがペッチを破った試合については「参考になりました。あんなに手数が出せるかは分からないですが、当て勘は俺の方がある。チャドは無駄なパンチも多かったですが、僕は無駄な攻撃は出さないタイプなので、出したパンチを全て当てます」と攻略の参考にした。
過去2回は日本、しかもホームの大阪での試合だったが、今回はオランダ・ロッテルダム。そのことについては「ロッテルダムの方がいいです。日本でやるより行ける気がしますね。昔から負けると言われる選手とやるのが好きなので。そっちの方が自分は強いなと思います」と、むしろ不利な状況の方が燃えるとする。
「ペッチもオランダ人じゃないし、俺が東京で試合をするみたいな感じじゃないですか。完全にペッチのホームかと言うとそうじゃないので、そこは言い訳にならないですね」
日本では観客の目も気になるところだが、海外なら試合内容にこだわらずに戦えるのでは、との質問には「海外のファンを獲得できるファイトスタイルで行きたいところですが、ペッチに勝てればいいです。KOは狙ってはいませんが、KO出来る技も勉強しています」と、KOでも判定でもペッチにリベンジすることが第一だとした。