武田幸三を始め多くのキックボクシング王者を育てた治政館の長江国政館長が、2024年6月11日未明に病気のため永眠。75歳だった。
【写真】日本武道館で行われた全米プロ空手(当時はマーシャルアーツと呼ばれた)との対抗戦ではWKA世界王座を奪取した 長江館長は1948年11月16日、愛知県出身。日本拳法からキックボクシングに転向し、1970年プロデビュー。全日本フェザー級王座、WKA世界ライト級王座に就き、国内外の強豪と戦い一時代を築いた。1983年に現役を引退すると、1984年に治政館を設立。志朗、武田幸三、石川直樹、馬渡亮太、モトヤスックなど14人のチャンピオンを育てた。生涯戦績85勝(63KO)20敗8分。
近年はジャパンキックボクシング協会の最高顧問を務めていたが、神経性の病気で歩行が困難な状態が続き長年闘病中だった。
【写真】ゴング格闘技2015年5月号にて、扇久保博正と黒澤亮平が鶴屋代表の師匠である長江館長から打撃指導を受けた 愛弟子の一人である武田幸三は自身のSNSにて「人生の師匠、キックの師匠、長江先生が逝かれました。今の私の人生の土台の全てを作ってくれました。感謝しかありません。向こうでゆっくりして欲しいです。引退セレモニーで言わせていただきましたが、生まれ変わっても先生の弟子になりたいです」と、自身のSNSにて感謝の気持ちを伝えた。
【写真】武田幸三の引退セレモニーで記念品を贈呈する長江館長『THE BLACKBELT JAPAN』の鶴屋浩代表も長江館長からキックボクシングを学び、「長江国政先生が永眠されました。22歳の頃から大変お世話になりました。練習終わりによく飯に連れて行ってもらいました。大道塾の空手の大会に出場する時、白帯の俺に『これを締めてけ』って長江国政って書いてある黒帯を渡されたのは一番嬉しかった思い出です。私の弟子の松根、扇久保、黒澤、怜、にも打撃指導してもらいました。
5ヶ月程前に御見舞いに行った時も、『お前食えてんのか』って私の心配をしてくれていました。他の選手に厳しい先生ですが、私にはいつも優しく接してくれていました。最後にきちんとお礼を言いたかったです。金の無い時代に飯を食わせて頂き、技術を教えて頂き、いろいろと格闘技の話をして頂き本当にありがとうございました。先生の技術は、弟子の私が後世に伝えていきます。長江国政の弟子 鶴屋浩」と、自身のSNSに追悼文を投稿した。