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インタビュー

【UFC】ケビン・ホランド「すべてはカンフーに通じる」=6月1日『UFC 302』でオレクシェイチュクと対戦

2024/06/02 06:06
【UFC】ケビン・ホランド「すべてはカンフーに通じる」=6月1日『UFC 302』でオレクシェイチュクと対戦

(C)U-NEXT/Zuffa LLC/UFC

 2024年6月1日(日本時間2日)、米国ニュージャージー州ニューアークのプレデンシャルセンターにて『UFC 302: Makhachev vs. Poirier』(U-NEXT配信)が開催される。

 メインカードの第3試合では、ミドル級の“トレイルブレイザー(開拓者)”ケビン・ホランド(米国)が、ポーランドのミハル・オレクシェイチュクと対戦する。

▼ミドル級 5分3R
ケビン・ホランド(米国)25勝11敗(UFC12勝8敗)
ミハル・オレクシェイチュク(ポーランド)19勝7敗(UFC7勝5敗)

 米国のホランドは、2018年からUFC3連勝後、2連敗と2連勝を繰り返すも、勝った試合では6連続フィニッシュを記録している。さらに、ウェルター級に落としてから4勝1敗。今回はミドル級戦。組み技耐性をいかに高めたか。31歳。

 ポーランドのオレクシェイチュクはミドル級に落としてからここまで3勝1敗。3勝はすべて1RでのKO勝ちだ。

 個別インタビューでホランドは「俺の動きが世界のどこからきたのかに関わらず、俺は格闘技が好きなんだよ。それがただ、俺はカンフーから来た一人なだけだ」と語った。

ニック・ディアス戦を待てなかった

──3月の前戦、MVPとの試合はタフでした。マイケル・ペイジとの試合で学んだことは?

「彼は本当に素晴らしいストライカーだし、捕まえるのが難しかった。まるでシャワーで濡れた石鹸みたいにヌルヌルしていたよ。彼はここ(UFC)でもうまくやると思う。実際、俺は彼の大ファンだからね」

──ここ2試合は接戦で敗れていることについてどうとらえている?

「スキルを上げることに集中している。最近の1試合は接戦だったけど、ペイジ戦は完敗だったよ」

──あの試合はカンフー使いの両者による試合でもありました。ペイジは劉家拳を習ったと言っていましたが、ホランド選手のカンフーとは?

「サンスー (功夫散手)だ。ジミー・ホー・ウーが米国に持ち込んだ流派さ。俺のコーチはマーク・ケネディって言うんだけど、彼はミー・ホー・ウーの最初の弟子のビル・ラスターから学んだ。だから俺は第4世代となるね」

──以前、カリフォルニアのミレニアMMAでキャシー・ロングがトレーニングをしているのを見ました。たしか彼女も……。

「サンスーの黒帯だね。彼女はほかの武術も習っているようだけど」

──サンスーを調べたら、「基本的な前提は、戦いにルールは存在しないということであり、そのためこのスタイルは、主導権を握り、相手のバランスを崩すことで、できるだけ早く脅威を取り除くための技術指向」と書かれていました。

 以前、あなたがヒューストンのレストランで銃の発砲事件に遭遇し、容疑者の男を取り押さえたという報道を見ましたが、それはMMAの技術というより、武器を持った相手に対するセルフディフェンス技術を持っていないと簡単にはその行為に踏み出せないと感じました。あのときは使った動きは?

「まず、俺は全然撃たれそうにはなっていないよ。相手が銃を取り出して、俺はそれを取り上げただけ。俺の勝ちだ。シンプルだ。まあ俺は、ケージの中よりストリートの方が強かったりするんだよ(笑)。強盗を取り押さえたのは本当だけど、撃たれそうにはなってない。すぐに止めたからね。その動きが何か、と言われればカンフーだよ。俺のMMAのスキルもカンフーからだから。全てはカンフーのおかげで通じている。カンフーじゃない事は俺はやらない」

──MVP戦でも片足を上げながら相手に近づきました。もう一方の片足で小さくジャンプするように詰めて右ストレートを打ち込んだ。あの動きはMMAでは怖さは無いですか。

「全然だよ。俺はどのテクニックも使うのにビビることはないよ。全ての技術を信頼しているし、もし信じていないなら試合では使わないんだ。片足になる動きはほかにもある。それをどのタイミングで出すかだろう?」

──たしかに。そしてホランド選手のことを日本のファンが多く認識したのは、2020年のホナウド・ジャカレイ戦でした。DREAMで活躍したジャカレイのテイクダウンを受けて下になったホランド選手はニーシールドを作り、半身で下から右のパウンドを打ち込み逆転のKO勝ち。あのときも思い付きというより、その前のジャカレイの噛みつきパスにも下からの打撃を合わせていたので、狙っていた動きのように感じました。

「その通りで、ジャカレイ戦については本当に何年も型やフォーム(姿勢)を積み上げてきたことが報われた試合だったと思う。テイクダウンされても、自由に身体を動かせる姿勢を練習して打っていたよ」

──あなたはトラビス・ルターの黒帯でもありますよね。ストライカーですが、柔術の自信もあった?

「トラビスから学んだ事は本当に自分の柔術に自信を与えてくれている。もし失敗があったとしてもそれは自分の間違いであってトラビスの教えが悪いという訳ではない。自分に足りない所があったというだけ。本当にコーチの彼を師事する事は光栄でしかないよ」

──ショートノーティスでの試合に慣れているかと思いますが、今回の準備期間は?

「UFCセントルイス大会(5月11日)の1週間くらい前にUFCが電話してきて、この試合について聞かれたんだ。俺は『もちろんやろうぜ』って答えたよ」

──今回の相手、ミハル・オレクシェイチュクは、左の打撃が強いKOパンチャーです。どのような印象を?

「あぁ、強いな。チディ・エンジョクアニに勝った試合を覚えているが、あれはちょっと気に食わなかった。だから今回、俺が倒すつもりだ。俺のここ(顎)は強い。“アイアンフィスト”って呼ばれているようなヤツラもいるが、俺の場合は“アイアンチン”だ。うまくやれるよ。最終的には、今回は右の一発で決めるつもりだ。ジョン・ジョーンズと話し合ったんだけど、彼からは『右を使え』って言われたからね。」

──階級を落として活躍してきましたが、ウェルター級とミドル級でどちらがフィットしていると感じていますか。

「俺はどっちの階級にも居場所はあると思っている。今の階級でもきちんと火花は散らせるが、ミドル級の世界も俺のものだ」

──今回はあなたがミドル級での試合を望んだのでしょうか。

「提案されたんだ。もともとはウェルター級でニック・ディアス戦を予定していたんだけど、ニックは8月まで戦えないって聞いたんだ。8月まで待つのは長すぎるって思っていたから、この契約に満足しているよ。俺は相手が誰であろうと待ちたくない、戦いたいんだ。大抵、対戦相手のために待機して試合をすると、俺は負けるんだよ。だから待つのが大嫌いなんだ。待ちの時間が長くなると、パーティーをしたくなる。俺はコナーほど有名じゃないから、皆に見られていないし、カメラは遠ざけているからね(笑)」

──ミドル級での試合は今回のみ?

「俺としては二階級で戦いたい。夏は170ポンド(ウェルター級)に落とすのは簡単だけど、冬は熊のように食べたいから、185ポンド(ミドル級)でもいい」

──今回の試合はどのような展開に?

「ミハルとの試合は……ゴメンちょっとトイレ行ってくる(苦笑)。今めちゃくちゃ水飲んでるからさ」

──いや全然、構わないですよ。こちらこそ試合前にすみません。ウォーターローディングですよね。

「そう、減量中だから水に助けられながら、水に悩まされてもいるよ(苦笑)」

(しばし中断後、再開)

「ありがとう。ミハルとの試合のことだったね。スピードが速くエネルギーがある試合になるだろうな。ただ、俺もこの2試合、スピードのある選手達と戦ってきて、俺はそれより少し速かったから、その経験が俺のアドバンテージになるだろう」

──この試合後の計画は?

「この試合の後は派手に楽しむつもりだよ。コナーがビデオでやっていたように、めちゃくちゃ楽しむつもりだ」

──ところでアジアの武術については、ほかにも?

「日本の格闘技もさまざまな流派があるよね。正直違いが分かるって言えるほど理解はしていないかもしれないけど、それが世界のどこからきたのかに関わらず、俺は格闘技が好きなんだよ。それでただ、俺はカンフーから来た一人なだけだ」

──最後に日本のファンへメッセージを。

「いつも応援してくれてありがとうと伝えたい。自分がこの競技を始めた頃からずっといてくれる事も。俺もこのままずっと長い間続けていけたらと思っているよ。ぜひ、俺の戦いをU-NEXTで見てほしいよ!」

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