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【DEEP JEWELS】大島沙緒里が村上彩に初回TKO勝ちでミクロ級王座統一「Invicta FCに挑戦します」 、パク・シウが万智との大熱戦制し、ストロー級暫定王者&伊澤星花にリベンジ宣言。中井りんがHIMEのアウトボクシングに苦しみながらも戦慄の失神ギロチン葬!

2024/05/26 17:05
 2024年5月26日(日)東京・ニューピアホールで開催の昼大会『DEEP TOKYO IMPACT 2024 3rd ROUND』に続き、17時30分から夜大会の『DEEP JEWELS 45』(U-NEXT配信/DEEP YouTube)が開催された。  なお、前日計量では、第3試合で鈴木“BOSS”遥(SAI-GYM)との対戦が決まっていた樹季(フリー)がヘルニアにより急遽欠場となり、鈴木は青野ひかる(FIGHT LYNX)とグラップリングルールで対戦することとなった。全選手の計量結果とコメントは以下の通り。 ▼DEEP女子&DEEP JEWELSミクロ級ダブルタイトルマッチ 5分3R〇大島沙緒里(AACC)DEEP女子王者[1R 3分05秒 TKO] ※Vクロス→パウンド×村上 彩(フリー)DEEP JEWELS王者※大島が統一王者に  大島は、2020年9月ににっせーとの王座決定戦を制しDEEPミクロ級王座戴冠。2021年のアトム級GPでは準決勝でパク・シウを腕十字、決勝で青野ひかるに判定勝ちし、二冠に輝いた。  2021年9月の「DEEP vs BLACK COMBAT」対抗戦でパク・シユンに判定負けでDEEP JEWELSアトム級王座を失ったが、2024年2月の前戦『RIZIN LANDMARK 8』ではスーパーアトム級でクレア・ロペスに一本勝ちしている。  対する村上は、アトム級とミクロ級の両階級で戦い、2022年9月にアトム級で須田萌里との2年ぶり再戦で判定負けで唯一の黒星を喫した。2023年9月にアム・ザロケットを下し、第2代王者となっている。今回は8カ月ぶりの試合。  バックボーンは大島が柔道、村上は柔術。両者ともに腕十字を得意とするが、大島がよりトップからのキムラ、アメリカーナを決め手とするのに対し、村上はトップでもボトムでもじっくりポジションを制しての極めと、性格が異なる寝技を持つ。そこに至るスタンド打撃、投げも含めて注目の極め技師対決だ。 大島「明日は負けたらコスプレする覚悟で死に物狂いで勝ちに行きます」村上「明日の試合が楽しみです。明日、私が2つのベルトを持って帰ります」  1R、ともにオーソドックス構え。村上の左の蹴りに大島は掴んで寝技に持ち込むが、足関節の村上に離れる。左右からボディロックで組む大島にアームロック狙いの村上。パスガード狙う大島に足を効かせる村上。ブレーク。  右から左を当てる大島は首投げテイクダウン! 袈裟固めからVクロスに固めてパウンドする大島はパウンド連打! 左手は極まっていない村上は右手で殴るが、左手は外せず。パウンドを打たれ続ける村上に、レフェリーが間に入った。  1R、3分05秒、大島がTKO勝ちでミクロ級王座統一。  試合後、大島は「ヒザを傷めていて、またやってはいけない首投げをしてしまいました。無事勝ったので、アメリカのInvicta FCに挑戦します。Invictaからは1年以上前から話をいただいていて、日本でやりたかった試合もあったのですが、かなわなかったので、アメリカで力を証明してまた日本で戦いたいと思います」と、かねてから噂されていた米国進出を語った。 [nextpage] ▼第6試合 DEEP JEWELS ストロー級(52.2kg)暫定王座決定戦 5分3R〇パク・シウ(KRAZY BEE)=51.9kg[判定4-1] ※29-28×4, 28-29×万智(フリー)=51.9kg※パク・シウがストロー級暫定王者に 「DEEP JEWELS ストロー級(52.2kg)暫定王座決定戦」。同級暫定王者の松田亜莉紗(BLOWS)が防衛戦のスケジュール調整がつかずベルトを返上。パク・シウ(KRAZY BEE)と万智(フリー)の間で暫定王座を争う。  パク・シウは、2021年大晦日『RIZIN.33』のRENA戦の判定勝ち後、古賀愛蘭、浅倉カンナ、浜崎朱加をいずれもユナニマス判定で下し、4連勝。2022年大晦日『RIZIN.40』で「RIZIN女子スーパーアトム級(49kg)ワールドGP決勝」を伊澤星花と2021年10月以来の再戦で戦い、スプリット判定負けで連敗。  しかし、2023年9月にスーパーアトム級でHIMEに判定勝ちで再起を果たすと、12月にストロー級(52.2kg)でプリンセス・ザ・ロケットを1R TKOに下し、2連勝中。  対する万智は、2023年10月の『RIZIN LANDMARK 6』で、現修斗スーパーアトム級王者の渡辺彩華にスプリット判定勝ち後、11月の『DEEP JEWELS 43』のストロー級(52.2kg)暫定王座決定戦で、松田亜莉紗にスプリット判定で敗れ、戴冠ならず。  ストロー級暫定王座についた松田亜莉紗だが、「防衛戦のスケジュール調整がつかず」ベルトを返上したため、万智に再び暫定王座挑戦の機会が訪れた。海外挑戦も視野に入れるパク・シウにとっても、UFCが階級を設けているストロー級への本格参戦のために、ベルトを手にしておきたいところ。  現DEEP JEWELSストロー級「正規」王者の伊澤星花は、3月大会でパク・シユンを2R ニンジャチョークで極めて「アトム級」王座を奪取したばかり。試合後には、ストロー級の身体作りにも取り組むことを語っており、一気に注目の階級になってきたストロー級でパク・シウと万智のどちらがベルトを巻くか。  柔道ベースの組みの万智と打撃巧者のパク・シウの構図ながら、近年のパク・シウはフィジカル強化を活かしたテイクダウンディフェンスおよびMMAレスリング力の向上が目覚ましく、本来パク・シウより階級上の万智をもってしても組みで困難な場面も想定される。  ともに練習経験もあるなかで、そこからどんな進化を遂げたか。万智は強い組みを軸に蹴りも織り交ぜた打撃を見せるが、出入りの巧みなパク・シウをとらえることができるか。  ストロー級では、魅津希がUFC参戦中に暫定王者となった本野美樹から伊澤星花がベルトを奪取しているが、その本野は『ROAD TO UFC 3』で女子ストロー級トーナメントに参戦中で、王座を返上した松田の動向にも注目の日本女子ストロー級戦線だ。 シウ「今年の試合が初めてです。ワクワクして楽しみです。試合内容は私もどうなるか分かりません。全力で戦います。見守ってください」万智「明日は胸を借りるつもりで勝ちに行きたいと思います」  1R、サウスポー構えから右の前蹴り、左右で積極的に前に出る万智。さらに左の蹴りも。パク・シウも右ミドルを返す。左ミドルを当てる万智。左カーフを当てるパク・シウ。さらに右の飛びこみ。スイッチしてからオーソに戻すと、万智は右回り。パク・シウの右ストレートがヒット。万智も左ハイをガード上に返す。  パク・シウの右ミドルハイを掴んでテイクダウンした万智! 背中を着くも右腕を後方に送ったパク・シウは三角絞めを四角に組んで固めて下からパウンド。  しかし、下のパク・シウは金網背に上体を立てスイッチから足を抜き、立ち上がり。足にからむ万智にヒザ蹴りを突くもグラウンド状態でストップ。中断。パク・シウに「注意」。  再開。万智の右にパク・シウも左右を返すと距離が近くなり、万智がテイクダウンもスクランブルで立ち上がるパク・シウが上でゴング。  2R、万智の詰めての投げにオモプラッタを狙うパク・シウ。さばいて足関節の万智は内ヒールも、そのクラッチを掴むパク・シウ。かなり深く極まっているように見せるが、ずらしたパク・シウにセットを解いてトップを選択した万智。足を効かせるパク・シウにハーフで押さえ込む。  背中を譲って立ちに行くパク・シウ。万智はバックを奪いに行くが腰をずらすパク・シウ。互いに上の取り合いでトップは万智。パク・シウもフルガードに戻すと、足関節狙いの万智を潰して上に! 足を手繰る万智に三角に固めてパウンドでゴング。  3R、パク・シウの右ストレートに尻もちを着く万智。パク・シウはグラウンドには行かず。立つ万智も右の蹴りから左右を振る。右を振って頭が下がったパク・シウをがぶろうとする万智。すぐに抜いて離れるパク・シウ。万智の右の蹴りを掴んで右。さらに右三日月蹴り! 一瞬動きが止まる万智だが、再びステップ。  追う万智は左ハイも肩口で受けたパク・シウに万智がバランスを崩す。立たせるパク・シウ。万智はニータップでテイクダウンも立つパク・シウ。さらにダブルレッグの万智を押し倒して上はパク・シウ! マウントパンチに背中を見せた万智にリアネイキドチョーク! しかし後ろ手を組ませない万智が正対して、立ち上がりシングルレッグでパク・シウの尻を着かせる!  大熱戦。アームロックを狙いつつ立つパク・シウに万智はさらにシングルレッグで引き倒すが、そこに横三角絞めを合わせるパク・シウが固めてパウンド。万智もヒザを突いてゴング。  判定は4-1(29-28×4, 28-29)でパク・シウが勝利。ストロー級暫定王座についた。放送席の正規王者の伊澤星花は、「RIZINとの試合の兼ね合いで、決まればやります。私はいつでも決まればやります」と、タイミング次第で3度目の対戦も受けて立つ、とした。  試合後、パク・シウは、「私はもっともっとポテンシャルあるのに、出せないことが多い。2019年から今まで日本と行ったり来たりして、試合もお金も無くてなんども止めようと思いました。でも今日、止めなくて良かったと思いました。ほんとう自分の心のなかでは、今日負けたら格闘技引退も考えました。今日勝ったから、もっと強くなります  あともう一個あります。デビューから負けなしで、自分も2回負けて、アトムもストロー級のベルトも待っている伊澤星花選手。私は2回負けたけど、しっかり負けてないのでまた戦いたいです。待ってます」と語った。  放送席の伊澤はあらためて、「気まずいですね(笑)。タイミングとかもあるので、落ち着いたときに、またやります」と、タイミング次第で試合を行う意思があることを語った。 [nextpage] ▼第5試合 58kg契約 5分3R〇中井りん(修斗道場四国)=57.85kg[3R 1分34秒 ギロチンチョーク]×HIME(毛利道場)=55.45kg  当初、中井りんと対戦予定だった栗山葵が右膝前十時靭帯断裂により欠場。中井の対戦相手公募に、現PANCRASEフライ級王者・重田ホノカが名乗りを挙げたが、実現せず。  ストロー級(52.2kg)のHIMEが、中井の相手となり、58kg以下契約で中井と対戦する。 HIMEは、ケイト・ロータス、藤田翔子、桐生祐子を破り2階級王者の大島沙緒里に勝利しているDEEP JEWELS屈指のストライカー。2023年は2月に万智に一本負け後、9月にパク・シウの組みに判定負けで2連敗中。  対する中井は、2016年3月のUFCでのレスリー・スミス戦の判定負け以降、10連勝中。2022年5月の「DEEP JEWELSフライ級GP決勝」で杉山しずかに腕十字で一本勝ち。9カ月ぶりの試合が前戦・2023年2月の栗山葵戦(2R RNC)だった。2024年2月には東京・EXFIGHT等で岡見勇信らの指導を受けるなど、出稽古も行っており、1年3カ月ぶりの試合でどんな動きを見せるか。 中井「牛のスポンサーがいて今回の計量は牛がテーマでした。明日の試合については特にないです。支援してくださるスポンサーやファンの皆様に感謝を現わすために戦います」 HIME「今回普通にワンマッチでやると考えたら階級的にないので、面白い試合を組んでもらえたなって感謝しています。その分、面白い試合をしてこの大会を盛り上げる自信があるので皆さん応援よろしくお願いします」  1R、遠い間合いに立つHIME。中井はガード高く、じりじりと詰める。HIMEは右アッパーの仕草も見せながら、左ジャブ。HIMEが徐々に圧力。速いジャブを見せる。スイッチも見せる中井。前足に右ローをかすらせるHIME。中井はテイクダウンの動きを見せる。右のスーパーマンパンチを見せたHIME。  中井は右ボディストレート。金網に詰めようとするが、HIMEも右で押し戻す。HIMEの右の蹴りを掴んだ中井がテイクダウン! マウントになりかけたところをハーフに戻したHIMEだが、再びパスガードした中井はパウンド! 背中を見せたHIMEにバックマウントもゴング。  2R、先に中央を取る中井。HIMEは速い左ジャブを見せる。中井の組みの動きに右アッパーを狙うHIME。左フック、右アッパーは空振り。HIMEのジャブに右を返す中井。HIMEはジャブを当てる。右で飛び込む中井。かわすHIME。  右ローを当てる中井。HIMEはジャブで出入り。右アッパー、フック! 左ジャブを当てる。中井の詰めに右アッパーをかすめる。金網を背にさせる中井だが、サークリングのHIME。ラスト15秒でダブルレッグテイクダウンを奪う中井は、足を効かせるHIMEにストレートフットロックもゴング。ヒットでHIMEが取り返したラウンドに。  3R、左ジャブで制空圏を作るHIME。ガード固めて左右を振って詰める中井は1分近くで組むが四つ組み。左で差して右ヒザを突く中井は一気に右腕を頭にオーバーフックするとがぶりで引き落とし、スタンドでノーアームギロチンチョーク! HIMEの力が抜けて、失神!  中井は顔を腫らしながらも一本勝ちで安堵の表情を浮かべた。ヒザをサポーターで巻いた中井は、試合後、スポンサーや支援者に感謝の言葉を述べると、「今日はちょっと身体の故障が多くて、伸身宙返りは止めておきます。ごめんなさい」と挨拶した。 [nextpage] ▼第4試合 DEEP JEWELS 59kg以下 5分2R×Te-a (AACC)=58.1kg[2R 3分39秒 TKO] ※パウンド〇齊藤百湖(リバーサルジム横浜グランドスラム)=58.8kg Te-a「明日は出し切る、やり切る、以上です」 齋藤「移籍してリバーサルジム横浜グランドスラムになりました。一発目なのでしっかり頑張ります」  1R、ともにオーソドックス構え。右を突くTe-a。齋藤も右フックを見せる。右ローの齋藤。チェックするTe-a。齋藤のダブルレッグの飛び込みをさばいたTe-a。齋藤は左インロー。右ハイは空振り。  Te-aは右ストレート、ブロッッキングの齋藤。右を突いてダブルレッグからケージに押し込み、ダブルレッグテイクダウン! ハーフのTe-aに齋藤は左脇に頭を突っ込み、両足で右足を挟んで移動させて、頭をケージに詰まらせると頭付きのキムラ狙い! Te-aが腕を戻すとさらにパスしてサイドからパウンドでゴング。  2R、左前手を上下に振って、左右を突いて組む齋藤。大内刈でテイクダウンを奪うと、Te-aの蹴り上げをさばいてハーフから右手で枕、パウンドも、Te-aもそのスペースで立ち上がり。すぐに左で差して組む齋藤。またも足技で崩して上を取ると、左で脇差し、両足で左腕を極めてクルスフィックスでパウンド。レフェリーが間に入った。 [nextpage] ▼第3試合 DEEP JEWELS 59kg以下契約 5分1R グラップリングルール×鈴木“BOSS”遥(SAI-GYM)=58.55kg[判定0-3] ※9-10, 8-10×2〇青野ひかる(FIGHT LYNX) 鈴木「明日の試合は練習してきたことをやるだけなので、よろしくお願いします」※樹季欠場発表前のコメント。  1R、詰める青野の頭を押える鈴木。それを外してダブルレッグテイクダウンは青野。腰を抱いて引き出し、横に寝かせる。クローズドガードの鈴木。青野が中腰になろうとするとヒザを手繰る鈴木。青野は得意の左腕で鈴木の首を押さえて左足をパス。  ハーフから左で枕に、右で脇を差す青野。バックに回り、リアネイキドチョーク! 鈴木は尻を上げて極めさせず。最後に青野は腕十字に移行、鈴木も防御しゴング。判定3-0(10-9, 10-8×2)で青野が勝利した。 [nextpage] ▼第2試合 DEEP JEWELS 49kg以下 3分2R アマチュアSルール〇須田美咲(リバーサルジム立川 ALPHA)=48.95kg[1R 1分37秒 TKO] ※パウンド×セアリ(キングジム神戸)=48.45kg 須田「いつも試合をする機会を与えていただきありがとうございます。明日は成長した姿を見せられるように頑張ります」 セアリ「明日は頑張ります」  1R、先にシングルレッグで押し込んだ16歳のセアリ。体を入れ替えた須田が押し返してきたセアリをテイクダウン。  金網際でハーフから左の鉄槌を機に、一気に左右の強いパウンド! 頭を振って防ぐセアリだが、被弾し、サブレフェリーからホイッスルが鳴らされた。 [nextpage] ▼第1試合 DEEP JEWELS 58kg以下 3分2R アマチュアSルール〇北岡心愛(パンクラスイズム横浜)=57,05kg[1R 0分56秒 TKO] ×明美(フリー)=57.9kg 北岡「北岡心愛、頑張ります」 明美「言葉だけじゃなく試合で見せたいと思っています」  明美に競技用具の不備のため「減点1」でスタート。アマチュアSルールはパウンドあり。ヒザサポーターつき。  1R、ともにオーソドックス構え。左右にステップする北岡。長い右を突いて前に出る明美に、左ジャブをダブルで突いて右ミドルに繋げる北岡。  さらにワンツーに、右を振った明美は右肩を押さえて後退。脱臼か。すぐにレフェリーが間に入った。
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