1個のテイクダウンにいくらでも時間を使おうというくらいの気持ち
──1回戦の対戦相手は韓国のホン・ジュニョン選手となりました。相手の印象はいかがですか?
「韓国人の選手で、韓国人特有の体の強さとタフさを持った“THE・韓国のファイター”という感じのイメージの選手です。去年、準決勝で戦ったのも韓国の選手(パク・ジェヒョン)でそういう感じだったのですが、立つのがすごい上手かったんです。彼らが同じジムで練習しているというのもあるので、同じイメージを持っています。頑張るタイプですよね、きっと。
絶対立ってくるとは思っていて。僕も改良してきて、倒してすぐに固めようとして次の動作へと行って、際で立たれるというようなことが多いのですが、1個のテイクダウンにいくらでも時間を使おうとくらいの気持ちでいます。もし立たれたら立たれたで、もう1回、そのクラッチを外さず倒して、1分くらいかけて背中を着けさせるというくらいの感覚で。そこをちゃんとできればしっかり勝てると思っています」
──コントロールしつつ、最終的に寝かせると。打撃のほうはどんな印象ですか? 踏み込むワンツーの右が要注意でしょうか。松嶋こよみ選手も被弾していました。
「右が強いというのはあるけれど、本当は右からの左の返しに一番警戒しています。蹴りもローと腹を打ってくるけれど、そこは良くも悪くも我慢というか、蹴りが入る位置じゃないと自分もタックルに入れないので。インローも、めんどくさいと思います。ただやっぱりそれよりも、先ほど挙がったツーフックがややこしいと思っています。そこだけはもらわずにという形で作っています」
──フェザー級トーナメント出場選手で、ほかに注目している選手や戦ってみたい選手はいますか? この階級は日本人選手が3名出場しますが、その点も含めて教えてください。
「僕としても日本人が多ければ多いほどバチバチになって、そのほうがヒリヒリして面白いのかなと思っていて。全員レスラーでそれなりに意地もあると思うので、楽しみです。河名(マスト)選手の相手が6戦無敗で底が見えない未知数な感じは気になっています。他の選手も含めてざっくり戦績を見た程度で。あとは安藤(達也)選手がフェザー級でどういうコンディションを作ってくるのかに注目しています」
──準決勝がどういうブラケットになるのか分かりませんが、皆が勝ち上がってきたらどこかしらで日本人対決を経験することになりますね……。
「そうですね、それで盛り上げていきたいです。周りのひとにもマイナスな言い方で『日本人が多いね……』と言われるのですが、僕としては、日本人対決も面白いじゃないか! と思えています」
──安藤選手もそうなのですが、今回原口選手が対戦するホン・ジュニョン選手も、33歳で21戦を経験しています。ベテランと戦うことについては?
「そういう部分も、前回決勝のロン・チュー戦で経験できたことだと思っています。あの試合でやらなければいけなかったことをちゃんとやれば、今回の相手との試合は大丈夫だと思っています」
──この舞台でどんな試合をしたいと思っていますか?
「タックルに入るタイミングだったり、僕としてはいつもは、レスリングで寝かせて、パウンドだったり、立たせたらもう1回倒して、という試合運びだったところが、今回は1回倒してから、そこから柔術的な動きなどを合わせる練習もしてきたので、そういうところを見てほしいです」
──実際どんな展開になっていくと予想していますか。
「相手選手の過去の試合を見た感じではフィニッシュがすごくあるかというとそんなことはないので、ドロドロな試合になりそうな気もしています。前回レスリングを飛ばして使い過ぎた、というのがあって、5分3Rの15分間のなかでやらなければいけないことを5分間で全部やってしまった反省点があります。今回はそこを我慢してしっかり15分レスリング使うことができれば、コントロールできるという考えではいます」
──UFCにつながる舞台に出場するにあたって、どんな選手として、世界の人にこの試合に注目してもらいたいですか?
「去年負けて言うのも何ですが、自分では勝手に『自分はUFCに行くべき存在だ』と自分を信じて、そう思い込んでいるんです。その思いは去年より強くなっていて。フェザー級で、自分としては適正なのだからもう言い訳ができないですし、自分が望んでいた階級でできることで『行きたい』のではなく『行かなくてはダメな存在だ』と思っています」
──話が飛んでしまうのですが、同門の武田光司選手も同タイミングでフェザー級に落としました。先輩から何か言葉をかけられたりはしましたか?
「『早く(UFCに)行ってくれ』って一言かけてくれましたね」
──UFCのフェザー級ランカーを見て、感じることは?
「(モフサル)エフロエフ選手は注目しています。上に行くんだろうなと思って。今は、チャンピンクラスの選手たちは全然まだ見えないところにいて、やっていることのレベルも違うと、正直感じています。ただ、みんなのデビュー戦とかを最近見ているんです、コリアンゾンビvs.ポワリエの試合とか。この人たちも今はあんな試合をしているけど、こういう風だったんだなと感じることで、今後自分もああいう、洗練された戦い方になっていけるという期待をしています。ブライス・ミッチェルはタイプが近いので一番やりたいですよね」
──そのためにも、RTUでの進化した姿を期待しています! 最後に、U-NEXTのライブ配信を通して応援する皆さんに、メッセージをお願いします。
「僕自身、2回目の挑戦となりますが、フェザー級で、自分の力でしっかり契約を勝ち取りたいと思うので、応援よろしくお願いします」