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【KNOCK OUT】次は五味隆典、鈴木千裕「五味さんの試合がこれで最後になる可能性も高いと思うので、ファンの方、PRIDEのファンの方は絶対に見に来てください」

2024/05/16 11:05
【KNOCK OUT】次は五味隆典、鈴木千裕「五味さんの試合がこれで最後になる可能性も高いと思うので、ファンの方、PRIDEのファンの方は絶対に見に来てください」

RIZINでの金原正徳戦に続き、日本格闘技界のレジェンドである五味との戦いに臨む鈴木(C)KNOCK OUT

 2024年6月23日(日)東京・国立代々木競技場第二体育館で開催されるKNOCK OUTのビッグマッチ『KNOCK OUT CARNIVAL 2024 SUPER BOUT“BLAZE”』(U-NEXT配信)にて、「KNOCK OUT特別ルール -73.0kg契約3分3R延長1R」で五味隆典(東林間ラスカルジム)と対戦する鈴木千裕(クロスポイント吉祥寺)。4月29日にはRIZINで金原正徳を1R KOに下して王座を防衛したばかりの鈴木は、師と慕う五味との戦いをどう捉えているのか? そこで見せようとしているものとは?

「俺を越えてみろよ。俺を引退させてみろ」っていうLINEが来たんですよ


──RIZINでの防衛戦も激勝で終えて、五味戦に集中できる状況になったのでは?

「そうですね……ただ、勝って防衛した時に満足が全然なかったんですよ。『終わった~!』とかじゃなくて、『よし、次だ!』みたいな感じだったので、僕の中ではまだ、この戦いは終わってないですね。2試合セットという感覚なので、やっとその中の最終章かな、というか」

──ただ、RIZINで対戦した金原正徳選手も強敵でした。そこに勝った達成感はあったのでは?

「強かったのは確かですけど、絶対勝てると思ってたので。練習している時も『俺、絶対勝てる」と思ってましたから。だから勝った時も「ああ、よかった。俺は間違ってなかった』という感じですよね」

──では、その勝利の喜びに浸る時間はあまりなかった?

「なかったですね。2日間ぐらいで、あとは能登半島の被災地に行くために、持っていくお菓子とかの下準備をしていたので。能登から帰ってきて練習に復帰して、記者会見があって、今という感じです」


──能登では5月5日にイベントにも参加されていましたね。

「以前に行った時と比べると、ちょっとだけ復興されていました。でもまだまだ全然、トイレの水も流せない状況ですし、一番被害がひどかったところはまだ家とかも崩れたままで全然撤去もされていなかったので、まだまだ時間がかかるんだなあと思いました。ただ、みんなが少しずつ生活に慣れてきたところがあって、『ここに行けば水がもらえる』『ここに仮設のお風呂がある』『ここでごはんが提供される』という感じだったので、物資の送り先もだんだん絞れてきたのかなと」

──その中での自分の役割も改めて感じた?

「はい。僕の役割はたぶん、みんなを笑顔にさせることなんですよ。みんなつらいこともありますよ。家が流されたり、大切な人が亡くなったり。でも、僕が行った時だけは笑顔にして、励みになるようなことが作れるなら、全力でやりたいですよね」

──なるほど。その活動もこなして、まさに今は試合に集中という時期かと思いますが、改めて試合に対してはどういう意気込みでいますか?

「『師を越えるためにKOする』に尽きますね。あとは『KNOCK OUT』の舞台をさらに上に上げるためにも、KOしないと。『KNOCK OUT』という大会名をうたってるのに、判定なんかしちゃダメですからね。なので、常に倒す姿勢を見せて勝ちます」


──今回の五味戦が最初に発表された時、ファンからは疑問の声も出ていました。「なんでこのカードなの?」とか「なぜ今、このルールなの?」とか。それに対して、思うところはありましたか?

「ないです! 僕がやりたいだけなんで。よくアニメとかでもあるじゃないですか。師匠と戦って、バチーン! と師匠を倒して、『もうお前に託したぞ』って言われるみたいな。そういうのって、第三者から見たら何も分からないかもしれないですよね。2人の間の事情とか、戦いたいっていう意志とか。それはなかなか伝わらないかもしれないし、5月9日の会見には五味さんも来なかったから余計なんですけど、この試合は五味さんもやりたいし、僕もやりたいんですよ。それこそ去年、パトリシオ・ピットブルを倒した時に五味さんから『大晦日、俺を越えてみろよ。俺を引退させてみろ』っていうLINEが来たんですよ」

──おお!

「その時に僕の気持ちは、『あ、俺の使命は師匠を越えて、五味さんを引退させることなんだな』という自覚に変わったんですよ。その後の大晦日に試合をしたかったんですけど、お互いに間に合わなくて、今回『KNOCK OUT』で実現したという感じなんです。だからもともとは五味さんがふっかけてきて、僕がそれに乗ったということなんです」

──なるほど。「五味選手はこの一戦をよく受けたな」と思っていたんですが、受けるどころか、自分からの希望だったんですね。

「そうですね。お互いにけっこうテキトーなところがあるので、『言ったっけ?』『言ったよな?』みたいな感じではあるんですけど、僕らにとってはそこは特に重要じゃないんですよ。僕らにとって重要なのは、ベストな状態でリングに上がって、試合で盛り上げることなので。だからきっと、試合が終わる頃には『見てよかった』って声で溢れてると思いますよ」

──確かにそれは想像つきますね。そして五味選手が会見に来なかったのは、「山ごもりして体重を落とす」という理由でしたが、それは「ベストな自分を作る」という意気込みの表れかもしれないですよね。

「はい。僕もベストな状態を作って戦わないと失礼なので、選手に平等に設けられたはずの会見に不参加というのはちょっと納得いかないところはありますけど、そこはグッとこらえて。僕は連戦でやっていて、体は常にできているので、五味さんのことを考えると、ここは我慢するしかないんだなと思ってます」

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