フォン・シャオツァンにリベンジも含め最後は自分が優勝したい
──オープニングラウンドは上海PIが会場で、そこで中国の選手との対戦となります。完全アウェーの状態だと思いますが、そのあたりの心境は?
「今回、中国の選手がトーナメント8人中4人いるので、とても多いですよね。UFC本戦を見ても、女子ストロー級はチャンピオンがジャン・ウェイリー選手で中国人です。『UFC 300』で、中国人対決のタイトルマッチをしたヤン・シャオナン選手もそのすぐ下にいる(2位)ので、この階級のUFCのトップが中国の選手なのは確か。だからこそ日本の選手も強いのだと、RTUを通じてしっかり見せたいと思います。
あと、前戦も中国のプロモーションで試合をしたのですが、色々とアウェーの洗礼を浴びましたので、それに比べればUFCが運営しているイベントなので、全く問題ないでしょうし、もうどこでも大丈夫だと思っています」
──女子ストロー級トーナメントの中で、ほかに注目している選手や戦ってみたい選手はいますか?
「先ほどから名前が挙がっている、前回負けてしまったフォン・シャオツァン選手が出場するので、リベンジも含めて考えて、最後は自分が優勝したいと思っています。ただ、今は次に当たる選手だけ見据えています。そこで勝たないと意味がないので。今はこの1回戦のことだけを考えています」
──UFCにつながる舞台に出場するにあたって、どんな選手として、世界の人にこの試合に注目してもらいたいですか?
「やっぱり“強い選手が来た!”と思われたいのはあります。UFCとの契約をしっかり勝ちとって、本戦に出てからはまずランキングに入れるように頑張っていきたいと思っています」
──UFCがどのような舞台だから、本野選手はそこを目指して頑張れているのでしょうか。
「やっぱり、柔道でもオリンピックを目指していた時期があって、だけど世界には行けなかった、という結果があって。格闘技で世界の選手と触れ合って、今度こそはと言うか、世界チャンピオンになる、世界で戦うんだという目標がパッと出てきました。実は私は国内しか見えていなかったのですが、アメリカ修行のときにアンジェラ・ヒル選手のようなUFCストロー級ランカーとも練習できて。挑戦者のつもりで、これが試合だったらと思ってスパーをお願いしたのですが、テイクダウンも取れたし、打撃で圧倒されすぎることもなく、成長すればここまで行けると実感できたのがまず目指し始めたきっかけなんです。
自分が思い描いていたUFCトップ選手は“バケモノでしかない”というイメージしかなかったけれども、“行けなくない”と思ったことが一番です。自分も目指せると思えたことが大きかった。どうすれば行けるかは正直よく分からなかったのですけれど、絶対にチャンスはあるって思っていました」
──目標が定まったことで練習での取り組みも変わりましたか?
「変わりました。今まで曖昧に練習していた部分もあったのですが、UFCに出るんだ! という目標を持ってからは、もっと考えるようになった。前まではスパーが好きでスパーばっかりやっていました。でも今は勝つための打ち込みだったり細かい技術であったり、そういうところをしっかり練習するようになったので、考え方が変わりました」
──周りの選手たちからはどのような言葉をもらっていますか?
「『やっと(チャンスが)来たね、頑張ってUFCに行ってね!』という言葉をたくさんかけてくれます。練習のなかでも、グランドスラムの選手が『今のはよかった!』とか『ここはちょっと危ないよ』と声かけてくれたり。白川さんは相手の動画を見てくれて、自分にあった戦い方を細かく教えてくれているので、だいぶ自信がついてきました」
──最後に、U-NEXTのライブ配信を通して応援する皆さんに、メッセージをお願いします。
「優勝してUFCの切符をつかみたいと思っています、応援よろしくお願いします」