2024年5月3日(金)に映像が公開された『巌流島バーチャルファイト』。その第2試合で、ぱんちゃん璃奈(フリー/KNOCK OUT-BLACK二階級制覇/キックボクシング)にプロ初敗北を味わわせたルシア・アプデルガリム(アルゼンチン/キックボクシング)の試合後インタビューが巌流島公式HPにて公開された。
アプデルガリムはテコンドー出身の20歳。キックボクシング戦績は10勝2分とぱんちゃんと同じく無敗を誇っている。
「ぱんちゃん選手との対戦が決まってから、ずっとYouTubeで映像を見たり、Instagramをチェックしたりして、作戦を組み立てきました。日本のチャンピオンだし、すごく強い選手だという第一印象で、正直最初は不安にもなりましけど、メンタルに重点を置いたトレニーングを積むことで、いい状態に持ってこられました。メンタル面をしっかりと作ったことで、いざ、ぱんちゃんと向き合ったときには怖いとは感じませんでした。試合の後は、ぱんちゃん選手と話してみたら、すごく優しい人だなと感じました」と、試合へ向けてメンタル面を強化してきたというアプデルガリム。
そのメンタルトレーニングとはどういうものかと聞かれると「アルゼンチンは治安が良くないですし、私自身も何度も危険な目にあっているので、日常生活においてメンタルが鍛えられる部分があるかもしれないですね。家庭も貧しかったので、ハングリー精神も持てたと思います。メンタルトレーニングとしては、自分に『勝てる! 勝てる!』と言い聞かせて、自信をつけることをしてきました」と、日常からメンタルが鍛えられているのに加え、必ず勝てると自分に言い効かしてきたとする。
普段は52kgで戦っているが、今回は49.5kg契約。ぱんちゃんもアプデルガリムが体重を落とせるのか不安を口にしていたが、前日計量では48.6kgで49.5kgジャストでパスしたぱんちゃんよりも1kg近く軽かった。
「この試合は日本で得た大きなチャンスなので、減量の失敗で台無しにすることが絶対にないように、リミットをかなり下回った状態で前日を迎えました。これまでで一番軽い契約体重でしたので、減量は大変でしたが、1カ月前から計画を立ててやってきたので乗り切れました」と、絶対に失敗のないよう入念に時間をかけて落としてきたと告白。
2Rには強烈なワンツーでぱんちゃんをグラつかせる場面があったが、「パンチが思いきり入ってKOできる感触があったのですが、ぱんちゃん選手はそれでも向かってきたので驚きました。特に右のストレートはKOできる手応えがありました。パンチでのKOは当初から狙っていた戦略で、あのときセコンドからの『お前は絶対に勝てるから、下がらないで前に出ろ!』という指示が聞こえて、結果的に前に出続けられたのが勝因だったと思います」と振り返る。
勝因については「ジャブです。2人のジャブがスピードも威力もほぼ同じでしたが、私のジャブの方がほんの少し早く、ぱんちゃんの顔が徐々に腫れていきました」と、ジャブのスピードが僅かに上回っていたことが勝利につながったとした。
判定は1人目のジャッジが29-29、2人目と3人目が30-29でアプデルガリムが勝利。勝敗が判定にもつれ込んだ時の胸中を聞かれると「自分が勝ったと思いましたが、最初のジャッジの判定がドローだったので、『やはりホームタウンデシジョンで判定で勝つのは難しいのかな?』と一瞬よぎりました。それでも結果的に判定2-0で勝てて、とても嬉しかったです」と、最初のジャッジの発表で不安を感じたと話した。
勝った瞬間は歓喜の涙。その理由を聞かれると「14歳から格闘技を始めて、やっと大きなチャンスを得て、やっと判定で勝てたので、いろんな思いがめぐって涙がこみあげてきました」と説明。
初めて訪れた日本については「日本での試合が決まった時点でとても嬉しかったんです。実際に来てみて、すごく治安がよくて、みんなリラックスしていて、人が優しいと感じました。すごくいい国ですね。アルゼンチンは治安が悪いし、騒がしいので」と、日本の治安の良さが気に入ったようだった。
【写真】Instagramはほぼ格闘技に関する写真だが、たまにオフショットも@luuaabril この一戦を“大きなチャンス”と捉えていたアプデルガリム。そこで勝利をものにして、さっそく6月23日(日)東京・国立代々木競技場第二体育館で開催されるKNOCK OUTのビッグマッチ『KNOCK OUT CARNIVAL 2024 SUPER BOUT“BLAZE”』(U-NEXT配信)での再来日が決定した。 まだ20歳と若く、ルックスもよく今後日本で人気が高まりそうな要素を持っているアプデルガリム。次のNA☆NA(エスジム)戦でもインパクトを残してスターへの階段を駆け上がって行くことが出来るか。