公式戦で引退試合をすることになった森坂
2024年6月23日(日)東京・後楽園ホール『Krush.162』の対戦カード発表会見が、5月10日(金)都内にて行われた。第7代Krushフェザー級王者・森坂陸(エスジム)が今大会で引退試合を行う。
森坂は17歳でプロデビュー。2017年からK-1 JAPAN GROUPに参戦し、ムエタイ仕込みの蹴り技とバックハンドブローなどの回転技を駆使するトリッキーなファイトスタイルで戦績は17勝(3KO)14敗2分。江川優生、椿原龍矢、軍司泰斗ら後にK-1王者となる選手たちとしのぎを削り、2020年の「第5代Krushフェザー級王座決定トーナメント」では準優勝。2022年は4戦全勝で2023年3月に玖村修平を破り第7代王座に就いた。
10月の初防衛戦で「負けたら引退」を宣言し、篠塚辰樹の挑戦を受けての初防衛戦に臨んだが、判定2-0で敗れ26歳にして引退を決意。「最後に公式戦を1試合やりたい」と、エキシビションではなく公式戦での引退試合を迎える。
「前回、初防衛が出来なかったら辞めると決めていて、全力で戦った結果負けて。応援してくれる皆さんがもうちょっと見たいということで、そこで悩んで最終的に出した結論がラスト1試合。全力で戦う姿を見せて綺麗にリングを降りようかなと。目の怪我があって半年以上開いてしまったんですが、誰とやりたいはなくて全力を出せて盛り上がる相手なら誰でもいいです。戦いたい人がいたら名乗りを上げて欲しい」と、森坂は最後の対戦相手を公募したいとした。
同席した宮田充Krushプロデューサーは「会見前に選考に入っていて森坂選手にも提案したんですが、僕のイメージ、Krushのイメージでは若い選手とやるのがいいのかなと。エキシビションではなく公式試合でやるのは大怪我するかもしれないし、負けたら赤っ恥をかく。そういう試合やらないと意味がない。やる気がある選手はどんどん名乗りを上げて欲しい。卒業前に一発やらせてくれと噛みついてもらえれば森坂選手もやり甲斐があるかなと思います」と、若い選手に名乗りをあげて欲しいとする。
森坂は「コンセプトとして因縁の相手、負けた相手でもいいと思ったんですが、もうひとつは世代交代。僕に勝てば新人が美味しいなって。僕が勝って当たり前の試合になるので僕にメリットはないですが、その方が未来のK-1につながる。勝てば名前が挙がるし、負けても這い上がるだけだし、その本人のモチベーションにもなると思います。意味のある試合、世代交代で新人を迎え撃つのが僕の考えでもあったので、それでお願いします。お待ちしております」と、未来につながる引退試合にしたかったと意図を説明した。
引退試合でどんな姿を見せたいかと聞かれると、「今までやってきたことの集大成なので、ありのままの自分を出せれば。ファンの方の記憶に残る、僕本来の試合を見せらればいいと思います」と答える。
同じ大会で「第9代Krushフェザー級王座決定トーナメント」が開幕することについては、「まさか同じ日になるとは思わなかったので面白いつながりだなと思うけれど、僕は防衛できなかったら本物じゃないと考えていました。負けたら辞めると決めていたのでもう一回獲ろうとは思わなかったですね。期待の新人もいますし、そこで盛り上がれば未来が広がるんじゃないかなと。そこに自分が入りたいはなくて、新しい世代で盛り上げてくれればいいと思います」と、あとは新世代でフェザー級を盛り上げて欲しいとした。
引退を決意したが気持ちは切れていないとし、「その時よりも強いと思うので、アツい試合が出来ると思います。相手にもよりますけれどね。真正面で戦ってくれれば出せる。しっかりと準備して何が何でも最強の姿を見せてそのままリングを降りたい。勝っても負けても。もちろん勝つつもりなので。この1試合をやって引退して、、体がまたやりたいと思ったらやりたいですと言ってしまうかもしれませんが、次のキャリアでやりたいことを見つけたので、新しい夢を追って行きたい」と、過去最強の森坂陸で引退試合に臨むと宣言。
また、王座を奪った篠塚がタイトルを返上してKrushからも離れてしまったことについては、「予想通りだと思っていました。それは彼のやり方なので。いま売れていますね。僕は負けましたし、彼は強かったので、彼は彼でいいと思います」と、篠塚らしいと話した。
最後に森坂は「ラスト1試合、僕の試合を楽しみにしてくださっている皆さんに最高の試合をして終わりたい。誰でもいいので期待の新人くんでも名乗り上げてくれれば。誰でもいいです。反応待っています」とメッセージを送った。