キックボクシング
レポート

【NJKF】下アゴの骨が真っ二つになる重傷から復活の国崇が107戦目も逆転TKO勝ち「国崇と言えばピンチ。ピンチから生き返るのが国崇」

2024/05/05 19:05
ニュージャパンキックボクシング連盟NJKF拳之会主催興行22nd「NJKF 2024 west 2nd」2024年4月21日(日)岡山コンベンションセンター・コンベンションホール ▼WメインイベントII NJKF 59kg契約 3分5R ※ヒジあり〇国崇(NJKF拳之会/WKAムエタイ世界フェザー級王者)TKO 4R 2分57秒 ※3ノックダウン×佐藤 亮(NJKF健心塾/NJKFスーパーフェザー級3位)  近年は年2回開催されている拳之会主催興行だが、今大会で22回目となった。メインはエース・国崇の復帰戦。昨年、2度のダウンを奪われながらヒジで大逆転TKO勝利を収めた同所でのジェイソン・トラン戦でアゴを骨折。下アゴの骨が真っ二つになる重傷で10月大会も欠場を余儀なくされたが、晴れてリング復帰となった。  その相手となったのが、NJKFスーパーフェザー級3位の佐藤亮。国崇がNJKF内の選手と対戦するのは、2021年9月の前田浩喜戦以来2年半ぶり。しかも今回は一つ上の階級のタイトルマッチ経験者とあり、107戦目で1年ぶりの復帰戦とは思えない実力者との激突となった。  1R、ジャブとローでの探り合いで始まった試合は、後半になるにつれて前に出て圧をかける国崇と、距離を取る佐藤という展開に。徐々にローを当て始めた国崇は、追いかけてローを入れる場面も。  2Rには、ローやジャブ、ミドルで応戦してくる佐藤に、国崇は右クロスを当て、ヒジも見せる。後半はジャブをヒットするなど、パンチが当たり始めるが、得意の左ボディは少なめ。  3Rになるとボディも当たり始め、突破口が見つかってきたかと思われた矢先、佐藤の左ヒジで国崇がダウン! 立ち上がった国崇は明らかに効いている様子で、佐藤は勝負をかけてロープに詰めるが、国崇はクリンチも使ってラッシュを逃れると、終盤にはバックヒジも繰り出す。このラウンド終了時のオープンスコアは、三者とも30-28で佐藤。  窮地に追い込まれたかと思われた国崇だが、4Rに入ると大逆襲を開始。パンチの交錯の中で右ストレートを叩き込んで最初のダウンを奪うと、ほぼこれで勝負あったと見え、立て続けに右でダウンを奪い、最後も右で倒して勝利。1年前の同所での試合を彷彿とさせる逆転勝利に、渾身のガッツポーズを見せた。  試合後のマイクでは「国崇と言えばピンチ。ピンチから生き返るのが国崇」と笑いを取りつつも、「まだまだこれからも頑張っていこうと思うので応援よろしくお願いします」と締めると、場内からは大きな拍手が巻き起こった。  いかにも大逆転勝利の後らしい言葉と思われたが、控室に戻って佐藤の挨拶を受けた国崇は、ここで初めてダウンを食らっていたことを認識。「え、ダウンしたん?」と驚愕の表情を見せ、さらにインタビューで3ダウンでの勝利と聞かされるとまたも驚愕。「右一発でガーン!と仕留めたと思ってました。『俺の右すげえ、まだまだやれるな』と思ってたんですけど……」と、リング上で会心の笑顔だった理由が勘違いだったと分かってややションボリ。  試合については「相手がうまくステップを踏んでくるので『これは面倒だな」と思ったんですけど、ローをスカされたりしたので、いつもの『行っけ~!』作戦で」としつつ、「ジャブはよく当たったんですけど、距離が遠かったので、ジャブというよりは踏み込んでの左ストレート的な感覚になったので、その後につなぎにくかったですね」と振り返った。  だが勝利については「最高です」と再び笑顔に。「試合前には1年前のことを思い出して、『ああ、帰ってきたな』といろいろ考えましたけど(笑)、これでもうちょっといけるかなと思いました。決まった試合はどんどん勝っていきたいし、試合も組んでほしいし、後楽園ホールで勝ちたいですね」と、2014年以来の後楽園ホールでの勝利に意欲を見せた。 [nextpage] ▼WメインイベントI 交流戦 フェザー級 3分5R ※ヒジあり×竹添翔太 (インスパイヤードモーション/Bigbangフェザー級王者)判定1-2 ※50-49、49-50、48-49○坂本直樹(NJKF道場373/NJKFフェザー級4位)  3月にBigbangフェザー級王座を獲得したばかりの竹添翔太が、地元・姫路に近い岡山に凱旋。大きな声援を受けてスピーディーなローやパンチ、ヒジで攻めたが、NJKFフェザー級4位の坂本直樹が後半になるにつれて組みヒザ中心に反撃。2-1の僅差で坂本が勝利した。坂本はマイクで「今年、NJKFフェザー級王座を絶対獲りに行くんで、皆さん僕に注目しとってください」と王座取りをアピールした。 [nextpage] ▼セミファイナル ISKAムエタイ日本ライトクルーザー級王座決定戦(-85kg) 3分5R ※ヒジあり○佐野克海(NJKF拳之会/元NJKFスーパーウェルター級2位)判定3-0 ※48-47、48-47、49-46×草・マックス(TEAM CLIMB/グラバカ赤羽)※佐野がISKAムエタイ日本ライトクルーザー級初代王座獲得。  セミファイナルではISKAムエタイ日本ライトクルーザー級(-85kg)王座決定戦が行われ、拳之会の佐野克?とMMAファイターの草・MAXが激突。佐野は2Rにローブロー、4Rにバッティングを受けて長いインターバルを取り、それらのダメージもあって後半は極端に手数が減ったが、ラウンドマストのISKAルールだったこともあって要所でパンチを集めたことが生き、判定勝利。佐野はISKA初の日本タイトルを獲得した。 [nextpage] ▼第7試合 ISKAムエタイ国際戦 フェザー級(57kg) 3分5R ※ヒジありדCAPTAIN”ル・フェンガン(looksuan CLUB/ISKAムエタイ中国フェザー級王者)判定1-2 ※48-47、47-48、46-49〇庄司理玖斗(NJKF拳之会/NJKFスーパーバンタム級6位)  第7試合では、国崇不在だった昨年10月の倉敷大会でメインを務めた庄司理玖斗が初の国際戦。ISKAムエタイ中国インターコンチネンタル・フェザー級王者の“CAPTAIN”ル・フェンガンと対戦した。タイを拠点に活動する中国人ファイターのフェンガンは序盤、ハイキックやヒジなどで力強い攻撃を見せたが、庄司が粘り強くパンチやヒジを返し、カーフキックも効かせると、徐々に失速。後半のラウンドでは自らマウスピースを吐き出しての時間稼ぎを連発し、警告を受ける。判定は僅差ながら庄司が取り、師匠・国崇の復活につなぐ勝利を飾った。  国崇の復活&大逆転勝利で締めくくられた今大会は大きく盛り上がって終幕。拳之会の次回大会は10月27日(日)、倉敷市・マービーふれあいセンターで行われる予定だ。写真&レポート:高崎計三 [nextpage] ▼第6試合 交流戦 72kg契約 3分3R ※ヒジあり☆HIRO☆(VERSUS/JKIスーパーウェルター級9位)試合中止本野有哉(照道会)※☆HIRO☆の体調不良による欠場のため中止 ▼第5試合 交流戦 60kg契約 3分3R○平尾一真(Blaze)判定3-0 ※30-28、30-28、30-26×山本秀斗(HAKUBI GYM) ▼第4試合 交流戦 フェザー級 3分3R×亮介(BOSS GYM)判定0-3 ※29-30×2○大村絆人(魂心舘) ▼第3試合 交流戦 スーパーライト級 3分3R×垣内哲郎(NJKF拳之会)TKO 1R 2分02秒 ※パンチ連打によるレフェリーストップ〇平田大輔(平田道場) ▼第2試合 NJKFミネルヴァ バンタム級 2分3R△愛来(一神會舘)ドロー 判定0-1 ※29-29、29-29、29-30△三宅美優(NJKF拳之会) ▼第1試合 NJKFミネルヴァ 59kg契約 2分3R○RiNRiN(ライジング己道会)判定3-0 ※30-29×3×RIKI(VERSUS) 〈オープニングファイト〉アマチュアキックボクシングNEXT☆LEVELジュニア中四国王座決定戦 ▼第7試合 60kg 1分30秒3R+ex1×加古大晴(NJKF team Bonds)TKO 3R 1分24秒 ※出血によるレフェリーストップ〇上川玲皇(ツクモジム)※上川選手が-60kg第10代王座獲得 ▼-55kg王座認定式 小野田琉己(NJKF team Bonds)※小野田選手が-55kg第11代王座獲得 ▼第6試合 50kg 1分30秒3R+ex1○松崎幸紀(誠剛館総本部)判定3-0 ※30-28、30-27×2×仁木雄斗(Blaze)※松崎選手が-50kg第15代王座獲得 ▼第5試合 45kg 1分30秒3R+ex1○大澤透士(NJKF TRASH)判定3-0(30-29×2、30-28×久保田威風(Team 男塾)※大澤選手が-45kg第16代王座獲得 ▼第4試合 40kg 1分30秒3R+ex1×久保田天空(Team 男塾)判定0-3 ※29-30×3○篠原愛生(テツジム)※篠原選手が-40kg第18代王座獲得 ▼第3試合 35kg 1分30秒3R+ex1×佐藤琉月(空修会館)判定0-3 ※29-30×2、28-30○渡邉蓮大(武魂會)※渡邉選手が-35kg第17代王座獲得 ▼第2試合 30kg 1分30秒3R+ex1○川端大心(NJKF team Bonds)判定2-0 ※30-29×2、29-29×田邊寅之丞(武魂會)※川端選手が-30kg第15代王座獲得 ▼第1試合 25kg 1分30秒3R+ex1×小橋樹生(誠剛館総本部)判定1-2 ※30-29、29-30、28-30○小林 楓(空修会館)※小林選手が-25kg第13代王座獲得
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