挑戦者エルセグ「勝ってアリーナを出る時にボトルが投げつけられる──それもブラジルでの経験の一部さ」
──意図があってそのシャツを着て来た?
「ボタフォゴFRのシャツだ。別にファンじゃないんだが、パントーハが(ライバルの)CRフラメンゴを応援しているのが理由の一つさ。それに、ボタフォゴFRはスタジアムに招待してくれたしね」
──パントーハに「観光客みたいなファッションだ」と揶揄されたが?
「ファッションのコンテストじゃないんだから、快適だと思う服を着る。そもそも、観光客として景色を楽しみに来ているのも事実だし、戦うという役割も果たす。この街では、みんなが地元のパントーハびいきで、あまり自分のことは受け入れてもらえないと思っていたけど、みんなが歓迎してくれて嬉しいよ。ビーチで地元の人達とバレーボールや、ビーチテニスをしたし、サンバにも行った。素晴らしい経験ができている」
──敵地で王者に挑戦することで、いかに自分の名を知らしめたいか。
「自分としても、このタイトルマッチが決まった時、それがみんなにとって最上のタイトル挑戦者じゃなかったであろうことは自覚があって。この階級を見渡したときに、パントーハは既に多くの挑戦者を倒しているし、ランカーの中では負傷者も出ている。
他に唯一のタイトルコンテンダーとなり得たのはムハンマド・モカエフだけど、同じ大会で試合をした俺の方が、彼よりもエキサイティングな戦いをしたから、UFCが俺の方を選んだ、ということだ。アンダードッグと言われようが、どう悪く言われても、そんなことはどうだっていい。俺は世界一になるためにここに来たんだ。ケージの中で目の前の相手を倒して」
──勝った場合は、パントーハに再戦の機会を与えたいと思う?
「いや、一度でケリをつけて、地元(豪州)のパースで誰かと戦いたい。ファンも、フライ級タイトルマッチの再戦には飽き飽きしていると思うけど、もしUFCが再戦と決めたら、受け入れ、自分が最強だと再び知らしめるだけだ」
──試合展開はどうなる?
「距離を保ちつつ、角度を変えながら打撃を放つ。相手は本当に頑丈だが、いずれは雑になり、しんどい展開になるだろう。俺がただのテクニカルなファイターでなく、タフだってことも証明するつもりだ」
──2023年1月にブランドン・モレノが王者デイブソン・フィゲイレードをリオで破ったとき、暴動寸前になったが?
「そうだね。アリーナを出る時にボトルが投げつけられるだろうけど、それもブラジルでの経験の一部さ」