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「ジムでもちろん見てたよ。パンチがとても速くて良かった。どれくらいこっちにいるんだ? 2カ月? それなら一緒に練習できるね」──コナー・マクレガーが平本蓮(剛毅會)と対面し、事前に平本の映像を見ていたこと、そしてともに練習することを語った。
ABEMA格闘公式YouTubeチャンネルにて、『<独占密着>平本蓮×マクレガーの対面の瞬間! 見たことない“純真無垢”な平本蓮、日本から9,200キロ、憧れとの遭遇』が4月24日、公開された。
アイルランド・ダブリンのSBG(Straight Blast Gym)に海外修行に出ている平本。その動機を、「やっぱコナー・マクレガーがいたからMMA始めたし、まあ何はともあれ、僕の今の夢を持てるようになった人っていうのは、王道なのかもしれないけど、コナー・マクレガーのおかげなので。コナー・マクレガーに憧れて格闘技やってる、まである」と、格闘技を始めるきっかけのひとつとなったマクレガーがいるジムだから、それを体感するために、日本から訪れたと語る。
到着後、時差ボケも残るなか、午前中からの練習に参加。
「そわそわします。緊張しますね。(マクレガーが)来るみたいな噂はちらっと聞いたんですけど、ただこんな朝早くにあんなスター、起きんのかなっていう。いや、そうなら僕も改心しますね」と笑顔で、まずはグラップリングクラスに参加した。
最初の遭遇から、平本にとっては貴重な出会いがあった。
ヘッドコーチのジョン・カバナーの案内のもと、朝11時からカバナーの柔術クラスに参加。「イチ・ニ・サン、ハジメ!」と日本語で合図を出したカバナーは、アイルランド人として初の黒帯柔術家。マット・ソーントンに師事し、欧州柔術選手権で優勝し、MMA経験も持つ。
コナー・マクレガーのみならず、マクワン・アミルカーニ、グンナー・ネルソンらUFCファイターを指導してきた名将は、平本のSBGジム来訪を、「私はこれまでの人生でずっと日本の柔術、空手、MMAを学んできた。だけど、日本の選手とトレーニングをするのは初めてなんだ。とても光栄だよ。ここまで遥々学びに来てくれたことが嬉しい」と歓迎する。
ドリル練習では、相手のテイクダウンに小手巻きからあえて背中を向けて正対してギロチンチョークの動きを反復。UFCフライ級タイトルマッチでデイブソン・フィゲイレードがアレックス・ペレスを極めた動きを、ヒジの位置などカバナーは細かく指導した。
初日を終えた平本は、「いや、やっぱ最初はキツいっスね。まあ時差に慣れればだいぶ楽になる。もう頭痛くて集中力と、なんか動きにたるみが出ちゃう。ダメですね、スタミナがまだ」と、本調子ではないというが、UFC世界ライトヘビー級7位のジョニー・ウォーカーらと、この日届いたという『PowerKube/Combat Performance Centre Pro』のパンチングマシーンのテストに参加すると、周囲の見る目を変える打撃を見せた。
鋭い打突で右ストレート、右ハイで47700の数値を記録すると、ギャラリーからは歓声と拍手が沸き起こり、平本も「永遠に遊べますね」と笑顔。この初日はマクレガーは現れなかったものの、「時差ボケで動きが悪い、この愚態を見せるわけにいかなかった。今日、コナー来なくてよかったです。完璧な状態で会いたいから。セルジオ(ペティス)のときも僕、ちょうど調子良くなってきたところで来てスパーリング参加で『おー』ってなったので」と、体調を戻してから憧れの人に会いたいとした。
「今日はジョン・カバナーが柔術のコーチで、柔術メインの練習だったんで、ストライキングは少なかったんですけど、とりあえずグラップリングの練習は楽しかったですね。今日もジム来る人、ジム来る人みんなちょっと髭生えてるやつが来ると、“あれ?”みたいな感じだった」
翌日は、ケージレスリングのシチュエーションスパー。スプロールのバービーなどをこなした後、突如、マクレガーがやってきた。
「ああ、ヤバ。信じられない。すげえ、本物だ。かっこいい。うわ、ヤバい。直視できないスよ。実在したのかって。俺ガチで生まれてきて、こんなに好きな人をこんなに憧れた人をこの距離になったの初めてかもしれないです。1番近いので、トラビス(スコット)の今年行ったライブだったんで」と、ケージ越しのマクレガーの姿に、練習の疲れも語彙も失うほど、目を輝かせる平本。そこには、素直にマクレガーのファンであることを隠さない格闘技を愛するファイターの姿が映し出されている。
しかし、憧れだけで終わるつもりはない。
「食らいつきたいと思ってるんで。やっぱりそんなファン目線で見てらんないスね。いまは食らいついてナンボなんで、このアイルランド中にどうにか仲良くなって、食い込みたいですね」と、ファイターとしてマクレガーに認められて、傍でその強さを吸収したいと考ている。
具体的な策を問われると、「もう本当ジムでスパーリングしてから。いままだグラップリングだけじゃないですか。グラップリングでも“そこそこやるやん”みたいな雰囲気ですけど、打撃やったときが真のアレ(見せどころ)なんで、それでたぶん、絶対“ヤバいやつ来た”ってなる自信はあるんで」と、滞在期間中にマクレガーと対峙するとした。
「デカいっスね。ストラッサー(起一)さんぐらいデカいっすね。(身長は175cmで)僕(174cm)とあんま変わんない。まだ時差ボケがキツいですけど、全然一瞬で飛んだっスね。マジ、疲れ飛びます。すげえ、本物だと思って。凄かったです。まだ観光客扱いされてるんで、スパーリングで“あいつヤバい、ヤバいやつ来た”みたいになって、証明します」と語る平本は、マクレガーの動きに触発されてシャドー。その背中をケージの中から、マクレガーは見つめていた。
対面はいきなり訪れた。
マクレガーがオーナーを務めるアイリッシュ・パブ『The Black Forge Inn』に足を運んだ平本。そこにマクレガーが来店し、気さくに客に話しかけていく。
「俺なら発狂してますね。すごいな、見習おうかな。カッコ良すぎ」と、スーパースターのファンへの対応に驚く平本だが、 妻・里乃さんからの「写真撮ってもらおう」の誘いに、「やだ、緊張する。いや、あんまり。恐れ多い」と、自ら写真を求めることはせず。
しかし、そこにマクレガーが現れ、平本と握手し、肩を抱いた。里乃さんが「初めてみました、こんな顔」という平本の笑顔。SBGジムで練習したことを伝えると「もちろん見てたよ。パンチがとても良くて速かった。いいヤツだね」と、平本の動きを称賛。「どれくらいこっちにいるんだ?」と、問いかけてきた。
「2カ月」と答える平本に、マクレガーは嬉しそうに「それなら一緒に練習できるね」とハグ。平本陣営から「7月にビッグファイトがある」と伝えると、なんと、マクレガーは、「サイタマ? いいね。俺は君のハイライト映像を見たんだ。次の相手はフロイド・メイウェザーと試合をした相手だろ?」と、事前に平本の映像をチェックしていたこと。さらに朝倉未来との試合(7月28日『超RIZIN.3』)が待っていることまで把握していた。
2024年6月29日(日本時間30日)『UFC 303: McGregor vs. Chandler』で、マイケル・チャンドラーとの大一番を控えているマクレガーがもし、大事な試合前の練習に平本を加えることになれば、平本にとって貴重な時間になるだろう。
「そのタトゥー、目のところにも入っていていいな。会えてよかったよ」と、スタイルも気に入った様子の“ザ・ノトーリアス”は、今後、マット上で自身の胸元と似た平本のタトゥーも目にすることだろう。
「嬉しすぎる。信じられない。頑張れそうですね」──まだ、平本のアイルランド修行ははじまったばかり。かつて「精度はパワーに勝り、タイミングはスピードを凌駕する」と語ったマクレガーのもとで、平本はどんなMMAを披露し、進化させるか。今後のABEMA密着映像にも注目だ。