2024年4月27日(土)東京・後楽園ホール『MAROOMS presents KNOCK OUT 2024 vol.2』にて、スーパーファイトのKNOCK OUT-BLACKフェザー級3分3R延長1Rで川上叶(龍生塾)と対戦する龍聖(MAJESTIC/Team KNOCK OUT)のインタビューが主催者を通じて届いた。当初は2月大会で実現予定の一戦だったが、龍聖のインフルエンザ感染により直前で延期され、今大会にスライド。仕切り直しの一戦に、龍聖はどんな思いを持っているのか?
別に『団体対抗戦』とは思ってないので
──2月はインフルエンザ感染のため試合が直前で延期となりました。その時はどういう状況だったんですか?
「試合の4~5日前ぐらい、火曜日か水曜日に熱がすごく出て、せきもひどくなって。練習先でインフルにかかった人が何人かいたので、『やばいな』と思いながら検査を受けたら、陽性だったって感じです」
──では、大会当日はどう過ごしていたんですか?
「薬を飲んで熱も下がっていたので、家で配信で大会を見ていました」
──自分がメインで戦うはずだった大会をそんな状況で見るのは、悔しかったですか?
「いや……別に悔しいとかはなかったですけど、『出たかったなあ』と」
──そういう気持ちで大会を見ることは少ないと思うんですが、実際に見てみて、どう思いましたか?
「正直、ちょっと物足りなかったですね。お客さんもそう感じたんじゃないかなと思います。やっぱり自分が締めなきゃダメだなとも感じましたし、僕だったら『久井大夢vsチュームーシーフー』をメインにするけどなあと思いながら見てました。外国人同士のメインだと、お客さんもあんまり感情移入できないんじゃないかと思って」
──大会後、練習はいつ頃再開したんですか?
「発症してから1週間ちょっと休んで、ちょっとずつ再開していった感じですね」
──結果的に、川上叶戦に向けての準備期間が2カ月増えたわけですが、どうしていましたか?
「『これもできるよね』『この攻撃も当たるよね』という感じで、攻め方の引き出しを増やしていった感じですね。対策や作戦のベースは2月の試合前に全部できていたので、その点ではやることは変わってなくて、そこにプラスして攻撃のバリエーションを増やしていきました」
──では、試合に対する自信はさらに深まった?
「そうですね。まあもともと、全然問題ないと思っていたんですが、2月から今までの期間で増えたバリエーションも数にするとけっこう多いので」
──ちょっと話が変わりますが、3月20日のK-1代々木大会で、「フェザー級頂上決戦」と銘打たれた軍司泰斗vs.門口圭佑の一戦が行われましたが、どう見ましたか?
「中継で見ましたが、空手みたいな試合でしたよね。『こんな感じかー』と思いました。2人とも自分と同じ階級の強い選手だし、いつか対戦したいと思っている選手同士ではありますが、『意外とこんな感じになるのか』と。もっと違う展開になると思っていたので」
──その試合も含めてなんですが、団体対抗戦となると、実力が拮抗したこともあるとは思いますが、どうしても「負けられない」という思いが強くなって、いつもより固くなってしまう選手が多い印象があります。その点、龍聖選手はどうですか?
「僕は今回の試合、別に固くなるとかはないと思いますよ。別に『団体対抗戦』とは思ってないので」
──そうなんですか?
「あくまで『俺vs.誰か』で、それが今回は川上だというだけなんで。それはいつもと変わりないです」
──では、「KNOCK OUT vs シュートボクシング」というわけではないと?
「『KNOCK OUT』イコール俺だと思ってるんで。それはいつも変わらないじゃないですか。だからその部分については、別に何とも思ってないです。そもそも、『負けられない』のはいつものことじゃないですか。その意識も僕は他の選手と違うと思いますし、そういう意味で『KNOCK OUT』を代表できる選手も僕しかいないと思ってますから」
──なるほど。では、改めてそれが見える試合になると。
「そうですね。そこもいつも通りではありますけど」
──ただ、勝って見えてくるものは今までの試合と少し違う部分があるのでは?
「それは確かだと思います。比べて見る人も多いと思いますし、そこにつながるとも思ってきますし。その意味では大事な一戦ではありますね」
──では、何が見えてくるといいと思っていますか?
「本当の意味での“頂上決戦”がやりたいですし、そこにつながればいいなと思います」
──ファンも望んでいるでしょうしね。その期待に応えたいという気持ちは?
「それは別にないですね。僕自身は自己満足でやってて、自分を証明したいと思っているだけなんで。ただ、エンターテインメントというのはお客さんがいてこそ成り立っているものだし、僕はそのお客さんのチケット代からお金をもらって生活しているので、プロ意識は持っているし、よりすごいものをお客さんに見せなきゃとは思ってますよ。その中で、ファンが望むものは自分もやりたいと思うし、自分がやりたいと思うからファンも望むのかなとも思うので」
──そういうことなんですね。そして今大会は、今の練習仲間である古村光選手、Kiho選手とともに出場ということになりました。そこについては?
「そうですね、みんなでいい試合をしたいなというのはあります。ただ光は、僕が個人的にも親しくしている壱・センチャイジムとの試合なので、個人的には複雑なところもあって……男同士の真剣勝負ですし、僕からは『どっちに勝ってほしい』とかはないですけど」
──現状、チームの状況はどうですか?
「みんないい感じでやれていると思いますよ。選手が増えて活気もありますし。ちょっと前まで、こんな感じで一緒に練習するようになると思ってもいなかったメンバーでもあるので、不思議な感じがするし、『何があるか分かんないな』とは思いますけど」
──練習は龍聖選手が引っ張っているという感じですか?
「いや、別にそういうわけでもないですけどね。それぞれにやるべきことは違いますし、僕は僕のやるべきことをやっているという感じなので。その中で対人練習もやったり、サーキットトレーニングなんかは一緒にやったりして、そういう時はみんなで高め合うという意識はありますけど」
──さて、延期を経てやっと実現する川上戦ですが、改めて今、思っていることは?
「本当に、持っているものを見せたいですね。勝ち方、倒し方が問われる一戦だと思っているので、しっかりと違いを見せたいと思います」
──では最後に、今回の試合で一番注目してほしいポイントはどこでしょう?
「殺気ですね。いつも言ってますけど、やっぱりお客さんが見たいのは殺気だろうと思うので。それを出せる選手は少ないですけど、俺はそれを出せる選手だと思っているので。そこを楽しんでほしいと思います」