(C)U-NEXT/Zuffa LLC/UFC
2024年3月30日(日本時間31日)、米国ニュージャージー州アトランティックシティのボードウォーク・ホールにて、『UFC Fight Night: Blanchfield vs. Fiorot』(U-NEXT配信)が開催される。
メインイベントは、女子フライ級2位のエリン・ブランチフィールド(米国)と、3位マノン・フィオロ(フランス)の「UFC6戦全勝対決」。
▼女子フライ級 5分5R
エリン・ブランチフィールド(米国)12勝1敗(UFC6勝0敗)※UFC6連勝中 125lbs/56.70kg
マノン・フィオロ(フランス)11勝1敗(UFC6勝0敗)※UFC6連勝中 125.25lbs/56.81kg
現同級王者のアレクサ・グラッソと前王者ヴァレンティーナ・シェフチェンコのTUFコーチ・トリロジー対決後の、挑戦者になると目される、このメインの両者にインタビューを試みた。
大会の模様は、日本時間31日(日)朝8時にスタート予定のプレリムがUFC公式サイトおよびYouTube公式チャンネルでライブ配信されるほか、11時に始まるメインカード6試合を含む全試合が『U-NEXT』『UFC FIGHT PASS』でライブ配信される。
空手をバックグラウンドに持つ自分は、日本に対して大きな借りがあると思っている。次の試合で良いものを見せたい
──今回のメインイベントでのエリン・ブランチフィールド戦のためにフランスで練習してきたのでしょうか。
「えぇ。南フランスのニースにあるいつも練習しているボクシングスクワッドクラブでトレーニングしていました」
──ボクシングスクワッドジムには男性の選手が多いように感じますが、女子選手もいるのでしょうか。
「実はジムのなかで試合に出ているような選手で女性は私だけです。だからほとんどの場合、スパーリング相手は男性なの。でもキャンプではスパーリングのために何人か女性の選手を呼んだりする事もできたから、いつもとは違うトレーニングもできて良かったわ」
──あなたは松濤館空手王者で有名ですが、日本に来て試合をしたことも?
「松濤館空手出身だけど一度も日本に行ったことがないんです。ぜひ行きたいし、もし行けたらとても嬉しいわ!」
──まだMMAが解禁されていない頃のフィオロ選手のフランスでの空手の試合動画を拝見しました。非常に大きな会場で人気があることがうかがえました。そしてサイドキックなど、いまのMMAでの試合に繋がる動きも。
「松濤館空手では、3回フランス王者になっていて、空手の経験に助けられていることは沢山あります。空手の経験は相手に触れられることなく、こちらが触れるという意味でとてもいいベースになっていると思う。ストライキングのスキルという事ではMMAのフィールドで立つ上でとてもいい経験になっています」
──その相手より早くタッチするがゆえに、組みがあるMMAでは重心が浮いてしまう点について、あなたのMMAではどうアジャストしてきたのでしょうか。
「私は5歳の時から空手をやっているけど、もともと父がレスラーだったし、空手から最初にキックボクシングに転向したの。空手からMMAに移行する間にキックボクシングで3試合ほど戦って調整した。ポイント制の空手だけではなく、実際に当ててその後に続く動きを経験した。これは移行するのにいい方法だったと思います」
──伝統派空手出身の選手で、日本には、元UFCファイターでBellator・RIZINで活躍中の堀口恭司選手がいるのですが、彼の試合を見たことはありますか。
「もちろん知ってます! 彼のファイティングスタイルはとても好きです。彼の動きから刺激を受けることは多いです」
──ところで、多才なフィオロ選手は、スポーツ研究の寄宿学校に入学後にスノーボードに打ち込み、スノーボードのフランス国内王者にもなっているとか。空手でもスノーボードでも五輪を目指せるようなあなたがなぜMMAを?
「スノーボードで怪我をしてしまったからMMAを選んだんだけど……MMAのほうが怪我が多かったね(笑)。荒々しいスポーツだから。MMAでも怪我を繰り返しはしたけど、そういうものだから。沢山怪我をして、自分にとって、より安全な戦いの場に変える選択をしたつもり。どうやらそうして工夫して戦うのが好きみたい」
──そして、UAE Warriorsを経て、2021年にUFC入りしてから負け無しの6連勝。2023年9月の前戦で元ストロー級王者のローズ・ナマユナスに、前半をリードして勝ち切ったことは、あなたにとってどんな自信になりましたか。
「あの試合はとても良い経験になりました。全治9カ月のヒザの怪我を経て、試合のためにたった1カ月しかトレーニング期間が無かったから。ローズ・ナマユナスという偉大なチャンピオンを前にして、そういったコンディションを補いながらも自信を持って戦いに挑むという事はとても学びがあった。怪我から復帰して本当に準備期間は少ししかないという環境だったけど、自分にとっては意味のある時間だったと思います」